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こんなに広まるなんて恥ずかしいです
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「エリーゼ、送っていくよ」
水を飲ませてくれたあとに、アルフレッド様が支えてくれた。
「髪が、乱れてしまって」
「……やっぱり、そんな姿を誰にも見せたくないし……いや、殺される……
まあでも、」
ブツブツと独り言を言いながら、また抱き上げられた
「歩けます!下ろしてください」
「俺が早く馬車に行きたいからこうしてるだけだから。エリーゼは嫌なの?」
「恥ずかしい、です。」
上着をギュッと掴んで顔を埋めると、深いため息。
呆れられたのかとそっと見上げれば、
唇を固く食いしばっていた。
馬車の中でも抱えられている。
屋敷についても、離してくれない。
「あの、アルフレッド様?」
「やっぱり、今日帰すのはやめる。このままうちに連れていく。」
御者告げようと窓を開けたとき、窓の外に貼り付く顔が見えた。
「うわあ!」
「お帰り、エリーゼ。なかなか降りてこないから迎えに来たよ」
お兄様が。
「くっ、エドガー、お前いつから門に潜んでたんだ」
「さっさと帰れ」
犬でも追い払うかのような手つきでアルフレッド様の顔の前で手をヒラヒラさせる
「さあ、エリーゼ、降りて……」
お兄様が固まった。
あ、視点が
私の髪、服、顔、あちこちを何度も移動している。
「あああああアルフレッド貴様!!
帰るな、今すぐ降りろ、うちのエリーゼに手を出したな?どうなっても知らないぞ?降りてこい、思い知らせてやる」
「お兄様やめて」
アルフレッド様も、胸ぐらを捕まれて腹が立ったのか馬車から降りようとする。
「エドガー、未来の義兄だから今まで我慢していたが、もう限界だ。俺とエリーゼの仲に口を出すのは止めてくれ。どうする気か知らないが、
あんまり騎士をなめない方がいい。お前に怪我をさせたらエリーゼが悲しむ」
こんな時に新しい一面を知るなんて。アルフレッド様かっこいいわ
「そっちこそ文官の人脈なめるなよ?社会的に抹殺してやる」
「お兄様やめて」
本当にやめて
こんなときに新しい一面を知りたくなかったわ
お兄様
このままだと二人の体か経歴に傷がついてしまう
アルフレッド様に後ろから抱きついた。
「好き。好きなの。だからお兄様も怒らないで。私はアルフレッド様じゃないと駄目なのです」
アルフレッド様の肩のあたりから顔を出して、お兄様にお願いした。
お兄様は、大きく一つ息を吐くと、天を仰いだ。
それからいつもの癖であるメガネを直して、議論を終えるときのような表情をした。
「後日、聞きたいことは多々あるが
エリーゼがこういってる以上、仕方ない。
結婚まで無事にたどり着くように両家で制約を結ぶ必要があるな。
たどり着くかどうかはエリーゼの心一つだが」
一応、認めてる、のよね?
