あぁ残り1年間

山口 光

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なんで僕だけ.........(プロローグ)

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 「がんばれーーー!!」止めどなく部活仲間の声が聞こえてくる度僕は懸命に走る。
 しかし幾ら走っても差が縮まる事は無かった........。

 「惜しかったね......お疲れ」部活の仲のいい友達が声をかけてくれた。
あぁ僕は負けたんだ、あぁ僕は負けたんだ。これでお仕舞いなんだ。
そう思いながら陸上のトラックをあとにした。


 高3の4月下旬、陸上の地区大会この大会で各種目6名が6月に開催される県総体に出場できる。だが6名に入れないとこれで部活ともおさらばだ、公立高校に通ってるため学校の方針で受験に専念するためとのこと。
そんな大事な大会で5000M、15人中9位という結果を残した僕は
帰りのバスでこれからどうしようかと考えていた。

 「また大学でも陸上続けよ.....」
中学からの友達であるかっちゃん(高野和樹)がそう言ってきた。
僕は勿論大学行っても続けるつもりだったが、かっちゃん1500Mで地区大会突破したからか物凄いイラだちを覚えた、他の3年も各種目で地区大会突破して、抜けれなかったのは僕だけだった。
「なんで僕だけ.........」自分に対する嫌悪と部活仲間に対する嫉妬がピークに達していた。

 バスが学校に着いた時、皆んな大会の疲労で寝ていた、
「ありがとうございました!」バスの運転手に挨拶をして僕にとっての最後のミーティングが始まった。
「皆んな今日はよく頑張った、結果がでた者、でなかった者、それぞれ自分の課題が見つかったと思う。その課題を明日からの部活で克服していってほしい。
そして、今日はしっかり疲労をとって早く寝るように!」
そう監督が言って解散となった。

僕たちは大会の荷物整理をし駐輪場に向かった、途中かっちゃんや長野(長野 裕太)そして後輩の下田(下田 諒)が何か話たそうにしていたが僕を思ってか無言で駐輪場まで歩いた。

 「県総体頑張ってね.....」もう僕には何も残ってない、だから後は残ってる者の応援だと思いながら小声で言った。
 「おう、優勝してくるで」
 「あたりまえやん!」
 「はい!頑張ります」と3人とも笑顔で返事してくれた。

それから僕は陸上を引退し大学進学を目標に新たな一歩を踏み出した。

それから1ヶ月後2週間前に受けた模試の結果が返ってきた......。
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