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面白くない真面目な話と次の獲物の話

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「握手しろ! 仲直りの握手だ!」
 サテラと静流が会議室で対面すると、狂太郎はテーブルに足を乗っけて行儀悪く言う。
「おらおら! 早く仲直りしろ!」
「狂が言うんだ。仲直りしよう」
 サテラは笑顔で手を差し出す。
「うー! 私たちはきょうちゃんを思ってたのに!」
「分かってる。でももう終わりにしよう」
「あー! もう! 何でサテラちゃんは冷静なの!」
「狂の恋人だからな」
「きょうちゃーん! 助けて!」
「諦めろ。そいつは言ったら聞かない。それに、お前たちの愛情が変わる訳じゃねえ」
 狂太郎は暢気に欠伸をする。結末は分かっている。
「分かった! でも、あんたがきょうちゃんを正気に戻せなかったのは覚えていてね!」
「私も反省している。あれは、話し合うべきだった。例えば、私たち全員で裸踊りでもやるとか」
「そんなんじゃ生ぬるい!」
「じゃあ、私を殺して見せれば良かった。私は不老不死だから、問題ない」
「誰かー! 助けて! 私じゃ手に負えない!」
「お姉ちゃん頑張って!」
「どの道私たちに選択肢はないよ」
 ハーレム全員が苦笑いする。静流とサテラが握手する。
 こうして、ハーレムは一つに戻った。

「そろそろ次に殺す相手を決めよう」
「待て! この状況でまた争いごとを起こす気か!」
 昼飯を食っている時、狂太郎の提案にサテラは突っ込む。
「俺が殺したいのは神の代行者だ! それを忘れていたからグズグズしていた!」
「すったもんだ、悪に悪を重ねたが、一国一城を手に入れたからそこで満足したらどうだ?」
「満足ってなんだ?」
「そ! それは! 私と子供を作って! まあ、他も増えるだろうけど、私の子をいっぱい撫でてくれたらそれでいい!」
「無理無理」
 舞がストローでじゅるじゅると行儀悪くジュースを飲む。
「ぶっちゃけ沢山殺しちゃったから子供育てる暇ないと思うよ。絶対恨まれてる!」
 静流がからからと乾いた笑いをする。
「狂さんのおかげでアルカトラズの反乱分子は居なくなったし、政権も独占できた。私たちの能力とアンジェリカさんの頭があれば、アルカトラズの経営は問題ないと思う。でも油断はできない」
「そこの心配はしなくていい。この国で俺たちに殺気を持っている奴を感じないからな」
 ルーシャの言葉を狂太郎は優しく正して、アンジェリカを見る。
「本来真面目な話なんぞやりたくねえが、今だけやる。まずアルカトラズだが、経営方針は、俺の女たちが贅沢に楽して生きられること。前と同じ。経営も今まで通りアンジェリカに任せる。ただし、今まで男は問答無用で殺してきたが、もう止めろ。女も捕まえなくていい。勝手にさせておけ。あと略奪も止めろ。蓄えは十分ある」
「よろしいのですか?」
「殺すのは神の代行者だ。それ以外を殺してもつまらない。それに女はお前たちが居る。雑多にやっても飽きるだけだ。略奪も、財布のデカさには限りがある」
「しかしその恐怖政治で治安や政権を維持してきたのも事実です」
「治安が悪くなったら、マリヤやロゼに頼め。そこら辺の強盗団くらいなら皆殺しにできる実力はある。最悪俺が出てもいい。つか逆らう奴はいつも通り殺せ。ただし女は捉えろ。俺がキッチリ教育する」
「承知しました。下の者に狂太郎様の言葉を伝えます」
「じゃあ次の話だ。むしろこっちが本命だ」
 狂太郎はアンジェリカの隣に座ると無造作にパンツに手を突っ込む。
「な、なにを!」
「真面目な話をするのは疲れる。マンコでも触ってないとやってられねえ」
 すぐにアンジェリカのパンツがグチグチと湿った音を出す。
「きょ、きょうたろうさま……これではよういしたしりょうがよめません」
「これしきの事で下手るのか? 教育が必要だな」
 狂太郎はアンジェリカを立たせるとパンティをずらして、バックから挿入する。
「いい感触だ!」
 ぐちゅぐちゅとピストンしながら覆いかぶさり、胸を揉む。
「きょうたろうさま! これではしりょうが!」
 アンジェリカは机に突っ伏して快感に耐える。
「頑張れ! そのための試練だ!」
「頭が痛い」
 サテラは頭を押さえる。
「よしよし! まずは一発出すぜ!」
「あ! あ!」
 びゅるびゅると射精すると、マンコとチンポの隙間から勢いよく精液が溢れる。
「ふう! 少しは落ち着いた」
 狂太郎はチンポを抜かず、ピストンを続ける。
「ひぃ! い! いく!」
 アンジェリカはびくびくと机に突っ伏したまま涎を垂らす。
「さて、次の話だが、俺は別の都市国家に行く」
 狂太郎はセックスしたまま話を続ける。
「別の? アルカトラズ以外に何かあるの?」
 静流が質問する。
「アンジェリカ、資料を読め」
「は、はひ」
 アンジェリカは机に突っ伏したまま、用意した資料を読み上げる。
「へ、へくたーるさまのしゅきといままでのきろくによりますと」
「ヘクタール様?」
 狂太郎はバン! と部屋に響くほど腰を打ち付ける。
「が! じ! じぎゅう! づ! づぶれる!」
「今のお前の王は誰だ?」
「きょ、きょうたろうさま!」
「そうだよな! なら、様をつけるのは俺だけだろ?」
「はい! へくたーるです! おお! いぐ!」
「思い出せばいい! 続きを読め!」
 パンパンとリズムの良い音が響く。
「ひ! ひ!」
「全く! これくらいで読めなくなるとは情けねえ! お仕置きだ!」
 再び大量の精子をぶちまける。
「おほ! お、なか! いっぱい!」
 アンジェリカはアヘ顔のまま体をビクビクさせて気絶した。

