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(なんだこれは……!)
森の中にある小さな町で、少し豪華な装備を身につけ腰に剣を差した男と、その下っ端と思われる盗賊風の格好をした男達が震えていた。
彼等は扉の奥から放たれる得体の知れない気配に恐怖を抱いていた。
男達の中心には縄で手足を縛り、椅子に座らせられて、動いていない少女がいる。おそらく男達が眠らせてさらってきたのだろう。
「……」
扉の向こうにいる人物は無言で前を見つめている。
いや、扉のせいで見えないはずの男達を見ていた。
普通なら目の前に視界を妨げるものがあったら見えないはずだ。
気配察知などの索敵のスキルがあれば問題ないかもしれないが、その人物はそんなスキルを持っていない。
しかしその人物には、周りから無意味と思われたある固有スキルがあった。
「お、おい!新入り、お前が扉を開けろ!」
少し太っていて口だけ威勢のよさそうな
男が、まだ団に入ったばかりの新入りに向かってそんなことをいった。
周りの男達も恐怖に耐えきれなくなり新入りと呼ばれた男を押してそうだお前が行けと言いはなった。
豪華な装備をしたリーダー風の男も無言で行けと目でいった。
(っ、新入りだからってなんでこんなことしなきゃいけないんだよ……)
新入りの男も怯えていたのだが先輩達、何よりリーダの方が怖いと思ったので大人しく指示にしたがろうと行動しようと思ったら……
ガチャリ……
扉が開いて一人の小年が入ってきた。黒色の髪で目の色が青いく、町に売ってある服を着た何処にでもいそうな格好をした少年だった。
「ちっ、なんだよビビって損したぜ。こんな時に何のようだガキ!まさかお前一人でこいつを助けにきたとか言うんじゃねぇだろうな?」
そう言いながら床に転がっている少女を指を指した。
どうやらこの少年は少女を助けに来たのだろうと新入りが思った。
周りの男達もそう思ったらしく、ギャハハ、バカじゃね?と言いながら笑っていた。太った男は新入りを下がらせ俺が相手をしてやると言った。
ただ一人リーダーだけが何故先ほど得体の知れない物を感じとったのか、この違和感はなんなのかと、わからないと思いながら少年を見ていた。
「物語の王子様の真似事かぁ?力のねえガキが一体何ができんだぁ!」
「すくなとも丸く太ったあんたよりは動けるよ」
「なっ!?」
俺は少ししか太ってねぇー!と言おうと思った男を黙らし、
「ちょっと待て、何故ここがわかった?」
リーダーの男が違和感に気がつき、少年に問いただした。
「別にそんなことはどうでもいいだろう」
「……まあ確かにどうでもいいな。お前がここに来たのだから捕まえればいいだけのはずだ。後で吐かせるのもいいな」
そう言いながら腰に差した剣を抜きながら少年に近づいていった。周りの男達もそれを合図に武器を構えた。
「大人しく捕まれ。そうすれば殺しはしない」
「何故捕まらなければいけない?俺は拐われたそいつを助けにきただけだ」
「やはり聞かんか。まあお前からしてみればそうだろう。だがそう簡単に助けられるものか。丸腰で何ができる?」
剣を向けながらそう言いはなった。確かに少年は武器の1つも持っていなかった。服に暗器を隠してるわけでもなさそうだ。
だが男達は気づいていなかった。少年は武器を持ってきていないのではない。武器が必要ではない可能性に。
「リーダー!こいつを助けに来たんならこいつを人質にすればいいんじゃないでしょうか?」
といいながら太った男が指を指しながら言った。男にしては的確な……いやただ単にそうすればいいと思ったのだろう。
「おいガキ!大人しくいうこと聞かねえとこいつに傷をつけるぞ!」
「……そいつに手をだすな。今なら見逃してやる」
「っ、立場がわかってねえみたいだなぁ!」
太った男は少年の態度にイラつき少女を殴ろうと腕をあげた。しかしそれ以上動いていない。いや、動かすことができない。何故なら少年から発せられる異様な威圧のせいで動けないのだ。
「……とりあえずそいつを傷つけようとしたってことは、死ぬ覚悟はできてんだろうな」
少年の青色の目が赤に変わった。
