牢で出会った私の王子

優摘

文字の大きさ
上 下
18 / 30
第一章

18,城

しおりを挟む
「……太陽十架ラナ・クルセ?」
 いつものように中庭パティオに出て長い鎖につながれた時、中庭パティオ片隅かたすみに、弟は、今までは無かった小さな太陽十架ラナ・クルセを見つけた。

 弟は、その小さな太陽十字ラナ・クルセに、鎖が届くギリギリまで寄って行き、しゃがんで見た。
 藍黒らんこく石に金や銀で象嵌ぞうがんされて造られていた、手のひら程の太陽十架ラナ・クルセは、美しかった。

「すごく綺麗……ーーだけれど」

 これは……でなければ、奥つ城おくつき……。

「リシェ」
「兄さま……」
 兄に腕を取られ立ち上がると、弟は自分から兄の頬に口づけた。それから唇に触れると、直ぐに兄に頭を引き寄せられ、濃厚な口づけを与えられた。
 深く唇を合わせ、何度も舌を絡ませる。それだけで良く調教されている弟の身体は、簡単に火が着いた。

それラナ・クルセが、気になるか?」
「んっ……は……ぁ……」
 背後にまわられた兄に耳をまれ、胸のとがりを……口づけだけで、既にっている乳首を弾かれ、弟はあっという間に陥落かんらくする。

「その太陽十架ラナ・クルセは、兄の罪の刻印しるし
「あ…………や……ぁ、リシェ、の……」
「違う」

 ーーこれは純然たる、兄自身の罪。

 兄は、言いながら弟をさいなんでいき、弟は立っているのも覚束おぼつかなくなっていく。

「兄さま……ーーおね…が……、抱……て……くだ……い」

 内腿うちももれたしずくで、兄が、弟の肛門アヌスふちをくるくるたわむれででる頃には、ツーーと、弟の頬を快感による生理的な涙が伝っていた。

「ーーここで? こんな明るい空の下で」
 揶揄やゆする兄の言葉に、素直に弟は頷いた。

「はい、兄……さま、ここで。ーーリシェ足……、開…く、から……抱いて……?」
 兄は、弟の足をすくって横抱き、中庭パティオに据え置いてある大きなソファファラへと歩み、弟を降ろした。

「何をそんな泣き出しそうな表情かおをしているんだ」
「だ…って……! リシェ……初めて、“嫉妬”っていう言葉が……意味、を……」

 ーー知った。

「何故……? そうだ、リシェが自分が言ったのだから……自分で足を抱えて大きく開いて見せなさい」
「んっ……、に…さま……」
 頬に朱をいても、弟は、震える手で足を開く。

「さぁ、どんな恥ずかしいことを言わせようか……? それとも、自分で言うのか? リシェ」
「い…いつも……いつもたくさん、言っているのに……言…わなきゃ、駄目、なの……?」

 くすくす笑って兄は、弟をうながす。
「駄目だよ、リシェ。何回でも言わせると言ったろう? ーーそれに、……? ここで……明るいところで、恥ずかしいことが」

 弟は、コク、と頷いた。
 何回も口にした、恥ずかしいねがいを今日も口にて、兄にねだる。

「あ……、リシェリシェ……ど…うか、この恥ずかしい恰好で、肛門アヌス……兄さま、リシェ肛門アヌスめて、くださ……い。に、さまの舌、とがらせて、リシェ肛門アヌス、くにくにって……いっぱい、えぐって、中まで、 濡らして……!! リシェ……お尻……お尻を振りたい……! ぃあ……っ」

「兄さまが良い、と言う前にもうリシェの尻はれている」

 くちゅり……


「あ……にい、さま……どうか、ゆる……許して……」

 くちゅ……くちゅ、ちゅぷ……っ……

「ひぁっ……あ……い……」

「もうひとつ。じめて欲しいところが
 、……ある、だろう?」
 兄は、焦らすように肛門アヌスをくすぐって、弟に嬌声きょうせいを上げさせた。

「乳首っ……乳首を、一緒にいじめてくださいーーっ! はぅ……っ!!」



 §



「あ……あぁ……っ、…………」

 弟は兄の膝に座らされ、背を兄の胸に預けながら突き上げられていた。

 キツく乳首をまむ、背後から回された兄の指に、弟も手を重ね、身もだえながら、腰を使った。

「何故……“嫉妬”を知った、と……?」
 恍惚こうこつと、しながらさぶられている弟に、兄はささやいた。

「あ……ぅんっ……気持ち……ぃっ……! ーー……って、……ぃさま、あのコに……情を……かけた……でしょ……う? ひぅっ!」

「ーーあの子?」

「あの、十架クルセの、コーーんっ!」

「…………」

「綺麗、だもの。ーーあの、十架クルセ……は……ぁっ……」

「兄さまの情は、お前だけのものだよ。ーーあれは、ただ一人だけの理解者。ーーそれでも、首を切った」

「そう…………あ、あ……もっ……と! もっと、男根ペニス突いてっ!! あ……ーーイく、イかせてにい、さま……あ……っ、ーーリシェドライメスイキしちゃう……っ!!」


「良いよ、リシェ」



 §



「ーーん………ぁ…………」
 弟が、眼を開けると身体はゆったりと、揺れていて、肛門アヌスには兄の男根ペニスで貫かれたままだった。

「にいさま……」

「……リシェお前も兄さまに切られたかったか……?」

 ぐりっと、男根ペニスが奥へ当たり、弟は、気持ちい……と、涙をこぼしながら、ふふっと花がほころぶように笑う。

「は……ぁ…………ぃ……」

「リシェ……」

「兄さま……リシェは、兄さまの重荷になるくらいなら、はかなくなってしまいたかった」

 ーーでも、と、弟は続ける

「でもね、リシェ……、兄さまが思うほど良い子じゃない……」

 ーー罪深いのは、リシェ

「リシェ……」

「兄さまが、リシェを赦してくれるなら……。生きて、こうして……兄さまに可愛がってもらえる方が良い……。兄さま……助けてくれて、ありがとう。リシェは、兄さまと生きたい……だから、兄さまの性奴隷でしかない身だけれど……どうか、罪は半分、リシェにも負わせてください」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お久しぶりです、元旦那様

mios
恋愛
「お久しぶりです。元旦那様。」

三度目の嘘つき

豆狸
恋愛
「……本当に良かったのかい、エカテリナ。こんな嘘をついて……」 「……いいのよ。私に新しい相手が出来れば、周囲も殿下と男爵令嬢の仲を認めずにはいられなくなるわ」 なろう様でも公開中ですが、少し構成が違います。内容は同じです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

処理中です...