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番外編②兄は妹が大好きだった
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妹が、結婚した。
結婚してしまった。
いつかは仕方ないと思っていた。
それでも早すぎるんじゃないか。
学園を卒業してすぐ結婚だなんて、おれはエリーゼを囲いこんだあの男を許さない。
奴は派手な容姿で噂になるような行動をして注目を集め、エリーゼに他の男が近寄らないようにした。
女好きのする容姿と言動で迫れば、真面目で純粋なエリーゼなど恋するに決まっている。
交際前にあいつの本性がエリーゼに伝わるように頑張ったが、力及ばず。
もっと真面目で素朴で他の女から妬まれもしない穏やかな相手が望ましかった。
女性から見れば、
「いい人なんだけど、ちょっとね」
止まりの刺激のないような無害な男が良かった。
そう、こいつのように。
職場で補佐官をしているハインツ。
コツコツ真面目で仕事も早くて、なぜか辞めていく奴が多い俺の部下のなかで唯一長続きしている。根性もある。空気も読める。
「お前みたいな奴が義弟だったら良かったのに。何度も紹介しようとしたのに」
「またその話ですか?私に死ねっておっしゃるんですか?
夜会で独身時代のエリーゼ嬢と挨拶して一曲踊っただけで、ものすごく粘着質な殺意を未だに向けられるんですよ?
ヤンデレ騎士も病的なシスコンも俺にとっては厄介で関わりたくない案件です。そんなことより仕事してくださいクソ上司」
空気読める能力のある奴が、忖度なしにぶった切って本音で補佐してくれるので、仕事面では有能で助かっている。
「アルフレッドめ、結婚してからも愛妻家のふりして夜会で女にデレデレしてるじゃないか、あいつ浮気したら殺していいかな」
「良いわけないでしょ、しかもデレデレしてて話してるのは嫁自慢なので周りもドン引きしてますよ。あなたの妹自慢もそうとうですけどね、はい仕事仕事」
「エリーゼは監禁されてないだろうか、夜会にでてこないのだが」
「お茶会では社交されてるそうですよ。単に旦那と兄が恥ずかしいから出てこないんでしょう」
「なんでお前がエリーゼの状況がわかるんだ」
「私にもいろいろと伝手がありまして。地味な容姿には地味な使い方があるんですよ」
実はこっそり親しい仲の令嬢がたくさんいるハインツだった。
この人、顔と頭は良いのに中身が残念なんだよなー
上司であるエドガーのことをそう思っていた。
「エドガー様、私の友人の妹好きな者が言ってたんですが。そいつも妹が結婚して、俺はこれから何を守ることを生き甲斐にすればいいかわからないって落ち込んでいたんですが、久しぶりにあったらキラキラしてまして」
「なんだ?結婚でもしたのか」
「いえ。エドガー様、そいつが言うには
姪という生き物は、妹の数倍、いや比較が、難しいくらい
可愛く尊いらしいですよ」
「なん、だと……」
「愛らしいエリーゼ様とあの派手な容姿のアルフレッド様のお子様なら天使のように可愛らしいでしょうね。
『おじちゃま』って舌ったらずに呼ぶんでしょうか」
「それは、いやでも、存在しない者よりエリーゼのほうが可愛いに決まって」
「立派なおじさまのほうが尊敬されますよ。さ、仕事片付けてベビー服のカタログを休憩に見ましょう」
エドガーは仕事で疲れはてたあとになぜかベビー服を注文してしまい、エリーゼに叱られた。
結婚してしまった。
いつかは仕方ないと思っていた。
それでも早すぎるんじゃないか。
学園を卒業してすぐ結婚だなんて、おれはエリーゼを囲いこんだあの男を許さない。
奴は派手な容姿で噂になるような行動をして注目を集め、エリーゼに他の男が近寄らないようにした。
女好きのする容姿と言動で迫れば、真面目で純粋なエリーゼなど恋するに決まっている。
交際前にあいつの本性がエリーゼに伝わるように頑張ったが、力及ばず。
もっと真面目で素朴で他の女から妬まれもしない穏やかな相手が望ましかった。
女性から見れば、
「いい人なんだけど、ちょっとね」
止まりの刺激のないような無害な男が良かった。
そう、こいつのように。
職場で補佐官をしているハインツ。
コツコツ真面目で仕事も早くて、なぜか辞めていく奴が多い俺の部下のなかで唯一長続きしている。根性もある。空気も読める。
「お前みたいな奴が義弟だったら良かったのに。何度も紹介しようとしたのに」
「またその話ですか?私に死ねっておっしゃるんですか?
夜会で独身時代のエリーゼ嬢と挨拶して一曲踊っただけで、ものすごく粘着質な殺意を未だに向けられるんですよ?
ヤンデレ騎士も病的なシスコンも俺にとっては厄介で関わりたくない案件です。そんなことより仕事してくださいクソ上司」
空気読める能力のある奴が、忖度なしにぶった切って本音で補佐してくれるので、仕事面では有能で助かっている。
「アルフレッドめ、結婚してからも愛妻家のふりして夜会で女にデレデレしてるじゃないか、あいつ浮気したら殺していいかな」
「良いわけないでしょ、しかもデレデレしてて話してるのは嫁自慢なので周りもドン引きしてますよ。あなたの妹自慢もそうとうですけどね、はい仕事仕事」
「エリーゼは監禁されてないだろうか、夜会にでてこないのだが」
「お茶会では社交されてるそうですよ。単に旦那と兄が恥ずかしいから出てこないんでしょう」
「なんでお前がエリーゼの状況がわかるんだ」
「私にもいろいろと伝手がありまして。地味な容姿には地味な使い方があるんですよ」
実はこっそり親しい仲の令嬢がたくさんいるハインツだった。
この人、顔と頭は良いのに中身が残念なんだよなー
上司であるエドガーのことをそう思っていた。
「エドガー様、私の友人の妹好きな者が言ってたんですが。そいつも妹が結婚して、俺はこれから何を守ることを生き甲斐にすればいいかわからないって落ち込んでいたんですが、久しぶりにあったらキラキラしてまして」
「なんだ?結婚でもしたのか」
「いえ。エドガー様、そいつが言うには
姪という生き物は、妹の数倍、いや比較が、難しいくらい
可愛く尊いらしいですよ」
「なん、だと……」
「愛らしいエリーゼ様とあの派手な容姿のアルフレッド様のお子様なら天使のように可愛らしいでしょうね。
『おじちゃま』って舌ったらずに呼ぶんでしょうか」
「それは、いやでも、存在しない者よりエリーゼのほうが可愛いに決まって」
「立派なおじさまのほうが尊敬されますよ。さ、仕事片付けてベビー服のカタログを休憩に見ましょう」
エドガーは仕事で疲れはてたあとになぜかベビー服を注文してしまい、エリーゼに叱られた。
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