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もっと頑張りたいのに許してくれません
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マリア様のお屋敷でのお泊まり会はとても楽しかった。そこで衝撃的なことを知った。ユミリ様が仰るには隣国では婚前交渉が当たり前に行われているそうだ。婚約者に限ってだが許されているらしい。
子供ができることは避けるものの、かなり深い接触があるようで。
「いくら好きな相手でも初夜にがっつくのはお互いに良い思い出になりませんもの。それまでに少しずつ馴染ませておくほうが、お互いのことをよく知ることができるし愛を育てられますわ」
そう頬を染めるユミリ様はとても同性の目から見ても色っぽく艶やかでした。
あとは香油を使ったマッサージを教えて頂きました。
結婚式を来春に控えたセシリア様は、身体の浮腫をとるマッサージを教えてくださいました。
相手への、つまり男性のマッサージも教えてくださいました。男性の身体は全く違うので日頃からスキンシップを大切にしているそうです。
アルフレッド様の身体をちゃんと見たことがないわ。
私を軽々と抱き上げるからきっと見た目より逞しいのでしょうね
と、考えていたら真っ赤になったようで、
「エリーゼには刺激が強かったかしら」とマリア様が扇子で風をくださいました。
「お二人のペースで良いのよ。」
「でも、男性は我慢の限界があるので頑なに断り続けては、浮気は困りますもの」
三人はそんなことを話していた。
「エリーゼ様は、お付き合いされるのはアルフレッド様が初めてですの?」
「はい、そろそろ婚約者を決めようかという話は出たことがあって、数人の令息令嬢とお茶会をご一緒したことはあります。そのあとに数人の令息にお茶会に誘われたことはあるのですが、恥ずかしながら私はお話が下手なのでお付き合いまで進展しませんでした。男性から敬遠される原因がわからなくて、夜会などでもますます緊張してしまって」
ユミリ様は首を傾げる。
「不思議ですね、城下でエリーゼ嬢の絵姿を見たことがあるのですが。男性に人気の令嬢数人かの……」
「えっ?」
何かの間違いでは。
「エリーゼ様と決まったわけではないので家の方も放ってらっしゃるのだと思いますわ。ただ似た雰囲気の、清楚な貴族令嬢のポストカードですの。花と令嬢というシリーズで、黒髪で緑の瞳の『鈴蘭』というタイトルです。それで街の女性にも人気だそうですよ。」
「私はエリーゼ様が鈴蘭のイメージというのはとてもわかりますの。奥ゆかしくて、清らかで。でも笑い声が鈴のようで可愛らしくて。
あと、大きな葉が花を隠すのが守っているみたいで、アルフレッド様とエドガー様みたいですわ」
そういって三人は笑った。
恥ずかしくて、俯いていた。
後日。
アルフレッド様が訪ねてこられて、お茶を飲んでいた。
ちらちらと見ていたら
「どうしたの?心配事?」とソファーの隣へ座るように誘われた。
緊張しながら、おずおずと座ると肩を抱かれる。
「婚約者なんだから、何でも言って」
ポンポンと肩をあやすように叩かれる。
そっと頭を肩に預けてみる。
えっと、それから。
アルフレッド様のひじ掛けにある手を両手で握って、胸の前に引き寄せた。
アルフレッド様は、私に体重がかからないように体勢を保っている。
「どうしたの?エリーゼ」
「あの、お泊まり会でスキンシップが大切だと教えてもらったので、アルフレッド様に触れてはダメですか?」
「いつも触れてるじゃない」
ギュッと抱き締められる。
「それは、そうなんですけどドキドキするから自分から、もっとくっつきたいんです」
「へえ」
アルフレッド様はクスクス笑った。
「どうぞ?」
両手を広げて、待たれる。
やっぱりアルフレッド様はいつも余裕だわ。
ずるい、と思う気持ちが大胆にさせたのかもしれない。
ソファの上に膝で乗った。
獲物を狙う猫みたいだ。
胸元に飛び込んで、頭がトンとぶつかった。そのままジャケットの中に手を入れて抱きつく。
ベストのボタンを外して、シャツ越しに触れると、脇腹の硬い筋肉に触れた
「ちょっ、エリーゼ」
離されると思ったから頭をぐいぐい押し付けたら、首筋に顔が埋まった。
シャツ越しに体温が伝わる。
直に触ってみたいな、とシャツを捲ろうとした。
「ダメ、エリーゼ、今日はこの辺で」
しぶしぶ離れる。
でも、ちょっとだけアルフレッド様が取り乱しているわ。
「エリーゼの御転婆は久しぶりだね。でも、これ以上はダメだよ。勉強熱心はほどほどにして。」
「でも、もっと仲良くなれるって聞いて」
「二人で一緒に暮らすようになったらもっと色々教えてあげるから、二人で見つけていこうね」
そう言って額にキスをされた。
「また子供扱いして、ひどいわアル様」
「本当に、勘弁して。とりあえず視界の暴力でこれ以上は耐えられない。最後までしてしまうかもしれない」
そういって、腰からお尻、ふくらはぎを軽く撫でられた。
スカートがずり上がって、足が見えているしお尻も形がわかってしまう。