森の中にある小さな町で、少し豪華な装備を身につけ腰に剣を差した男と、その下っ端と思われる盗賊風の格好をした男達が震えていた。
彼等は扉の奥から放たれる得体の知れない気配に恐怖を抱いていた。
男達の中心には縄で手足を縛り、椅子に座らせられて、動いていない少女がいる。おそらく男達が眠らせてさらってきたのだろう。
「……」
扉の向こうにいる人物は無言で前を見つめている。
いや、扉のせいで見えないはずの男達を見ていた。
普通なら目の前に視界を妨げるものがあったら見えないはずだ。
気配察知などの索敵のスキルがあれば問題ないかもしれないが、その人物はそんなスキルを持っていない。
しかしその人物には、周りから無意味と思われたある固有スキルがあった。
「お、おい!新入り、お前が扉を開けろ!」
少し太っていて口だけ威勢のよさそうな
男が、まだ団に入ったばかりの新入りに向かってそんなことをいった。
周りの男達も恐怖に耐えきれなくなり新入りと呼ばれた男を押してそうだお前が行けと言いはなった。
豪華な装備をしたリーダー風の男も無言で行けと目でいった。
(っ、新入りだからってなんでこんなことしなきゃいけないんだよ……)
新入りの男も怯えていたのだが先輩達、何よりリーダの方が怖いと思ったので大人しく指示にしたがろうと行動しようと思ったら……
ガチャリ……
扉が開いて一人の小年が入ってきた。黒色の髪で目の色が青いく、町に売ってある服を着た何処にでもいそうな格好をした少年だった。
「ちっ、なんだよビビって損したぜ。こんな時に何のようだガキ!まさかお前一人でこいつを助けにきたとか言うんじゃねぇだろうな?」
そう言いながら床に転がっている少女を指を指した。
どうやらこの少年は少女を助けに来たのだろうと新入りが思った。
周りの男達もそう思ったらしく、ギャハハ、バカじゃね?と言いながら笑っていた。太った男は新入りを下がらせ俺が相手をしてやると言った。
ただ一人リーダーだけが何故先ほど得体の知れない物を感じとったのか、この違和感はなんなのかと、わからないと思いながら少年を見ていた。
「物語の王子様の真似事かぁ?力のねえガキが一体何ができんだぁ!」
「すくなとも丸く太ったあんたよりは動けるよ」
「なっ!?」
俺は少ししか太ってねぇー!と言おうと思った男を黙らし、
「ちょっと待て、何故ここがわかった?」
リーダーの男が違和感に気がつき、少年に問いただした。
「別にそんなことはどうでもいいだろう」
「……まあ確かにどうでもいいな。お前がここに来たのだから捕まえればいいだけのはずだ。後で吐かせるのもいいな」
そう言いながら腰に差した剣を抜きながら少年に近づいていった。周りの男達もそれを合図に武器を構えた。
「大人しく捕まれ。そうすれば殺しはしない」
「何故捕まらなければいけない?俺は拐われたそいつを助けにきただけだ」
「やはり聞かんか。まあお前からしてみればそうだろう。だがそう簡単に助けられるものか。丸腰で何ができる?」
剣を向けながらそう言いはなった。確かに少年は武器の1つも持っていなかった。服に暗器を隠してるわけでもなさそうだ。
だが男達は気づいていなかった。少年は武器を持ってきていないのではない。武器が必要ではない可能性に。
「リーダー!こいつを助けに来たんならこいつを人質にすればいいんじゃないでしょうか?」
といいながら太った男が指を指しながら言った。男にしては的確な……いやただ単にそうすればいいと思ったのだろう。
「おいガキ!大人しくいうこと聞かねえとこいつに傷をつけるぞ!」
「……そいつに手をだすな。今なら見逃してやる」
「っ、立場がわかってねえみたいだなぁ!」
太った男は少年の態度にイラつき少女を殴ろうと腕をあげた。しかしそれ以上動いていない。いや、動かすことができない。何故なら少年から発せられる異様な威圧のせいで動けないのだ。
「……とりあえずそいつを傷つけようとしたってことは、死ぬ覚悟はできてんだろうな」
少年の青色の目が赤に変わった。
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