9 / 12
ミランダは体を鍛えたい
しおりを挟む
シューゼル家の図書室は少し有名である。
地方の図書館と比べても蔵書数だけでも多いだろう。
とくに、代々の学者の残した写本や原稿、初版本など、第一級の資料が揃っている。
ミランダからすると叔父にあたるシューゼル家の当主はいつでも一族を快く迎えてくれた。
分家筋であるミランダのことも可愛がってくれている。
探したい本があってやってきた。
家の図書室の本は読み尽くした。
妹を頼って王宮図書館に行くことも考えたけれど、やめた。
初夜の準備や男性の体に関することの知識を増やしたかった。
妹に知られたくはない。
わからないから不安なのであって、知ることでアランと良い夫婦になれると思った。
図書室で何冊も、読みふけり記憶していく。仮説をたててあとは実践と、修正、
「ミラ、熱心だな」
声をかけられて飛び上がりそうになった。
「グレン」
従兄弟のグレンだ。
年はミランダより2つ上。昔はよく遊んでいた。
といってもイタズラをするのはグレンとクリスティーヌで、ミランダと兄のフランツは止めていた。
グレンとクリスティーヌに縁談が持ち上がったことがある。
ミランダのほうが年が近いが、クリスティーヌのお守りができるのはグレンだと思ったのだろう。
王子殿下がサロンに行ったのはグレンの紹介だ。
「なかなか刺激的な本を読んでるな」
「勝手に見ないでよ……」
「『夫に愛される閨の作法』『子作りのための部屋作り』『精力のつく食事』……お前の婚約者って不能なの?」
「違うわ!
……多分、違うけど男性は気分が乗らないときだってあるんでしょう?」
「俺はないけど。好きな女といたらずっと触れたくなるし、それ以上だって」
「わー!そういうのはいいから!」
「お前の婚約者って騎士のアラン・リッキーだろ?真面目そうだもんな。あんまりそっちが上手そうではないな、確かに」
「失礼ね!勝手に決めつけないで」
「ふーん」
ニヤニヤしている。
「真面目でなにが悪いのよ」
「悪くないけど、不安だからそんな本を調べてるんだろ?」
「……知ってて損はないもの。体力だって付けないと、騎士の相手は大変だからと聞いたわ。
あなたやクリスみたいに、悪戯をしても面白ければ良いって、私は思えないの。いつも真面目で悪かったわね。つまらないって言われてたけど、アラン様といると安心するの」
「それはもう惚れてるんだろ」
そう言われて、顔に熱が集まった。
「なんだよ、可愛い顔するようになっちまって」
「変なこと言わないで、私たちは政略結婚だし、別に」
「ふーん」
ミランダが普段の状態だったら気付いていただろう。グレンがニヤニヤしている時は悪巧みをしていると。
次の夜会の時に珍しく参加したグレンが話しかけてきた。
ミランダの飲み物を取るためにアランが離れた一瞬を狙って。
地方の図書館と比べても蔵書数だけでも多いだろう。
とくに、代々の学者の残した写本や原稿、初版本など、第一級の資料が揃っている。
ミランダからすると叔父にあたるシューゼル家の当主はいつでも一族を快く迎えてくれた。
分家筋であるミランダのことも可愛がってくれている。
探したい本があってやってきた。
家の図書室の本は読み尽くした。
妹を頼って王宮図書館に行くことも考えたけれど、やめた。
初夜の準備や男性の体に関することの知識を増やしたかった。
妹に知られたくはない。
わからないから不安なのであって、知ることでアランと良い夫婦になれると思った。
図書室で何冊も、読みふけり記憶していく。仮説をたててあとは実践と、修正、
「ミラ、熱心だな」
声をかけられて飛び上がりそうになった。
「グレン」
従兄弟のグレンだ。
年はミランダより2つ上。昔はよく遊んでいた。
といってもイタズラをするのはグレンとクリスティーヌで、ミランダと兄のフランツは止めていた。
グレンとクリスティーヌに縁談が持ち上がったことがある。
ミランダのほうが年が近いが、クリスティーヌのお守りができるのはグレンだと思ったのだろう。
王子殿下がサロンに行ったのはグレンの紹介だ。
「なかなか刺激的な本を読んでるな」
「勝手に見ないでよ……」
「『夫に愛される閨の作法』『子作りのための部屋作り』『精力のつく食事』……お前の婚約者って不能なの?」
「違うわ!
