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「フェリシア!」

わたしはその日、不思議な体験をした。
町で、突然、見知らぬ紳士に、知らぬ名で呼び止められたのだ。

「フェリシア!」

四十歳手前だろうか、その男は、川で溺れた人が何とか助かろうと岩に縋るかのように、真剣で、切迫していた。
わたしの両肩を強い力で掴み、その強い眼差しには、驚き、恐怖の様なものがあった。
わたしは圧倒され、つい返事が遅くなってしまったが、何とか返した。

「も、申し訳ないのですが、わたしはフェリシアという名ではございません…」

わたしの言葉が聞こえているのか、いないのか、男はわたしを見つめたまま、固まっている。
周囲を通る人たちの視線に気付き、わたしは赤くなった。

「お人間違えかと…」

「ああ…そうだ、その通りだ…すまなかったね」

男は漸くわたしの肩を離した。
目にあった強い光は消え、急に十歳は老けたかの様に、肩を落とす。
もしかしたら、娘に家出をされたのかもしれない…
彼の必死さに、わたしは絆され、声を掛けていた。

「気を落とされないで下さい、きっと、神の導きがございますわ…」

それ程真剣に探しているのなら、きっと、その想いは届くだろう。
紳士は深く息を吐くと、「ありがとう」と頷いた。
暗く切ない色を見せる、灰色の瞳。
そして、去って行く悲しげな背中を、わたしは暫く忘れる事が出来なかった。


◇◇◇


アリス=フォーレ

わたしは男爵家の長女で、魔法学園を卒業し、二年近くになる。
魔法学園で薬学を学び、調合等、免許を習得したわたしは、
実家から程近い、町の薬屋に勤めていた。

わたしには婚約者がいる。
二歳年上の、フィリップ=カルヴェ男爵令息だ。

フォーレ家には男子がおらず、長女であるわたしの結婚相手に男爵家を継いで貰いたいと、両親は常々良い相手を探していた。
昨年、叔母の紹介で、男爵家の三男であるフィリップと会い、お互いに好感を持った事で、直ぐに婚約の運びとなった。
わたしが二十歳になる…来年の春、結婚する予定でいる。

わたしはこれまで、華やかさとは縁が無かった。
唯一、誇れるものといえば、この少し赤味のある白金髪、ストロベリーブロンド位だ。
珍しい色で、目を惹き、皆褒めてくれた。
他には大して目を惹く所は無く、慎ましい性格もあり、多くの令嬢たちの中では埋もれてしまう存在だった。
魔法学園でも、真面目で優秀ではあったが、直ぐに忘れられる様な、地味な生徒だっただろう。

そんなわたしの人生は、今、明るく、輝いていた。

遣り甲斐のある仕事、そして、優しい婚約者。
来年の春を想い、わたしの心は浮き立っていた___





「ルイーズ!喜べ、おまえに縁談が来たぞ!」

父が興奮した声を上げ、足早にパーラーに入って来た。
その手には、白い便せんがある。

「まぁ!良いお話ですの?」

母が顔を輝かせ、側にいた妹ルイーズも、期待に青色の目を大きくし、笑みを浮かべた。

「相手は伯爵だ!」
「まぁ!伯爵ですって!?凄いわ、ルイーズ!」

母が少女の様に歓喜の声を上げた。
だが、それも仕方のない事だ。
男爵家の娘が、格上である伯爵家から見染められる事は、
滅多にない、幸運な事なのだから___

「ああ、ルイーズ!あなたなら、立派な方の目に留まると思っていたわ!」

ルイーズはまんざらでも無い顔をし、顎を上げた。
妹のルイーズは、生まれながらに容姿に恵まれ、そして愛嬌もあり、誰からも好かれる娘だった。
美しい金髪に、鮮やかな青い目は魅力的で、それに加え、彼女は美に対し、早くから興味を持っていた。
食事を制限し、肌を陽に焼かない様に注意を払い、化粧や服装は常に流行を追っている。
魔法学園ではなく、令嬢たちの通う学校へ二年程通い、礼儀や化粧、魅力的に着飾る術を学んだ。

去年の夏に卒業してからは、令嬢たちの茶会や舞踏会にしきりに顔を出していた。
それには理由があり、ルイーズの望みは、そこで縁を作り、侯爵家、公爵家等のレディーズメイドに推薦して貰う事だった。
レディーズメイド、令嬢付きのメイドで、令嬢を美しく着飾るのが仕事だ。

