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最終話/エピローグ
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夜になり、わたしは大人し目の夜着に着替え、寝室に入った。
いつもであれば、わたしが寝室に入り、随分経って、イレールが入って来るのだが、
今夜は違っていた。
ベッドには、イレールの姿があった。
ベッドの端に腰かけていたイレールは、わたしに気付くとベッドを降り、
わたしを迎えてくれた。
だが、全身に緊張が見え、その表情は沈痛なものだった…
「アリエル、実は、告白しなければならない事があります…」
また、改まった口調に戻っている。
わたしは安心させようと、微笑み、頷いた。
「イレール、あなたが不毛でも、わたしの気持ちは変わらないわ。
手を繋いで、ただ、添い寝をするだけでもいい…
あなたが嫌がる事はしないと誓うわ」
「ありがとう…
でも、僕は不毛という訳ではなくて…」
イレールの声は小さかったが、それはわたしの耳に届き、わたしはあんぐりと口を開けた。
「あなた、不毛じゃなかったの!?
だったら、どうして、わたしを避けたの?」
イレールは小さくなり、もじもじとしながら答えた。
「初めてで…自信がなくて…君に嫌われるのが怖かったから…」
成程…
そうだったわ、彼は《白い結婚》だったものね…
きっと、グリシーヌに罵倒されて、自信を失い、勃たなかったのだろう…
それなら、優しくしてあげないと…
わたしはイレールの手を握る。
「告白しますが、わたしも初めてです、上手く出来なくても、
気持ち良くしてあげられなくても、わたしを嫌いにならないで下さいね?」
イレールが口元を綻ばせ、笑った。
「君はどうして、僕の事が分かるの?
君以上に、僕をその気にさせられる人はいないよ…」
わたし以外にそんな人がいたら問題だわ!
「わたしがあなたの妻だからではありませんか?」
微笑むわたしに、イレールは甘く口付けた…
夜が明け、淡い陽の中、わたしは目を覚ました。
隣にはイレールがいて、その少し潤んだ灰色の目で、じっと、わたしを見ていた。
「イレール…おはよう」
わたしが強請る様に唇を尖らせると、イレールは小さく笑い、
「おはよう、アリエル」と甘いキスをくれた。
わたしは幸せに包まれ、蕩けそうになる…
その薄い体に手を這わせようとしたが、「待って!」と手首を掴まれた。
積極的過ぎたかしら?
怯えさせちゃった?
心配していると、イレールは起き上がり、わたしに背を向け、それから…
「アリエル、これを…受け取って貰える?」
細い小さな箱をわたしに差し出した。
わたしはそれを思い出した。
わたしを探しに行く時に、イレールが引き出しから持って言った物だ。
中身が気になっていたが、今の今まで忘れていた。
「わたしに贈り物を?うれしいわ!」
わたしはそれを受け取り、箱を開けた。
中には、銀色の首飾りが入っていた。
ペンダントトップは、銀色の鳥の飾り…
「素敵!わたし、鳥が大好きなの!」
「良かった…
ずっと、結婚の贈り物をしたかったんだけど、気に入って貰えるか自信がなくて…」
「気に入りました、最高の贈り物だわ!
着けて下さる?旦那様」
わたしが言うと、イレールは頬を赤くし、わたしの首に首飾りを付けてくれた。
上手く付けられず、「あ、ごめん…ちょっと、待って…」とわたわたする姿も可愛い。
「似合う?」
わたしは振り返ってそれを見せる。
イレールの視線がわたしの胸の辺りに向かい、その灰色の目に熱が籠った。
わたしは微笑み、彼の手をそっと胸の膨らみに導いた。
「もう一度、あなたが嫌でなければ…」
「僕からお願いするよ…」
蕩ける程に甘い時間を過ごした後は、彼の寝ぐせを直してあげよう☆
◇◇ エピローグ ◇◇
わたしは丁寧に手紙を書き、封筒に入れ、宛名を記した。
これは、来週末に開く事になったパーティの招待状だ。
髪が短くなってから、公の場に出る事は避けて来たが、
今回は是が非でも出席しなくてはいけない。
何と言っても、このパーティは、《わたしたち》の為に開かれるのだから___
「エリックとシャルリーヌも、招待するの?」
手紙の山を見ていたイレールが、その名を見つけたらしい。
封筒を手に、灰色の目がわたしを伺う様に見てくる。
少し心配そうだ。
『そんな心配は要らないのに』と、わたしは内心で呟き、小さく笑った。
「ええ、そろそろ許してあげようと思って」
エリックとシャルリーヌとは、これまでずっと断絶状態だったが、この機にそれを解く事にした。
実の所、二人の事は随分前から既に忘れ去っていて、
それは、彼等への蟠りが消えた事を意味するだろう。
わたしには、彼等よりも大切な人たちが出来たのだ。
今では、エリックとシャルリーヌが裏切ってくれて良かったとさえ思っている。
それは、今が最高に幸せだから!
