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しおりを挟む「兄からも、『淑女に恥を掻かせるとは何事だ!』と叱られました、全く面目ない…
この上は、あなたの気の済む様、なんなりとおっしゃって下さい!
僕はあなたに罵倒され、罵られても仕方の無い事をしてしまいましたので、覚悟は出来ています。
ああ、出来れば、頭部と手だけは避けて頂きたいのですが…」
彼は頭を下げたままで処罰を待つ。
潔いのね…
作業をしていたと言っていたし、今も書き物をしていた位だ、頭と手は大事なのだろう。
こんな判決を委ねられた事は初めてで、わたしは内心わくわくとしていた。
「それでは、一つだけ」
わたしはスッと息を吸った。
ビクリとダークブロンドの頭が揺れたので吹き出しそうになったが、何とか耐えて、それを告げた。
「わたしの名は、ルビーです。
サファイアでもアンバーでもございません、覚えて頂けますでしょうか、ラッド・ウェイン男爵」
「は、はい、勿論です、ルビー嬢!
その、宝石の名だという事は覚えていたのですが、宝石は沢山ありますから、
いつもごっちゃになってしまって…ははは」
男爵は笑いながら漸く顔を上げたのだが、わたしを見て、目を見開き、固まった。
何かしら?
一目惚れ…はないわね?姉ならまだしも、《わたし》だもの。
前に会っているって事も無いし…知っている人に似ているとか?
わたしは取り敢えず、微笑を浮かべ、彼が何かを言うのを待った。
薄い青色の目はじっと、わたしを見つめている。
わたしが痺れを切らし、口を開き掛けた時だ、彼が突進してきた。
「こ、これは素晴らしい!確かに、あなたは《ルビー》だ!《ルビー》としか言い様がない!
あなたをサファイアやアンバーと呼ぶ者は愚か者ですよ!」
サファイアだの、アンバーだの呼んだ方は、あなただけだけど?
わたしは冷めた目で見ていたが、彼の興奮は収まらなかった。
「ああ、何て素晴らしい赤毛なんだ!夢に見た通りですよ!
あなたの様な方と結婚出来るなんて、僕は世界で一番の幸せ者です!」
ん??
わたしはまだ、結婚するなんて言っていませんけど??
今、漸く顔合わせが始まった所だ。
「ウェイン男爵、落ち着いて下さい、一先ず、お茶にしませんか?」
「落ち着けなんて無理ですよ!
だって、あなたは、僕の理想だ___」
彼の痩せた手が、わたしの手をしっかりと握る。
至近距離に顔を近付けられ、わたしは反射的に後退った。
それでも、彼は臆する事無く、顔を近付ける…
痩せて青白く、年齢よりも十歳は老けて見えるが、
その薄い青色の目だけは、キラキラと少年の様に輝いていた。
「直ぐに結婚しましょう!そして、僕の館に来て下さい!!」
こんな反応は予想していなかったし、こんな風に望まれた事も初めてで、正直、悪い気はしなかった。
エドウィンは、小言は多くても、褒め言葉は少ない…いや、あったかどうかも覚えていない。
熱烈に想われるのも、良いわね…
ふわふわとしつつも、やはり、わたしは現実的なのか、しっかりと足は地面に着いていた。
「安易に結婚を決めては、後悔する事もありますし、
まずはお話をしてみてからにしませんか?」
結婚式の二週間前に鞍替えしたエドウィンが良い例だ。
だが、彼の瞳は揺るぎなかった。
「後悔なんて絶対にしませんよ!
その赤毛が手に入るなら、僕は地獄にでも喜んで行きますよ!」
「赤毛?」
世の中には、赤毛好きの男性もいるだろうが、それとは少し違う気がする。
彼は、《赤毛》に性的興奮を抱いている様に見える…
もしや、彼が望むのは赤毛だけではないか?
わたしの中に浮かんだ疑念を、他でもない彼が肯定した。
「はい!僕はずっと《赤毛》を探していたんですよ!
勿論、ただの《赤毛》ではいけません!色の悪いものや、艶のないものはいけません!
細くても太くてもいけない…これらは既に検証済みです。
ですが、あなたの《赤毛》は…理想的だ、正に神からの贈り物ですよ…」
うっとりと眺められ、わたしはゾッとした。
それで、つい、失礼な質問が口を突いて出た。
「あなたの望みは、わたしではなく、わたしの赤毛なの?」
「その通りです!ああ、あなたはなんて聡明な女性なんだ!
