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番外編④行き倒れエドガー
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王宮の食堂で働いています。
没落した男爵の三女です。
働かないといけないとなったときに王宮の侍女とどちらにしようか迷ったけれど、料理が好きなので今の職場が大好きです。
両親は申し訳ないと頭を下げてくれたけれど、家事は好きだし、兄や姉のように勉強も出来そうにないし学校への憧れもありませんでした。
周りは子育てを終えた母世代の人が多いので、皆さん可愛がってくださいます。
侍女のほうが結婚に有利だよと聞きましたが、特に結婚願望もありませんし、仕事に生きるのも悪くないなと思っていました。
恋愛どころか最近はときめきもすっかり忘れていました。
ところが。
イケメンさんが倒れています。
黒髪イケメンさんは青い顔で食堂のドアにもたれ掛かって脚を投げ出しています。
それにしても長いな、脚。
どうしましょう。揺すってみたら
「……う、」
と声を出したので、眠っているだけかもしれません。
眉間に皺をよせて、どこか苦しいのかもしれません。
熱はないようです。
厨房の男性職員は気づいてないんでしょうね。業者もそろそろ来る頃なので、誰か呼ぼうかと離れようとしたときに
腕を掴まれました。
「行くな、……リ……、ゼ」
イケメンの人は苦労しているようです。
しかし私はその人ではないのでなんとも反応に困ります。
そのとき、ぐうううううっとお腹が鳴りました。
イケメンは空腹で倒れたのかもしれません。
ちょうど業者の方が来たので、運んでもらいました。
食堂の長椅子に寝かせてもらいました。
「どうしたの、その人」
先輩のスーラさんが他の人も呼んできて、彼を囲みました。
「ドアの前で倒れてました」
「可哀想に。徹夜したんだね。この時期には毎年出るのよ」
お化けじゃあるまいし
「無理をした文官が、空腹であちこちに落ちているから。それを拾って結婚した侍女もいるのよ。ライラちゃんも頑張って大物を拾えるといいわね!」
いや、栗拾いみたいに言わないで
あ、皆さんがうるさいから起きそうですよ
目を開いたら綺麗な緑色の瞳で、見とれてしまった。
「ここは、」
「食堂です。あなた、倒れてたのよ!」
スーラさんがスープを運んできた。
「すみません、とりあえずお腹がすいて職場を出たところから記憶がなくて」
「スープを飲んで、ゆっくり食べ物を入れないと、急に食べたら気持ち悪くなるときがあるからね」
ぐうう、とまた彼のお腹が鳴った。
スプーンを差し出すと、きょとんとして眺めているので
「大丈夫ですか?頭打ったりしてません?これはスプーンといって、こうやって」
掬って口まで差し出せば、ぱくっと口を開いて飲んでくれた。
「どうですか?食べられそうですか?」
頷いて、自分で掬って食べ出した。赤くなっている。
「ああよかった。血行が戻ってきたのね。さっきまでは青い顔でしたわ」
「ライラちゃん、大丈夫そうだからおいで」
スーラさんに引きずられて厨房に戻った。
「赤くなってるのは子供扱いされたからか、ライラちゃんが可愛いからかどっちかだと思うから離れたほうがいいよ」
「そんなことないと思いますよ。表情は固いもの。あら、スープ終わったみたいです。パンは食べられるのかな。昨日のパン残ってましたよね。」
ライラは従業員用の残りのパンをあげた。
遠慮して代金を払うと言われたが、余り物なのでそのまま渡した。
「あんなに働かされて可哀想。お金もないのね。きっと」
ライラは時々彼のことを思い出していた。
食堂では侍女や文官など、多くの人が噂話をしているけれど、イケメンの話題になっても彼らしき人の話は聞かなかった。あれだけの容姿なら目立つと思うのに。
「元気でお仕事されてるといいけど。ご飯ちゃんと食べてるかしら」
もしかしたら既婚者だから侍女さんたちの噂に出てこないのかしら。奥さんのお弁当とか持ってきているから、食堂へは来ないのかも。
がっかりというほどではないけれど、
なーんだ、そっかー。
と少しだけ、残念だった。
実際には文官の会話に多く出ていた。
彼のことは「鬼上司」「天才」「例の、氷の監査」
主に愚痴。名前を言ってはいけないあの人、のような扱いだった。
後日、食堂の監査に彼が訪れて再会することになる。
「えっ、監査って聞いたから食べて行かれるんだと思ってました!」
「あ、いや」
「いろいろ調べると聞いたので、お掃除も念入りにしたし、食材の無駄も調べると思って。王宮の皆さんの元気のために、毎日美味しく作っているので味見してください」
