19 / 47
魔法学園一年生
10
しおりを挟むプレゼントのお礼の手紙を出してから、一週間と経たずに、
サマンサから手紙が届いた。
そこには、《来週末、家に遊びに来て欲しい》と書かれてあり、わたしを驚かせた。
「ああ!サマンサ小母様に会えるんだわ!!」
今まで手紙のやり取りだけだった、その人と会えるのだと思うと、期待と喜びで胸はいっぱいになった。
わたしは、その気持ちのまま、直ぐに返事を書いていた。
《愛する、愛する、わたしの叔母様!》
《サマンサ小母様に会えるなんて、夢みたいですわ!》
《来週末、必ず参ります!》
《興奮し過ぎて、小母様にお会いするまで、眠れそうにありませんわ!》
《もし、寝不足の顔をしていても、許して下さいね!》
《ああ、来週末が待ちきれませんわ!》
手紙を封筒に入れ、封をし、わたしはそれにキスをした。
「必ず、必ず、サマンサ小母様に届いて下さいね!」
◇◇
回復魔法Ⅰの授業で、シャーロットと一緒だと知ってから、わたしたちは自然と隣の席に座る様になっていた。
今日も先に来ていたシャーロットが、わたしに「エバ、こっちよ!」と手を振った。
首席のシャーロットは、回復魔法の授業でも、その才能を遺憾無く発揮していて、注目の的だった。
教えた事が直ぐに出来、その上、魔力が高いからか効果も大きい。
それに加えて、覚えも早いので、担当教師を大変に喜ばせている。
シャーロットは一人だけ別格だった。
そのシャーロットの隣には、誰も座りたがらず、わたしが親しくなるまでは、彼女は一人で居たという。
「きっと、皆さん、シャーロットの邪魔をしてはいけないと、
気を使っていたのですね」
わたしが言うと、シャーロットは「エバのそういう処が好きよ!」と、良く分からない事を言い笑った。
シャーロットは色々とアドバイスをしてくれ、コツを掴む事が出来、
わたしは自分でも驚く程、能力を開花させる事が出来た。
最初は授業に付いていくのがやっとだったのが、今ではシャーロットには及ばないまでも、常に上位に付けていた。
「シャーロットが教えて下ださったお陰ですわ!ありがとうございます!」
「そんな事無いわよ、エバには元々素質があったのよ、魔力も高いし、
あたしはそこをちょーっと、突いてやっただけよ!」
シャーロットがウインクする。
『元々素質があった…』
回復魔法の授業を取る様に勧めてくれたのは、ウィリアムだった。
彼には分かっていたのだろうか?
「そういえば、エバは何で、回復魔法と魔法薬学を一緒に取ってるの?」
調度、ウィリアムの事を考えていた時で、わたしはギクリとした。
シャーロットは構わずに自分の考えを言う。
「普通はどちらかに絞るのよ、魔法薬学にも基礎的な回復魔法の授業は入っているから、重複になるでしょう?
回復魔法の授業を取る子は、回復魔法自体の能力を鍛えるのが目的で…目指すは治癒魔法よ!」
シャーロットの話を聞き、わたしは初めてそれを知った。
確かに、魔法薬学でも回復魔法の訓練があり、今の時点では、
回復魔法Ⅰで教わった事を、かなり遅れて魔法薬学Ⅰで習う…。
どちらもウィリアムが選んでくれた授業だ、
だけど、彼が考え無しに選んだとは思えない。
いつも、何かしらの意図があった…わたしは彼を信じるだけだ___
「どちらも興味があったので」と、わたしは無難に答えていた。
「確かに!魔法薬学も面白そうよね!