我がフォーレ家は、男爵家という事で、金銭面ではあまり裕福とはいえなかったが、可愛い娘であるルイーズの望みとあり、両親は何とかドレス代等を工面し、送り出していた。
そんな両親の姿を見ているので、わたしも給金から幾らか援助していた。
それに、妹に「新しい首飾りが欲しいの」等、強請られた時には、気前良く渡していた。

「お父様、どういった方ですの?」

ルイーズは礼儀正しく聞いているが、その目は期待に輝いている。
母も興奮し、ルイーズの手を握った。
わたしも可愛い妹の結婚相手という事で、期待と興奮に気持ちが逸った。

「グエナエル=ミュラー伯爵といってな、領地はここからそう遠くはないぞ、馬車で半日程だ。
三十七歳だから、おまえより少し歳は上だが、伯爵だからな、当然だろう…」

父は問題無いと思った様だが、この辺りから、ルイーズの目から光は消え、
笑みは薄くなっていた。
それもそうだ、ルイーズはまだ十七歳なのだから…
十代の娘にとって、二十歳も上の相手など、考えられないだろう。

「三十七歳で、独身ですの?」
「二年前に妻を亡くされたそうだ、可哀想に、寂しいのだろう」
「そうですわね、それなら、新しい妻が早急に必要ですわ!」

両親は乗り気だった。
だが、肝心のルイーズはというと、完全に興味を失っていた。

「私、二十歳も年上の方の、しかも後妻なんて、嫌ですわ」

声を落とし不満を洩らした。
両親はなんとかルイーズを説得しようとした。
両親としては、娘の結婚相手に伯爵というのは、願ったり叶ったりなのだ。
伯爵家と縁を結べる事は、家としても大変に得になる事だった。

「ルイーズ、相手は伯爵なんだぞ!?良く考えるんだ!」
「そうよ、二十歳上といっても、三十七歳でしょう?男性は大人になる程、魅力を増すものよ」
「だったら、お母様は、七十歳の老人に抱かれたいというのね?」

あけすけな言葉に、母は顔を顰めた。
ルイーズは機嫌が悪くなると、言葉も悪くなるのだ。

「兎に角、私はお断りよ、お父様、このお話は断って下さいね!」

ルイーズははっきりと拒絶を表し、ツンと顎を上げ、席を立ち出て行った。
だが、父は迷っていた。

「しかし…相手は伯爵だぞ?結婚すれば、あの娘は伯爵夫人だ!
これがどれだけ良い話か、あの娘は分かっていないんだ…」

父は困難に直面すると、問題はその内何とかなると思ってしまう処がある。
父が断りの手紙を書かない事は、母もわたしも、多分、ルイーズも、想像出来ていた。

「アリス、ルイーズを説得して頂戴!」

母から頼まれたが、わたしは頭を振った。

「無理よ、お母様…
相手は二十歳も年上ですもの、ルイーズが可哀想ですわ…
それに、ルイーズは、レディーズメイドになるのが夢ですもの、
今は結婚をしたいなんて思っていないんじゃないかしら…」

ルイーズが侯爵、公爵家のレディーズメイドを目指しているのは、
侯爵、公爵家に勤め、その縁から、格上の男性を捕まえ、結婚したいと思っているからだ。
そんなルイーズにとって、田舎の辺境の地の、二十歳も年上の伯爵との結婚話など、魅力があるとは思えなかった。

「そう、困ったわね…」
「お父様を説得して、お断りして貰うのが良いと思いますわ…」
「お父様を説得するなんて、それこそ無理よ、分かるでしょう?」

父は爵位に弱い。
『伯爵夫人』という、又とない良縁に、すっかり目が眩んでいる。
娘の幸せは爵位と共にあると考えるような人だ…

わたしと母は、ルイーズの将来を憂い、嘆息した。


この時、わたしはルイーズを理解し、全てを知っていると思っていた。
だが、そうでは無かった。
妹は、いつまでも可愛い庇護者では無かった。
とっくに、わたしの手から離れてしまっていたのだ…

