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プレゼントを考えてみた
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6人でキャンプをし、良樹と千絵が付き合い始めて2カ月がたった。
良樹と千絵のカップルは周囲にも認知され、順調な付き合いが見て取れた。反対に鳳斗は大きな仕事が入り残業続き。その為、小説の進行は大きく遅れて始めていた。そして遥香も撮影が大詰めに入り、こちらもまた忙しく動いている。
そのためにキャンプ以降に2人が会って話をするタイミングは全くない。週に2~3回の進捗状況をお互いに伝えるのがやっとであった。
「で、なんでまた俺の部屋にお前らは乗り込んで来てんだよ。そして袋から酒を出すのはやめろ」
「お前が忙しくて遊べないから、こっちから来てやった」
「うん、有難迷惑とはまさにこの事。帰れ」
鳳斗の暮らす部屋に乗り込んできた幸隆と良樹を無視し、パソコンを開き、小説の続きを書き始める鳳斗。そんな鳳斗を横目に酒盛りを始めるマイペースな幸隆と良樹。
「何しに来たんだよ。集中出来ないから、幸もヨッシーも用がないなら帰れ」
「俺は幸とは違うぞ。用件と言うか、2人に相談ならある!」
「うむ、親友の悩みだ、。聞くぞ、ヨッシー。ほれ、鳳斗もこっち来て心の友と書いて心友の話を聞こうぜ」
「ウザい以外の言葉が見当たらない」
こっちは仕事も忙しいし、遥香さんが提示した期限が近いって言うのによ。ヨッシーは定期的に千絵ちゃんとデートしてリア充。幸もなんだかんだ言って久美ちゃんと連絡とっているみたいだし。俺なんて小説って言うハードルを飛び越えないと会ってももらえないんでぞ。もう少し、俺に気を遣え。
「場合によっては相談料を取るぞ」
「このトンカツでどうだ!」
「よし、取引成立だ。聞こう」
「だから冷蔵庫から俺の夕食を勝手に出して取引材料にするな。そしてOKするんじゃねぇ」
すでに顔が赤い幸隆と良樹は鳳斗の言葉を完全に無視して話を進める。鳳斗は諦めとも取れるため息を付きながらパソコンに目を向け、執筆を再開した。
「もうすぐ千絵の誕生日なんだよ。付き合って最初の誕生日。何をあげたら喜んでくれると思う?」
「うぁ、名前呼びがうぜぇ。そしてめっちゃどうでもいい」
「ヨッシー、彼女いた歴12人の俺が教えてやろう。女性は換金できる物が1番喜ぶぞ」
「逆に言うとそれだけフラれた黒歴史って事だな。そして女性に対して夢を持っている青少年の夢をぶち壊す台詞は聞きたくない」
いかん、こいつらの話を聞いているとツッコミを入れたくなる。もう職業病になってきている自分がいる。しかも、そんな情報は聞きたくなかったな~。もう少し女性に夢を見させてくれ。……彼氏でもない俺が遥香さんにプレゼントを渡したらどうなるんだろう。
(なんで、いきなりプレゼント。えっ、私に気があるの? 私はあなたの小説だけが気になるんであって、あなた自身には全く興味が無いのでごめんなさい。生理的にも物理的に無理です。生まれ変わってからでも無理なんで、もう1度言います。ごめんなさい)
やばい、想像したら泣きそうになってきた。千葉県アニメの某高校、あざとい後輩生徒会長を思い出しちゃった。遥香さんはこんな事は言わないと思う。……言わないといいな。
「やっぱ、給料3か月分の指輪か~」
「アウトォォォ! だからそれはプロポーズだ。相手は学生で付き合って2カ月。その発想は親友だけど怖い!」
「ヨッシーの身体にリボンを巻いて……」
