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魔法学園一年生
15
しおりを挟む学園のパーティの日、
寮は支度をする女子生徒たちで、朝から賑やかだった。
わたしはサマンサから贈られたドレスを着た。
そして、胸には、15歳の誕生日プレゼントに、これもサマンサからだが、
贈られたネックレスを付けた。トップの緑色の宝石は、ドレスに良く合っていた。
わたしのドレスを見たシャーロットとマデリーンは感嘆の声を上げた。
「エバ、素敵なドレスね!あなたに似合うわ!」
「エバのイメージにピッタリね!」
「妖精だけど、上品で純粋無垢なのよね~」
「このドレスを作った人は、エバの事を良く分かってるわ!」
「愛が伝わってくるわよね~」
二人の言葉に、わたしはうれしくなった。
「ドレスを贈って下さったのは、わたしの名付け親なんです」
「ああ!エバの愛しのサマンサ小母様ね!」
「こんなに思ってくれる名付け親は、そうそう居ないわよ!」
「エバは恵まれてるわ!」
その言葉には胸がチクリと痛んだ。
そう、『エバ』は恵まれている、それを、わたしは奪っているんだわ…
このドレスも、本当は『エバ』の為の物なのに…
何食わぬ顔で、わたしが着てしまっているんだと思うと、罪悪感があった。
「どうしたの、エバ、早く行きましょう!」
「ああ、パーティなんて久しぶりよ!緊張するわ!」
「あら!あたしなんか、初めてよ!」
平民のシャーロットにはフォーマルなパーティは無縁だった。
彼女はストロベリーブロンドに似合う、淡いシャンパンピンクと白を基調に
したドレスで、リボンが並び、白いレースのフリルがたっぷりと付いている。
パーティの為に、町に買いに行ったのだが、わたしも付き添い、
一緒に選んだ物だ。
マデリーンは、家からドレスを持って来ていた。
ワインレッドを基調にしていて、腰に大きなリボンがあり、
シンプルだが上品で彼女らしいドレスだ。
わたしたちには、パートナーは居らず、
三人で会場となる学園の大ホールへ向かった。
だが、ホールの入口で、ダニエルの姿を見付け、わたしの足は止まった。
「どうしたの、エバ?」
「ああ、あの男ね!本当にしつこいわね!」
二人もダニエルに気付き、顔を顰めた。
二人は守る様に、わたしの両脇を固め、「行きましょう」と歩き出す。
わたしは恐々としつつも、それに習った。
「おい!エバ!」と、やはりダニエルは臆さずに声を掛けて来た。
わたしは仕方なく足を止める。
「エバ、待ってたんだぜ!行こうぜ!」
「パートナーはお断りした筈です…」
「行く場所は一緒なんだから、一緒に行ったって構わねーだろ」
「わたしはお友達と居たいのです、行きましょう」
わたしは二人を促したが、ダニエルは顔を赤くし怒りを露にした。
「そんなの俺が許すと思うなよ!!」
「どうしましたか?」
ダニエルが怒鳴った事で、警備員が気付いてくれ、直ぐにわたしたちの処へ来てくれた。
「その男に絡まれて困ってますの」と、マデリーンが冷たく言い放った事で、
ダニエルは問答無用で警備員に連れて行かれた。
「おい!なんでだよ!離せ!あいつは俺の女だ!!
