62 / 83
皇都へ
勇者と対面
しおりを挟む 正しい制服の着用方法
まず制服のサイズだが、くるぶしが隠れる長さの物を選ぼう。
袖がダブっとしているのは、手元を見られにくくするためです。
攻撃用ロットは腰のベルトにさしましょう。
ダブっとした袖は、攻撃用ロットを隠すのにも効果的です。
足元は歩きやすいピタッとした長いブーツをはきましょう。サンダルは脱げたりして危険だし、足元を狙われると危険だから止めましょう。
ブーツの色は必ず黒にしましょう。
全体的に黒なのに足元だけ色が入る‥差し色とか洒落っ気出してる場合ではありません。
全体が黒だから、どこかに色を入れるとそれだけ目立って攻撃の的になりかねません。絶対に止めましょう。
行動は夜にするとより効果的です。
闇に紛れて、全く見えなくなります。
全く見えなくなるようにするためには、フードを目深にかぶり、ダブっとした袖で手首を隠し(左右それぞれ反対側の袖の中にいれると目立たなくなるでしょう。
制服に何故かついている、絶対に遊び半分で書いたとしか思えない説明書きを見て絶句する。
‥もしかして本気で書いたのか?
まさかな。そんなわけない。
おやっさんを振り向くとおやっさんは‥苦笑いしていた。
「これを書いた奴、俺の先輩なんだけど‥そういう奴だった」
そういう? どういうやつだ?
面白半分にこういうやつかくタイプ? それとも‥厨二なやつ??
「暗殺者っぽいっていうの? ‥とにかくダークな奴だった」
ああ‥暗殺者。
暗殺者は、こんな丈の長い動きにくい服は着ないよ。
僕はちょっと絶句して‥もう一度おやっさんを見た。
おやっさんは‥苦笑いしてるけど‥呆れたっていうより‥どこか懐かしそうな顔。
許してやってくれ、そういうやつなんだ。‥みたいな顔。
僕はそれ以上何かを言うのは止めた。
「わあああああ! 地獄からのお迎えが見える!(それも集団で!! ) 俺は死ぬのか?! それとも、もう死んでいるのか?? 」
「助けてくれ! 俺は悪くない! 俺はただこいつらに命令されて‥! 」
「何だと貴様! 裏切るつもりか!? 」
「ああ! 死神様、これからは心を入れ替えますから何卒地獄に送るのだけは‥! 」
「神様‥私が何をしたっていうんですか‥! 」
僕たちの登場と共に、その場は阿鼻叫喚の地獄絵図となる‥。
きっとそれが、僕たちを見た人の正しい感想だろう。
絶対に、「正義の味方が来てくれた! 」とは思わないだろう。
彼らが浮かべる表情は、ヒーローが来てくれたことに対する歓喜の表情なんかじゃない。絶望だとか畏怖だとかそういった表情だ。
いや‥考え過ぎか?
溺れる者は藁をもつかむ。‥苦しい時現れたなら、きっとどんな奴でも「助かった! 有難い! 」ってなるに違いない‥。
‥ちょっと前向きなこと考えてみるか‥
「わあ! 黒いヒーローが集団で来てくれた! 黒いお揃いかっこいい! 渋い! カラフルレンジャーとは違う落ち着きがある! 」
「お顔を隠すのはヒーローの基本だよね! レンジャーもんも絶対顔見せないしね! 間違いなくヒーローだよね!! 」
‥すみません。自分で言っておきながら自分で意味が解りません。
いいさ‥そういう表舞台の願望は持ったことない。‥きっとこれからも持つことはないだろう。
よい子の皆には「もうキラッキラでまごうことない正義の味方」を夢見て欲しい。
筋骨隆々、笑顔もさわやかで、発想も健全。‥そんなヒーローに助けを求め、更に言うなら「そういうヒーローになりたい! 」って夢見てもらいたい。
例えばザッカさんやシークさんみたいなね。
そっか‥僕はアンバーsideのダーク属性なんだ‥。
黒装束(もはや制服だとは思えない)に着替える仲間たちを見ながら、そんなことを思い‥なんだか「悲しくないのに」涙が流れた。
いいさ。
正義の味方になんてなれなくても、悪人に(地獄への)引導を渡す役目を担えればいい。
それは、きっと僕たちにしか出来ないし、裏方としてこれ以上ない重要な役割だ。
きっと一生、目の前で感謝する人を見ることは出来なくても、だ。
まず制服のサイズだが、くるぶしが隠れる長さの物を選ぼう。
袖がダブっとしているのは、手元を見られにくくするためです。
攻撃用ロットは腰のベルトにさしましょう。
ダブっとした袖は、攻撃用ロットを隠すのにも効果的です。
足元は歩きやすいピタッとした長いブーツをはきましょう。サンダルは脱げたりして危険だし、足元を狙われると危険だから止めましょう。
ブーツの色は必ず黒にしましょう。
全体的に黒なのに足元だけ色が入る‥差し色とか洒落っ気出してる場合ではありません。
全体が黒だから、どこかに色を入れるとそれだけ目立って攻撃の的になりかねません。絶対に止めましょう。
行動は夜にするとより効果的です。
闇に紛れて、全く見えなくなります。
全く見えなくなるようにするためには、フードを目深にかぶり、ダブっとした袖で手首を隠し(左右それぞれ反対側の袖の中にいれると目立たなくなるでしょう。
制服に何故かついている、絶対に遊び半分で書いたとしか思えない説明書きを見て絶句する。
‥もしかして本気で書いたのか?