アルフレッド様がぎゅうっと抱きしめてきた。
「すぐに、婚約を進めよう。」
「はなれろ」
お兄様に引き寄せられる。
アルフレッド様の馬車を見送って、幸せな気持ちだった。
上着がかけられる。
「ほら、風邪引くぞ。なんでドレスのままなんだ。ショールは、どうした。裏口から入るぞ。こんな姿見せられるか。まったく、俺にこんな片棒を担がせるなんて……」
ぶつぶつ言うお兄様は、数歩先を行く。ヒールのある靴の私が離れすぎないように、時々歩幅をゆるめている。
わかりにくいけど、優しい。
なんで恋人ができないんだろう。
「お兄様ありがとう。心配かけてごめんなさい」
手を繋ぐと、びくっとしてから、握ってくれた。
「お前は、危なっかしいからな」
翌日から、私とアルフレッド様が婚約するらしいと聞いた令嬢たちからおめでとうの手紙が相次いで届いた。
お兄様が職場で
アルフレッド様が騎士団で
それぞれ言ったらしい。
水を飲ませてくれたあとに、アルフレッド様が支えてくれた。
「髪が、乱れてしまって」
「……やっぱり、そんな姿を誰にも見せたくないし……いや、殺される……
まあでも、」
ブツブツと独り言を言いながら、また抱き上げられた
「歩けます!下ろしてください」
「俺が早く馬車に行きたいからこうしてるだけだから。エリーゼは嫌なの?」
「恥ずかしい、です。」
上着をギュッと掴んで顔を埋めると、深いため息。
呆れられたのかとそっと見上げれば、
唇を固く食いしばっていた。
馬車の中でも抱えられている。
屋敷についても、離してくれない。
「あの、アルフレッド様?」
「やっぱり、今日帰すのはやめる。このままうちに連れていく。」
御者告げようと窓を開けたとき、窓の外に貼り付く顔が見えた。
「うわあ!」
「お帰り、エリーゼ。なかなか降りてこないから迎えに来たよ」
お兄様が。
「くっ、エドガー、お前いつから門に潜んでたんだ」
「さっさと帰れ」
犬でも追い払うかのような手つきでアルフレッド様の顔の前で手をヒラヒラさせる
「さあ、エリーゼ、降りて……」
お兄様が固まった。
あ、視点が
私の髪、服、顔、あちこちを何度も移動している。
「あああああアルフレッド貴様!!
帰るな、今すぐ降りろ、うちのエリーゼに手を出したな?どうなっても知らないぞ?降りてこい、思い知らせてやる」
「お兄様やめて」
アルフレッド様も、胸ぐらを捕まれて腹が立ったのか馬車から降りようとする。
「エドガー、未来の義兄だから今まで我慢していたが、もう限界だ。俺とエリーゼの仲に口を出すのは止めてくれ。どうする気か知らないが、
あんまり騎士をなめない方がいい。お前に怪我をさせたらエリーゼが悲しむ」
こんな時に新しい一面を知るなんて。アルフレッド様かっこいいわ
「そっちこそ文官の人脈なめるなよ?社会的に抹殺してやる」
「お兄様やめて」
本当にやめて
こんなときに新しい一面を知りたくなかったわ
お兄様
このままだと二人の体か経歴に傷がついてしまう
アルフレッド様に後ろから抱きついた。
「好き。好きなの。だからお兄様も怒らないで。私はアルフレッド様じゃないと駄目なのです」
アルフレッド様の肩のあたりから顔を出して、お兄様にお願いした。
お兄様は、大きく一つ息を吐くと、天を仰いだ。
それからいつもの癖であるメガネを直して、議論を終えるときのような表情をした。
「後日、聞きたいことは多々あるが
エリーゼがこういってる以上、仕方ない。
結婚まで無事にたどり着くように両家で制約を結ぶ必要があるな。
たどり着くかどうかはエリーゼの心一つだが」
一応、認めてる、のよね?
アルフレッド様がぎゅうっと抱きしめてきた。
「すぐに、婚約を進めよう。」
「はなれろ」
お兄様に引き寄せられる。
アルフレッド様の馬車を見送って、幸せな気持ちだった。
上着がかけられる。
「ほら、風邪引くぞ。なんでドレスのままなんだ。ショールは、どうした。裏口から入るぞ。こんな姿見せられるか。まったく、俺にこんな片棒を担がせるなんて……」
ぶつぶつ言うお兄様は、数歩先を行く。ヒールのある靴の私が離れすぎないように、時々歩幅をゆるめている。
わかりにくいけど、優しい。
なんで恋人ができないんだろう。
「お兄様ありがとう。心配かけてごめんなさい」
手を繋ぐと、びくっとしてから、握ってくれた。
「お前は、危なっかしいからな」
翌日から、私とアルフレッド様が婚約するらしいと聞いた令嬢たちからおめでとうの手紙が相次いで届いた。
お兄様が職場で
アルフレッド様が騎士団で
それぞれ言ったらしい。
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