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毒殺魔女、静流

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 トーナメント開始から三日、アルカトラズの王ヘクタールが姿を消してから三日、アルカトラズが崩壊して三日、未だに狂太郎は眠りについていた。
「辛いか?」
 サテラが狂太郎の頬を撫でる。しかし狂太郎は魘されるだけだった。
「私はお前の味方だ。お前だけの味方だ。だからゆっくり休め。私が守る」
 サテラが狂太郎の頬にキスをすると、狂太郎の呼吸が大人しくなった。
「また、会いに来る。その時までゆっくり寝るんだ」
 サテラはアルカトラズの城、ヘクタールが寝室にしていた部屋から出る。
「きょうちゃんは大丈夫!」
 サテラが出ると静流がサテラに問い詰める。
「まだ眠っている。幸い、私が居れば、食事とトイレ、着替え、体拭きはできる。うつらうつらだが、生きている。だから、眠らせてやれ」
「私にも合わせてよ!」
「それはダメだ!」
 静流の言葉をサテラは激しく否定する。
「狂は今凄く疲れている! やりたくない殺しをして、精神を病んでいる! 今はお前みたいな色狂いに構っている暇はない!」
「色狂い? ふーん。あんた何様? きょうちゃんの何なの?」
 静流の目の色が変わる。今までに考えられないほど冷たい目である。だがサテラは臆さない。
「私は狂の恋人だ! とにかく! 今はお前に合う暇はない! 大人しくオナニーでもしていろ!」
 サテラは寝室にカギをかけると颯爽と去る。
「馬鹿みたい? 私のほうが、きょうちゃんのことを知っているのに。私は前世で! きょうちゃんの恋人だったのに!」
 静流はドアの取っ手に手をかける。
「腐食せよ」
 ドアのカギはボロボロに溶け落ちる。
「きょうちゃん?」
 静流が静かに寝室へ入る。
 狂太郎はベッドの上で眠りにつく。
 静流は服を脱ぎ捨てる。
「きょうちゃん……私、きょうちゃんが戦う姿を見て思い出したの。なぜここに来たのか、きょうちゃんとどんな関係だったのか」
 静流は静かにベッドにもぐりこみ、狂太郎を抱きしめる。
「私はあなたの僕だった。舞もそう。だから、今度こそ、きょうちゃんを幸せにするよ」
 狂太郎の手が静流の頭を撫でる。静流は微笑む。
「サテラなんて放っておいていいのよ。きょうちゃんはいっぱい殺していいの。いっぱい犯していいの。だってきょうちゃんだもの。私はきょうちゃんのたった一人の味方。今度こそ、この世界で幸せになろう」
 静流は狂太郎の頬を舐める。
「私は2041年、きょうちゃんのために男たちを殺した。舞もそう。私たち姉妹は、きょうちゃんの助けになるために多くの人を殺した」
 静流は微笑む。
「私は、静流、きょうちゃんのために100人以上の男たちを毒殺した銀座のホステス。私が愛した人は、きょうちゃんだけ」
 静流は微笑む。
「もっといっぱい殺そう。もっといっぱい犯そう。私はそのために、ここに来たのだから」
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