【完結】無能烙印の赤毛令嬢は、変わり者男爵に溺愛される☆

白雨 音

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ルビー・カーティス。
わたしの不幸は、カーティス一族の元に、赤毛で生まれた事に始まる。

悠久の歴史を持つ我がカーティス一族には、様々な言い伝えがあり、
「スターンデイズ王国建国の礎を築いた」等は、まだ可愛い方で、
妖精と交わり生まれたとか、火竜を飼い慣らしていたとか、大陸を浮上させたとか…
どれも眉唾であり、当世にあっては「願望から作られた御伽噺」と位置付けられている。
だが、今もって信じられている迷信もあり、その最たるものが、《赤毛救世主伝説》だ。

『赤毛の子は一族に富と繁栄を齎す』

カーティス一族には、古より、《髪色》でその者の能力を測る風習がある。
一番多いのは、黒髪、茶髪で、《平凡》とされ、大成する事は稀である。
白金髪、金髪、銀髪は希少であり、《優秀》とされ、期待も大きく、
貧しくとも援助を受けられ、学ぶ機会を多く貰える為、結果、富を得る事が出来る。
そして、赤髪だが、白金髪・金髪・銀髪の上、全ての頂点であり、《別格》とされていた。

一族においての《赤髪》は、尤も稀で、神様の悪戯で誕生すると言われている。
そして皆、時代の寵児となっている。
天候を自由に操れたとか、悪王に雷を落として民を解放したとか、金山を発掘したとか、温泉を掘り当てたとか…
その度にカーティス一族は窮地を免れ、そして以前にも増して勢力を伸ばしてきたのだ。
正に、一族の救世主!

そんな事もあり、赤毛を持ち生まれてしまったわたしは、
その瞬間から当然の様に、一族の期待を一身に背負わされる事となった。

誕生祝いの宴は一月も続き、わたしは勿論、両親も褒め称えられ、皆が喜びに沸いていた。
尤も、今にして思えば、その一月こそが《幸せの絶頂》だったかもしれない。
この世の理で、上がり切ったものは、後は下がるしかないのだ___

カーティス一族の者たちは、《赤毛出現》に、過度な期待を抱き、気が大きくなっていた。
「我が一族こそ最高に優れた民である!」と傲慢になり、周囲の者たちから呆れられ、疎まれた。
贅沢をし、散財する者も多く、徐々に家計は切迫していったが、
「富が手に入れば巻き返せる!」と止まる事を知らなかった。

一族の誰もが、わたしの《赤毛の奇跡》を待ち望んでいた。

わたしは両親や一族の者たちから、宝の様に大切にされた。
両親は、金髪碧眼の兄姉には構わず、わたしに付きっ切りだった。
その上、兄姉には厳しく、
『おまえたちは金髪だが、赤毛のルビーには到底敵わない』
『神に選ばれたルビーとは、兄妹であっても、同じ扱いは出来ない』
『ルビーには神の子として接しなさい』等々、言い聞かせ、
兄姉がわたしに気軽に接する事を許さなかった。

両親はわたしに何でも買い与え、美しく着飾ってくれ、食事もわたしの分だけいつも別で豪華だった。
一族の者たちは、わたしに贈り物を持って来ては、褒め称えて帰って行った。

わたしは両親から事ある毎に、《赤毛伝説》を聞かされて育った。

「おまえも何れは、我が一族に富と繁栄を齎すだろう!」
「一族だけじゃなく、あなたはこの国の希望よ、ルビー!」

わたし自身、それを信じて疑わなかった。
幼い頃のわたしは、まるで自分が女王にでもなったかの様な心持でいた。

「今日はヂューイの実が食べたいの!」
「このドレス、可愛くない!」
「わたしに勉強なんて必要ないの!わたしは選ばれた者なのよ!」
「わたしに逆らったら、クビなんだからね!」

我儘放題の酷い子供だったので、使用人たちは当然、わたしを嫌っていただろう。
彼等がわたしに従うのは、ただ仕事を失いたくないからだが、
そんな事は子供のわたしに分かる筈もなく、わたしは増長していった。

わたしの破滅が見え始めたのは、八歳になった頃だ。

両親はわたしに「特別な才がある」と信じて疑わなかったが、
家庭教師は一族の者ではなく、優秀且つ真面目な平民で、至極冷静に忖度なく評価を下した。

「ルビー様の学力は、良くも悪くもなく、平凡と言えます」

「まさか!ルビーは特別な子だ!何か秀でたものがある筈だ!」

家庭教師は無情にも頭を横に振った。

「やる気の無さを考慮したとしても、
頭の回転、計算力はお兄様のチャールズ様の足元にも及びませんし、
記憶力、習得力、語学センスはお姉様のベリンダ様の比ではありません。
勿論、これからの取り組み次第ではありますが、期待をなさるのでしたら、チャールズ様とベリンダ様の方が…」