わたしがそれに気付かされたのは、三日後の事だった___


その日、わたしが仕事を終え、館に帰って来ると、それはもう既に起こり、過ぎ去った後だった。
パーラーには、両親とルイーズ、そして、何故だか婚約者フィリップの姿があった。

「フィリップ様…」

突然の婚約者の訪問に、わたしは喜び、自然と笑みが零れたが、
フィリップの隣にルイーズが居る事、そして、わたしに気付いた彼の顔に、
喜びでは無く、苦渋の色が浮かんでいるのに気付き、困惑した。
それに、彼は立ち上がり、わたしを迎えに来ようとしない…
両親は渋い顔で俯き、パーラーには暗く重い空気が流れている。

「どうなさったのです?何かあったのですか?」

わたしは、何か大変な事が起こったのでは?と、恐々、声を掛けた。
すると、ルイーズが立ち上がった。
彼女は青い目を大きく見開き、両手の指を組み、わたしに訴えた。

「ああ、お姉様、ごめんなさい!私、フィリップ様と想い合っているの!
でも、お姉様が悪いのよ!お姉様ってば、全く魅力に乏しいんですもの!
彼の前でも着飾らないし、お出掛けにも誘ったりしないでしょう?
自分に興味が無いのだと、彼が自信を無くしてしまうのも無理はありませんわ!」

わたしは突然の事に、頭を整理出来ず、茫然とルイーズが喚くのを聞いていた。

「私、家の為に伯爵に嫁がなくてはいけないと、フィリップ様にお話しましたの…
そうしたら、フィリップ様がおっしゃって下さったの…」

フィリップは意を決した様に頷き、立ち上がると、ルイーズの肩を抱いた。

「ごめんよ、アリス…僕は、ルイーズを愛しているんだ!
彼女から話を聞いて、僕は決心した、君との婚約は解消し、ルイーズと結婚すると!
自分に嘘を吐いたまま、君と結婚するなんて出来ない…
なんと非難されようと、僕は愛を取るよ、それが誠実というものだろう?」

二人は固く手を握り締める。
わたしは殴られたかの様に、頭が揺れた。

彼は、一体、何を言っているの?
ルイーズは何を…

わたしは無意識に考えるのを放棄し、その場を飛び出していた。
だが、逃げ込む場所など無く、わたしは自室に入り、鍵を掛けるだけに止まった。

何も考えたく無かった。
だが、嫌でも頭には、先程の二人の言葉が蘇ってくる。


『私、フィリップ様と想い合っているの!』
『でも、お姉様が悪いのよ!』
『お姉様ってば、全く魅力に乏しいんですもの!』

『彼の前でも着飾らないし』
『自分に興味が無いのだと…』

『ごめんよ、アリス…僕は、ルイーズを愛しているんだ!』
『自分に嘘を吐いたまま、君と結婚するなんて出来ない…』
『なんと非難されようと、僕は愛を取るよ、それが誠実というものだろう?』


「嘘よ…そんなの…」

誰か嘘だと言って!!

いやあああ!!!


◇◇


数日、わたしは仕事には行っていたが、
家では部屋に閉じ籠り、誰とも顔を合わせず、誰とも口をきかなかった。

一週間近くが過ぎ、父がわたしの部屋の扉を叩いた。

「アリス…おまえには済まないが、おまえとフィリップの婚約は、解消になった…
ルイーズと結婚し…この家を継いで貰う事になる…
それで、おまえの事なんだが…
妹に婚約者を奪われたなど、皆に思われたくはなかろう?
幸い、伯爵が、相手はおまえでも良いと言って下さった…
皆にはおまえに縁談が来て、仕方なくルイーズと代わったと言っておくよ…
伯爵はおまえを気の毒に思って、直ぐに館に迎えて下さるそうだ…
準備をし、明日にでも出発するといい…
店には私から断っておいた…」

父が立ち去るのを待ち、わたしはそれを繰り返す。


わたしでも良いと___

ルイーズは愛され、わたしは愛して貰えず、捨てられ、
その上、そんな風に言われて嫁ぐなんて…

気の毒だから、引き取ると?

ああ、なんてお優しいのかしら…と、感謝しろとでも?

あんまりよ…!


わたしは、この世で一番価値の無い者だと、言われている気がし、
惨めで可哀想な自分を抱き、咽び泣いた___


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