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ニートなのに動き回る

魔王!?

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「見つけたぞふざけた小僧め!」

 え、いきなりなにこの人?

「き、っ貴様忘れたとは言わせんぞ!この我をブッ飛ばしたその行為許されることではない!」

 ブッ飛ばした?おかしなことをいう人だなぁ?初めて来た所で知り合いが居ました?そんなことあるわけないじゃん。

「ご主人様、あのみるからに残念そうな人とお知り合いですか?」

「御主人様、あのみるからに気持ち悪い奴とは知り合いなのか?」

「新くん、あのみるからにモテないオーラの人とは知り合いなの?」

 三人とも反応が酷いね?
 まあ、あのみるからに性悪そうな人とは知り合いじゃないよ。

「き、貴様らバカにしおって……」

「うわっ、あれ急にプルプルしはじめたよ新くん!」

「すみませんご主人様…………あれをみて吐き気がしてきました」

「御主人様あれきもいのじゃぁ!」

 まじで反応が酷いよ?あ、ほら、なんか目がうるうるしはじめたよ?流石に同情しちゃう。

「「「今度はなんか泣きd」」」

「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 やめてあげて!号泣しはじめたから!

「心配して来たのに新徒達なにやってるのよ…………」

 あ、王女様のお帰りだ。

「吹っ飛ばされてたのよ!まあ、それは良いわ。それよりなんでいきなり魔王泣かしてるのよ」

 え、あれが魔王?思ってたのと違う。

「あれは成り立てだからね。言ってなかったっけ?魔王は一人じゃないのよ」

 それ初耳。

「そうだったかしら……?」

 いや疑問系で聞かれても聞いてないよ?

「…………!そうだったわ、新徒は確か抜け出して話聞いてなかったじゃない!」

 あ、その節はすみません。

「許してないけどそれよりあのクソをどうにかしなさいよ。見ていて気持ち悪いわ」

 皆なんで魔王に辛辣なの?

「あ、御主人様。こやつよくみたら知っておるのじゃ」

 そうなの?

「ロアちゃん知っているんですか?」

「うむ、確か十年前にわしのところに来てその首討ち取ってくれるわ!とか意気揚々にいってきたから吹っ飛ばしたのじゃ」

「はっ!貴様あの時の龍人族か!」

 吹っ飛ばしたのじゃって…………。

「あ、私も見覚えありました」

 エリィも?

「十年前頃、小さい頃に森で狩りをしていたらいきなり降ってきたのです。ハァハァしていて怖かったのでスキル全開で蹴り飛ばしました」

「あの謎の衝撃は貴様だったのか!」

 短時間で二回も幼女に吹っ飛ばされたり蹴飛ばされるって…………ついて、いやこれは逆についてたね?

「あ、新くん!」

 まさか深華も!?

「この人知らない!」

 …………だろうね。ドヤ顔で言うことじゃないよ、深華?

「ふ、ふははは、まさかここで恨みを持つ三人に出会えるとは…………これを好機と言わずなんと言おう!」

「「「処刑?」」」

「貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!」

 暴走しはじめた!

「ちょっとウザいわよこのクソ野郎」

 ボキャア

 ドスン

 ……………………こ、股間を。

「あれ、急に倒れましたよ?」

「死んだのかのう?」

「返事がない、ただの屍だよ!」

 ほら、皆もビックリしてるよどうすんの?

「う、つい手を出しちゃったけどどうしようかしら」

 いやホンとにどうすんの?皆あれ?ってなってるよ?

「新徒任せた!」

 結局俺頼み!?

「きっとご主人様が仕留めたんですね」

「流石御主人様じゃ!」

「新くんは便利なスキルあるもんね」

 あ、勝手に納得してくれた。説明の手間がなくなったし別にいいかな?

「新徒信頼されてるわね」

 ふ、これが日頃のおこないって奴よ!

 けどこの魔王どうにかしないと。どうしよう?

「ご主人様地図です」

 ?なんで地図?

「私的にはこの辺に吹き飛ばしたら宜しいかと」

 ああ、吹き飛ばす前提?

「確かにそこなら被害がないわね。むしろメリットしかないわ」

 え、ここ街だよね?そこに飛ばしてメリットしかないってどゆこと?

「腐った貴族達の別荘だからよ。今は確か使用人もいないし好都合でしょ?」

 うわぁ、顔が王女じゃないよ。悪女だよ、悪い女にしか見えないよ。どんな育て方されたの?

「腐った豚どもに毎日会ってたらこうなったわ♪」

 それ楽しそうにいうこと?

「何よ私が悪いんじゃなくて世界が悪いのよ!」

 暴君が誕生した。

「新くんどうしたの?」

 よし、王女様の心の闇は置いといて魔王のことを考えよう。

 けど面倒だからもう飛ばすか。魔王だから頑丈だろうし過去に二回も飛ばされて生きていたんだ。今回も大丈夫でしょ。

 なのでそぉーら!

 バッキャッドォォォォォォォオォオオン!

「わしがやったときより飛んでいったのじゃ!」

「やはりご主人様なら当然ですね!」

「変な音したけどきまったね新くん!」

 いやほんとに変な音したんだけど?あれ大丈夫?

「大丈夫よ。あいつには一定時間たつと全快になるスキルがあるから」

 魔王強くない?

「けど確かあのスキル一回使うとクールタイムに一週間かかるんじゃなかったかしら………」

 …………考えないどこ。
 
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