でも、あたしは細かい作業って苦手なのよね、手先も器用じゃないし…」
シャーロットが肩を竦める。
わたしは『シャーロットは完璧だ』と思っていたので、意外だった。
だけど、確かに、彼女は大胆で、魔法で何かを成す事が得意だった。
きっと、刺繍をしろと言われたら、パターンの魔法を覚え、手を使わずにやってしまうだろう。
「でも、手先の器用さだけでもないので、わたしは苦労しています…」
授業の最初の頃は、薬学の歴史や薬の原理、薬草学等、知識を詰め込む授業が多く、それについては、興味があり覚えるのも楽しかった。
そして、基礎的な作業の訓練に入り、手作業での計量やナイフの使い方もあるが、火を操る魔法、乾燥魔法、冷却魔法等、作業に必要とされる魔法の訓練もある。そして、回復系の魔法の訓練。
これらをしっかりと身に付ける事は大事で、能力により、薬の完成度は違ってくるという。
わたしは手作業全般は得意だったが、魔法に関しては然程得意ではないらしく、出来た薬を確認して貰う際、教師に微妙な顔をされていた。
その上…
「昨日、実習で作った薬ですが…Cマイナスの判定を頂きました」
「Cマイナス!?」
シャーロットは思わず声を上げた後、手で口を覆った。
それはそうで、判定はAプラス、A、Aマイナスは成績優。
Bプラス、B、Bマイナスは及第点。
Cプラス、C、Cマイナスは落第点ではあるが、見込みはある。
Dプラス、D、Dマイナスは完全に落第、問題有り。
「でも、まだ、本試験じゃないし、最初だから…これからよ!エバ!」
「はい…頑張ります」
最初の勉強や訓練の時には、わたしはどちらかというと、成績優秀な方で、教師も褒めてくれていた。
だが、実際に薬を作り始めると…わたしの成績は徐々に落ちていった。
それが、遂に、Cマイナスまできてしまった…
「わたし、薬学には向いていないのかもしれません…」
ウィリアムの期待に応えられない自分が、酷くもどかしい。
ウィリアムはわたしにガッカリしないだろうか?
幸いなのは、彼にわたしの成績を知られずに済む事だ___
「元気出してエバ!ほら、今から昼食よ!食堂に行きましょう!」
シャーロットが慰めるように、わたしの背中を叩いた。
授業が終わり、わたしたちは食堂で会う約束をし、一旦別れた。
食堂へ行き、料理をトレイに取り、席を探していると、シャーロットが「こっちよ!エバ」と手を振った。
彼女は何をするにも俊敏で驚いてしまう。
「ありがとうございます、シャーロットはいつも早いですね!」
「これが平民の長所よ!何があっても生き残れそうでしょ?」
「はい、逞しく頼もしいですわ!見習いたいですわ」
わたしは感嘆しつつ、シャーロットの隣に座った。
楽しく食事をしていて、「エバ、これ美味しいわよ!」とシャーロットがわたしを振り返った時だった。
ヒューンと、何か黒い物が飛んで来て、テーブルの上に落ちた。
調度、シャーロットとわたしの中間で、わたしはそれに目を落とし…
「きゃーーーーーーーーーー!!」
悲鳴を上げ、椅子から転がり落ちてしまった。
椅子は派手な音を立て倒れるし、わたしは腰を打ってしまうし、
散々だが、それよりも…
「エバ、大丈夫?」
シャーロットは普通の顔をしているが、
わたしは固まり、震える手でそれを指していた。
「む、む、蟲―――――――!!!」
「大丈夫よ、玩具だから」と、シャーロットはそれを指で摘まみ、揺らした。
ああ、本当に逞しいです…
わたしはそれが本当に玩具なのか、それとも死体なのか確かめたかったが、生理的に受け付けず、とても無理だった。
「すげー!椅子から落ちるとか!マジか!」
一部始終を見ていたらしい男子生徒が囃し立て、周囲もそれに便乗し始めた。
「止めなさいよ!あんたたち!」と、シャーロットは庇ってくれたが、当のわたしは恥ずかしいのと、虫が気持ち悪いのとでその場から動けずにいた。そこに、誰かが面白がって、わたしに虫を投げてきて、わたしは再度悲鳴を上げ、頭を抱えて蹲った。