まさかな。そんなわけない。
おやっさんを振り向くとおやっさんは‥苦笑いしていた。
「これを書いた奴、俺の先輩なんだけど‥そういう奴だった」
そういう? どういうやつだ?
面白半分にこういうやつかくタイプ? それとも‥厨二なやつ??
「暗殺者っぽいっていうの? ‥とにかくダークな奴だった」
ああ‥暗殺者。
暗殺者は、こんな丈の長い動きにくい服は着ないよ。
僕はちょっと絶句して‥もう一度おやっさんを見た。
おやっさんは‥苦笑いしてるけど‥呆れたっていうより‥どこか懐かしそうな顔。
許してやってくれ、そういうやつなんだ。‥みたいな顔。
僕はそれ以上何かを言うのは止めた。
「わあああああ! 地獄からのお迎えが見える!(それも集団で!! ) 俺は死ぬのか?! それとも、もう死んでいるのか?? 」
「助けてくれ! 俺は悪くない! 俺はただこいつらに命令されて‥! 」
「何だと貴様! 裏切るつもりか!? 」
「ああ! 死神様、これからは心を入れ替えますから何卒地獄に送るのだけは‥! 」
「神様‥私が何をしたっていうんですか‥! 」
僕たちの登場と共に、その場は阿鼻叫喚の地獄絵図となる‥。
きっとそれが、僕たちを見た人の正しい感想だろう。
絶対に、「正義の味方が来てくれた! 」とは思わないだろう。
彼らが浮かべる表情は、ヒーローが来てくれたことに対する歓喜の表情なんかじゃない。絶望だとか畏怖だとかそういった表情だ。
いや‥考え過ぎか?
溺れる者は藁をもつかむ。‥苦しい時現れたなら、きっとどんな奴でも「助かった! 有難い! 」ってなるに違いない‥。
‥ちょっと前向きなこと考えてみるか‥
「わあ! 黒いヒーローが集団で来てくれた! 黒いお揃いかっこいい! 渋い! カラフルレンジャーとは違う落ち着きがある! 」
「お顔を隠すのはヒーローの基本だよね! レンジャーもんも絶対顔見せないしね! 間違いなくヒーローだよね!! 」
‥すみません。自分で言っておきながら自分で意味が解りません。
いいさ‥そういう表舞台の願望は持ったことない。‥きっとこれからも持つことはないだろう。
よい子の皆には「もうキラッキラでまごうことない正義の味方」を夢見て欲しい。
筋骨隆々、笑顔もさわやかで、発想も健全。‥そんなヒーローに助けを求め、更に言うなら「そういうヒーローになりたい! 」って夢見てもらいたい。
例えばザッカさんやシークさんみたいなね。
そっか‥僕はアンバーsideのダーク属性なんだ‥。
黒装束(もはや制服だとは思えない)に着替える仲間たちを見ながら、そんなことを思い‥なんだか「悲しくないのに」涙が流れた。
いいさ。
正義の味方になんてなれなくても、悪人に(地獄への)引導を渡す役目を担えればいい。
それは、きっと僕たちにしか出来ないし、裏方としてこれ以上ない重要な役割だ。
きっと一生、目の前で感謝する人を見ることは出来なくても、だ。
0
お気に入りに追加
7,194
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~
まぁ
ファンタジー
事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。
よし、神様からチートの力をもらって、無双だ!!!
ではなく、神様の世界で厳しい修行の末に力を手に入れやっとのことで異世界転移。
目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。
なぜか、その子が気になり世話をすることに。
神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。
邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。
PS
2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。
とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。
伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。
2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。
以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、
1章最後は戦闘を長めに書いてみました。

家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
神様に加護2人分貰いました
琳太
ファンタジー
ある日白い部屋で白い人に『勇者として召喚された』と言われたが、気づけば魔法陣から突き落とされ見知らぬ森の中にポツンと1人立っていた。ともかく『幼馴染』と合流しないと。
気付けばチートで異世界道中楽々かも?可愛いお供もゲットしたフブキの異世界の旅は続く……
この世界で初めて出会った人間?はケモ耳の少女いろいろあって仲間になり、ようやく幼馴染がいると思われる大陸へ船でやてきたところ……
旧題【異世界召喚、神様に加護2人分貰いました】は改題され2018年3月書籍化、8巻まで発売中。
2019年7月吉祥寺笑先生によるコミカライズ連載開始、コミック1巻発売中です。
ご購入いただいた皆様のおかげで続刊が発売されます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。