くそ!覚えてろよ!エバーーー!!」
ダニエルの言葉に、後で報復されるのでは…と、ぞっとした。
会場には、沢山の着飾った生徒たちで溢れていた。
わたしたちは食事の並ぶテーブルの方へ行き、周囲を観察した。
「あら、あの子たち、付き合ってたのかしら?」
「いい感じね、見て!あの子も一年生よ!相手は上級生よ」
カップルを眺めながら、シャーロットがわたしの腕を掴んだ。
「エバ!ウィリアム様よ!」
急に入り口がざわめき立った。
白地に金の刺繍飾りの入った宮廷服を身に纏い、ウィリアムが現れた。
皆が感嘆の声を洩らし、ウィリアムに道を開ける。
神々しく、そのオーラで、誰もが自然に距離を置いてしまうのだ。
ウィリアムは無表情のまま、ホールを進む。
その少し後ろを、護衛のオリバーが付いていた。
オリバーも無表情だが、それはウィリアムとはまた少し種類が違い、鋭いものだった。
ウィリアムが向かった先には、オーロラの姿があった。
オーロラは豪華な赤紫色のドレスを身に纏い、豊かな金髪を豪華に巻いていた。恐らく、この会場で一番目を惹くのは彼女だろう。
ウィリアムはオーロラに手を差し伸べ、二人はダンスホールに立った。
ファーストダンスだ。
美しい王子と美しい令嬢、二人は絵画の様にお似合いで、周囲から溜息が洩れた。
皆がうっとりと眺める中、楽団の演奏が始まる。
音楽に合わせ、踊り始めたが、何処かぎこちなさを感じる。
そう思った一瞬後、ウィリアムがリードを変えた。
動きが自然に流れ、その後は滞り無く、ダンスは終わった。
オーロラは他の生徒の誘いを断り、椅子に座ると、側に居た給仕に何かを囁いた。
ウィリアムも他の生徒を誘う事無く、来賓に声を掛けていた。
ここからでは、とても遠く、表情が見えるわけでも無いが、つい目で追ってしまっていた。
わたしがぼんやりとウィリアムの姿を見ていると、
「エヴァンジェリン・マシューズ様ですか」と、給仕に声を掛けられた。
わたしが頷くと、「オーロラ様がお呼びです」と言われ、わたしの胸に重りが落ちた。
わたしはシャーロットとマデリーンに、それとなく離れる事を告げ、
オーロラの元に向かった。
「オーロラ様、お呼びでしょうか…」
わたしを見たオーロラは目を眇めた。
「まぁ、なんて子供っぽいドレスなの!それに、安っぽいわね!
あなたの名付け親って貧乏なの?」
わたしは唇を噛んだ。
「エバ、ウィリアムと踊らせてあげましょうか」
「!?」
「ふふ、嫌よね?あなた、彼の事嫌いだものね」
彼女がおかしそうに笑う。
だが、彼女は誤解している、わたしはウィリアムの事を嫌いな所か、
好きで、堪らなく愛している___
オーロラに呼ばれていたのか、ウィリアムがこちらへやって来る。
わたしはどうしていいのか分からず、その場に立ち尽くしていた。
「ウィリアム様、エバが是非、あなたと踊りたいと申しますの、
踊ってやって下さいません?」
ウィリアムがチラリとわたしを見た。
わたしは恥ずかしさのあまり、俯いた。
「婚約者の頼みでは、断れませんね、踊って頂けますか?」
ウィリアムは無表情でわたしに手を差し伸べる。
わたしは迷いつつも、その手を取った。
わたしたちがダンスホールに立つと、周囲がざわめいた。
好奇の目に晒され、わたしは恥ずかしくなり、動揺していた。
だが、わたしの手を取るウィリアムは、そっと囁いた。
「大丈夫、落ち着いて」
音楽に合わせ、ゆっくりと動き出し、わたしはそれに身を任せた。
ダンスは小さな頃から習っていて、わたしは得意だった。
この一年、一度も躍った事は無かったが、それでも動きは覚えていた。
音楽に包まれ、目の前のウィリアムしか見えなくなり、
緊張は解け、自然に体が動いた___
わたしはウィリアムのアクアマリンの瞳を見つめ、
彼も又、わたしの瞳を見ているだろう…
その時、「はっ」とした。
彼は『わたし』を見る事は無いのだと___
動揺したわたしは、足を引っ掛け躓いてしまった。
ウィリアムが受け留めてくれたが、その胸に抱かれる形となり、わたしは慌てて体を起こした。
「す、すみません!!」
こんな事になれば、どんな噂をされるか分かったものでは無い!
