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前日譚 ※本編を先にお読み下さい
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しおりを挟むあれ程に、誰かを愛した事は無い。
一目で彼女の虜となり、荒れ狂う嵐の渦中に放り出された。
どれだけ彼女を想い、切望し、胸を焦がした事か。
あんな恋は人生に於いて一度きりだ。
そして、今尚、俺は彼女を追い求めている___
◇◇
俺は十九歳の夏を、親戚筋であるロベール男爵家の別邸で過ごす事にした。
従兄のロベール男爵子息ジョルジュとは年が近い所為か、仲も良く、
「静かな場所で過ごしたい」と零した俺を、快く招いてくれたのだ。
別邸は町の郊外にあり、田園と近くには森林もあり、長閑だった。
初夏を彩る鮮やかな若緑、何処までも広がる青い空に、自然、深く息を吸った。
これぞ、理想郷だ___
「いい所だな、おまえが羨ましいよ、ジョルジュ」
「去年父が相続したんだ、僕も気に入ってるよ、夏を過ごすには最高の場所さ。
ここなら君も気兼ね無く絵を描けるだろう?ユーグ」
俺は子供の頃から絵を描くのが好きだった。
伯爵家の跡取りであるが故に、絵の道に進む事は反対された。
分かっていた事ではあるが、やはり落胆した。
それでも、絵を描く事は止められず、以来、隠れて描く様になった。
夏休暇に伯爵領を離れ、ここに来た理由も、絵を描く為だった。
そういう事情をジョルジュは良く知っていてくれた。
「ああ、感謝するよ、ジョルジュ」
「さぁ、ここが君のアトリエだよ、ユーグ」
用意されていた部屋は、二階の東側、角部屋だった。
十分な広さがあり、明るい、それに窓からは庭が見渡せる。
最高の部屋だ。
「疲れただろう、少し休むといいよ、後でお茶にしよう」
ジョルジュが去り、俺は窓辺に向かった。
窓を開け、身を乗り出す様にし、空気を吸う。
「緑の匂いだ…」
街の空気とは全く違う。
澄んだ空気には、陽と緑を感じる…
自然と口元が緩んだ。
ふと、脇の大樹の緑が揺れた気がし、目を向けた。
「気の所為か?」
誰かに見られていた気がしたが、そこには、ただ、鮮やかな緑の葉を
生い茂らせた大樹が、堂々と立っているだけだった。
◇◇
翌日、ジョルジュが周辺を案内してくれた。
別邸を含む男爵家の土地は広く、散策するだけで半日掛かった。
だが、それだけの価値はある。
作り込まれた花々の花壇が見事な模様を作る庭園。
別邸の側面には、なだらかな芝生の斜面が広がり、それは綺麗に整えられている。
周辺を囲む大樹…自然豊かだ。
男爵家の土地では無いが、少し行けば広大な森林もあり、
街に住み慣れた俺にとっては、正に別世界だった。
「素晴らしいな!」
思わず感嘆の声が漏れた。
「ははは、ユーグなら良さが分かると思っていたよ!少し先まで行ってみよう…」
ジョルジュは俺を森林へと促しながら、何処かそわそわとしていた。
『何かあるのか?』と思ったが、ジョルジュに考えがあるのであれば、
腰を折るのも悪いと思い、黙っている事にした。
そして、それは程なくして分かった。
森林の入り口に近付いた頃、一人の女性が立っているのに気付いた。
森林の方を向いていて、後ろ姿だったが、その豊で腰まである長い髪が目を惹いた。
赤毛…いや、それよりも柔らかく、明るい…珍しい色だ…
ジョルジュを見ると、その目はもう、彼女の事しか見えていなかった。
その頬は赤く、高潮している。
成程な…
俺はそれを察し、ジョルジュから三歩程足を遅らせた。
ジョルジュは早足になり、弾んだ声でその名を呼んだ。
「エリーズ!」
彼女は振り向くと、笑顔を見せた。
「ジョルジュ!」
それは明るく、娘らしく澄んでいて可愛い声だった。
いや、それ以上に、耳心地が良く胸の奥を刺激してくる声だ___
俺が圧倒されている間に、今や二人は抱擁する寸前の距離で、見つめ合っていた。
その熱に、見ている方が気まずく、照れくさくなる程だ。
ジョルジュは奥手なのだろう、ややあって、ぎこちなく遠慮がちな抱擁をしていた。
「エリーズ、僕の従弟を紹介するよ、カルヴェ伯爵子息、ユーグ。
ユーグ、彼女はエリーズ=ミラー、僕の恋人だよ」
察していた通りで、俺は落ち着き払っていたが、彼女に向かった途端、それは破綻した。
エリーズは美しく、不思議な魅力を持つ女性だった。
白い肌に整った顔立ち。
長い睫毛に縁取られた、明るい緑色の瞳は大きく、生き生きとしていた。
薔薇色の唇の端を上げ、綺麗な弧を描く唇は、何処か悪戯っ子の様にも見える。
惹き付けられ、魂を抜かれるとは、この事だろうか?