こんなはしたない格好だったなんて
「がんばるエリーゼも可愛いけど、奥さんになるまで僕がせっかく耐えてるんだから。」
頬を突っつかれた。
「……はい」
子供ができることは避けるものの、かなり深い接触があるようで。
「いくら好きな相手でも初夜にがっつくのはお互いに良い思い出になりませんもの。それまでに少しずつ馴染ませておくほうが、お互いのことをよく知ることができるし愛を育てられますわ」
そう頬を染めるユミリ様はとても同性の目から見ても色っぽく艶やかでした。
あとは香油を使ったマッサージを教えて頂きました。
結婚式を来春に控えたセシリア様は、身体の浮腫をとるマッサージを教えてくださいました。
相手への、つまり男性のマッサージも教えてくださいました。男性の身体は全く違うので日頃からスキンシップを大切にしているそうです。
アルフレッド様の身体をちゃんと見たことがないわ。
私を軽々と抱き上げるからきっと見た目より逞しいのでしょうね
と、考えていたら真っ赤になったようで、
「エリーゼには刺激が強かったかしら」とマリア様が扇子で風をくださいました。
「お二人のペースで良いのよ。」
「でも、男性は我慢の限界があるので頑なに断り続けては、浮気は困りますもの」
三人はそんなことを話していた。
「エリーゼ様は、お付き合いされるのはアルフレッド様が初めてですの?」
「はい、そろそろ婚約者を決めようかという話は出たことがあって、数人の令息令嬢とお茶会をご一緒したことはあります。そのあとに数人の令息にお茶会に誘われたことはあるのですが、恥ずかしながら私はお話が下手なのでお付き合いまで進展しませんでした。男性から敬遠される原因がわからなくて、夜会などでもますます緊張してしまって」
ユミリ様は首を傾げる。
「不思議ですね、城下でエリーゼ嬢の絵姿を見たことがあるのですが。男性に人気の令嬢数人かの……」
「えっ?」
何かの間違いでは。
「エリーゼ様と決まったわけではないので家の方も放ってらっしゃるのだと思いますわ。ただ似た雰囲気の、清楚な貴族令嬢のポストカードですの。花と令嬢というシリーズで、黒髪で緑の瞳の『鈴蘭』というタイトルです。それで街の女性にも人気だそうですよ。」
「私はエリーゼ様が鈴蘭のイメージというのはとてもわかりますの。奥ゆかしくて、清らかで。でも笑い声が鈴のようで可愛らしくて。
あと、大きな葉が花を隠すのが守っているみたいで、アルフレッド様とエドガー様みたいですわ」
そういって三人は笑った。
恥ずかしくて、俯いていた。
後日。
アルフレッド様が訪ねてこられて、お茶を飲んでいた。
ちらちらと見ていたら
「どうしたの?心配事?」とソファーの隣へ座るように誘われた。
緊張しながら、おずおずと座ると肩を抱かれる。
「婚約者なんだから、何でも言って」
ポンポンと肩をあやすように叩かれる。
そっと頭を肩に預けてみる。
えっと、それから。
アルフレッド様のひじ掛けにある手を両手で握って、胸の前に引き寄せた。
アルフレッド様は、私に体重がかからないように体勢を保っている。
「どうしたの?エリーゼ」
「あの、お泊まり会でスキンシップが大切だと教えてもらったので、アルフレッド様に触れてはダメですか?」
「いつも触れてるじゃない」
ギュッと抱き締められる。
「それは、そうなんですけどドキドキするから自分から、もっとくっつきたいんです」
「へえ」
アルフレッド様はクスクス笑った。
「どうぞ?」
両手を広げて、待たれる。
やっぱりアルフレッド様はいつも余裕だわ。
ずるい、と思う気持ちが大胆にさせたのかもしれない。
ソファの上に膝で乗った。
獲物を狙う猫みたいだ。
胸元に飛び込んで、頭がトンとぶつかった。そのままジャケットの中に手を入れて抱きつく。
ベストのボタンを外して、シャツ越しに触れると、脇腹の硬い筋肉に触れた
「ちょっ、エリーゼ」
離されると思ったから頭をぐいぐい押し付けたら、首筋に顔が埋まった。
シャツ越しに体温が伝わる。
直に触ってみたいな、とシャツを捲ろうとした。
「ダメ、エリーゼ、今日はこの辺で」
しぶしぶ離れる。
でも、ちょっとだけアルフレッド様が取り乱しているわ。
「エリーゼの御転婆は久しぶりだね。でも、これ以上はダメだよ。勉強熱心はほどほどにして。」
「でも、もっと仲良くなれるって聞いて」
「二人で一緒に暮らすようになったらもっと色々教えてあげるから、二人で見つけていこうね」
そう言って額にキスをされた。
「また子供扱いして、ひどいわアル様」
「本当に、勘弁して。とりあえず視界の暴力でこれ以上は耐えられない。最後までしてしまうかもしれない」
そういって、腰からお尻、ふくらはぎを軽く撫でられた。
スカートがずり上がって、足が見えているしお尻も形がわかってしまう。
こんなはしたない格好だったなんて
「がんばるエリーゼも可愛いけど、奥さんになるまで僕がせっかく耐えてるんだから。」
頬を突っつかれた。
「……はい」
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