「あの、私は帳簿を見にきた、だけでその」
「座ってください。
それとも、今日はお腹すいてませんか?」
スプーンを差し出すライラ。目の前にはオムライス。
「私に気安く話す女性は君だけだ」
部下が、信じられないものを見たような顔をしている。
オムライス食べてる。
「皆さんの分もありますよ」
ライラは嬉しくなって、お茶を運んで、エドガーの横に立っていた。
「横に立つくらいなら座ってくれ。落ち着かない」
「はい」
「美味いな」
「でしょう?」
「なんで君はそんなに嬉しそうなんだ」
「うちのオムライスを美味しいって言ってくれたのと、あなたがちゃんとご飯を食べているのを見れたのと、既婚者じゃないのがわかって嬉しいです」
「そうか」
鬼上司が女の子と向い合わせでオムライスを食っている。
部下たちは情報の処理が追い付かない。
「私が空腹で倒れてないか気にしてくれたのか」
「無理されているようだったので」
「それなのに、世話をしてくれる妻がいない方が君は嬉しいのか」
「そう、ですね?あれ?おかしいですね。矛盾してますね、私。なんでだろ。」
「おかしいのは私もだ。」
オムライスの最後の一口。
この人、すごく綺麗な食べ方なんだわ。
ライラは嬉しくなった。
「君が嬉しいのが嬉しい。ご馳走さま。」
そういって、微笑んだ。
あちこちでスプーンが落ちた。
「エドガー様が女の子と話してて、笑ってる」
「君たちはゆっくりして戻ってこい。私は先に行く。」
部下にそう言って、立ち上がった。
ライラは見送りに立つ。
背が高いわ、この人。
「会計は」
「勝手に用意したのでいただけません」
「それは困る。監査への温情を期待しているととられかねない。払わせてもらおう」
「そこまで考えていませんでした。厳しいお仕事をされているのですね」
全員の分を払って、ライラはお釣りを渡す。
その手をエドガーは両手で包んだ。
「私はわからないものをそのままにしておけない性質なんだ。近いうちにまた、君に会いに来る」
「は、はい」
ライラはそのあとも、赤くなってぼんやりしてしまっていた。
でも、また来るなんていつになるかわからないし、と思っていたら
退勤時間に迎えに来たのでびっくりしたし
色々書類を見せられて求婚されて嵐のように逃げ場を失った。
天才こわい、仕事はやい。
没落した男爵の三女です。
働かないといけないとなったときに王宮の侍女とどちらにしようか迷ったけれど、料理が好きなので今の職場が大好きです。
両親は申し訳ないと頭を下げてくれたけれど、家事は好きだし、兄や姉のように勉強も出来そうにないし学校への憧れもありませんでした。
周りは子育てを終えた母世代の人が多いので、皆さん可愛がってくださいます。
侍女のほうが結婚に有利だよと聞きましたが、特に結婚願望もありませんし、仕事に生きるのも悪くないなと思っていました。
恋愛どころか最近はときめきもすっかり忘れていました。
ところが。
イケメンさんが倒れています。
黒髪イケメンさんは青い顔で食堂のドアにもたれ掛かって脚を投げ出しています。
それにしても長いな、脚。
どうしましょう。揺すってみたら
「……う、」
と声を出したので、眠っているだけかもしれません。
眉間に皺をよせて、どこか苦しいのかもしれません。
熱はないようです。
厨房の男性職員は気づいてないんでしょうね。業者もそろそろ来る頃なので、誰か呼ぼうかと離れようとしたときに
腕を掴まれました。
「行くな、……リ……、ゼ」
イケメンの人は苦労しているようです。
しかし私はその人ではないのでなんとも反応に困ります。
そのとき、ぐうううううっとお腹が鳴りました。
イケメンは空腹で倒れたのかもしれません。
ちょうど業者の方が来たので、運んでもらいました。
食堂の長椅子に寝かせてもらいました。
「どうしたの、その人」
先輩のスーラさんが他の人も呼んできて、彼を囲みました。
「ドアの前で倒れてました」
「可哀想に。徹夜したんだね。この時期には毎年出るのよ」
お化けじゃあるまいし
「無理をした文官が、空腹であちこちに落ちているから。それを拾って結婚した侍女もいるのよ。ライラちゃんも頑張って大物を拾えるといいわね!」
いや、栗拾いみたいに言わないで
あ、皆さんがうるさいから起きそうですよ
目を開いたら綺麗な緑色の瞳で、見とれてしまった。
「ここは、」
「食堂です。あなた、倒れてたのよ!」
スーラさんがスープを運んできた。
「すみません、とりあえずお腹がすいて職場を出たところから記憶がなくて」