強烈な印象に、俺はぼうっとし、彼女を見つめていた___
「おいおい、ユーグ、彼女は僕の恋人だよ」
呆れと少しだけ険を含んだジョルジュの声で、意識が戻された。
俺らしくもない___!
俺は自分を叱咤し、伯爵子息の仮面を着けた。
「失礼しました、あまりに魅力的だったので見惚れてしまいました。
ジョルジュが羨ましいよ、ユーグです、よろしく」
手を差し出すと、彼女は貴族令嬢の様な、白くほっそりと美しい手を重ねた。
握手など、これまで幾度となくして来たというのに、
触れると柔らかく、不思議な感動に包まれた。
「エリーズです、あなた、良い人ね」
自分に向けられた笑顔に、胸の奥がキュっとした。
「おまえに恋人が居るとは思わなかった、いつから付き合っているんだ?」
エリーズと別れ、別邸に帰りながら、俺はジョルジュに聞いていた。
ジョルジュは照れくさそうに、口元を緩めた。
「出会ったのは一週間前なんだ、いい子だろう?三日後には告白していたよ!」
三日など!
自分ならば、その瞬間に告白していただろう___
そんな事を考えてしまい、俺は頭を振った。
「彼女の事、本気なのか?親は何と言ってるんだ?」
ジョルジュは男爵家の跡取りだ、両親も相応の相手を考えているだろう。
反対されるのではないか?
「勿論本気さ、親にはまだ紹介していないんだ、作戦を練っている所さ。
だから、内緒にしていて欲しい、時期が来れば、ちゃんと説得するつもりだよ」
時期…
ジョルジュは何処か呑気な所がある。
それが、ジョルジュが学校を卒業する時なのか、
それとも、親を説得する下準備が出来てからなのか…
気にはなったが、『立ち入らない方が良い』と、それを飲み込んだ。
◇
俺にはエリーズに惹かれている自覚があった。
これ以上、深みに嵌りたくは無い___
俺は二人と一緒に居るべきでは無いだろう。
だが、二人は何かと俺を誘って来た。
ピクニック、釣り、散歩、町の見物…
「二人で行けばいいだろう?その方が彼女も喜ぶ」
「エリーズは友達が居ないからね、喜んでいるよ。
それに、これは君の為でもあるんだよ、ユーグ。
絵を描くのもいいけど、少し他の事をしてみるのも創作の刺激になるだろう?」
俺には理解出来ない感覚だ。
俺なら、二人きりがいい。
賑やかである必要は無い。
静かな時間を二人で過ごすだけで、心が満ち足りる。
それに、他の男を呼ぶなど…
俺ならば、そんな愚鈍な事は絶対にしない。
だが、俺を誘うという事は、ジョルジュにとって俺は《恋敵》ではなく、ただの《従弟》だと分かる。
俺はその信頼に応えなくてはいけない___
俺は『断るのは不自然だ』と、三回に一度は誘いに乗る事にした。
せめて、エリーズが嫌な顔をしてくれれば良いのだが、彼女は喜んで俺を迎えてくれた。
「俺が一緒で、君はいいのか?」
「ええ、勿論よ、何故?」
「デートの邪魔をしたくない」
「どんな風に邪魔をするの?ユーグ」
「例えば、ジョルジュが右、君が左、そして、俺が真ん中だ」
「ぷっ!それでもいいわよ、あなたを木だと思って、わたしたちは内緒話をするから!」
「そんな事を始めたら、俺はそっと消えるよ」
「駄目よ、ユーグ!ごめんなさい、もう虐めないから、一緒に居て。
あなたがいなきゃ、面白く無いわ!」
エリーズは気さくで、話し易く、そして、冗談が好きで、人を楽しい気分にさせる。
懸念した通り、彼女に会っていく内、俺はどんどん深みに嵌っていった。
エリーズに会ってからというもの、俺の手は取り憑かれた様に、彼女を描いていた。
彼女の魅力的な表情や、美しい髪の色、瞳の色を思い出しては、
紙の上に表現しようと格闘した。
「赤じゃない、ピンクか…?」
赤色を柔らかくしていくと、その色に近付いた気がした。
ストロベリーブロンド。
だが、何枚描いても、顔や表情は思う通りに描けない。
肖像画が苦手という事もあり、もどかしく頭を掻いた。
「技量の所為か…」
ジョルジュに見つからない様、俺はそれを束にし、暖炉で燃やした。
◇◇
ロベール男爵家の別邸の庭で素描をするのが習慣になってきた。
庭は広く、描き甲斐もあった。
そして、合間に、エリーズを描く…
「ジョルジュの言っていた通り、ユーグは絵が上手なのね」
突然、後ろから絵を覗き込まれ、俺は慌てた。
エリーズの絵を描いている時でなくて良かった…
安堵しつつ、振り返ると、エリーズが悪戯っ子の様な表情で立っていた。
「驚かせないでくれ」
「そんなつもりじゃなかったのよ、熱心だったから、声を掛け難かったの!」
「絵を描いている時は、独りにして欲しい…」
独りの方が集中出来るのは本当で、二人からの誘いを断る口実にも使っていた。
「ユーグ、モデルは要らないの?わたしを描いてよ!」
エリーズが魅力的に笑う。
それは、願っても無い事で、気持ち的には飛びつきたかった。
だが、ジョルジュの顔が浮かぶ…
俺は頭を振った。
「ジョルジュに叱られるから、駄目だ」
「ジョルジュが何故叱るの?」
「君はジョルジュの恋人だろう?教えておくが、他の男と一緒に居てはいけない」
「あなたって、若いのに、お年寄りみたいなのね!」
少なからず、傷ついたぞ!
