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とある哲学者の場合
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一遍死んで見たいなァ
哲学者になりたい男は今日もベッドの隙間に身体を挟んで考える。男は死ぬのが怖いと感じた事が一切無かった。また、生きたいと願った事も一切無かった。いついかなる場合に死が訪れたとしても男は納得して土に還るだろう。
男は考える。死とは何なんだろうか?今まで生きてきて生きたいと願った事は一度たりともない。どうしても死にたいと思った事は、そうだな、片手では数えられないくらいにはあった筈だ。しかし、人生のいついかなる時でと通り魔に刺されたらその殺人鬼に謝辞を述べるくらいには生に執着がなかった。男は自分の人生に自分以上の価値が見い出せず、生きているのも死んでいるのも変わらないと思っていた。人間の生きている証や時間なんてものは他人依存であって自分なんてものに価値はない、せめて通り魔に殺された方が価値があると思って生きていた。だがしかしここに存在して通り魔が来ない以上のんべんだらりと怠惰な生を貪り続けるしかない。死にたいと願いながら生き続ける人生はさぞ楽しそうだ。
明日を生きたいと願いながら死んでいった人、今日も死にたいと願いながら明日を迎える人、どっちが幸せなのかなァ!?
男は虚空に問いながら眠りについた
哲学者になりたい男は今日もベッドの隙間に身体を挟んで考える。男は死ぬのが怖いと感じた事が一切無かった。また、生きたいと願った事も一切無かった。いついかなる場合に死が訪れたとしても男は納得して土に還るだろう。
男は考える。死とは何なんだろうか?今まで生きてきて生きたいと願った事は一度たりともない。どうしても死にたいと思った事は、そうだな、片手では数えられないくらいにはあった筈だ。しかし、人生のいついかなる時でと通り魔に刺されたらその殺人鬼に謝辞を述べるくらいには生に執着がなかった。男は自分の人生に自分以上の価値が見い出せず、生きているのも死んでいるのも変わらないと思っていた。人間の生きている証や時間なんてものは他人依存であって自分なんてものに価値はない、せめて通り魔に殺された方が価値があると思って生きていた。だがしかしここに存在して通り魔が来ない以上のんべんだらりと怠惰な生を貪り続けるしかない。死にたいと願いながら生き続ける人生はさぞ楽しそうだ。
明日を生きたいと願いながら死んでいった人、今日も死にたいと願いながら明日を迎える人、どっちが幸せなのかなァ!?
男は虚空に問いながら眠りについた
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