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「今日はよろしくお願いします」
「こっちこそよろしくね」
「でも私達、本当に着替えとか必要最低限しか持ってきてないんですけど大丈夫なんですかね?」
「あいつらはよくキャンプしてるから、あいつらが大丈夫って言うなら大丈夫。俺は行ったことないから分かんないけど」
「いつも3人でいるわけじゃないんですね。でも幸さんとヨッシーさん、遅いですね」
笑いながら久美が鳳斗に話しかけた。
鳳斗が遥香、久美、千絵を車に乗せて集合場所で幸隆と良樹を待っていた。こういう時でも遅刻癖が治らない幸隆をある意味大物だと思っている鳳斗。しかし、口説いている女性が待っているのに、遅刻する事は確実にマイナスポイント。親友の幸隆の為に鳳斗は何とかフォローしようと考えた。
「食材を買ってから合流するって言っていたから、それで遅れているんじゃないかな」
「あ~ヨッシーさんが良い肉を食べさせてくれるって言ってました」
「それは俺に食べさせたい訳じゃなく、千絵ちゃんだけに食べさせたいんだと思うよ」
「あっ、来ましたね」
良樹は鳳斗達に気付き、車の向きを変えて鳳斗達の元へやってくる。その助手席で幸隆が呑気に手を振っていた。千絵が遠慮がちに手を振ると、運転席の良樹は誰が見ても満面の笑みと言うぐらいの嬉しそうな顔で千絵の元へ車を停めた。
「お待たせ~。ちょっと道が混んでて待たせちゃったね」
「幸、本当は?」
「すまん、寝坊した。いや、してねぇわ! 本当に道が混んでたんだよ!」
「幸が当然のごとく寝坊したかと思ってたわ」
「お前が俺の事をどう思っているか、分かった気がする」
「遅刻したお詫びじゃないけど、その代わり、良い肉や美味しそうな食材を持ってきたから期待してて」
「ヨッシー、本当は?」
「スーパーで100g税込み98円って違うわ! 肉専門店でめっちゃ高い肉だわ」
「お前ら、ノリツッコミの腕を上げたな」
いつもいつもお前らのボケにツッコミを入れる俺の身にもなれよ。自分でセルフツッコミを入れて自己完結してくれたら、俺のツッコミのレベルは上がらなくなるから。芸人を目指しているわけじゃないから、これ以上レベル上がらなくていいから。
で、なんでヨッシーは千絵ちゃんを自分の車の助手席に載せようとしてるの? いや、良いんだけどさ。あからさまじゃねぇ? がっつく男は嫌われるぞ。千絵ちゃんも自然に乗ろうとしてるしね。お前の車にはテントやら食材やらで荷物一杯だろ。助手席しか乗るとこがないやん。普通はくじ引きとかじゃねぇの? まあ、俺は自分の車の運転があるから決まっているから関係ないけどね。
「俺が運転するんだから、助手席は決めさせてくれよ」
「千絵が良いなら私たちは反対しないよ」
「俺は自分の車の運転手だからどうでもいい」
「千絵ちゃんはどうなの? 嫌なら嫌って言っても良いんだよ。会話に下ネタを入れてセクハラしてくる人の隣には座りたくないって」
「それは幸、お前の事だろ」
「「「あ~~」」」
「全員が納得するほど、俺は下ネタは言わないから。純情可憐、無口で内気な好青年だ」
はいはい。もういいから行こうぜ。千絵ちゃんはヨッシーの車に乗る気満々だし。ツッコミも入れたくなくなるほどのボケをかまされてもな。こういう時はスルーに限るね。
ん? 俺の車の助手席は遥香ちゃんなの? 凄く自然に助手席のドアを開けてるけど、いいの? てっきり、幸が助手席に来るもんだと思っていたわ。とりあえず、いつも以上に丁寧な運転を心がけようっと。
「シートベルトとはした? んじゃ、行くよ~」
「男にイくって言われても、何にも嬉しくないよな」
「下ネタは言わないんじゃなかったのかよ。純情可憐、無口で内気な好青年はどこの国へと旅立ったんだ?」
「私と遥香はスルーしたのに、鳳斗さんはやっぱりツッコミをするんですね」
「この鳳斗さんの優しさに幸さんは甘え過ぎだと思いますよ」
「うっ……ごめんなさい」
高速道路に入り、車内の中での話は盛り上がる。もっぱら、話の内容は良樹と千絵の恋愛話であった。
が、この話題になると遥香と久美の表情が少し曇る事に鳳斗と幸隆は気付いていた。自分の車の前を走る良樹の車。
後ろから見る限り、車内の雰囲気は悪そうには見えない。むしろ、千絵が身振り手振りを交えて会話が盛り上がっているようにも見える。鳳斗や幸隆の目から見ても千絵は良樹に好意があるように見えた。
「何か付き合えない理由でもあるのかな……」
鳳斗は助手席に座る遥香にも聞こえない声でぽつりとつぶやく。鳳斗のモヤモヤした気持ちは、キャンプ場に付くまで晴れる事はなかった。
