【完結】猫かぶり令嬢の結婚の条件☆

白雨 音

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最終話

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「え?おい…マジで、女?」
「女だ!フードの小男は女だぞ!!」

観覧席がざわめき、ジェロームはニヤリと笑った。
そして、高らかに告げた。

「こいつは、ただの女じゃないぞ!
こいつの正体は、ブーランジェ伯爵令嬢、リリアーヌだ!」

観衆は半信半疑でどよめく。
警備兵はジェロームを押さえてはいるが、ぽかんとし、わたしを見ている。

「こいつはな、深窓の令嬢なんて言って、皆を騙してたんだ!
おまえみたいな女だと知っていれば、一人も集まらなかっただろうよ!」

「ジェローム!!」

「止めなさい、エルネスト!」

エルネストがジェロームの胸倉を掴むのを、わたしは制した。
そして、わたしは観衆に向かい、キッと顔を上げた。

「如何にも、わたしは、ブーランジェ伯爵令嬢、リリアーヌです!」

観衆がどよめき、わたしはその波が納まるのを待った。

「わたしはこれまで、自ら『深窓の令嬢』など、名乗った事はありません!
それ共、どなたか、わたし本人からお聞きになった者はおられますか?」

皆、顔を見合わせる。

「いや…確かに…」
「本人に会った事も無いし…」
「皆が言ってたからさー…」

わたしはそれに満足し、言葉を続けた。

「剣術大会を開き、優勝した者に嫁ぎたいというのは、わたしの願いです。
わたしはご覧の通り、少しばかり剣の腕が立ちますので、
夫となる者には、自分よりも強い男をと望みました。
それを見定める為、わたしも予選から一剣士として参加させて頂きました」

「おまえの事情なんか、どうだっていいんだよ!
おまえみたいな女が相手と知っていたら、誰も来なかったんだ!
おまえは、皆を騙したんだよ!この詐欺師が!!
おまえみたいな女、誰も貰い手なんかねーんだよ!!」

ジェロームは大声で罵倒したが、周囲はそれに同調する事は無く、
「伯爵令嬢に向かって、何て失礼な男だ!」と怒りの声を上げた。

「確かに、結婚相手がわたしでは不満という者もいるでしょう、
ここでお帰り下さっても構いません、ですが、もし、残って頂けるのでしたら、
賞金をお出しします!
優勝者は、わたしとの結婚か、賞金1万デナール、どちらか好きな方をお選び下さい。
但し、わたしに勝てたらの話ですが」

わたしは二コリと笑う。
観衆は「おおおお!!」と歓声を上げた。

「すげーな!伯爵令嬢が優勝するかもしれねーぞ!」
「リリアーヌ様!頑張れー!」

わたしはカーテシーをして見せた。
そして、ジェロームに向き直る。

「どう?ジェローム、気が済んだかしら?
それでは、この男を連行なさって下さい!罪状は、司会の者への暴行、
そして、この神聖な場に乱入し、穢した事です!」

剣を持たぬジェロームは、警備員に敵う筈も無く、両脇から抱えられ連れ出されて行った。

「申し訳ございません、お嬢様」

エルネストが苦い表情で頭を下げる。
わたしはヒョイと肩を竦めた。

「いいわよ、あなたの同窓ですもの、それに、猫を脱ぐ良い機会になったわ」

これ程多くの観衆に知られたのだから、もう猫を被る必要も無い。
気が楽になったというものだ。

前世のトラウマから、女らしくなろうと努力した結果だったが、
深窓の令嬢など、自分には似合わないとつくづく思い知った。
目当ての男には、軽く見られただけだったし、
大体、深窓の令嬢など、つまらない!
折角転生したんだもの!この世界を楽しみたいわ!

「さぁ!心おきなく、暴れるわよ!!」

わたしは肩を回したのだった。


結局、決勝トーナメントに残った5人で、この場を去る者はいなかった。
《わたしとの結婚》と《1万デナール》、どちらに惹かれたかは知らないけど、文句は無い様だ。

これまでの試合で、皆、わたしの腕を知っている。
わたしの相手は、相手が伯爵令嬢だと知った今も、手を抜く事はしなかった。
わたしはその者を華麗に打ち負かし…

決勝に臨んだ。

相手は、予想していた通り、エルネストだ。

『それでは、これより、決勝戦を行います!
この戦いを制した者が、この剣術大会の優勝者となります!』

闘技場は今日一番の盛り上がりを見せた。

『エルネスト=ジュレ対、ブーランジェ伯爵令嬢、リリアーヌ様!』

わたしとエルネストは向かい合い、剣を構えた。
緊張感とこの空気に、ぞくぞくとする。

『始め!!』

「行くわよ!エルネスト!」

わたしは剣を構え、素早く斬り込む。
エルネストは身を交わし避ける。
わたしの剣が見えているのだろう。
普段よりわたしの相手をしているので、このスピードに慣れているのだ。

キイ…ィン!!