「おいおい、そんなんで、魔術師とか無理じゃねー?」
「家に帰って、大人しく令嬢でもしてろっつーの!」
「もう!止めなさいって!あんたたちこそガキでしょーが!!」
シャーロットは庇ってくれたが、騒動は大きくなるばかりだ。
だが、急に周囲が音を失くした。
静まり返る中、「大丈夫?」と声が掛けられ、目を開けると、わたしの前に手が差し伸べられた。
大きくて綺麗なその手は、知っているもので…
わたしは震える手でそれに縋っていた。
ウィリアムはわたしを立たせてくれ、シャーロットに預けた。
わたしはまだ気持ち悪くて、シャーロットに抱き付いた。
「大丈夫?エバ…」
わたしが頭を振ると、「医務室へ」とウィリアムが言い、シャーロットに支えられ連れ出された。
医務室で薬を貰い、漸く吐き気が止まった。
シャーロットが習ったばかりの回復魔法で、神経を和らげてくれたお陰もあり、気分はすっかり良くなった。
「シャーロット、ごめんなさい、戻って食事をして下さい」
「でも、エバを置いて行くのは心配だし…食べられ無いでしょう?」
「はい…わたしは少し休んで教室に戻りますので、大丈夫ですから」
だが、シャーロットが医務室を出ると、
そこには女子生徒が待ち構えていたらしく、声が聞こえてきた。
「エヴァンジェリン・マシューズって子、本当に具合が悪いんでしょうね?」
「本当よ、薬を飲んで、回復魔法を掛けたわ」
「芝居っぽかったわ、彼女、か弱いフリしてるだけでしょ?」
「そんな事無いわよ!」
「分かってるのよ!ウィリアム様に目に掛けて貰いたくて、ワザとやったのよ!」
わたしは自分の事を言われていると気付き、慌ててベッドから降りた。
「あの…本当です、本当に気分が悪くなって…」
「魔法学園の生徒がそんな分け無いじゃない!嘘吐き!」
「虫は苦手で、それに、急だったので…」
「そんな言い分け通用するとでも思ってるの!」
女子生徒の一人がわたしの髪に掴み掛かり、
わたしは「きゃ!」と頭を押さえた。
「止めなさいってば!!」
シャーロットが張りのある鋭い声で叫び、周囲はピタリと動きを止めた。
シャーロットは女子生徒からわたしの髪を放させると、腰に手をやり嘆息した。
「あなたたちは単に、ウィリアム様に庇われたエバが羨ましいんでしょう?」
「そ、そんな事無いわ!」
「芝居をして気を引くなんて、同じ女子生徒として許せないだけよ!」
「そんな事言うんだったら、まずは、虫を投げて来たヤツをとっちめなさいよ!あいつらがあんな事しなきゃ、こんな事になってないの!
エバは被害者よ!あんな風に男子に意地悪言われて、からかわれて、同じ女子生徒として、可哀想だと思わないの!?同じ事されたいの?」
ビシリとシャーロットが言うと、女子生徒の一人が…
「ウィリアム様に助けて頂けるなら…我慢して耐えます!」と言い、周囲は微妙な空気に包まれた。
「そんな、都合良くウィリアム様が来てくれる訳も無いと思うけど?
まぁ、それでも、ウィリアム様がエバを助けたのは、少し理由があるのよ」
「理由ですって!??」
わたしはシャーロットの意図に気付き、止めようとしたが、無理だった。
「エバは以前、ウィリアム様の婚約者、オーロラ・モラレス公爵家で奉公していたのよ。
ウィリアム様も婚約者の家の者には相応の態度をとるわ、礼儀正しい王子ですもの!」
シャーロットが言い放つと、周囲は気まずそうに顔を見合わせた。
「そんな事情があるなんて、知らなかったわ…」
「ええ、それは、確かに…不味いわね…」
「私たちが間違っておりましたわ、失礼致しました」
「どうか、今の非礼はお忘れになって…」
女子生徒たちは波が引くように、行ってしまった。
「ふふふ、これぞ、王家の印籠ね!」
シャーロットはニヤリと笑っているけど…
「どういう事でしょう?」
「あなたを苛めたら、ウィリアム様に告げ口されて、自分たちの立場が悪くなるって、気付いたのよ!
