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魔法学園二年生

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洞窟から出て来たオーロラは、わたしの姿を見て、驚いていた。
わたしは気付かないフリをし、
「逸れてしまい、申し訳ありません」と頭を下げた。

「いいのよ、エバがいなくても、何とかなりましたわ」
「ああ、全然問題無かったぜー」
「暫く誰も気付かなかったもんな」
「今回はほぼ、オーロラ様だけの活躍だったからな!」

彼らにとって、わたしは邪魔でしか無いのだろう…
やはり、戻らなくて正解だった。

「けど、俺らのグループのヤツが、最速脱落者ってのは、痛いよなー」
「恥ずかしいー、何か言われるんじゃね?」
「笑い者になるのは、本人だけにして貰いたいぜー」

彼らはわたしが途中棄権したと思っているみたいだ。
わたしが誤解を解くべきか迷っていると、マデリーンのグループが出て来た。
怪我をしていた二人も元気に歩いている様で、わたしは安堵した。
その二人は教師に話し、救護の方へ行った。
マデリーンがわたしを見付け、走って来た。

「エバ!良かった、グループに戻れたのね、心配してたのよ!」
「それが、結局合流出来ず…」
「そうなの!?良く無事だったわね、無事だったのよね?」
「はい、なんとか」

わたしは二コリと笑って見せた。
わたしたちの会話から、わたしが棄権したのでは無い事が分かっただろう、
彼らは顔を見合わせ、気まずそうにしていた。

「こっちはエバが居てくれて助かったわ、最後まで棄権者を出さずに済んだし」
「途中で具合は悪くなりませんでしたか?」
「全然よ!私たちより余程ピンピンしてたけど、一応、傷を見せるようにって
先生が言うから、行っただけよ、エバのお陰よ、ありがとう!」

わたしは手放しで褒められ、気恥ずかしくなった。
マデリーンや怪我をした生徒たちは喜んでくれたが、マイルズには嫌な顔を
されてしまったし、出過ぎた事をしてしまった気もする。

「エバ!マデリーン!」

シャーロットのグループも時間内に戻って来た。
シャーロットはわたしたちを見付けると、笑顔で飛んで来た。

「二人共無事で良かったわ!」
「シャーロットもね!」
「ああ!もう、興奮しちゃったわ!今夜は三人で話しましょうね!」
「シャーロットの武勇伝を聞かされそうね…」

マデリーンが渋い顔をし、わたしとシャーロットは笑った。


ほとんどのグループは時間内に洞窟を出たが、二組程、時間になっても
戻って来ず、教師が連れ戻しに行った。洞窟で迷っていたらしい。
全員の点呼をした後、グループの成果を教師に報告した。

わたしたちのグループの番になり、オーロラたちが報告した後、
わたしは教師に、序盤で逸れた経緯を話し、集めた魔石を渡した。
ほぼ単独行動だったわたしを、どう扱うかについては、考えなければいけないと言われた。

集計が終わり、わたしとシャーロットは二人で教師の処へ行き、
水場を浄化した事、白竜の事を話し、貰った宝石を見せた。
教師は驚いていた。

「白竜ですって!?そんな…まさか、夢でも見たのではありませんか?」
「夢なんかじゃありません!それに、証拠です!この宝石!」
「ええ…これは、預かります、調べなければ…」
「これはあたしたちが貰ったんですから、後で絶対に返して下さいね!」

シャーロットは強く主張していた。
わたしも出来たら欲しかったが、とてもそれを口にする勇気は無かった。


その夜、わたしはサマンサに手紙を書いた。
まずは、模擬訓練を怪我無く無事に終えた事。
装備等がとても役立った事。
そして、白竜に会った事…その事で、会って話したい事があると書いた。


◇◇


あれから、オーロラとは表面上は穏やかに接しているものの、
わたしは彼女に恐怖を感じていた。

彼女は意図を持って、わたしを閉じ込めようとし、
わたしの無事な姿を見て、驚き、憎しみの目を向けた…
彼女がどんな風にわたしを思っているのか、知るのが怖い___!

