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第2部 自由

お手伝いをさせてください

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 そして、クレアはヴァンに詳細を聞き二人と別れて使用人たちの食堂へと向かった。
 弟子は食事をしてから合流する予定だったとのことだったが彼はそこにはおらず、もしかしたら外庭にいるかもしれないということだったのでそちらに行ってみると、そこには小柄な年若い青年が蹲っていた。

「どうかしましたか⁉︎ 具合が悪いのですか?」
「え!」

 突然声を掛けられたからか、青年はビクリと立ち上がった。

「わああ、ククク、クレア様‼︎」

 狼狽える彼の様子に驚かせて申し訳ないと思いながら、ふと彼の後ろの庭が目に入った。

「これは……」

 青年の背後には、枯れ果て散った花々が広がっていた。

「もも申し訳ございませんっ!」

 小さくなって蹲る青年を見ていると、なんだか気の毒な気持ちが込み上げてくるが、無惨な状態の花々を見ると胸が痛んでくる。

「どうしてこんなことに……」

 思わず口元を抑えたクレアに、青年は遠慮がちに声を掛けた。

「クレア様、実は……」

 青年の説明によれば、この庭園の薔薇は現皇妃が愛してやまない庭園だったそうだ。
 彼は薔薇の手入れをしていたのだが、この薔薇は特殊な薔薇で、とてもデリケートで枯れやすいとのことだ。

「最近までは順調だったんです。でも急にこの有様になって……」
「左様でしたか」

 クレアは、目に前で儚い命が散っていってしまったような感覚を抱いた。
 クレアの心の奥底から、「新しい命を吹き込みたい」という気持ちが込み上げてくる。
 だから、クレアは気がついたら声に出していた。

「是非、お手伝いをさせてください」

 そう言ったクレアの目は、希望に溢れる目をしていたのだった。
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