開口一番に、『ありがとう!あなたたちのお陰で、わたしは幸せよ!』と言ってしまうかもしれない。
尤も、以前の様に付き合おうとは思わないが…
「でも、シャルリーヌがあなたに色目を使ったら、今度こそ永久に絶交するわ!」
勿論、それだけで済ますつもりはない。
綺麗な金髪を引っこ抜いてやるわ!
物騒な事を考えていると、イレールが「そんな事にはならないよ」と苦笑した。
「僕には最高の奥さんがいるからね…」
イレールがその瞳を銀色に輝かせ、甘いキスをくれる。
何度もしているのに、いつも、うっとりとしてしまう…
イレールは自分では気づいていないが、かなりの上級者だ。
それは、彼が繊細で優しい性質だからかもしれない。
彼の繊細な愛撫で、わたしが何度高みに追い詰められたか…
いけない、いけない!
つい、思い出しそうになり、わたしは慌てて気を引き締めた。
「あなたも、最高の旦那様よ、だから、エリックの事は気にしないで、
シャルリーヌを見張っていて貰う為に呼ぶだけよ」
軽口の様に言い肩を竦めると、イレールは顔を真っ赤にし、ワタワタとした。
ふふ、可愛い!
「ど、どうして、分かったの?」
イレールがエリックに嫉妬しているって?
「そうだといいなって思ったの!」
わたしは「ふふふ」と笑って、その形の良い唇を盗んだ。
たっぷりとキスを楽しんでから、わたしは机に向き直った。
「さぁ、これは特別よ!」
わたしは「ふふ」と笑い、封筒にその名を記し、イレールに手渡した。
イレールはそれに目を馳せ、そして、笑顔になった。
《ロクサーヌ=デュトワ》
伯爵、伯爵夫人はどんな時であれ、ロクサーヌを招待する事に反対していたが、
わたしとイレールは違う。
イレールは元より、捻くれているものの、本当は優しいロクサーヌを理解し、慕っていた。
ロクサーヌもイレールの良き理解者で、あの事件の後で会った時には、
『いい顔だ、安心おし、呪いは解けたよ』と、イレールの顔をその骨ばった痩せた手で
愛おしそうに撫でたのだった。
ロクサーヌはあの時、わたしに『呪いを解いてやってくれ』と言った。
ロクサーヌは何も話さなかったが、それは、彼の過去のトラウマや、
仮面の事かもしれないと、わたしは漠然と思った。
今のイレールは見違える程、活き活きとし、笑顔でいる事も増えた。
わたしは『呪いを解こう』と思った訳ではない。
もし、わたしが何かをしたというなら、それは、イレールを心から愛し、
尊重し、尽くしている事だ___
いつか聞いたのだが、イレールがわたしにロクサーヌの事を話さなかったのは、
『君に、大叔母を悪く思って貰いたくなくて…』
そんな理由からだった。
『悪くなんて思わないわ』
だって、ロクサーヌはわたしたちの恩人、愛のキューピッドなのだから!