当然だが、この家庭教師は、この時点でクビを言い渡された。
その後、何人も家庭教師は変わったが、皆、言う事は同じだった。

「チャールズ様とベリンダ様はとても優秀です、伯爵家も安泰でしょう。
ルビー様ですか?努力次第ではありますが…あまり過度な期待はなさらない方がよろしいと…」

一人であれば間違いで済むが、皆が皆、同じ事を口にすれば、
どんなに固く信じていたとしても、疑いは生じるもので、
わたしを見る両親の目は、次第に冷たくなっていった。

「おかしいじゃないか!ルビーは赤毛なのに、何故、チャールズやベリンダに劣るのだ?」
「家庭教師は、ルビーは大成しないと申しましたわ…」
「平凡で怠け者だと…」
「赤毛なのに…」
「まさか、不義の子ではないだろうな?」
「何て事を言うの!私を疑っているの!?眉毛と口元はあなたそっくりじゃないの!」
「だが、おかしいじゃないか、一族の赤毛だというのに、何処を取っても平凡だ!」
「赤毛伝説なんて!どうせ眉唾でしょう!私は最初から信じていませんでしたよ」
「救世主を生んだと、おまえだって浮かれていたじゃないか!」

両親は三日三晩、言い争いをし、その結果、わたしに期待するのを止めたらしい。
両親はわたしを見るのも嫌だと言わんばかりに、わたしと顔を合わせず、背を向ける様になった。
抱きしめて愛を告げる処か、挨拶すらしなくなった。

「お父様!お母様!どうしちゃったの!?」

訳が分からず、わたしは両親を追い駆けた。
両親は足を止めたが、振り返ったその顔には、憎しみさえ浮かんでいて、
わたしは自分が何か酷く悪い事をした様な気がし、足が竦んだ。
父が苦々しく嘆息する。

「おまえは期待外れだ、ルビー。
おかしいと思っていたんだ、赤毛だというのに、平凡で…
チャールズの方が余程優秀だし、ベリンダの方が余程美しいじゃないか!
赤毛だからと好きにさせていたが、これからはそうはいかないからな、せめて人並みにしているんだぞ!」

「そうよ、ルビー!あなたの所為で、私は一族の恥を生んだと言われるのよ!
不貞を疑われるなんて、酷い屈辱だわ!全部、出来損ないのあなたの所為よ!!」

これまで、ちやほやされてきた分、わたしのショックは大きかった。
頭は真っ白になり、完全に思考は停止していた。

どうして、そんな酷い事を言うの!?
わたしは特別だって、言ってくれてたのに!
お父様もお母様も、わたしの事、嫌いになっちゃったの?

聞きたかったが、返事が恐ろしくて聞けなかった。
その返事を予測出来たからだ。

両親はわたしを放置する事に決め、代わりにチャールズとベリンダに愛を注ぐ様になった。
そうなれば、使用人たちも無理にわたしの機嫌を取る必要は無くなり、これまでのお返しとばかりに、ツンケンした態度になった。
わたしの髪は、梳かされる事も無くなった。

それから、これまで散々、両親や一族の者たちから格差を付けられてきた、兄チャールズと姉ベリンダは、
屈辱を受けて来た分、わたしに酷い意地悪を言う様になった。

「おまえ、赤毛なのに、何にも出来ないんだってな!俺たちの方が優秀だってさー」
「赤毛伝説なんて、嘘っぱちに決まってるのに、お父様もお母様も馬鹿よね。
私には最初から分かってたわよ、だって、あなた、全然特別じゃないじゃない!」
「ああ、美人のベリンダならまだ分かるけどな、オーラが無いよ」
「お父様と母様、あなたを何処に捨てようか、相談してたわよ、お気の毒様!」
「捨てられたくなきゃ、少しはマシになる事だな!」

容姿や能力を貶され、わたしはまるで地の底に落ち、更に踏みつけにされた気分だった。

「ひどい…みんな、ひどい…!」

「わたしだって、好きで赤毛に生まれたんじゃない!」

「好きで、無能なんじゃない!」

勝手に期待して、勝手に失望して!
あんなに持ち上げておいて、手の平を返すんだ…
もう、誰も信じられない___!!