「スープを飲んで、ゆっくり食べ物を入れないと、急に食べたら気持ち悪くなるときがあるからね」
ぐうう、とまた彼のお腹が鳴った。
スプーンを差し出すと、きょとんとして眺めているので
「大丈夫ですか?頭打ったりしてません?これはスプーンといって、こうやって」
掬って口まで差し出せば、ぱくっと口を開いて飲んでくれた。
「どうですか?食べられそうですか?」
頷いて、自分で掬って食べ出した。赤くなっている。
「ああよかった。血行が戻ってきたのね。さっきまでは青い顔でしたわ」
「ライラちゃん、大丈夫そうだからおいで」
スーラさんに引きずられて厨房に戻った。
「赤くなってるのは子供扱いされたからか、ライラちゃんが可愛いからかどっちかだと思うから離れたほうがいいよ」
「そんなことないと思いますよ。表情は固いもの。あら、スープ終わったみたいです。パンは食べられるのかな。昨日のパン残ってましたよね。」
ライラは従業員用の残りのパンをあげた。
遠慮して代金を払うと言われたが、余り物なのでそのまま渡した。
「あんなに働かされて可哀想。お金もないのね。きっと」
ライラは時々彼のことを思い出していた。
食堂では侍女や文官など、多くの人が噂話をしているけれど、イケメンの話題になっても彼らしき人の話は聞かなかった。あれだけの容姿なら目立つと思うのに。
「元気でお仕事されてるといいけど。ご飯ちゃんと食べてるかしら」
もしかしたら既婚者だから侍女さんたちの噂に出てこないのかしら。奥さんのお弁当とか持ってきているから、食堂へは来ないのかも。
がっかりというほどではないけれど、
なーんだ、そっかー。
と少しだけ、残念だった。
実際には文官の会話に多く出ていた。
彼のことは「鬼上司」「天才」「例の、氷の監査」
主に愚痴。名前を言ってはいけないあの人、のような扱いだった。
後日、食堂の監査に彼が訪れて再会することになる。
「えっ、監査って聞いたから食べて行かれるんだと思ってました!」
「あ、いや」
「いろいろ調べると聞いたので、お掃除も念入りにしたし、食材の無駄も調べると思って。王宮の皆さんの元気のために、毎日美味しく作っているので味見してください」
「あの、私は帳簿を見にきた、だけでその」
「座ってください。
それとも、今日はお腹すいてませんか?」
スプーンを差し出すライラ。目の前にはオムライス。
「私に気安く話す女性は君だけだ」
部下が、信じられないものを見たような顔をしている。
オムライス食べてる。
「皆さんの分もありますよ」
ライラは嬉しくなって、お茶を運んで、エドガーの横に立っていた。
「横に立つくらいなら座ってくれ。落ち着かない」
「はい」
「美味いな」
「でしょう?」
「なんで君はそんなに嬉しそうなんだ」
「うちのオムライスを美味しいって言ってくれたのと、あなたがちゃんとご飯を食べているのを見れたのと、既婚者じゃないのがわかって嬉しいです」
「そうか」
鬼上司が女の子と向い合わせでオムライスを食っている。
部下たちは情報の処理が追い付かない。
「私が空腹で倒れてないか気にしてくれたのか」
「無理されているようだったので」
「それなのに、世話をしてくれる妻がいない方が君は嬉しいのか」
「そう、ですね?あれ?おかしいですね。矛盾してますね、私。なんでだろ。」
「おかしいのは私もだ。」
オムライスの最後の一口。
この人、すごく綺麗な食べ方なんだわ。
ライラは嬉しくなった。
「君が嬉しいのが嬉しい。ご馳走さま。」
そういって、微笑んだ。
あちこちでスプーンが落ちた。
「エドガー様が女の子と話してて、笑ってる」
「君たちはゆっくりして戻ってこい。私は先に行く。」
部下にそう言って、立ち上がった。
ライラは見送りに立つ。
背が高いわ、この人。
「会計は」
「勝手に用意したのでいただけません」
「それは困る。監査への温情を期待しているととられかねない。払わせてもらおう」
「そこまで考えていませんでした。厳しいお仕事をされているのですね」
全員の分を払って、ライラはお釣りを渡す。
その手をエドガーは両手で包んだ。
「私はわからないものをそのままにしておけない性質なんだ。近いうちにまた、君に会いに来る」
「は、はい」
ライラはそのあとも、赤くなってぼんやりしてしまっていた。
でも、また来るなんていつになるかわからないし、と思っていたら
退勤時間に迎えに来たのでびっくりしたし
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天才こわい、仕事はやい。
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