「こっちこそよろしくね」
「でも私達、本当に着替えとか必要最低限しか持ってきてないんですけど大丈夫なんですかね?」
「あいつらはよくキャンプしてるから、あいつらが大丈夫って言うなら大丈夫。俺は行ったことないから分かんないけど」
「いつも3人でいるわけじゃないんですね。でも幸さんとヨッシーさん、遅いですね」
笑いながら久美が鳳斗に話しかけた。
鳳斗が遥香、久美、千絵を車に乗せて集合場所で幸隆と良樹を待っていた。こういう時でも遅刻癖が治らない幸隆をある意味大物だと思っている鳳斗。しかし、口説いている女性が待っているのに、遅刻する事は確実にマイナスポイント。親友の幸隆の為に鳳斗は何とかフォローしようと考えた。
「食材を買ってから合流するって言っていたから、それで遅れているんじゃないかな」
「あ~ヨッシーさんが良い肉を食べさせてくれるって言ってました」
「それは俺に食べさせたい訳じゃなく、千絵ちゃんだけに食べさせたいんだと思うよ」
「あっ、来ましたね」
良樹は鳳斗達に気付き、車の向きを変えて鳳斗達の元へやってくる。その助手席で幸隆が呑気に手を振っていた。千絵が遠慮がちに手を振ると、運転席の良樹は誰が見ても満面の笑みと言うぐらいの嬉しそうな顔で千絵の元へ車を停めた。
「お待たせ~。ちょっと道が混んでて待たせちゃったね」
「幸、本当は?」
「すまん、寝坊した。いや、してねぇわ! 本当に道が混んでたんだよ!」
「幸が当然のごとく寝坊したかと思ってたわ」
「お前が俺の事をどう思っているか、分かった気がする」
「遅刻したお詫びじゃないけど、その代わり、良い肉や美味しそうな食材を持ってきたから期待してて」
「ヨッシー、本当は?」
「スーパーで100g税込み98円って違うわ! 肉専門店でめっちゃ高い肉だわ」
「お前ら、ノリツッコミの腕を上げたな」
いつもいつもお前らのボケにツッコミを入れる俺の身にもなれよ。自分でセルフツッコミを入れて自己完結してくれたら、俺のツッコミのレベルは上がらなくなるから。芸人を目指しているわけじゃないから、これ以上レベル上がらなくていいから。
で、なんでヨッシーは千絵ちゃんを自分の車の助手席に載せようとしてるの? いや、良いんだけどさ。あからさまじゃねぇ? がっつく男は嫌われるぞ。千絵ちゃんも自然に乗ろうとしてるしね。お前の車にはテントやら食材やらで荷物一杯だろ。助手席しか乗るとこがないやん。普通はくじ引きとかじゃねぇの? まあ、俺は自分の車の運転があるから決まっているから関係ないけどね。
「俺が運転するんだから、助手席は決めさせてくれよ」
「千絵が良いなら私たちは反対しないよ」
「俺は自分の車の運転手だからどうでもいい」
「千絵ちゃんはどうなの? 嫌なら嫌って言っても良いんだよ。会話に下ネタを入れてセクハラしてくる人の隣には座りたくないって」
「それは幸、お前の事だろ」
「「「あ~~」」」
「全員が納得するほど、俺は下ネタは言わないから。純情可憐、無口で内気な好青年だ」
はいはい。もういいから行こうぜ。千絵ちゃんはヨッシーの車に乗る気満々だし。ツッコミも入れたくなくなるほどのボケをかまされてもな。こういう時はスルーに限るね。
ん? 俺の車の助手席は遥香ちゃんなの? 凄く自然に助手席のドアを開けてるけど、いいの? てっきり、幸が助手席に来るもんだと思っていたわ。とりあえず、いつも以上に丁寧な運転を心がけようっと。
「シートベルトとはした? んじゃ、行くよ~」
「男にイくって言われても、何にも嬉しくないよな」
「下ネタは言わないんじゃなかったのかよ。純情可憐、無口で内気な好青年はどこの国へと旅立ったんだ?」
「私と遥香はスルーしたのに、鳳斗さんはやっぱりツッコミをするんですね」
「この鳳斗さんの優しさに幸さんは甘え過ぎだと思いますよ」
「うっ……ごめんなさい」
高速道路に入り、車内の中での話は盛り上がる。もっぱら、話の内容は良樹と千絵の恋愛話であった。
が、この話題になると遥香と久美の表情が少し曇る事に鳳斗と幸隆は気付いていた。自分の車の前を走る良樹の車。
後ろから見る限り、車内の雰囲気は悪そうには見えない。むしろ、千絵が身振り手振りを交えて会話が盛り上がっているようにも見える。鳳斗や幸隆の目から見ても千絵は良樹に好意があるように見えた。
「何か付き合えない理由でもあるのかな……」
鳳斗は助手席に座る遥香にも聞こえない声でぽつりとつぶやく。鳳斗のモヤモヤした気持ちは、キャンプ場に付くまで晴れる事はなかった。
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