もし、結婚前であれば、仲人を頼んだ位だ。
『わたし、ロクサーヌ様が大好きなの!』
わたしは心から言った。
あの時のイレールは、安心した様に、そしてうれしそうに笑っていた。
『君と結婚出来て、良かった』と___
「ロクサーヌ様、わたしたちの願いを聞いて下さるかしら?」
わたしはイレールの手を引き、下腹に導いた。
まだ変化は見えないが、彼の手は優しく、愛おしそうに撫でた。
わたしたちの願い、それは、ロクサーヌに生まれて来る子の名付け親になって貰う事だ。
「大叔母さんなら、大丈夫だよ」
「子を授かったと知ったら、驚くかしら?」
「きっと、驚かないよ」
彼女は《魔女》だから___
わたしたちは目を合わせ、笑った。
《完》
いつもであれば、わたしが寝室に入り、随分経って、イレールが入って来るのだが、
今夜は違っていた。
ベッドには、イレールの姿があった。
ベッドの端に腰かけていたイレールは、わたしに気付くとベッドを降り、
わたしを迎えてくれた。
だが、全身に緊張が見え、その表情は沈痛なものだった…
「アリエル、実は、告白しなければならない事があります…」
また、改まった口調に戻っている。
わたしは安心させようと、微笑み、頷いた。
「イレール、あなたが不毛でも、わたしの気持ちは変わらないわ。
手を繋いで、ただ、添い寝をするだけでもいい…
あなたが嫌がる事はしないと誓うわ」
「ありがとう…
でも、僕は不毛という訳ではなくて…」
イレールの声は小さかったが、それはわたしの耳に届き、わたしはあんぐりと口を開けた。
「あなた、不毛じゃなかったの!?
だったら、どうして、わたしを避けたの?」
イレールは小さくなり、もじもじとしながら答えた。
「初めてで…自信がなくて…君に嫌われるのが怖かったから…」
成程…
そうだったわ、彼は《白い結婚》だったものね…
きっと、グリシーヌに罵倒されて、自信を失い、勃たなかったのだろう…
それなら、優しくしてあげないと…
わたしはイレールの手を握る。
「告白しますが、わたしも初めてです、上手く出来なくても、
気持ち良くしてあげられなくても、わたしを嫌いにならないで下さいね?」
イレールが口元を綻ばせ、笑った。
「君はどうして、僕の事が分かるの?
君以上に、僕をその気にさせられる人はいないよ…」
わたし以外にそんな人がいたら問題だわ!
「わたしがあなたの妻だからではありませんか?」
微笑むわたしに、イレールは甘く口付けた…
夜が明け、淡い陽の中、わたしは目を覚ました。
隣にはイレールがいて、その少し潤んだ灰色の目で、じっと、わたしを見ていた。
「イレール…おはよう」
わたしが強請る様に唇を尖らせると、イレールは小さく笑い、
「おはよう、アリエル」と甘いキスをくれた。
わたしは幸せに包まれ、蕩けそうになる…
その薄い体に手を這わせようとしたが、「待って!」と手首を掴まれた。
積極的過ぎたかしら?
怯えさせちゃった?
心配していると、イレールは起き上がり、わたしに背を向け、それから…
「アリエル、これを…受け取って貰える?」
細い小さな箱をわたしに差し出した。
わたしはそれを思い出した。
わたしを探しに行く時に、イレールが引き出しから持って言った物だ。
中身が気になっていたが、今の今まで忘れていた。
「わたしに贈り物を?うれしいわ!」
わたしはそれを受け取り、箱を開けた。
中には、銀色の首飾りが入っていた。
ペンダントトップは、銀色の鳥の飾り…
「素敵!わたし、鳥が大好きなの!」
「良かった…
ずっと、結婚の贈り物をしたかったんだけど、気に入って貰えるか自信がなくて…」
「気に入りました、最高の贈り物だわ!
着けて下さる?旦那様」
わたしが言うと、イレールは頬を赤くし、わたしの首に首飾りを付けてくれた。
上手く付けられず、「あ、ごめん…ちょっと、待って…」とわたわたする姿も可愛い。
「似合う?」
わたしは振り返ってそれを見せる。
イレールの視線がわたしの胸の辺りに向かい、その灰色の目に熱が籠った。
わたしは微笑み、彼の手をそっと胸の膨らみに導いた。
「もう一度、あなたが嫌でなければ…」
「僕からお願いするよ…」
蕩ける程に甘い時間を過ごした後は、彼の寝ぐせを直してあげよう☆
◇◇ エピローグ ◇◇
わたしは丁寧に手紙を書き、封筒に入れ、宛名を記した。
これは、来週末に開く事になったパーティの招待状だ。
髪が短くなってから、公の場に出る事は避けて来たが、
今回は是が非でも出席しなくてはいけない。
何と言っても、このパーティは、《わたしたち》の為に開かれるのだから___
「エリックとシャルリーヌも、招待するの?」
手紙の山を見ていたイレールが、その名を見つけたらしい。
封筒を手に、灰色の目がわたしを伺う様に見てくる。
少し心配そうだ。
『そんな心配は要らないのに』と、わたしは内心で呟き、小さく笑った。
「ええ、そろそろ許してあげようと思って」
エリックとシャルリーヌとは、これまでずっと断絶状態だったが、この機にそれを解く事にした。
実の所、二人の事は随分前から既に忘れ去っていて、
それは、彼等への蟠りが消えた事を意味するだろう。
わたしには、彼等よりも大切な人たちが出来たのだ。
今では、エリックとシャルリーヌが裏切ってくれて良かったとさえ思っている。
それは、今が最高に幸せだから!