彼女との関係は、どんどん悪化していくみたいに思える。


◇◇


学園でまた、わたしの事が噂になってしまった。
模擬実習の事でだ。

「あの公爵家の使用人、グループから逸れて、独りで別行動してたってさ!」
「別行動ったって、どうせ魔獣から逃げ回ってたんだろう?」
「いや、それが、かなりの魔石を採ってたらしい…」
「それをグループの数に入れるかどうか、教師も悩んでるらしいぜ」
「けど、どうせ、小さい魔獣だろ?」
「それが、仕掛け部屋の魔石もあったとか…」
「他のグループの生徒の怪我も治したとか」
「水場を浄化した話も聞いたぜ」
「それだけやって、本人無傷って…」
「公爵家の使用人、レベル高けー!!」
「流石、公爵家の使用人だな!」

話が大きくなっていて、わたしは居心地が悪かった。

「その水場に白竜が出たって話も聞いたぜ!」

それも噂になっていた。
わたしはその話を、ウィリアムにこそしなければと思っていたが、
やはり、あれから会う事は叶わなかった。

ノアシエル様…幾ら、ウィリアム様を護れる力を下さっても、
会えなければ、どうしようもありません…


サマンサからの返事は三日で届いた、是非会いたいという事で、
わたしは週末にサマンサの屋敷を訪れる約束をした。


その間に、模擬実習の結果が発表された。

わたしが逸れた件は、事故という事で考慮され、減点対象にはならず、
わたしの採った魔石もグループの成果に入れて貰えた。
グループの減点は、仕掛け部屋から聖杯を持ち帰った事位だった。

オーロラたちは仕掛け部屋よりも魔獣との対戦を主にしていて、
仕掛け部屋の魔石は採っていなかった。
他のグループも、時間の掛かる仕掛け部屋は避ける傾向にあった。
だが、蓋を開けてみると、仕掛け部屋の魔石は、魔獣を倒して貰う
魔石よりも得点が高かった。
わたしはそれを二つ採っていたので、得点も跳ねあがり…
その結果、わたしたちのグループは総合一位となった。
総合二位はシャーロットのグループで、悔しがっていた。

わたし個人としては、逸れてグループに戻れ無かった事への減点は無く、
その代わりに、単独行動での評価も加点にはならなかった。
一つ減点は、魔笛を失くしてしまった事だ。
命に関わる事なので、この事ではかなり叱られた。
加点は、他のグループの生徒の傷を応急処置し、それが適切だった事。
水場を浄化する方法をみつけ、それをやり遂げた事で、点数を貰えた。
そして、水草を持ち帰った事では、褒められた。
その水草は希少品種で、薬草学の教師が喜んだ。
わたしはサマンサにも見せたいと思い、教師が増やしたものを少し貰った。

わたしが応急処置をしたマデリーンのグループの生徒だが、
良い判断だったとされ、減点にはならなかった。

そして、シャーロットとわたしが貰った宝石だが、教師は幾つか学園で
展示したいと言い、残りはわたしたちの自由にして良いと言われた。

わたしはその中から、アクアマリンを幾つかと、アンバーを幾つか取った。
シャーロットも好きな物を取った。
マデリーンには、誕生日にアクセサリーに加工して贈ろうと話している。

シャーロットの案で、残りは均等に分け、
それぞれの名義で銀行の金庫に預ける事にした。

「皆に知られると面倒な事になるから、絶対に内緒よ!」

シャーロットが言い、わたしは頷いた。

幸い、白竜をまともに見たのは、わたしとシャーロットだけで、
他の生徒たちは直ぐに洞窟深くに逃げ込み、碌に見ていなかったのだ。
わたしたちも、白竜が降りて来て、水を飲んで行ったという事しか話していない。


◇◇


週末を待ち、わたしはサマンサの屋敷を訪れた。
サマンサと抱擁を交わし、わたしは模擬実習の装備を送ってくれた
お礼を述べた。サマンサはわたしが怪我無く無事に戻った事を喜んでくれた。

