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第1話.水槽
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あの時、確かに俺たちは居たんだ。
あの水槽のような街、新宿に。
まるで金魚のように、ただただ彷徨うだけだった毎日。
そして君と出会ったんだ、マイお前と。
待ち合わせの場所は新宿東口改札抜けて階段上がった、ここから先は二人だけの秘密だったね。w
そう、今日も俺とマイはこの秘密の場所から。
俺はいつものように待っていると息を切らせて「カズ君」って笑顔で近寄ってくる。
「マイ、そんなに慌てなくても大丈夫だよ」
マイはニコって笑顔で俺の前に立つ。
俺はそんなマイの手を握り新宿の街に溶けていく。
「カズ君、どこ行く?」
いつも決まって安い居酒屋「トラノコ」ここが二人がいつも飲む場所。
俺は「いつものところだよ」って言い、店に向かった。
その途中でROLLMANと合った。
「ROLLMAN何してんの?」そう俺が尋ねると、「スタジオの帰りだよ」って。
そして「もうあのメンバーとはバンドやれない」っていつもの決まり文句だ!
この人は解散と脱退が口癖のように毎回合うと言っている、だけど解散も脱退もしたことはない。
俺は簡単に挨拶を済ませ、マイといつも店に向かった。
店に入ると仕事帰りのサラリーマンでいっぱいだ。
俺が入れるか確認するとカウンターならって言われた。
俺もマイも呑めればカウンターでも全然かまわない、案内された席に座りいつものように「ハイボール2つ」ってマイが頼んでくれた。
マイと話していると奥のテーブル席にヒロシとしーちゃんを発見!
俺はマイに「ヒロシだ、ちょっと挨拶してくる」って伝え、
ヒロシとしーちゃんが座る席に顔を出した。
「よー、ヒロシ何してんの?」
ヒロシはちょっと驚いた顔をして「スタジオ帰り」って答えた。
そういえばさっきRollManもスタジオ帰りって言ってたことを思い出した。
俺は軽く会話をして自分の席に戻った。
席に戻るとハイボールが来ていた、マイと乾杯をして俺達はいつものように世間話から人生の話しをする。
「俺達の10年後はどうしてるのかな?」
マイは「カズ君と結婚して子供3人いるよ」って笑顔で答える。W
俺はちょっと照れながら「そんな幸せな家庭築いてるんだ」って答え、2杯目のハイボールを頼む。
俺はマイを見つめながら、頭をなでた。
幸せが当たり前の事だと錯覚するのに十分なくらい幸せだった。
酔ってきたとこで俺たちは店を出ることに。
もちろん伝票をレジに出し、ヒロシとしーちゃんの方を指さしあそこの二人が俺たちの分も一緒に払うからって店に伝えてね。
外に出たマイと手を繋ぎあてもなくぶらぶらと歩く、まるで水槽を泳ぐ金魚のように。
ネオンライトの流れ星の中を二人は不器用に彷徨っていたんだ。
何もかもがシュールに感じた。
2人を包む優しい風が心地良く感じ2人は歩き続けた。
そしてコンビニでビールを買い、近くの公園のベンチで肩を寄せ合い俺とマイは二次会をスタートさせた。
俺たちだけの時間が流れる2人だけの世界、このまま永遠に流れるのかと思えた2人の時間もやっぱり終わりはやってくる。
「マイそろそろ帰ろうか?」
「うん、帰ってお布団で寝よう」って。
気が付くと夜が明け始めていた。
そう俺たちが嫌いな朝がやってくる。
つづく
あの水槽のような街、新宿に。
まるで金魚のように、ただただ彷徨うだけだった毎日。
そして君と出会ったんだ、マイお前と。
待ち合わせの場所は新宿東口改札抜けて階段上がった、ここから先は二人だけの秘密だったね。w
そう、今日も俺とマイはこの秘密の場所から。
俺はいつものように待っていると息を切らせて「カズ君」って笑顔で近寄ってくる。
「マイ、そんなに慌てなくても大丈夫だよ」
マイはニコって笑顔で俺の前に立つ。
俺はそんなマイの手を握り新宿の街に溶けていく。
「カズ君、どこ行く?」
いつも決まって安い居酒屋「トラノコ」ここが二人がいつも飲む場所。
俺は「いつものところだよ」って言い、店に向かった。
その途中でROLLMANと合った。
「ROLLMAN何してんの?」そう俺が尋ねると、「スタジオの帰りだよ」って。
そして「もうあのメンバーとはバンドやれない」っていつもの決まり文句だ!
この人は解散と脱退が口癖のように毎回合うと言っている、だけど解散も脱退もしたことはない。
俺は簡単に挨拶を済ませ、マイといつも店に向かった。
店に入ると仕事帰りのサラリーマンでいっぱいだ。
俺が入れるか確認するとカウンターならって言われた。
俺もマイも呑めればカウンターでも全然かまわない、案内された席に座りいつものように「ハイボール2つ」ってマイが頼んでくれた。
マイと話していると奥のテーブル席にヒロシとしーちゃんを発見!
俺はマイに「ヒロシだ、ちょっと挨拶してくる」って伝え、
ヒロシとしーちゃんが座る席に顔を出した。
「よー、ヒロシ何してんの?」
ヒロシはちょっと驚いた顔をして「スタジオ帰り」って答えた。
そういえばさっきRollManもスタジオ帰りって言ってたことを思い出した。
俺は軽く会話をして自分の席に戻った。
席に戻るとハイボールが来ていた、マイと乾杯をして俺達はいつものように世間話から人生の話しをする。
「俺達の10年後はどうしてるのかな?」
マイは「カズ君と結婚して子供3人いるよ」って笑顔で答える。W
俺はちょっと照れながら「そんな幸せな家庭築いてるんだ」って答え、2杯目のハイボールを頼む。
俺はマイを見つめながら、頭をなでた。
幸せが当たり前の事だと錯覚するのに十分なくらい幸せだった。
酔ってきたとこで俺たちは店を出ることに。
もちろん伝票をレジに出し、ヒロシとしーちゃんの方を指さしあそこの二人が俺たちの分も一緒に払うからって店に伝えてね。
外に出たマイと手を繋ぎあてもなくぶらぶらと歩く、まるで水槽を泳ぐ金魚のように。
ネオンライトの流れ星の中を二人は不器用に彷徨っていたんだ。
何もかもがシュールに感じた。
2人を包む優しい風が心地良く感じ2人は歩き続けた。
そしてコンビニでビールを買い、近くの公園のベンチで肩を寄せ合い俺とマイは二次会をスタートさせた。
俺たちだけの時間が流れる2人だけの世界、このまま永遠に流れるのかと思えた2人の時間もやっぱり終わりはやってくる。
「マイそろそろ帰ろうか?」
「うん、帰ってお布団で寝よう」って。
気が付くと夜が明け始めていた。
そう俺たちが嫌いな朝がやってくる。
つづく
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