こんな短時間で僕の事を理解した女性は、あなたが初めてですよ!スカーレット!」
「ルビーです!」
わたしは彼の手から自分の手を引き抜いた。
「あなたとの結婚はお断りします!
あなたはわたしの名を覚える気なんてないし、わたしは人形ではありません!
結婚してお飾りになる気はありません!」
自分でも驚く程、強く言っていた。
こんな風に声を荒げて自己主張するなど、家族にでも数える程だというのに、彼は易々とそうさせてしまう。
期待させるだけさせておいて、好きなのは赤毛だけなんて!
この赤毛の所為で、わたしは迷惑してきたというのに…
「そんな、お飾りだなんて思っていませんよ!
あなたさえ良ければ、僕の仕事を手伝って頂きたいですし…」
「仕事って?」
頭に上っていた血が、スッと下がる。
男爵の仕事を妻に手伝わせるなんて変わっていると思ったが、それは違っていた。
「はい、僕は薬師をしていて、注文を受けて薬を作ったりもしますが、主には研究を…」
「待って!それじゃ、わたしが、薬師の手伝いをするの!?」
わたしが薬師の手伝いに!?信じられない!
薬師になるには、専門の学校で学ぶ必要があり、そのほとんどは男性だ。
助手や手伝いでも、女性は少ない。
難しいが必要とされる仕事だし、薬は高価なので高給でもある___
強く興味を惹かれたが、一方で、『そんなに簡単に出来るものだろうか?』と疑問が浮かんだ。
案の定、彼の意図は違っていた。
「はい、《赤毛》は僕の薬に必要なんです!
あなたの《赤毛》を使えば、きっと、凄い薬が出来ますよ!」
そう…
つまり、この男は、わたしと結婚して、わたしの髪を切りたいのね?
彼の嬉々とした表情から、わたしは身の…赤毛の危険を感じた。
「嫌よ!髪は女の命なのよ!絶対に切らないわ!」
「そうは言いますがね、少しくらいは切るでしょう?」
思い返してみれば、確かに長さは揃えているし、整える事もある。
意識していなかったけど、切る事もあるわね…
「僕はそれを分けて頂きたいんです!」
その位ならいいけど…
簡単な事だが、どうにも、その異様な目の輝きが恐ろしく、気が進まない。
「それなら、無理に結婚する必要はありませんよね?」
「いえ、結婚の利点は大いにありますよ!
あなたを側に置く事で、髪の調子を観察出来ますし、切り時も分かります。
あなたが他の男性と結婚した場合、近場であれば良いですが、
異国にでも行ってしまったら、手に入れる事が難しくなるでしょうし…」
案外、考えているのね…
だが、他の男性と結婚した後でも、髪が貰えると思っている辺り、抜けている。
幾ら薬の為とはいえ、夫となる者は嫌がるに決まっているし、
性根の悪い者ならば、高額で売りつけるだろう___
「ルビー・カーティス、どうか、僕と結婚して下さい!
あなたと僕の結婚で、苦しんでいる多くの者たちが救われるでしょう!」
なんとも壮大なプロポーズの言葉だが、ときめきは皆無だった。
結婚に他人は関係ない。
『君を幸せにしたい』とか、『君と一生添い遂げたい』とか、『一緒に幸せになろう』とか、そういう言葉で良いのだ。
それに、結婚したとして、彼は夫らしい事をするだろうか?
いいえ、想像が付かないわ…
「あなたは薬作りが全てなのでしょう?結婚して、夫になれるとは思えないわ」
歯に衣着せずに言ってしまったが、彼は気を悪くするでも、動じるでもなかった。
「確かに、僕は結婚した事がありませんし、これまで興味もありませんでしたから、《夫》がどんなものか、想像も付きません。
ですが、僕は努力するとお約束します、必要でしたら、契約書にサインします!
あなたの大切な赤毛を頂くのですから、僕も出来る限りの事をしてお返ししなければいけないでしょう」
不覚にも、立派な心掛けだと感心してしまった。
「努力、ね…」
わたしはこれまで、エドウィンの要求に応えてきた。
それを今度は、わたしが彼にするのだ___
音を上げないかしら?