「アウトォォォ! 幸、それ以上言うな。気持ちが悪くなってくる。それをやって良いのは可愛い女の子だけだ! しかも 現実じゃ絶対いないだろ!」
「んじゃ、自作のラブソングとかは?」
「アウトォォォ! スリーアウトでチェンジ! 歌った瞬間に100年の恋でも冷めるレベルだ! なんで20歳過ぎてるのに発想が中二なんだよ!」
キーボードを打っていた指を止めて、大きなため息を付く鳳斗。そして横に置いてあったペットボトルに口を付け、ツッコミを過ぎて少し乾いた喉を潤す。そして親友と言い張る悪友たちをどうやって部屋から追いやるかを思案する。考え付いたのはプレゼントを決めるというシンプルな答え。鳳斗は素直にアドバイスをする事を決めた。
「じゃあ、どうしろって言うんだよ」
「とりあえずネットで調べてみたらどうだ? ここにはいない成功体験した奴のアドバイスが見れるんじゃねぇの?」
「「天才か!」」
「いや、最初に気付けよ」
すぐにスマホを取り出して調べ始める良樹。その横では鳳斗の夕食になるはずだったトンカツを食べ、満足そうにしている幸隆。鳳斗はこんな光景を小説の中で表現したいと思った。
「ヨッシー、ネックレスとか財布とかは好みがあるから買うなら本人に聞いた方が絶対に良いぞ」
「幸、そういうアドバイスは最初に言ってくれ。今日1番のアドバイスじゃねぇか」
「時計とかマフラーとかも同じ理由で避けた方が良いかもな」
「そうなると……じゃあ、美容系の家電とかか?」
「良いんじゃねぇ。ドライヤーとか美顔器とか。癒し系アイテムとかも良いかもな」
「なるほど。よし、次のデートにちょっと家電売り場に寄って、千絵の反応を見て考えるわ」
「んじゃ、悩みが解決したなら帰れ」
「いやいやいや、夜はこれからでしょ。お前と遥香ちゃんの事も気になるし」
「気にしなくていいから帰れや!」
帰る様子が全くない幸隆と良樹。いつものようにオールナイトで騒ぐコースとなる事に鳳斗はまた溜息を大きく付いた。
良樹と千絵のカップルは周囲にも認知され、順調な付き合いが見て取れた。反対に鳳斗は大きな仕事が入り残業続き。その為、小説の進行は大きく遅れて始めていた。そして遥香も撮影が大詰めに入り、こちらもまた忙しく動いている。
そのためにキャンプ以降に2人が会って話をするタイミングは全くない。週に2~3回の進捗状況をお互いに伝えるのがやっとであった。
「で、なんでまた俺の部屋にお前らは乗り込んで来てんだよ。そして袋から酒を出すのはやめろ」
「お前が忙しくて遊べないから、こっちから来てやった」
「うん、有難迷惑とはまさにこの事。帰れ」
鳳斗の暮らす部屋に乗り込んできた幸隆と良樹を無視し、パソコンを開き、小説の続きを書き始める鳳斗。そんな鳳斗を横目に酒盛りを始めるマイペースな幸隆と良樹。
「何しに来たんだよ。集中出来ないから、幸もヨッシーも用がないなら帰れ」
「俺は幸とは違うぞ。用件と言うか、2人に相談ならある!」
「うむ、親友の悩みだ、。聞くぞ、ヨッシー。ほれ、鳳斗もこっち来て心の友と書いて心友の話を聞こうぜ」
「ウザい以外の言葉が見当たらない」
こっちは仕事も忙しいし、遥香さんが提示した期限が近いって言うのによ。ヨッシーは定期的に千絵ちゃんとデートしてリア充。幸もなんだかんだ言って久美ちゃんと連絡とっているみたいだし。俺なんて小説って言うハードルを飛び越えないと会ってももらえないんでぞ。もう少し、俺に気を遣え。
「場合によっては相談料を取るぞ」
「このトンカツでどうだ!」
「よし、取引成立だ。聞こう」
「だから冷蔵庫から俺の夕食を勝手に出して取引材料にするな。そしてOKするんじゃねぇ」