剣が鳴り、それは重なった。

「剣を合わせるのは、力の弱い者には不利ではありませんか?」

そう、これまでわたしは、梃の原理や反動を使ったりはしたが、
基本、自分よりも力のある者とは、まともに剣は合わせて来なかった。

「それとも、甘く見られているんでしょうか?」

エルネストは力を込め、わたしを押し返した。
手が痺れる。
やはり、結構力があるわね…

「エルネスト、手加減したら、破門にするわよ!」
「余計な心配ですね、手加減などする余裕はありませんよ!」

キン!!キン!!キン!!

エルネストの剣捌きや動きが、速くなる。
いつもよりも速い___!

キイ…ィン!!

剣が鳴り、わたしは後方に飛び、体制を立て直し、剣を構えた。
エルネストも呼吸を整えつつ、剣を構え直す。
じりじりと間合いを詰めつつ、相手の動きを読む…

「やぁ!!」

わたしは声を上げ、地面を蹴り走る。
エルネストは体勢を低くし、わたしの胴を狙い剣を払った。
わたしはそれを大きく飛び越え、エルネストの頭に剣を下ろした___

「参りました」

勿論寸止めだが、エルネストは負けを認め、剣を下ろした。


『それまで!!』

「うおおおお!!!」

歓声が上がる。

『勝者、ブーランジェ伯爵令嬢、リリアーヌ様!!』

司会がそれを告げると、観衆は立ち上がり沸いた。
わたしはそれらに手を振って応えた後、エルネストの前に立った。

エルネストは俯き、息を整えていたが、わたしに気付き顔を上げた。
不機嫌そう…いや、これは悔しさだろう。
こんな表情のエルネストは初めてかもしれないわ…

「悔しいですが、敵いませんでした」

「わたしはあなたの師匠よ、負ける訳にはいかないでしょう?
エルネスト、これをもって、あなたを破門するわ」

エルネストの青灰色の目が見開かれる。
こんな表情も出来たのね。
わたしは楽しくなっていたが、エルネストには楽しくないらしく、不機嫌に眉を寄せた。

「何故でしょう?私は手加減などしていませんでしたが?」

「そうね、でも、わたしが居るんだから、剣士はもう必要無いでしょう?
冒険者パーティには、魔術師が必要なの」

「何の話ですか?」

エルネストはますます不機嫌な顔になり、目を眇めた。

「わたしはあなたと結婚して、冒険者になるわ!」
「結婚は出来ません、私はあなたに負けましたから」

悔しそうだ。
そう、エルネストは勝つ気で向かって来てくれた。
それは、長年剣を合わせているのだから、良く分かった。

わたしとの結婚を賭けて___

「この大会は、わたしの結婚相手を選ぶ為のものよ?
わたしが、あなたを選んだの、
試合をして、わたしよりも強いとあなたを認めたのよ、悪い?」

「詭弁ですね、腑に落ちません」

もう!融通が利かないわね!!

「わたしもこの大会で学んだわ、優先すべきが何か、今更ながら気付いたの、
夫に求めるのは剣術の腕なんかじゃない…結婚するなら、あなたがいい。
あなたが好きよ、エルネスト!」

この、世紀の告白にも、エルネストの目は冷ややかだった。

「それは、錯覚です、あなたは冒険者になりたいだけですよ」

まぁ、ぶっちゃけ、それもあるんだけど~

「信じないのね?」
「信じられませんね」
「少なくとも、わたしは浮気しないわよ!」

一途さなら負けないわ!!
だが、エルネストは頭を振った。

「あなたは自分の魅力を分かっていない、あなたの魅力が発揮されるのは、
きっとこれからでしょう、自分を安売りしてはいけません」

「ありがとう、それで?あなたは、わたしを愛してるの?夫になる気はあって?」

「!!」

エルネストは不機嫌な顔で逡巡した後…嘆息した。

「降参です、分かっているんでしょう?」

ええ、だって、あなた、勝とうとしてくれたもの。
わたしはにやけてしまう口元を頑張って引き締めた。

「あなたに教えてあげる、プロポーズはもっとロマンチックにするものよ、エルネスト」

「結婚後は、私のこれまでの給金とあなたの持参金は投資に当て、
世界中を周り、冒険者で荒稼ぎしましょう。
新婚旅行の最初の目的地は、ギルド、あなたの冒険者登録をします」

