上 下
10 / 35
二度目

しおりを挟む

マリアンヌは志願兵を求めた。
マリアンヌが幾ら聖女であったとしても、隣国を奪う等、出来る筈がない___
志願する者は少なかった。
マリアンヌと親しい使用人たちは、手伝いを申し出てくれた。
マリアンヌは少ない兵と使用人たちを引き連れ、隣国へ向かった。

「隣国を奪うなど、無理に決まっておる!」

王はマリアンヌが死んでくれるのを期待していた。
だが、マリアンヌの死所か、一行が隣国に攻め入ったという情報すら、届かなかった。
どうやら、一行は忽然と消えたらしい。

「逃げられたか!」と、王は怒ったが、民の考えは違っていた。

「神の怒りを買ったのだ!」
「王の所為で、聖女がいなくなってしまった!」
「この国は、もう、お終いだ!!」

民の怒りは王に向けられた。
混乱に陥っていた所、再び城を攻められた。

「我が国が要求するのは、この国の統治、王、妃、王子、王女の身柄である!
大人しく差し出すならば、他の者たちに危害を加える気は無い___」

敵国の騎士団長が降伏勧告を行うと、兵たちは皆、それに従った。
王は暴君で、臣下たちは皆、辟易していたのだ。
王、妃、王子、王女は逃げ出そうとしたものの、自国の側近や衛兵により、
あっさりと捕らえられ、懇願も聞き入れては貰えず、差し出された。

暫くの間という事で、騎士団長が王座に就いた。

マリアンヌの母と姉王女は、危うい立場にいた。
城に残っても、使用人に落とされるだけだろう。
マリアンヌの暮らしを知っていた二人は、ぞっとした。

「あんな風にはなりたくないわね!」
「マリアンヌってば、プライドが無いのかしら!」

これまで二人はマリアンヌを散々に嘲ってきた。
自分たちもそうなるのだと思うと、耐えられず、
二人は権力者である騎士団長に狙いを定め、取り入る事にした。
だが、厳格な騎士団長は嫌悪し、即座に二人を捕らえ、
王たちと一緒に敵国に送る事にした。

王、妃、王子、王女、マリアンヌの母、姉が、敵国に連行されて行くのと入れ替わりに、
マリアンヌが城に戻って来た。

今回の事は、マリアンヌが策を練り、敵国に持ちかけた事だった。
マリアンヌの願いは、「国から戦を無くし、泰平の世を作る事」だった。
敵国はマリアンヌの話に乗り、敵国の名のある要人に国を統治させる事にした。
事実上、敵国の地になったと言えるので、
敵国の王は「戦わずして手に入るなら、これ程楽な事は無い」と、喜んだ。

マリアンヌと一行は、自国の王の目を欺く為、敵国に身を潜めていた。
その間に、マリアンヌは敵国の土地の瘴気を祓い、土地を豊かにしていった。
王は喜び、マリアンヌが連れて来た兵たちや使用人たちに、土地を与えた。
今は、皆、そこで暮らしている。

国に戻ったマリアンヌは、新王に結婚を迫られるも、断り、
生涯、国を巡り、瘴気を祓い、民の為に尽くした。
マリアンヌがその寿命を終えるまで、国では一度も戦が起こる事は無かった。

その二百年後、大きな戦いが起こった際、隣国と統一され、
我がロクザンプール王国が誕生した___


◇◇


本を読み終えたわたしは、「ほう…」と息を吐いた。

マリアンヌと自分が重なる部分があり、複雑な思いだった。

結局、マリアンヌは許されたのだろうか?
女神から力を与えられた時に、許されたのだろうか?
許されたかどうかは分からないが、
マリアンヌはそれよりもずっと以前に、苦しみから解き放たれていた…

「ああ、わたしも、マリアンヌの様に生きたい!」

わたしの贖罪は、リアムに会わない事だったが、
それだけでは足りなかったのだ___!

わたしも、マリアンヌの様に、罪を償いたい!