模擬実習の話は沢山あったが、わたしが話したい事は、そんな事では無く、
ノアシエルの事だった。

わたしはリビングのソファに座るサマンサの隣へ座り、
その手に自分の手を重ねた。

「サマンサ小母様、手紙に書いた通り…
わたし、洞窟の水場で、ノアシエル様にお会いしたのです___」

「ええ、聞きたいわ、詳しく話して頂戴」

わたしは水場が毒に侵されていると鑑定し、シャーロットと二人で浄化した事、
その直後に、上空からノアシエルが現れ、水場に降り立った事を話した。

「ノアシエル様は、わたしの頭の中に話し掛けて来られました。
わたしが『ノアシエル』という名を知っていた事に驚かれていて、
わたしの記憶をご覧になりました。
第三王子を懐かしいと…そして、言われたのです…」


《三番目の王子は、心優しき者》
《あの者を通し、水の騎士を思い出す》

《国がどれ程乱れ、衰退したとしても》
《あの者さえ破られなければ》
《この国は護られる》
《希望の光》

《第三王子を慕う者よ》
《第三王子と同じ魂を持つ者よ》

《あの者や、聖女を護る力を授けよう》


サマンサは驚く事無く、そして疑う事無く、小さく頷きながら聞いてくれた。

「第三王子はウィリアム様の事でしょうか、
ノアシエル様は、ウィリアム様をご存じなのでしょうか?」

わたしの問いに、サマンサは迷う事無く、「ええ、そうですよ」と頷いた。
わたしは想像していた事の筈なのに、息を飲んだ。
サマンサは、穏やかな口調で話し出した。

「あなたには、話しておかなければいけませんね…
白竜ノアシエルが、この国の守護竜というのは、知っているわね。
だけど、公に姿を現すなんて、ほとんど無い事よ、国の危機、国に何か
起こった時だけです。尤も、あなたが遭遇した様に、
気まぐれに一部の人間に、その姿を見せる事はあるの」

サマンサは「ふふふ」と笑い、わたしの手を優しく叩いた。

「そのノアシエルが、ウィリアムが産まれた時に、城の上空に現れたの。
ウィリアムの誕生を祝福するかの様にね」

「その様な事が!?全く、知りませんでした…」

話にも噂にすら聞いた事が無かったし、両親からも聞いていない。
そんな大事件が、どうして噂にならなかったのだろう?

「その事で、ウィリアムは次期王になると予言されてしまってね…
王族中で派閥が出来てしまったの、醜い争いよ、ウィリアム自身、
暗殺されかけた事も何度かあってね…」

暗殺!?

「私は教育係という名の、ウィリアム付きの護衛をしていたの。
宮廷で私に敵う者はいませんでしたからね」

サマンサの琥珀の瞳が強い光を見せた。
日頃の優しいサマンサからは想像が付かないが、相当な腕を持っている
のだろう。その上、サマンサは博学だし、魔法薬学にも長けている…
一体、どれ程凄い人なのか…

「王座を巡って、争いが大きくなるのを恐れ、
王様は早々に、王太子をご長子に決められたの。御英断ね。
それ以降、白竜の話をしないよう、王宮で規制されたのよ。
もし、ウィリアムが白竜に祝福された子だと知られたら、良からぬ事を考える
輩が出て来ますからね」

それで、わたしたちの世代は、ノアシエルの事を習う機会が無かったのね…
家庭教師からもその名は聞いた事が無かった。

「そんな事もあって、ウィリアムは、周囲を刺激しない様に、自分を隠し、
生きているの。有り余る能力を隠し、どんな時も感情を出さず…
表情はまるで人形でしょう?
小さい頃から、そうして生きて来たの、心優しい子だから。
王座など狙っていないと周囲を安心させる為、争いを起こさせない為にね…」

オーロラとして出会った時のウィリアムを思い出す。
彼はまるで蝋人形だと、わたしは思っていた。
ウィリアムの心中など、全く考えもしなかったし、彼に興味すら持て無かった。
わたしの方こそ、婚約者失格だった___

もし、彼の心を開く事が出来ていたら、彼は話してくれただろうか?
『エバ』に見せるように、笑みを見せてくれただろうか?


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