「賛成!最高ね!これ以上ない、素敵なプロポーズだわ!」

エルネストは、本当に、『わたし』を分かってくれている!
そして、わたしをわたしのまま、愛してくれている。
そして、わたしもだ___

「エルネスト、愛してるわ!」

わたしは彼に飛び付き、キスをする。
彼はふっと笑い、「生ぬるいですね」と、熱いキスを返してくれた。

この時になり、観衆も流石に、わたしたちに気付いた。
ざわつき始めたのを見計らい、司会が高らかに宣言した。

『ブーランジェ伯爵令嬢、リリアーヌ様が選ばれたお相手は、
エルネスト=ジュレ!』

観衆は驚きの声を上げ、それは徐々に、祝福へと変わっていった。

「おい!ここに神父様が居るぞ!」
「結婚させてやれ!」
「リリアーヌ様とエルネスト様の結婚式だ!!」

観戦に来ていた神父が、引っ張り出され、
父、母、兄、兄嫁、嫁ぎ先から応援に来ていた姉も駆け付けて来た。

「リリアーヌ、優勝おめでとう!やっぱり、おまえは元気な方がいいね」
「素敵だったわよ~!皆あなたに見惚れていたのよ~!」
「我が妹ながら、天晴れだよ!あれは神技だ!」
「リリアーヌ!なんて素敵な私の妹!帰って、夫や義父母にあなたを自慢するわ!」
「エルネストなら、安心しておまえを任せられるよ、良い相手を選んだね、リリアーヌ」
「私は最初から、リリアーヌの相手はエルネストだと思っていましたわ~」
「僕だってそうさ!エルネストがリリアーヌを好きだって、気付いてたよ」
「あら!私はリリアーヌがエルネストを好きな事、ずっと前から知っててよ!」

相変わらず、わたしの家族はわたしに大甘で、完全肯定だ。
兄嫁もニコニコと笑っている。
わたしとエルネストは、そっと視線を合わせ、笑った。


「それでは、これより、エルネスト=ジュレ…本名、アロイス=クレールと、
ブーランジェ伯爵令嬢、リリアーヌの結婚式を執り行います。
異議のある者は今、ここで申し出なさい」

神父が恭しく言うと、「神父様、お待ち下さい!」と、観客席から女性が走り降りて来た。
その手には、白い百合のブーケがあった。

「恐れ入ります、町の花屋プレジーのリラです、リリアーヌ様にブーケを!
受け取って頂きたいのですが…その…ご迷惑で無ければ…」

結婚相手が決まるというので、ブーケを用意してくれていたらしいが、
緊張しているのか、恐縮しているのか、どんどん自信無くしていっている。
青い顔で震えながらブーケを捧げるリラの手から、わたしはそれを受け取った。

「素敵なブーケをありがとう、リラ、あなたのお心遣いに感謝します。
あなたにも幸運が舞い込みますように」

笑顔で感謝を述べると、リラは顔を赤くし、慌てふためき、深々と頭を下げると、
観客席に駆け戻って行った。

リリアーヌの名に合わせ、百合の花とは気が利いている。
前世の名も百合だし、これはきっと、幸運の花ね!

「それでは、これより、結婚の儀を…」

神父が改めて式を始めようとした時だ、闘技場に「異議を申し立てるーー!!」と
大声を上げ、ジェロームが駆け込んで来た。
これには、観衆が一団となり、ブーイングを浴びせた。
憐れ、ジェロームは警備兵に引き摺られ、呆気無く退場となった。

「ええ、コホン、それでは、改めて、結婚の儀を執り行います___」

大勢の観衆に見守られ、わたしとエルネストは夫婦の誓いを述べた。

「これからは、どんな困難も、二人で立ち向かっていきましょう!」

「御意」

「抜け駆けは無しよ!」

楽団が奏でる祝福のマーチの中、
エルネストはわたしに、誓いのキスをした



《本編:完》
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