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プロローグ
事件
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「リオノーラ!聖女の殺害を企てたことで、お前を捕縛する!」
リオノーラの周りには大勢の憲兵が取り囲んでした。
「そ、そんな!私はそんな事・・・」
「良い訳は無用!取り押さえろ!」
何の釈明もさせて貰えないまま、彼女は憲兵達に取り押さえられ、両腕を背中の後ろで縛られた。
「アルフレッド様!」
リオノーラは婚約者に助けを求める様に、彼の名を叫んだ。
だが、アルフレッドは冷たい目で彼女を見つめ、立っているだけだった。そして彼はリオノーラの妹のマリアンヌの手を取っている。
(どうして・・・!?)
「マリアンヌ!」
リオノーラが妹の名を呼ぶと、マリアンヌは姉に背を向けるように、アルフレッドの胸に顔をうずめた。そして口元に笑みを浮かべているのが垣間見えて、リオノーラは愕然とする。
聖女の称号を持つルシアだけが、王太子のレオンハルトに、必死でリオノーラの無実を訴えていた。だが、レオンハルトは厳しい顔で黙ったままだ。
「ルシア様!信じてください。私ではありません!。・・・アルフレッド様!」
リオノーラの叫びは無視され、突き飛ばされるように、憲兵達に連行された行った。
リオノーラの罪状は、聖女ルシアを毒殺しようと、茶に致死量の毒薬を混ぜたというものだ。
この日、セテリオス王国の宮廷のサロンにて、リオノーラは婚約者のアルフレッドと、妹のマリアンヌと共に、王太子の茶会に呼ばれていた。王太子の隣にはこの度、彼の婚約者となった聖女ルシアが座っていた。
ルシアがお茶を口にしようとした時、アルフレッドが突然それを止めた。ルシアのお茶だけ、色が少し違うと言うのが理由だった。はたして、ルシアのお茶には毒が混入されていた。
そして、メイドの、「お茶を入れる前に、リオノーラがルシアの専用のティーカップを触っていた。」という証言のせいで、リオノーラは捕らえられることになったのだ。
突然の騒動、突然の捕縛、そして連行!。リオノーラは聴取もされず、弁明もさせて貰えず、誰にも会わせて貰えず、そのまま牢に入れられることになった・・・。
婚約者だったアルフレッドの他人を見るような冷たい顔、妹のマリアンヌの笑った口元、王太子レオンハルトの疑うような目、聖女ルシアの彼女を庇う声が、リオノーラの頭の中でぐるぐると回っていた。
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リオノーラの罪状は、聖女ルシアを毒殺しようと、茶に致死量の毒薬を混ぜたというものだ。
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ルシアがお茶を口にしようとした時、アルフレッドが突然それを止めた。ルシアのお茶だけ、色が少し違うと言うのが理由だった。はたして、ルシアのお茶には毒が混入されていた。
そして、メイドの、「お茶を入れる前に、リオノーラがルシアの専用のティーカップを触っていた。」という証言のせいで、リオノーラは捕らえられることになったのだ。
突然の騒動、突然の捕縛、そして連行!。リオノーラは聴取もされず、弁明もさせて貰えず、誰にも会わせて貰えず、そのまま牢に入れられることになった・・・。
婚約者だったアルフレッドの他人を見るような冷たい顔、妹のマリアンヌの笑った口元、王太子レオンハルトの疑うような目、聖女ルシアの彼女を庇う声が、リオノーラの頭の中でぐるぐると回っていた。
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