「じゃあ、資料を読むぜ」
 狂太郎はアンジェリカの代わりに資料を手にする。
「最初っからお前が読めば良かったんじゃないか?」
「そしたら面白くねえだろ」
「なぜ私はこいつを好きになったのか、理解に苦しむ」
 サテラは鼻で笑う。
「冗談は置いといてだ」
 狂太郎はプロジェクターで資料の拡大映像を映す。
「ヘクタールの手記と今までの記録から貿易していた都市が分かった。ここから二百キロ離れたヴィーナスシティとそのヴィーナスシティからさらに五十キロ離れたスリープアイランドだ」
「結構遠いね。しかも山道とか川とかあって行くのが大変そう」
 舞が呟く。
「その通りだ。そしてこれが神の代行者を殺す手がかりとなる」
「どういうこと?」
 静流が疑問を投げかける。
「結論を言うと、ワープ能力を持つ管理者が居る。そいつはヘクタールたちに協力している」
「それなら貿易は簡単だな」
 サテラが納得する。
「そういえば、前にヘクタールと狂さんが戦ったときに、そんな能力を使う奴が居たような」
 ルーシャが腕組みしながらつぶやく。
「姿は見せなかったが、ヘクタールたちに逃げられた原因はそれだ」
 狂太郎が苦虫を噛みつぶしたような表情をするが、すぐに笑い顔となる。
「こいつの能力を奪えば、神の代行者の元へワープできる」
「そう簡単に行くの?」
 マリヤが疑念を口にする。
「結論を言うと、それしか手が無い」
 狂太郎は肩をすくめて苦笑いする。
「一応理由を説明すると、ヘクタールは定例で代行者に現状の国家運営状況の報告を行っていた。ただ、報告時間になると自室に閉じこもっていたらしい。これは変だ。報告する場所にどうやって行けばいい?」
「電話とか? テレパシーとか?」
 舞が手を挙げて発言する。
「ここには電話等は無いし、テレパシーなら報告書を書く必要などない。メモ書きで十分だ」
「だから、ワープ能力者の力で代行者のところへ行ったって推理なんだ。そしてその推理だと、ワープ能力者は代行者の居場所を知っている」
「そうだ。最も、代行者の力の可能性もあるから、確実とは言えない」
 狂太郎は面白くなさそうに机に脚を乗せる。
「現状の目標は、ワープ能力者を捕まえること。代行者の居場所を知っているなど二の次三の次だ」
 皆ふむふむと納得する。
「代行者を殺す計画は納得できた。だがなぜ次の都市国家へ行く? そこにワープ能力者が居るのか?」
 サテラが首をひねる。
「いや、ヴィーナスシティの管理者もスリープアイランドの管理者もワープ能力者は持っていない。雷や風を操る能力だ」
「ならなぜ次の都市国家へ? 聞き込みでもするのか?」
「誰もヴィーナスシティやスリープアイランドに行くとは言っていない。行くのはここから五十キロ離れたプリズムだ」
「プリズム?」
「その都市はどうもアルカトラズ等とは毛色が違うらしい。何せヘクタールの書記に名指しで、警戒すべき都市と記述されていた」
「警戒?」
「技術的にはアルカトラズよりも進んでいて、銃が流通しているようだ。しかもマシンガンや対戦車ライフルといった代物だ。ただ、麻薬なども蔓延していて治安が最悪らしい」
「何だそれ? よく執行者に殺されないな」
「執行者は管理者の下の立場だ。そう考えると治安が悪くても当然と言える。しかしそうなると管理者の仕事と食い違う。ヘクタールはアルカトラズを通して、犯罪者の更生を行った。これは代行者に命じられたことだ。だがプリズムは真逆のことをやっている」
「管理者なのに代行者に逆らっている? 興味はあるわね」
 マリヤが頷く。
「無駄骨になるかもしれないが、行く価値はある。何せ、銃があるからな!」
「ちょっと待て! 突然私は不安になった!」
 サテラが頭を抱えながら手を挙げる。
「なあ? ただ聞き込みに行くだけだろ? そうだと言ってくれ!」
「ちんたら聞き込みなんてやってられねえ。第一面白くねえ! 俺の計画は、この世界に点在する都市国家すべてを破壊すること! 管理者すべてを皆殺しにすることだ!」
「何でだよ!」
「考えればすぐに分かる! ワープ能力者はヘクタールたちを助けた。つまり管理者が危険と判断したら現れる! そこを捕まえる! そして管理者を引きずり出すには管理者が管理する都市国家を破壊するのが一番だ! どうだ! 完璧な答えだ!」
「だから強力な銃があるプリズムに行くんだ!」
 舞が手を叩いて納得する。
「プリズムで暴れて管理者を殺す! そして銃を奪ってヴィーナスシティとスリープアイランドに突撃する! 銃があれば皆殺しは簡単! 弱い能力者でも戦力になる! きょうちゃん頭いい!」
 パチパチと静流が拍手する。
「ず、頭痛薬が欲しい!」
 サテラは机に突っ伏して涙を流した。

