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罪の墓場へ
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目を開けると突然三つの分かれ道の前に立っていた。
一つは光の道、一つは暗闇の道、一つは血の道だ。
「何だこれ? これが死後の世界か?」
「その通りだ」
頭上から声がしたので見上げる。まるで瞬間移動したかのように突然気配が現れた。
少なくとも人間ではないらしい。
姿かたちは禿げた中年のおっさんだが。
おまけに天使のわっかを頭に浮かべていて趣味の悪さが全開だ。
「お前は一体誰だ? まさかその形で神様とは言わねえよな?」
「私は神の代行者だ」
吐き気がしたので唾を吐く。
「天子様って奴か? 天使は犯すって決めていたが、止めておこう」
「減らず口を」
奴が目尻に力を入れると突然体が動かなくなる!
「何しやがった!」
「これが神の力だ。いくらお前が最強の殺人鬼でも、神の前では最強のシロアリに過ぎないことを理解しろ」
腹が立って仕方がない! 即座に殺すべきだった! 初めて死んだから気が抜けていた? いずれにしろ、間抜けだ! 殺すと決めていたのに気を抜くとは何たる失態!
何とか動こうともがくが、代行者を薄ら笑いさせることしかできない。
敗北を認めるしかない。
「今は無理だ。だが必ず貴様を殺す」
「呆れたやつだ。地獄に落とすことすら躊躇う。だが、それでも、お前に質問しなくてはならない」
代行者は目前に降り立つと言う。
「お前は死んだ。だから死後どこに行くか決めなくてはならない。一つは天国。もう一つは地獄。そして最後は罪の墓場。天国は楽園だ。そこは神のひざ元で今までの傷を癒す。そして傷が癒えれば輪廻転生し、新たなる人生を歩める。地獄は悪魔の責め苦を味わう。そこは永遠ともいえる長い時間悪魔に殺される。心から反省するまで続く。そして反省したと神に認められれば輪廻転生し、新たなる人生を歩める。そして罪の墓場。ここは地獄よりも辛い永遠の生き地獄を味わう。輪廻転生も無ければ神の許しもない。犯罪者のみが存在する無法地帯だ」
代行者は間を置くと言葉を続ける。
「心して答えろ。お前は神に許しを請うか? 神に誓って反省したと言えるか?」
笑って答える。
「心して答えてやる。まず天国に連れて行ったら神を殺すだけで勘弁してやる。地獄だったら神を犯して殺す。悪魔も天使も全員犯して殺す。さあ、お前は俺をどこに連れていく? 心して答えろよ?」
代行者は顔を歪める。笑っているようにも見えるし、怒っているようにも見える。
「やはりお前は屑だ。輪廻転生など許されない。罪の墓場で永遠に過ごすがいい!」
体が浮き、真っ赤な血の道へすっ飛ばされる。
「必ずお前を殺してやる! 待っていろ!」
捨て台詞を吐くと、突然気を失った。
一つは光の道、一つは暗闇の道、一つは血の道だ。
「何だこれ? これが死後の世界か?」
「その通りだ」
頭上から声がしたので見上げる。まるで瞬間移動したかのように突然気配が現れた。
少なくとも人間ではないらしい。
姿かたちは禿げた中年のおっさんだが。
おまけに天使のわっかを頭に浮かべていて趣味の悪さが全開だ。
「お前は一体誰だ? まさかその形で神様とは言わねえよな?」
「私は神の代行者だ」
吐き気がしたので唾を吐く。
「天子様って奴か? 天使は犯すって決めていたが、止めておこう」
「減らず口を」
奴が目尻に力を入れると突然体が動かなくなる!
「何しやがった!」
「これが神の力だ。いくらお前が最強の殺人鬼でも、神の前では最強のシロアリに過ぎないことを理解しろ」
腹が立って仕方がない! 即座に殺すべきだった! 初めて死んだから気が抜けていた? いずれにしろ、間抜けだ! 殺すと決めていたのに気を抜くとは何たる失態!
何とか動こうともがくが、代行者を薄ら笑いさせることしかできない。
敗北を認めるしかない。
「今は無理だ。だが必ず貴様を殺す」
「呆れたやつだ。地獄に落とすことすら躊躇う。だが、それでも、お前に質問しなくてはならない」
代行者は目前に降り立つと言う。
「お前は死んだ。だから死後どこに行くか決めなくてはならない。一つは天国。もう一つは地獄。そして最後は罪の墓場。天国は楽園だ。そこは神のひざ元で今までの傷を癒す。そして傷が癒えれば輪廻転生し、新たなる人生を歩める。地獄は悪魔の責め苦を味わう。そこは永遠ともいえる長い時間悪魔に殺される。心から反省するまで続く。そして反省したと神に認められれば輪廻転生し、新たなる人生を歩める。そして罪の墓場。ここは地獄よりも辛い永遠の生き地獄を味わう。輪廻転生も無ければ神の許しもない。犯罪者のみが存在する無法地帯だ」
代行者は間を置くと言葉を続ける。
「心して答えろ。お前は神に許しを請うか? 神に誓って反省したと言えるか?」
笑って答える。
「心して答えてやる。まず天国に連れて行ったら神を殺すだけで勘弁してやる。地獄だったら神を犯して殺す。悪魔も天使も全員犯して殺す。さあ、お前は俺をどこに連れていく? 心して答えろよ?」
代行者は顔を歪める。笑っているようにも見えるし、怒っているようにも見える。
「やはりお前は屑だ。輪廻転生など許されない。罪の墓場で永遠に過ごすがいい!」
体が浮き、真っ赤な血の道へすっ飛ばされる。
「必ずお前を殺してやる! 待っていろ!」
捨て台詞を吐くと、突然気を失った。
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