……多分、違うけど男性は気分が乗らないときだってあるんでしょう?」
「俺はないけど。好きな女といたらずっと触れたくなるし、それ以上だって」
「わー!そういうのはいいから!」
「お前の婚約者って騎士のアラン・リッキーだろ?真面目そうだもんな。あんまりそっちが上手そうではないな、確かに」
「失礼ね!勝手に決めつけないで」
「ふーん」
ニヤニヤしている。
「真面目でなにが悪いのよ」
「悪くないけど、不安だからそんな本を調べてるんだろ?」
「……知ってて損はないもの。体力だって付けないと、騎士の相手は大変だからと聞いたわ。
あなたやクリスみたいに、悪戯をしても面白ければ良いって、私は思えないの。いつも真面目で悪かったわね。つまらないって言われてたけど、アラン様といると安心するの」
「それはもう惚れてるんだろ」
そう言われて、顔に熱が集まった。
「なんだよ、可愛い顔するようになっちまって」
「変なこと言わないで、私たちは政略結婚だし、別に」
「ふーん」
ミランダが普段の状態だったら気付いていただろう。グレンがニヤニヤしている時は悪巧みをしていると。
次の夜会の時に珍しく参加したグレンが話しかけてきた。
ミランダの飲み物を取るためにアランが離れた一瞬を狙って。
212
あなたにおすすめの小説
拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様
オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。
【完結】何回も告白されて断っていますが、(周りが応援?) 私婚約者がいますの。
BBやっこ
恋愛
ある日、学園のカフェでのんびりお茶と本を読みながら過ごしていると。
男性が近づいてきました。突然、私にプロポーズしてくる知らない男。
いえ、知った顔ではありました。学園の制服を着ています。
私はドレスですが、同級生の平民でした。
困ります。
三度裏切られたので堪忍袋の緒が切れました
蒼黒せい
恋愛
ユーニスはブチ切れていた。外で婚外子ばかり作る夫に呆れ、怒り、もうその顔も見たくないと離縁状を突き付ける。泣いてすがる夫に三行半を付け、晴れて自由の身となったユーニスは、酒場で思いっきり羽目を外した。そこに、婚約解消をして落ちこむ紫の瞳の男が。ユーニスは、その辛気臭い男に絡み、酔っぱらい、勢いのままその男と宿で一晩を明かしてしまった。
互いにそれを無かったことにして宿を出るが、ユーニスはその見知らぬ男の子どもを宿してしまう…
※なろう・カクヨムにて同名アカウントで投稿しています
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
短編 政略結婚して十年、夫と妹に裏切られたので離縁します
ヨルノソラ
恋愛
政略結婚して十年。夫との愛はなく、妹の訪問が増えるたびに胸がざわついていた。ある日、夫と妹の不倫を示す手紙を見つけたセレナは、静かに離縁を決意する。すべてを手放してでも、自分の人生を取り戻すために――これは、裏切りから始まる“再生”の物語。
特殊能力を持つ妹に婚約者を取られた姉、義兄になるはずだった第一王子と新たに婚約する
下菊みこと
恋愛
妹のために尽くしてきた姉、妹の裏切りで幸せになる。
ナタリアはルリアに婚約者を取られる。しかしそのおかげで力を遺憾なく発揮できるようになる。周りはルリアから手のひらを返してナタリアを歓迎するようになる。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】美しい家庭教師を女主人にはしません、私は短剣をその女に向けたわ。
BBやっこ
恋愛
私は結婚している。子供は息子と娘がいる。
夫は、軍の上層部で高級取りだ。こう羅列すると幸せの自慢のようだ。実際、恋愛結婚で情熱的に始まった結婚生活。幸せだった。もう過去形。
家では、子供たちが家庭教師から勉強を習っている。夫はその若い美しい家庭教師に心を奪われている。
私は、もうここでは無価値になっていた。
女騎士と文官男子は婚約して10年の月日が流れた
宮野 楓
恋愛
幼馴染のエリック・リウェンとの婚約が家同士に整えられて早10年。 リサは25の誕生日である日に誕生日プレゼントも届かず、婚約に終わりを告げる事決める。 だがエリックはリサの事を……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる