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こんなに執着されていたなんて聞いてません
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屋敷に帰ると、執事や侍女が満面の笑みで迎えてくれた。
「急にお客様をお連れして驚いたかもしれないけれど、この方は……」
「存じてますよ。アルフレッド様ですね!」
「良かったですね!やっと」
「いつもありがとうございます!」
なんで使用人にこんなに歓迎されてるのかしら
「エドガー居る?」
「ちょうど帰宅されています」
お兄様がこんな早い時間に?
いつもお仕事が忙しいのに
「居るよね、日が暮れるまでにエリーゼを送ってこないと許さないってわざわざ騎士団までネチネチ言いに来るぐらいだから。今日の早退のために昨日鬼のように仕事片付けてたんだもんな!おい、エドガー!」
「アルフレッド様?」
「ごめんね、エリーゼ。君にもあとでたっぷり伝えたいことはあるけど、まずはアイツにじっくり聞きたいことがあって」
アルフレッドの袖をつかんでオロオロしていると、執事に肩を叩かれた。
首を横に振りながら、諦めろという風に
「お嬢様、いつかはこうなると思っていました」
二階のドアがバアアアーン!と開いた。
「うるさいぞ変態め」
お兄様、悪役みたいです
「エドガー!!
エリーゼに俺の求婚が通じてないってどういうことだ!何度も婚約を願い出ているから、もうすっかり婚約者気分でいたのに俺だけだったなんて!
どうしてくれるんだよ!他の求婚者と天秤かけてんのかコラァ!」
「そんなことするわけないだろう」
お兄様の低い声が頭上から聞こえる
「お前より良い婚約者候補がいたら天秤にかけるまでもなくサッサと話をまとめるに決まってるだろうが!」
舌打ち!お兄様舌打ちダメ!
お兄様もアルフレッド様も普段と違いすぎて、ついていけない
「お二人とも、お嬢様が驚かれています。繊細なお嬢様が粗野な男性を苦手とされていることはご存知ですよね。
アルフレッド様もエドガー様も、せっかく被りつづけた仮面がズル剥けでございますが?」
執事が静かにいうと、玄関ホールは静寂に包まれた。
「私、少し着替えたいので失礼します」
そういうとネリーが付いてきてくれた。
「お茶をお持ちしますね」
別の侍女も離れた。
「まあ、座って話そうじゃないかエドガー」
「俺の屋敷だがな」
ギギギキギ、と音がしそうなほど睨み合うお兄様とアルフレッド様。
部屋でネリーに着替えを手伝ってもらいながら、さっきの二人の様子について聞いた。
「お兄様とアルフレッド様は親交があったのね。家にいらっしゃるのも初めてではないのね」
「そうですね、何度かいらっしゃってます。エドガー様がお嬢様と会わないように調節されてました。お嬢様へのお土産のお菓子もほぼ使用人に下さって」
「え?」
「アルフレッド様が『ご家族でどうぞ』って下さるんですがどう見ても若いお嬢さん方の喜びそうな流行りのお菓子なので、あー、これはエリーゼ様に食べてほしいんだろうなって思いながら、皆で美味しく頂いてました」
「え、そんなの私知らないんだけど」
「時々、エドガー様が王都のお土産とかで綺麗なお菓子を渡されてましたでしょう」
「そういえば。珍しいこともあるものだと。忙しいお兄様がわざわざくださるなんて、嬉しかったわ。
もしかして、あれはアルフレッド様が?」
「頬を染めてらっしゃるところ申し訳ないのですが、残念ながら違います。アルフレッド様の下さったお菓子と同じものをエドガー様が買ってお嬢様に渡されていました」
お兄様!
何のために!
「残念ですよね」
「ええ、残念な方です。エドガー様」
「アルフレッド様が後にお嬢様にそのお菓子をあげても、『お兄様に以前いただいたわ、コレ』って言うようにですよね」
めまいがしてきた
「急にお客様をお連れして驚いたかもしれないけれど、この方は……」
「存じてますよ。アルフレッド様ですね!」
「良かったですね!やっと」
「いつもありがとうございます!」
なんで使用人にこんなに歓迎されてるのかしら
「エドガー居る?」
「ちょうど帰宅されています」
お兄様がこんな早い時間に?
いつもお仕事が忙しいのに
「居るよね、日が暮れるまでにエリーゼを送ってこないと許さないってわざわざ騎士団までネチネチ言いに来るぐらいだから。今日の早退のために昨日鬼のように仕事片付けてたんだもんな!おい、エドガー!」
「アルフレッド様?」
「ごめんね、エリーゼ。君にもあとでたっぷり伝えたいことはあるけど、まずはアイツにじっくり聞きたいことがあって」
アルフレッドの袖をつかんでオロオロしていると、執事に肩を叩かれた。
首を横に振りながら、諦めろという風に
「お嬢様、いつかはこうなると思っていました」
二階のドアがバアアアーン!と開いた。
「うるさいぞ変態め」
お兄様、悪役みたいです
「エドガー!!
エリーゼに俺の求婚が通じてないってどういうことだ!何度も婚約を願い出ているから、もうすっかり婚約者気分でいたのに俺だけだったなんて!
どうしてくれるんだよ!他の求婚者と天秤かけてんのかコラァ!」
「そんなことするわけないだろう」
お兄様の低い声が頭上から聞こえる
「お前より良い婚約者候補がいたら天秤にかけるまでもなくサッサと話をまとめるに決まってるだろうが!」
舌打ち!お兄様舌打ちダメ!
お兄様もアルフレッド様も普段と違いすぎて、ついていけない
「お二人とも、お嬢様が驚かれています。繊細なお嬢様が粗野な男性を苦手とされていることはご存知ですよね。
アルフレッド様もエドガー様も、せっかく被りつづけた仮面がズル剥けでございますが?」
執事が静かにいうと、玄関ホールは静寂に包まれた。
「私、少し着替えたいので失礼します」
そういうとネリーが付いてきてくれた。
「お茶をお持ちしますね」
別の侍女も離れた。
「まあ、座って話そうじゃないかエドガー」
「俺の屋敷だがな」
ギギギキギ、と音がしそうなほど睨み合うお兄様とアルフレッド様。
部屋でネリーに着替えを手伝ってもらいながら、さっきの二人の様子について聞いた。
「お兄様とアルフレッド様は親交があったのね。家にいらっしゃるのも初めてではないのね」
「そうですね、何度かいらっしゃってます。エドガー様がお嬢様と会わないように調節されてました。お嬢様へのお土産のお菓子もほぼ使用人に下さって」
「え?」
「アルフレッド様が『ご家族でどうぞ』って下さるんですがどう見ても若いお嬢さん方の喜びそうな流行りのお菓子なので、あー、これはエリーゼ様に食べてほしいんだろうなって思いながら、皆で美味しく頂いてました」
「え、そんなの私知らないんだけど」
「時々、エドガー様が王都のお土産とかで綺麗なお菓子を渡されてましたでしょう」
「そういえば。珍しいこともあるものだと。忙しいお兄様がわざわざくださるなんて、嬉しかったわ。
もしかして、あれはアルフレッド様が?」
「頬を染めてらっしゃるところ申し訳ないのですが、残念ながら違います。アルフレッド様の下さったお菓子と同じものをエドガー様が買ってお嬢様に渡されていました」
お兄様!
何のために!
「残念ですよね」
「ええ、残念な方です。エドガー様」
「アルフレッド様が後にお嬢様にそのお菓子をあげても、『お兄様に以前いただいたわ、コレ』って言うようにですよね」
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