わたしは強い思いに突き動かされていた。
神父を訪ね、本を返し、それを申し出た。

「わたしにも、何か出来ないでしょうか?誰かの役に立ちたいのです!」

「そうですね…それでは、子供の聖歌隊に入りますか?」

「歌を歌う事が、役に立つのですか?」

「はい、神に捧げる歌です、それに、聖歌隊の歌は、皆を元気付けます」

わたしは目の前が、パッと開けた気がした。

「わたし、やってみたいです!」

「練習は週三日、午後の二時間です。
まずは、ご両親から許可を頂いてきて下さい」


わたしは急いで館に帰り、両親の許可を求めた。
だが、思うよりも、すんなりとはいかなかった。
両親は急な事に驚いていたし、乗り気では無かった。

「聖歌隊?同じ年頃の子とはいえ、皆、平民の子たちだろう?
男の子たちもいる…ジスレーヌが、その中でやっていけるか…」

「そんなの、危ないわよ!暴力を振るったり、酷い事を言う子もいるから…」

「それなら、一度だけ!行ってみなくちゃ分からないし、それに、平民の子だって、
わたしたちと同じ人間よ!」

両親は目を丸くした。

「ああ…だがね、世の中には、話の通じない者もいる」

「そうよ、あなたの優しさに付け入って、騙すかもしれないわ」

それは、もう、経験済よ!
わたしは心の中で言っていた。

「そうならない為に、世の中を知りたいの!
お願いです!酷い所だったら、諦めます、だから、わたしに機会を下さい!」

わたしが必死で頼み込むと、渋々ではあったが、
「それなら、一度だけ…」と許してくれた。

「ありがとう!お父様、お母様!愛してるわ!」

わたしは両親に飛びつき、頬にキスをした。
両親は呆れながらも、うれしそうに笑っていた。

「ジスレーヌもしっかりしてきたな…」
「本当に、あの子がこんな事を言い出すなんて、思いませんでしたわ…」
「時々、妙に大人な事を言う…」
「ジスレーヌは飲み込みが早いって、先生も言っていましたわ」

両親の会話に冷や冷やしつつ、わたしは部屋を後にした。


◇◇


練習の日、いつも教会に付いて来てくれていた、侍女のロラがお守役を買って出てくれ、
わたしはなるべく質素なワンピースに着替え、教会に向かった。

「よく来ましたね、ご両親から許可は頂けましたか?」

神父はわたしの事を覚えていてくれた。

「はい!今日からよろしくお願いします!」

子供の聖歌隊は、九歳から十四歳までの町の子供たちで、二十人程度だった。
賑やかに話していたが、神父が手を叩くと話を止めた。

「彼女はジスレーヌ、新しい仲間です、皆、仲良くしてあげて下さいね」

神父が紹介してくれ、わたしは歌の指導教師の修道女メアリに預けられた。

「声を聞きたいから、ピアノに合わせて声を出してみて…アーーーーーー」

わたしはその声の大きさに、ビクリとした。

「ジスレーヌ、声を出して」

「アーーーー」

言われるまま声を出したのだが、思った以上に小さかった。
後ろに並んだ子供たちが「くすくす」と笑う。
わたしは恥ずかしく、顔が真っ赤になった。
だが、修道女メアリは全く気にせずに、続けた。

「いいわよ、続けて、アーーーーーー」

ピアノの音階が上がって行くのに合わせ、わたしは必死に声を出した。

「いいわよ、ジスレーヌ、でも、まずは発声練習をしましょう。
それから、あなたにはソプラノに入って貰います____」

わたしは皆と別れ、隣室で発声の練習をした。
これが出来るまでは、皆の中に入れないらしい。
わたしは皆に追いつこうと、必死に取り組んだ。

気付くと、隣室からは、見事な讃美歌が聞こえてきていた。
自分も同じ様に歌えるか、自信は全く無かったが、
「努力するの!マリアンヌ様だって、最初は上手く出来なかったもの!」と、自分を鼓舞した。


◇◇


発声や歌の基礎を習い、聖歌隊の歌を聴いて覚える。
わたしは館に帰ってからも、一人で練習した。
わたしは楽譜を読む事が出来、ピアノが弾けるので、曲を覚える事は得意だった。
だが、思う様に声は出てくれなかった。

