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24. ピンク色の令嬢でした
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アンリさんが街に行きたいとのことで、先日見た手芸屋の話をしました。
アンリさんが言うことには、王都の手芸屋は品物の移り変わりが早く、各地の手芸店のほうが品揃えが面白いそうです。
今日の馭者もマイクがしてくれました。
かなり待たせることになるので申し訳ないと思ったのですが、何かのリストを作るなど外でもできる仕事を持っていくから大丈夫とのことでした。
馬車から降りて少し歩くと大通りの雑貨屋の辺りで人だかりが出来ていました。
「何でしょうか、少し見てきますね」
手芸屋の方が手前なのでアンリさんと先に入ることにしました。
アンリさんは棚を細かく見ています。
私は刺繍糸を少し買い足しました。
ケイティが戻ってきて
「フローラ様、帰りましょう」
と言うので何かあったのかと思えば。
「私はラルフ様と結婚するんだから!あんたたちなんか見下してやる!」
という甲高い声が聞こえました。
手芸屋にやってきたピンクのドレスの令嬢は、毛糸を買っていました。
「だめだわ、ラルフ様にこんな安物の糸は似合わないわ!」
ラルフ様という方が他にもいらっしゃるかもしれないので、このままそっと店を出た方がいいのかもしれません。
アンリさんがまだ買い物をしそうなのでどうしようかと思いましたが一旦店を出ました。
マイクも店の前に来てくれていました。
ピンクの令嬢を追いかけて数人の令嬢がやって来ました。
めんどくさいことになりそうな予感がしました。
「あなた、いい加減になさいませ。ラルフ様は婚約されたそうじゃないの。今までは皆さんあなたの虚言をまともに取り合いませんでしたが、ラルフ様に迷惑がかかるのなら許せません」
「もしラルフ様や婚約者様のお耳に入って、不興をかって領地から足が遠退いたらどうなさいますの!?」
いえ、ここにおりますが。
と思いました。ケイティが、フローラを気にかけています。
侯爵家の馬車で来ているので、見る人が見ればわかってしまいそうです。
ピンクのお嬢様は、プルプルと震えています。
数人に責められて、怯えているのではなく怒っているようです。
「でも!ラルフ様は、王都より領地のほうが落ち着くと言ってらっしゃったわ!政略結婚で王都に妻をおいても、私に会いに帰ってくるって言ったわ」
「なっ、嘘でも言って良いことと悪いことがありますわよ!」
また令嬢たちが騒ぎ立てた。
「お嬢様……大丈夫ですか?」
そっと寄ったケイティは、フローラの表情を窺った。
あ、これはダメだ。このまま帰れそうにない。
フローラ様、笑ってる。
「そのお話、私にも教えて頂けます?」
やめてくださいフローラ様!
マイクが口パクで伝えてくる。
「続きはお茶を飲みながらにしましょう。マイク、こちらのお嬢様を馬車に案内して」
ピンクのお嬢様は、首を振って嫌がっている
「あら、先ほどまで皆さん楽しそうでしたのに。続きのお茶会に参加してくださるならぜひいらしてくださいね。
侯爵邸で」
ひいいい、と声があがった。
ピンクの令嬢は馬車に乗るように薦められている。
「私、私の馬車も待たせているので、それで行きますから」
「ついてくるか、家に連絡をするように伝えさせますわ」
ケイティとフローラも乗る。
アンリが買い物を終えて出てきた
「あれ?お客さんが増えてんの?」
「騒ぎになっていましたので」
「あの、すみません私……」
「お話は、後で聞きますわ。何度も話していただくのも聞くのも無駄ですもの。私、無駄が嫌いなんですの。
ああ、同じことを何度も言うのも苦手ですのよ」
にっこりと笑うフローラ。
ピンク令嬢は、青い顔で座っている。
ケイティは、久しぶりにお嬢様キレてらっしゃるわ、と思った。
アンリさんが言うことには、王都の手芸屋は品物の移り変わりが早く、各地の手芸店のほうが品揃えが面白いそうです。
今日の馭者もマイクがしてくれました。
かなり待たせることになるので申し訳ないと思ったのですが、何かのリストを作るなど外でもできる仕事を持っていくから大丈夫とのことでした。
馬車から降りて少し歩くと大通りの雑貨屋の辺りで人だかりが出来ていました。
「何でしょうか、少し見てきますね」
手芸屋の方が手前なのでアンリさんと先に入ることにしました。
アンリさんは棚を細かく見ています。
私は刺繍糸を少し買い足しました。
ケイティが戻ってきて
「フローラ様、帰りましょう」
と言うので何かあったのかと思えば。
「私はラルフ様と結婚するんだから!あんたたちなんか見下してやる!」
という甲高い声が聞こえました。
手芸屋にやってきたピンクのドレスの令嬢は、毛糸を買っていました。
「だめだわ、ラルフ様にこんな安物の糸は似合わないわ!」
ラルフ様という方が他にもいらっしゃるかもしれないので、このままそっと店を出た方がいいのかもしれません。
アンリさんがまだ買い物をしそうなのでどうしようかと思いましたが一旦店を出ました。
マイクも店の前に来てくれていました。
ピンクの令嬢を追いかけて数人の令嬢がやって来ました。
めんどくさいことになりそうな予感がしました。
「あなた、いい加減になさいませ。ラルフ様は婚約されたそうじゃないの。今までは皆さんあなたの虚言をまともに取り合いませんでしたが、ラルフ様に迷惑がかかるのなら許せません」
「もしラルフ様や婚約者様のお耳に入って、不興をかって領地から足が遠退いたらどうなさいますの!?」
いえ、ここにおりますが。
と思いました。ケイティが、フローラを気にかけています。
侯爵家の馬車で来ているので、見る人が見ればわかってしまいそうです。
ピンクのお嬢様は、プルプルと震えています。
数人に責められて、怯えているのではなく怒っているようです。
「でも!ラルフ様は、王都より領地のほうが落ち着くと言ってらっしゃったわ!政略結婚で王都に妻をおいても、私に会いに帰ってくるって言ったわ」
「なっ、嘘でも言って良いことと悪いことがありますわよ!」
また令嬢たちが騒ぎ立てた。
「お嬢様……大丈夫ですか?」
そっと寄ったケイティは、フローラの表情を窺った。
あ、これはダメだ。このまま帰れそうにない。
フローラ様、笑ってる。
「そのお話、私にも教えて頂けます?」
やめてくださいフローラ様!
マイクが口パクで伝えてくる。
「続きはお茶を飲みながらにしましょう。マイク、こちらのお嬢様を馬車に案内して」
ピンクのお嬢様は、首を振って嫌がっている
「あら、先ほどまで皆さん楽しそうでしたのに。続きのお茶会に参加してくださるならぜひいらしてくださいね。
侯爵邸で」
ひいいい、と声があがった。
ピンクの令嬢は馬車に乗るように薦められている。
「私、私の馬車も待たせているので、それで行きますから」
「ついてくるか、家に連絡をするように伝えさせますわ」
ケイティとフローラも乗る。
アンリが買い物を終えて出てきた
「あれ?お客さんが増えてんの?」
「騒ぎになっていましたので」
「あの、すみません私……」
「お話は、後で聞きますわ。何度も話していただくのも聞くのも無駄ですもの。私、無駄が嫌いなんですの。
ああ、同じことを何度も言うのも苦手ですのよ」
にっこりと笑うフローラ。
ピンク令嬢は、青い顔で座っている。
ケイティは、久しぶりにお嬢様キレてらっしゃるわ、と思った。
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