俺は「むっ」とし、彼女に背を向けた。
「ここの景色は、君より余程魅力的だ」
「あなたって、素直じゃないのね、わたしの事、描きたいんでしょう?」
何処か見通す様な言葉に、ギクリとした。
そんな馬鹿な!気付かれている筈は無い___
俺は誤魔化そうと虚勢を張った。
「いいから、ジョルジュの所に戻ってくれ、俺がジョルジュから恨まれるだろう」
「大丈夫よ、ジョルジュは町に用事があるんですって、陽が沈むまで戻って来ないわ」
「分かった、暇を潰しに来たんだな?」
「ええ、そうよ、だから、あなたはわたしを描くの!」
エリーズが笑い、くるりと周り、俺の前に立った。
長いストロベリーブロンドの髪が、ぱっと広がる___
やはり、とても魅力的で、目が離せなくなる。
俺は新しい用紙を取り出し、筆を走らせた。
エリーズがモデルをしてくれたお陰で、良い絵が描けた。
素描ではあるが、水彩で色を着けるとそれなりのものになった。
「素敵だわ!上手なのね、ユーグ!」
「上手くは無いよ…」
「わたしは気に入ったわ!貰ってもいい?」
「ああ、モデルをしてくれたし、好きなのをあげるよ」
「これにするわ!」
エリーズは絵を取ると、胸の前で持ち、同じ表情をして見せた。
おどけた表情だ。
「どう?そっくりでしょう?」
「ああ、似ている」
「違うわ、絵の方がわたしに似てるのよ!
自信を持って!あなたはきっと、素晴らしい画家になるわ!」
正直、うれしさはあったが、俺は現実を知っていた。
頭を振り、肩を竦めた。
「いや、俺程度の者は珍しくないよ、それに、俺は伯爵家を継がなきゃいけない」
「伯爵が絵を描いてはいけないという掟があるの?」
「いや、そうでは無いが、どちらも中途半端になりそうで嫌なんだ」
「そう、その気持ち、分かる気がするわ」
エリーズの言葉は意外だった。
「君にも何かあるのか?」
「ええ、自分の務めも大事、だけど、恋もしたい」
恋に盲目になると、他が疎かになる…という事か?
だが、それはあるだろう。
エリーズをチラリと見る。
彼女の事を考えていると、自分が馬鹿になった様に思えてくる。
俺は側に咲いていた、一本のピンクのガーベラを手折った。
エリーズの様だと思ったのだ。
だが、エリーズは急に眉を怒らせ、俺を𠮟りつけて来た。
「ユーグ!花を手折っては駄目よ!可哀想だわ!」
彼女の剣幕に驚いた。
まるで極悪人と非難されている気がし、正直、俺は少し気を悪くした。
それに、たかが花一本位で大袈裟だ。
「それは悪かった、君にあげようと思ったんだ」
「それなら、絵にして、わたしが絵を好きなのは、誰も傷つけないからよ、ユーグ」
エリーズが泣きそうな、悲しそうな顔をする。
彼女が優しい女性だと、俺はこの時、知った。
急に申し訳ない気持ちが湧いてきて、俺は謝っていた。
「ごめん、花は俺が花瓶に挿しておくから…」
俺は持ち帰る気だったが、エリーズがそれを手にした。
「わたしにくれるつもりだったんでしょう?だったら、この可哀想な子は、わたしが貰うわ」
まだ少し怒っているが、鎮めてくれた様で、俺は安堵した。
「その花を髪に挿した君を描きたい」
何故か、そんな事を口にしてしまっていた。
エリーズは驚いたのか、目を丸くし、頬を赤くした。
それから、照れた様に、「いいわよ」と髪に挿してくれた。
ああ…なんて、可愛いんだろう…
俺は夢中でそれを素描していた。
花を愛でるエリーズと一緒に…
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