練習を重ね、一週間後___

「良いでしょう、良く頑張りましたね、今日から皆と一緒に歌いましょう」

わたしは漸く、皆の中に入り、一緒に歌う事が許された。
わたしは十歳で、聖歌隊の中でも小さい方なので、前列の端に迎えられた。

「良かったね!」と声を掛けて貰い、「ありがとう」とはにかんで答えた。

最初は緊張したが、ピアノが流れ出すと、皆に合わせ、声を出していた。


◇◇


両親は心配していたが、聖歌隊の子供たちは、平民の子たちではあるが、
裕福な家庭の子たちが多く、皆、行儀が良かった。
教会で走り回る事も無く、練習が始まるまでは賑やかにしているが、
始まると途端に真面目になり、ピンと背を正し、口を大きく開けて歌った。
その歌声は素晴らしく、天使の声を思わせた。

「あなた、貴族って本当?」

「馬鹿!貴族に話し掛けたら、首を刎ねられるんだぞ!」

「貴族だけど、仲良くしてね、ジスレーヌって呼んでね」

わたしはなるべく愛想良く言った。
一度十九歳まで生きているからか、皆が可愛く見えた。

「あたし、レナよ、よろしくね!」
「あたしは、ミラ!」
「メリッサよ!」

ほとんどの子たちは、貴族令嬢に興味津々で、良くしてくれた。
残りの子たちは、目障りに感じていた様だ。

「貴族は、聖歌隊に来ないで欲しいわ」
「なんか、浮いてるよねー」
「きっと、教会に、すげー寄付したんだよ」
「でも、彼女、貧乏貴族なんじゃない?」
「服がダサイもの!」

悪く言われると、自分が何かしてしまった気になったが、
「これは、贖罪だもの」と自分に言い聞かせた。
そして、なるべく目立たない様に、皆と同じ様にしようと努めた。
なので、ブルネットの髪はいつも二つの三つ編みにし、
ワンピースは町娘が着る物を買って貰った。

歌で、皆の役に立てるようになろう。
神様は、平民も貴族も、《同じ人間》だと言うわ。
皆の声と同じ、わたしの声も神様に届く筈___


◇◇


わたしは練習時間よりも少し早く教会に行き、礼拝堂で祈る様にしていた。
ある時、修道女が掃除をしているのに気付いた。

「わたしにも、何かお手伝いさせて下さい」

わたしが申し出ると、お守役の侍女ロラは慌てた。

「ジスレーヌ様!その様な事をなさってはいけません!
旦那様や奥様に叱られます!ここは、私が…」

「わたしがやりたいの、これも、神様へのご奉仕でしょう?
お父様もお母様も気を悪くしたりはしないわ」

「良い心掛けですね、きっと神のご加護がありますよ」

修道女は微笑み、わたしに布を渡してくれた。
それから、掃除のやり方を教えてくれ、わたしは礼拝堂のテーブルを、心を込めて拭いていった。

それから、わたしは教会に訪れる度、何かしら手伝いをさせて貰う様になった。
ロラには見ていて貰い、分からない事は彼女に教えて貰った。

「ああ、ジスレーヌ様、磨き粉を付け過ぎです!床が傷みますよ…」

ロラは侍女なので、一通りの掃除や家事は出来る。
しかも、驚く程、手際が良いし、物知りだ。
わたしはその事に、改めて気付かされたのだった。

「ロラは凄いのね、いつも教えて下さって、ありがとう」

「そんな!大袈裟ですよ!この位、侍女なら当前です」

「それなら、侍女は皆凄い人たちだわ!」

「ジスレーヌ様ってば…」

ロラは頬を赤くし、照れていた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

さこの
恋愛
恋がしたい。 ウィルフレッド殿下が言った… それではどうぞ、美しい恋をしてください。 婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました! 話の視点が回毎に変わることがあります。 緩い設定です。二十話程です。 本編+番外編の別視点