だが、ウィリアムに動揺は無かった。
「足は痛めていない?」
「は、はい、大丈夫です」
ウィリアムはダンスを止め、わたしをエスコートし、オーロラの元に戻った。
「あなたも踊りますか?オーロラ嬢」
「いえ、わたしは結構ですわ、
ウィリアム様はダンスをお楽しみになって下さい」
「僕は挨拶がありますので、失礼します」
ウィリアムは礼儀正しく言い、去って行った。
「エバ、もういいわ、戻りなさい!」
わたしはオーロラから解放され、「ほっ」とした。
シャーロットとマデリーンの処へ戻ると、二人は笑顔で迎えてくれた。
「エバってば!驚くじゃないの!」
「急に居なくなったかと思えば、ウィリアム様と踊ってるんだもの!」
「それに、ダンスが上手で!見惚れたわよ!」
「ああ、もう!私もあんなに優雅に踊れたらいいのに!」
「みてなさい、踊って下さいって、誘いが殺到するから!」
二人の言う通りで、わたしは何人かの男子に誘われた。
ウィリアムと変な噂をされない為にも、踊った方が良いだろう___
わたしは何人かの誘いを受け、踊った。
そうしている内に、シャーロットとマデリーンも誘いを受け、踊りに行っていた。
足を休めに戻ろうとした時、ダニエルの姿をみつけ、わたしは踵を返した。
だが、ダニエルに気付かれてしまったらしく、彼は声を上げた。
「おい!なんで俺以外の男と踊るんだよ!エバ!」
その声は大きく、周囲が騒然となった。
わたしは顔を伏せ、その場から走り、逃げ出していた。
ダニエルに追い付かれない様、靴を脱ぎ走り、庭へ入った。
学園の庭は良く散策していたので、隠れられる場所の見当はあった。
わたしは仕切られた薔薇園の奥、古い樹の後に隠れた。
耳を澄ませ周囲を伺い、穏やかなその空気に、わたしは漸く息を吐いた。
ダニエルがあれ程しつこいとは…
華やかで賑やかなパーティの雰囲気は好きだったが、ダニエルに絡まれるのには辟易だった。
もう、このまま寮へ帰った方が良いかもしれない。
そんな事を考えていた時だ。
「エバ」
声を掛けられ、わたしは「はっ」とし、樹から顔を覗かせた。
ウィリアムがわたしを見付け、微笑んだ。
「君はかくれんぼが得意だね」
彼はわたしの処まで歩いて来ると、
その手に持つ、小さな花の飾りをわたしに差し出した。
「花たちが教えてくれたよ」
わたしのドレスの花飾りだ。
付け直した物が落ちてしまったのだろうか。
わたしは両手でそれを受け取った。
「ありがとうございます、ウィリアム様…」
「こうしていると、君と出会った時の事を思い出す」
ウィリアムが遠い目をし、庭を眺める。
オーロラの屋敷で、わたしが『エバ』として、初めて彼に会った時の事だ。
「いつも、君は泣いていたね」
ウィリアムにからかう様に言われ、わたしは頬を膨らませ反論した。
「いつもではありません!今日も泣いてはいませんし」
「そう、でも、君の心は泣いているみたいだ…」
アクアマリンの目は細められ、わたしを覗く。
わたしが息を飲むと、その目は外された。
「あの頃は楽しかった、制限が無くて…
学園では自由な自分ではいられない、王子として接しなければね…」
王子として…
だから、彼はいつも表情を消し、感情を隠しているんだろうか。
自分を出せ無い、それは、とても辛く難しい事だろう…
「わたしの前でだけは、自由でいらして下さい」
つい、そう言ってしまったが、婚約者のオーロラであるならまだしも、
わたしは彼にとって、取るに足りない存在だと気付き、恥ずかしくなった。
「申し訳ありません!わたしの様な者が、思い上がり、出過ぎた事を…
今のはお忘れになって下さい!」
わたしは焦ったが、ウィリアムは「ふふふ」と笑いを洩らした。
「うれしいよ、エバ。
君の様な友を得られた事が、僕の最大の喜びだよ」
友…
わたしの想いはそれ以上だ、だけど、ウィリアムの心が楽になれるなら…
わたしは喜んで、友に甘んじよう…
わたしはウィリアムを見上げ、笑みを返した。
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