上 下
13 / 17

王女の縁談

しおりを挟む
騎士団の方では舞踏会の警護について話し合われていた。

「第二王女の縁談……もうそんな動きが」

「周辺国がどんな風に話を詰めてくるかわかりませんけどね。こちらとしては、王女を売り込む良い機会です」

「魔術師団が諜報を担ってくれるのだろう?」

「だといいんですが」

魔術師団にも、第二王女の縁談に関する情報を集めていた。

「……第二王女が周辺国に嫁ぐとなると危険だな」

「まあ、婚姻によって同盟を結ぶということは、これまでの同盟では心もとない……ここか、このあたりでしょうか。」


セルジオが地図を指す。


「嫁ぐとなると侍女がついていく、年頃と容姿からいってリーゼが選ばれるかもしれない……リーゼが外国に嫁ぐなど……」

「あんた私情どっかに置いてこい!」

「良い案がある」

「王女の縁談ですか?」

「周辺国を全部焼いたらどうだろう」


「ヤメテヤメテ」


「嫁になんかいかず、ずっとこの国にいれば良いじゃないか」

我々は何の会議に参加させられているんだろう

魔術師団の精鋭たちは遠い目をしていた。
セルジオ副団長がいなかったら進まない。

「そんなことよりリーゼ嬢をあんたが娶れば王女付きから外れるでしょうが」

「え?」



「え?」


セルジオは後に語る。

嫌な予感がした、と。


何かがぷち。と切れたような。



「大変です!結界が切れました!」
「城の薔薇が一斉に咲きました!」

「丸焼きにした鶏が生き返りました!」
「陛下の髭が膝まで伸びてます!」

「噴水がワインに変わりました!」



「うわあああ、団長落ち着いて!誰か!奇跡が止まらない!」

セルジオが頭を抱えた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

旦那様の純愛。全力で応援致します

恋愛 / 完結 24h.ポイント:298pt お気に入り:2,058

薬師の能力を買われた嫁ぎ先は闇の仕事を請け負う一族でした

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:229

地味な女

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:7

この電話は、時空を超えて

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:0

実の父に隣国へ死にに行けと言われた王女は、隣国の王に溺愛される。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:9,446pt お気に入り:3,784

緑の指を持つ娘

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:17,284pt お気に入り:2,100

私の人生は私のものです

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:107,714pt お気に入り:4,150

処理中です...