「それでは、あなたが立派な《夫》になれるかどうか、試させて下さい。
あなたがわたしの理想の《夫》となった時、わたしはあなたと結婚します」
自分に有利な条件に、わたしはワクワクとしていた。
勿論、彼が音を上げれば、わたしは大人しく引くつもりだ。
「ああ!ありがとうございます!ルビー!!
僕は頑張りますよ!期待していて下さいね!」
彼は再びわたしの手を強く握り、感謝したのだった。
端から見れば、熱烈な恋人だが、目当ては『赤毛だけ』なのだから、複雑だ。
「僕は直ぐにでも結婚したいし、時間も惜しいので、僕の館に来て下さい!
側にいて、僕を躾けて下さい、僕をあなたの望む《夫》にして下さい!」
ラッドは変人ではあるが、前向きで従順だ、きっと善人なのだろう。
苦しんでいる人の為に薬を作りたいっていう位だものね…
こういう人は、これまでわたしの周囲にはいなかったので、良い刺激になった。
「わたしは構わないけど、両親は反対するかも…」
結婚していない男女が長期間、同じ館で暮らすなど、両親が許すとは思えなかった。
それで、両親をこの場に呼び、話したのだが…
「そこまで話が進んでいるなら、結婚したらどうだ、下手に婚約期間を持つから、奪われるんだ」
「そうですよ、あなたを貰って下さるという奇特な方は、もう一生、現れないわよ、ルビー!」
失礼ね!!
ラッドは顔を輝かせているが、わたしは厳しい顔を両親に向けた。
「いいえ、この条件は譲れないわ!
わたしは一度裏切られているのよ?そう簡単に男性を信用したり出来ないわ!
わたしを裏切らないと分かるまでは、結婚なんてしません!」
父は「全く馬鹿な娘だ!」と吐き捨て、
母は「そんな事を言っていたら、一生結婚出来ないわよ!」と脅したが、
わたしは頑として聞かなかった。
両親とわたしの激しい攻防戦の結果、結婚はしないまでも、
この場で婚約を交わし、二人で男爵邸に行き、暮らす事となった。
ラッドは婚約がどういうものか、恐らく分かっていない。
彼は両親の言いなりに、言われるままに書類にサインをしていた。
「結婚まではルビーの純潔は守って頂く」
両親は神妙な顔つきでいるが、
わたしはそれが、『わたしの身を案じて…』ではなく、単なる『世間体』という事を知っている。
そんな事を知らないラッドは、「はい、勿論、お約束致しますよ」と、さっさとサインをした。
あなたは《赤毛》が手に入ればいいんだものね…
ラッドはわたしに魅力を感じている訳ではない。
安心感はあるが、女としては複雑だ。
「一緒に住むのだから、婚約破棄となった場合、賠償金は多く頂きますぞ?」
「はい、構いません」
ラッドは顔色を変えずに答えていたが、両親は彼の格好を見て判断した様で、嘆息していた。
ラッドは爵位持ちとはいえ、その爵位は《男爵》だ。
装いもくたびれているし、乗りつけた馬車も質素だったので、裕福ではないだろう。
「良縁とは言えんが、これで漸くルビーも片付いたな」
「ええ、結婚は半分諦めていましたから、安心したわ」
「考えてみれば、ルビーには貧乏男爵程度が似合いだったな」
「ええ、やはり、ベリンダをエドウィンの相手にして正解でしたわね!おほほほ」
両親は晴れ晴れとしていた。
まだ、結婚は決まっていないのに…
きっと、わたしの顔を見なくなる事が、余程うれしいのだろう。
わたしもこの家から離れられてうれしいわ___
《無能》と判断されてからというもの、わたしはずっと疎外感を味わってきた。
両親はわたしを無視する様になり、わたしに見せ付けるかの様に、兄姉を溺愛した。
兄と姉は以前よりわたしを妬んでいたが、あからさまに意地悪を言う様になった。
『わたしだって、娘よ!わたしを可愛がって!わたしを見て!』
心の中でどれだけ叫んだか知れない。
わたしがどれだけ頑張っても、家庭教師に褒められても、家族は冷笑するだけだった。
わたしは、いつしか、諦めたのだ___
そこからは、然程辛くは無かったけど…それでも、『この館を出る!』という意志は強かった。
「結婚するかどうかは分からないけど、まずは、一歩前進だもの!」
わたしの人生はここから始まるのよ___!
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