すでに顔が赤い幸隆と良樹は鳳斗の言葉を完全に無視して話を進める。鳳斗は諦めとも取れるため息を付きながらパソコンに目を向け、執筆を再開した。
「もうすぐ千絵の誕生日なんだよ。付き合って最初の誕生日。何をあげたら喜んでくれると思う?」
「うぁ、名前呼びがうぜぇ。そしてめっちゃどうでもいい」
「ヨッシー、彼女いた歴12人の俺が教えてやろう。女性は換金できる物が1番喜ぶぞ」
「逆に言うとそれだけフラれた黒歴史って事だな。そして女性に対して夢を持っている青少年の夢をぶち壊す台詞は聞きたくない」
いかん、こいつらの話を聞いているとツッコミを入れたくなる。もう職業病になってきている自分がいる。しかも、そんな情報は聞きたくなかったな~。もう少し女性に夢を見させてくれ。……彼氏でもない俺が遥香さんにプレゼントを渡したらどうなるんだろう。
(なんで、いきなりプレゼント。えっ、私に気があるの? 私はあなたの小説だけが気になるんであって、あなた自身には全く興味が無いのでごめんなさい。生理的にも物理的に無理です。生まれ変わってからでも無理なんで、もう1度言います。ごめんなさい)
やばい、想像したら泣きそうになってきた。千葉県アニメの某高校、あざとい後輩生徒会長を思い出しちゃった。遥香さんはこんな事は言わないと思う。……言わないといいな。
「やっぱ、給料3か月分の指輪か~」
「アウトォォォ! だからそれはプロポーズだ。相手は学生で付き合って2カ月。その発想は親友だけど怖い!」
「ヨッシーの身体にリボンを巻いて……」
「アウトォォォ! 幸、それ以上言うな。気持ちが悪くなってくる。それをやって良いのは可愛い女の子だけだ! しかも 現実じゃ絶対いないだろ!」
「んじゃ、自作のラブソングとかは?」
「アウトォォォ! スリーアウトでチェンジ! 歌った瞬間に100年の恋でも冷めるレベルだ! なんで20歳過ぎてるのに発想が中二なんだよ!」
キーボードを打っていた指を止めて、大きなため息を付く鳳斗。そして横に置いてあったペットボトルに口を付け、ツッコミを過ぎて少し乾いた喉を潤す。そして親友と言い張る悪友たちをどうやって部屋から追いやるかを思案する。考え付いたのはプレゼントを決めるというシンプルな答え。鳳斗は素直にアドバイスをする事を決めた。
「じゃあ、どうしろって言うんだよ」
「とりあえずネットで調べてみたらどうだ? ここにはいない成功体験した奴のアドバイスが見れるんじゃねぇの?」
「「天才か!」」
「いや、最初に気付けよ」
すぐにスマホを取り出して調べ始める良樹。その横では鳳斗の夕食になるはずだったトンカツを食べ、満足そうにしている幸隆。鳳斗はこんな光景を小説の中で表現したいと思った。
「ヨッシー、ネックレスとか財布とかは好みがあるから買うなら本人に聞いた方が絶対に良いぞ」
「幸、そういうアドバイスは最初に言ってくれ。今日1番のアドバイスじゃねぇか」
「時計とかマフラーとかも同じ理由で避けた方が良いかもな」
「そうなると……じゃあ、美容系の家電とかか?」
「良いんじゃねぇ。ドライヤーとか美顔器とか。癒し系アイテムとかも良いかもな」
「なるほど。よし、次のデートにちょっと家電売り場に寄って、千絵の反応を見て考えるわ」
「んじゃ、悩みが解決したなら帰れ」
「いやいやいや、夜はこれからでしょ。お前と遥香ちゃんの事も気になるし」
「気にしなくていいから帰れや!」
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