開口一番に、『ありがとう!あなたたちのお陰で、わたしは幸せよ!』と言ってしまうかもしれない。
尤も、以前の様に付き合おうとは思わないが…
「でも、シャルリーヌがあなたに色目を使ったら、今度こそ永久に絶交するわ!」
勿論、それだけで済ますつもりはない。
綺麗な金髪を引っこ抜いてやるわ!
物騒な事を考えていると、イレールが「そんな事にはならないよ」と苦笑した。
「僕には最高の奥さんがいるからね…」
イレールがその瞳を銀色に輝かせ、甘いキスをくれる。
何度もしているのに、いつも、うっとりとしてしまう…
イレールは自分では気づいていないが、かなりの上級者だ。
それは、彼が繊細で優しい性質だからかもしれない。
彼の繊細な愛撫で、わたしが何度高みに追い詰められたか…
いけない、いけない!
つい、思い出しそうになり、わたしは慌てて気を引き締めた。
「あなたも、最高の旦那様よ、だから、エリックの事は気にしないで、
シャルリーヌを見張っていて貰う為に呼ぶだけよ」
軽口の様に言い肩を竦めると、イレールは顔を真っ赤にし、ワタワタとした。
ふふ、可愛い!
「ど、どうして、分かったの?」
イレールがエリックに嫉妬しているって?
「そうだといいなって思ったの!」
わたしは「ふふふ」と笑って、その形の良い唇を盗んだ。
たっぷりとキスを楽しんでから、わたしは机に向き直った。
「さぁ、これは特別よ!」
わたしは「ふふ」と笑い、封筒にその名を記し、イレールに手渡した。
イレールはそれに目を馳せ、そして、笑顔になった。
《ロクサーヌ=デュトワ》
伯爵、伯爵夫人はどんな時であれ、ロクサーヌを招待する事に反対していたが、
わたしとイレールは違う。
イレールは元より、捻くれているものの、本当は優しいロクサーヌを理解し、慕っていた。
ロクサーヌもイレールの良き理解者で、あの事件の後で会った時には、
『いい顔だ、安心おし、呪いは解けたよ』と、イレールの顔をその骨ばった痩せた手で
愛おしそうに撫でたのだった。
ロクサーヌはあの時、わたしに『呪いを解いてやってくれ』と言った。
ロクサーヌは何も話さなかったが、それは、彼の過去のトラウマや、
仮面の事かもしれないと、わたしは漠然と思った。
今のイレールは見違える程、活き活きとし、笑顔でいる事も増えた。
わたしは『呪いを解こう』と思った訳ではない。
もし、わたしが何かをしたというなら、それは、イレールを心から愛し、
尊重し、尽くしている事だ___
いつか聞いたのだが、イレールがわたしにロクサーヌの事を話さなかったのは、
『君に、大叔母を悪く思って貰いたくなくて…』
そんな理由からだった。
『悪くなんて思わないわ』
だって、ロクサーヌはわたしたちの恩人、愛のキューピッドなのだから!
もし、結婚前であれば、仲人を頼んだ位だ。
『わたし、ロクサーヌ様が大好きなの!』
わたしは心から言った。
あの時のイレールは、安心した様に、そしてうれしそうに笑っていた。
『君と結婚出来て、良かった』と___
「ロクサーヌ様、わたしたちの願いを聞いて下さるかしら?」
わたしはイレールの手を引き、下腹に導いた。
まだ変化は見えないが、彼の手は優しく、愛おしそうに撫でた。
わたしたちの願い、それは、ロクサーヌに生まれて来る子の名付け親になって貰う事だ。
「大叔母さんなら、大丈夫だよ」
「子を授かったと知ったら、驚くかしら?」
「きっと、驚かないよ」
彼女は《魔女》だから___
わたしたちは目を合わせ、笑った。
《完》
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