「さて、最後に一番重要な話をする。プリズムへ行くメンバーだ。メンバーは俺、サテラ、静流、舞の四人だ」
「ええ! 全員で行かないんですか!」
 ルーシャが血相変える。
「アルカトラズは拠点として重要だ。そしてここを仕切れるのはロゼ、マリヤ、ルーシャ、薫しか居ない」
「じゃあ私たちは!」
 アリスが訴える。
「連れて行ってもいいんだが、今回は観光するつもりはない。行って破壊して終わり。だから邪魔だ」
「邪魔!」
「怒るな怒るな。今日はたっぷり可愛がってやる」
 狂太郎は不貞腐れるアリスたちを無視して、サテラたちに命じる。
「出発は明後日だ。準備しろ」
「了解!」
「やったー! いっぱい人が殺せる!」
 静流と舞は小躍りしながら部屋を出る。
「言っておくが、無茶はさせないからな。前みたいに寝込むようなことが無いようにしっかり見張るからな!」
 サテラはきつく注意して部屋を出る。
「さあお前ら! 寝室へ行くぜ! 今日と明日! 死ぬほど可愛がってやる!」
 狂太郎はぶうぶう文句を言うハーレムたちを連れて、部屋を出た。

「ああ! だめ!」
「遠慮するな!」
 その夜と次の夜まで、寝室から獣のような悲鳴がアルカトラズに響いた。
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