どうやら私(オタク)は乙女ゲームの主人公の親友令嬢に転生したらしい

海亜
恋愛
大交通事故が起きその犠牲者の1人となった私(オタク)。 その後、私は赤ちゃんー璃杏ーに転生する。 赤ちゃんライフを満喫する私だが生まれた場所は公爵家。 だから、礼儀作法・音楽レッスン・ダンスレッスン・勉強・魔法講座!?と様々な習い事がもっさりある。 私のHPは限界です!! なのになのに!!5歳の誕生日パーティの日あることがきっかけで、大人気乙女ゲーム『恋は泡のように』通称『恋泡』の主人公の親友令嬢に転生したことが判明する。 しかも、親友令嬢には小さい頃からいろんな悲劇にあっているなんとも言えないキャラなのだ! でも、そんな未来私(オタクでかなりの人見知りと口下手)が変えてみせる!! そして、あわよくば最後までできなかった乙女ゲームを鑑賞したい!!・・・・うへへ だけど・・・・・・主人公・悪役令嬢・攻略対象の性格が少し違うような? ♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟ 皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います! この作品をよろしくお願いします!m(_ _)m

【完結】前世を思い出したら価値観も運命も変わりました

暁山 からす
恋愛
完結しました。 読んでいただいてありがとうございました。 ーーーーーーーーーーーー 公爵令嬢のマリッサにはピートという婚約者がいた。 マリッサは自身の容姿に自信がなくて、美男子であるピートに引目を感じてピートの言うことはなんでも受け入れてきた。 そして学園卒業間近になったある日、マリッサの親友の男爵令嬢アンナがピートの子供を宿したのでマリッサと結婚後にアンナを第二夫人に迎えるように言ってきて‥‥。   今までのマリッサならば、そんな馬鹿げた話も受け入れただろうけど、前世を思したマリッサは‥‥?   ーーーーーーーーーーーー 設定はゆるいです ヨーロッパ風ファンタジーぽい世界 完結まで毎日更新 全13話  

逆行した公爵令嬢!2度目の人生は絶対に失敗しないことを誓う

Karamimi
恋愛
婚約者で第二王子のユーグラテスの策略で、家族は国家反逆罪で捕まり、自身も投獄されてしまった公爵令嬢のミシェル。 地下牢で泣き崩れるミシェルの元に現れたのは、いつも喧嘩ばかりしている幼馴染の公爵令息、レオだった。 レオは何とか看守の目を盗み脱獄に成功。2人で逃げる途中、第二王子に見つかり、レオは切り付けられ瀕死の状態に。 「レオ、お願い、死なないで!」 「ミシェル、お前だけでも…逃げろ…」 「イヤーーーー」 泣き叫ぶミシェルに、無情にも第二王子の魔の手が… 「大丈夫だ。お前もすぐに後を追わせてやる」 死を覚悟し、目を閉じた瞬間、意識を失った。 次に目が覚めたのは、なんと公爵家の自分の部屋。さらに8歳の姿に戻っていたのだ。 どうやら逆行したことを理解したミシェルは、大切な家族を守る為、そして命を懸けて自分を守ってくれた大切な幼馴染、レオを死なせない為に、2度目の人生は絶対に失敗しないと誓った。 1度目の失敗を生かし、必死で努力するミシェル。そんなミシェルに第二王子と幼馴染は… 物心ついた頃からずっとミシェルだけを思い続けて来た幼馴染レオと、異常なまでの執着を見せる第二王子ユーグラテスに翻弄される公爵令嬢ミシェルのお話です。

【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。

海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】 クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。 しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。 失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが―― これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。 ※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました! ※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。

残念な婚約者~侯爵令嬢の嘆き~

cyaru
恋愛
女の子が皆夢見る王子様‥‥でもね?実際王子の婚約者なんてやってられないよ? 幼い日に決められてしまった第三王子との婚約にうんざりする侯爵令嬢のオーロラ。 嫌われるのも一つの手。だけど、好きの反対は無関心。 そうだ!王子に存在を忘れてもらおう! ですがその第三王子、実は・・・。 ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※頑張って更新します。目標は8月25日完結目指して頑張ります。

【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-

七瀬菜々
恋愛
 ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。   両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。  もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。  ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。  ---愛されていないわけじゃない。  アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。  しかし、その願いが届くことはなかった。  アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。  かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。  アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。 ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。  アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。  結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。  望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………? ※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。    ※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。 ※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。  

侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw

さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」  ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。 「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」  いえ! 慕っていません!  このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。  どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。  しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……  *設定は緩いです  

処理中です...