浅はかな婚約者にわかって頂く方法

仙冬可律

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エレンの策略

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「皆様、お気持ちわかりますわ」

それまで黙って聞いていたエレンは、にっこりと笑顔を浮かべた。エレンは令嬢のなかでも理知的で穏やかで、何より婚約者とも友好的でお似合いだと有名だった。

だった。そう、過去形である。
エレンの婚約者のルークもアリスの取り巻きの一人だからだ。
「エレン様は、ルーク様を信頼しているから何もおっしゃらないのかと思っていました」

一人の令嬢が、遠慮がちに言った。

「信頼……まあ、ある意味、ルークに婚約解消をするような度胸はないので信頼してると言えるかもしれませんわね。

それでも、まだ目が醒めないなんて呆れてはいますわよ。」

「私、アリス様に注意をします」

「それは得策ではありません。私に考えがありますので皆様も協力してくださいますか?」

エレンの策略を聞いて、令嬢たちは頷いた。

「……というわけで、婚約者の方にアリス様のことを聞いてきてください。情報を得ないことには準備も出来ませんから」

令嬢たちはアリスのことを婚約者に聞いたり学園で見たりした。

婚約者の反応は様々だった。焼きもちだと思う者、非難だと思う者、不機嫌になる者。

ある日、食堂でアリスが男子生徒数人で食べているときに問題が起きた。
一画の席は高位貴族のために空けてある。
そこにアリスが勝手に座り、男子生徒たちを呼んだのだ。
近くにいた令嬢が教えてあげたところ、アリスは泣き出した。

「知らなかっただけなのに……ひどい、そんな言い方しなくても」

注意をした令嬢は、アリスが高位貴族に見つかる前にと思い親切で声をかけたのだった。
それなのに、あとから来た男子生徒たちはアリスを慰めて注意をした令嬢を非難した。

知らなかっただけなのに、人の過ちを大袈裟に指摘するとは心が狭い

と言ったらしい。

令嬢は食堂を飛び出してしまった。

男子生徒たちがアリスをつれて別の席に移動した。

その後、アリスは一人にならず常に誰かが側にいて色々と教えている。
他の誰かが注意をしないように守っているかのようだ。

エレンは、その注意をした令嬢にも話を聞いた。

ルークからも偶然その話を聞くことができた。

「アリスは知らなかっただけなんだからさ、これから覚えて気を付ければいいだけなんだよ。
エレンもそう思わない?」

「まあ覚えることは多そうですから大変ですわね」

周りが。
ヘラヘラと笑うルークには本音を隠しておいた。

「これアリスがお礼にってくれたんだけどエレンも一緒に食べる?」

ルークはリボンのついた紙袋を見せた。

「手作りなんだってさ。驚くよね」

「はい。」

ルークの能天気さに驚いてます

これは、いよいよですわね


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