小さな胸は怒りに燃えていた。
これまで我儘放題にしてきたわたしだ、
残念ながら、閉じ籠り泣いて暮らす程、殊勝で気弱では無かった為、
悔しさ、怒りの矛先は外へ向けられた。
だが、それを表に出す事は避けた。
これ以上、両親から嫌われたら、本当に捨てられるかもしれない。
そうなれば、たかが小娘の自分が生きていける筈がない。

「屈したんじゃない!生きる為に利用するだけよ!
もう、親だなんて思わない!家族だなんて思わない!」


両親はわたしを無視し、チャールズとベリンダは会えば意地悪を言うので、
わたしはなるべく顔を合わせない様にし、気配を消して過ごした。
その裏では、皆を見返そうと勉学に励んだが、家庭教師の見立て通りで、
突如能力が開花する事など無く、兄と姉が通う王立貴族学院には、入学すら出来なかった。

近場の貴族学院への入学が決まった15歳の夏、
カーティス伯爵家に一族の代表が集められ、わたしの処遇が話し合われた。

「これではっきりした、あの子は駄目だ」
「チャールズとベリンダは王立貴族学院に学んでいるというのに…」
「だが、赤毛だぞ?他に何か勝ものがあるのではないか?」
「いいえ、思いつく限りの全てを試しましたけどね、期待外れも良い所よ!」
「赤毛だというから目を掛けてやったのに…」
「赤毛でもなければ、何の取り得も無い、ただの娘ですよ」
「その点、チャールズもベリンダも優秀で、ベリンダは容姿にも優れているでしょう?きっと、良い人に見初められますわ」

散々な言われ様だが、わたしは自分自身が《劣っている》とは思っていない。
ただ、《特別》ではないだけだ。
チャールズ、ベリンダが《特別》なだけだ。

容姿に関しても、チャールズもベリンダも、誰もが羨む金髪碧眼で、
その上ベリンダは繊細な顔立ちで美しく、女性らしい身体つきをしている。
赤毛に丸顔でチビのわたしとは素が違うのだ。
化粧をしても、運動をしても、体を磨き上げても、効果はそこそこ。

「天地が引っ繰り返っても、お姉様みたいにはなれないわ」

15歳のわたしは、「兄姉と張り合うなど無駄な事」と、とっくに悟っていた。

両親はわたしが如何に劣っているかを切々と訴え、一族の者たちが同調した頃合いを見計らい、結論を告げた。

「跡取りの事だが、ルビーにはとても継がせられん、チャールズに継がせるつもりだ」

これこそが、わざわざ一族の代表たちを館に呼び集めた目的だ。

カーティス一族の慣わしで、赤毛の子が誕生した際には、その家の相続権は赤毛の子が持つ事になっている。
赤毛が女性ならば、表向き夫となる者が継ぐのだが、実権はあくまで女性にある。
つまり、わたしは生まれた時から、カーティス伯爵家の相続権を持っていた___

だが、両親はわたしよりも優秀なチャールズに、家を継がせたいと考えた様だ。

「当然と言えば、当然だけど…」

大仰過ぎる。
ここまで大騒ぎする必要があるだろうか?
一族の代表が集まる中で、散々に貶され、反論も許されないわたしの事も少しは考えて欲しい。

「わたしだって、こんな家継ぎたいなんて思ってないのに」

ああ、わたしはどうして、こんな柵のある一族に、赤毛を持って生まれてしまったのだろう?
もっと普通の家に生まれ、普通に愛されたかった。
変な柵なんてなければ、《平凡》でも愛して貰えた筈…

わたしが自分の不幸を嘆いている間に、皆は祝杯に移っていた。

「チャールズ、おめでとう!君なら安心だ!」
「王立貴族学院を卒業したんだ、優秀な後継ぎで伯爵家は安泰だな!」
「私も常々、爵位を継ぐのはチャールズにした方が良いと思っていたよ!」

王立貴族学院を卒業したばかりの二十歳のチャールズは、
皆に持て囃され澄ました顔をしていたが、その口元は笑みを押さえられなかった様だ。

ふん!お兄様は底意地が悪いのよ?
利己主義、合理主義の兄が爵位を継いだらどうなる事か…
推して知るべしじゃない!くわばらくわばら。

「しかし、赤毛だというのに、役立たずとはな…」

祝いの席で愚痴を始めたのは、《赤毛伝説》を信じ…あてにし、散財していた者たちだ。
ずっとわたしを睨み付けているが、わたしは気付かない振りをし、澄まして紅茶を飲んでいた。
そろそろお腹もタプタプだ。

「俺たちを破滅させておいて、呑気なものだな!」
「しおらしく謝罪も出来ないのか!」

赤毛だからって、勝手に期待したのは、自分たちじゃない!
散財し、贅沢をしてきたのも、破滅したのも本人の行いだ。
責任は自分自身で取るべきよ!
引き換え、わたしは八歳以降、質素に暮らしてきたから、責任は十分に取った筈だ。

「おまえは《一族の赤毛》の面汚しだ!」

散々にわたしを責め立てるのを、両親も兄も姉も満足そうに眺めていた。
何と冷たい人たちなのか…とても家族の取る態度ではない。
この時、わたしは心に決めたのだ。

こんな家、結婚して、さっさと出て行ってやるんだから!!

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