そうなれば、ウィリアム様から目を掛けて貰う処か、睨まれるもの!」
「わたし、告げ口など致しませんわ…!」
令嬢として恥ずべき行為に、嫌悪感が出てしまった。
わたしは頬を膨らませたが、シャーロットは肩を竦めた。
「向こうが勝手にそう考えるのよ」
「でも、あんな事言ってしまって…」
「本当の事でしょう?」
「ウィリアム様やオーロラ様を疎わせる事にならないかと…」
「何故?ウィリアム様は何も思わないわよ。
オーロラ様だって、同学年に元使用人がいたって構わないでしょう?」
シャーロットの言う事は尤もだが、わたしたちには特別な事情がある。
オーロラはわたしと知り合いだとは思われたく無いのでは?
今までも、人前で話掛けて来る事は無かったし、わたしも無意識に、人に知られるのを避けて来た。
わたしはオーロラの激高する顔を想像し、内心で嘆息した。
17
お気に入りに追加
399
あなたにおすすめの小説
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
【完結】殿下は私を溺愛してくれますが、あなたの“真実の愛”の相手は私ではありません
Rohdea
恋愛
──私は“彼女”の身代わり。
彼が今も愛しているのは亡くなった元婚約者の王女様だけだから──……
公爵令嬢のユディットは、王太子バーナードの婚約者。
しかし、それは殿下の婚約者だった隣国の王女が亡くなってしまい、
国内の令嬢の中から一番身分が高い……それだけの理由で新たに選ばれただけ。
バーナード殿下はユディットの事をいつも優しく、大切にしてくれる。
だけど、その度にユディットの心は苦しくなっていく。
こんな自分が彼の婚約者でいていいのか。
自分のような理由で互いの気持ちを無視して決められた婚約者は、
バーナードが再び心惹かれる“真実の愛”の相手を見つける邪魔になっているだけなのでは?
そんな心揺れる日々の中、
二人の前に、亡くなった王女とそっくりの女性が現れる。
実は、王女は襲撃の日、こっそり逃がされていて実は生きている……
なんて噂もあって────
【完結】王太子と宰相の一人息子は、とある令嬢に恋をする
冬馬亮
恋愛
出会いは、ブライトン公爵邸で行われたガーデンパーティ。それまで婚約者候補の顔合わせのパーティに、一度も顔を出さなかったエレアーナが出席したのが始まりで。
彼女のあまりの美しさに、王太子レオンハルトと宰相の一人息子ケインバッハが声をかけるも、恋愛に興味がないエレアーナの対応はとてもあっさりしていて。
優しくて清廉潔白でちょっと意地悪なところもあるレオンハルトと、真面目で正義感に溢れるロマンチストのケインバッハは、彼女の心を射止めるべく、正々堂々と頑張っていくのだが・・・。
王太子妃の座を狙う政敵が、エレアーナを狙って罠を仕掛ける。
忍びよる魔の手から、エレアーナを無事、守ることは出来るのか?
彼女の心を射止めるのは、レオンハルトか、それともケインバッハか?
お話は、のんびりゆったりペースで進みます。
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
旦那様、離婚しましょう
榎夜
恋愛
私と旦那は、いわゆる『白い結婚』というやつだ。
手を繋いだどころか、夜を共にしたこともありません。
ですが、とある時に浮気相手が懐妊した、との報告がありました。
なので邪魔者は消えさせてもらいますね
*『旦那様、離婚しましょう~私は冒険者になるのでお構いなく!~』と登場人物は同じ
本当はこんな感じにしたかったのに主が詰め込みすぎて......
【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる