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相談
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この3日間、圭吾にメールをしていない。繋がっていたいのだが、メールを打っていると、どうしても告白的な内容になってしまう。
祐介にばかりメールをしているのが現状だった。しかし、お礼のメールを送らないわけにはいかない。ましてや、圭吾は美月の心配をしてくれている。
「チケットありがとうございます。届きました。必ず行きますね。
それと心配をかけてごめんなさい。
でも、大丈夫です。」
強がりだと自分で分かっていても、そうメールを打つしかなかった。
今は祐介がいる。自分が甘えていい相手は祐介なのだ。しかし、心のどこかに圭吾に甘えたい自分がいる。
美月は折れそうな心を何とか耐え、送信ボタンを押した。1回のメールだけで、涙が出そうになる。
それなのに、練習がオフなのか、圭吾からのメールがすぐに返ってきた。
「大丈夫ならいいんだけど・・・
今週はアウェーで横浜に行きます。
美月ちゃんに向けてのパフォーマンスは出来ないけど、
他のサポーターのためにも頑張ってくるよ。
名古屋で応援しててね」
もちろん応援はする。今のゲシュペンストはJ2に降格するかもしれない。そんなところまで落ちてきているのだ。
「テレビの前ですけど、応援しますよ。
圭吾君を、ゲシュペンストをね。
勝って帰ってきてくださいね」
美月は圭吾にメールを打ち、そして祐介にもメールを打った。
「なんだか今日は疲れてしまいました。
お仕事、忙しそうですね。
また、時間があったらメールくださいね」
1人でいると色々考えてしまう。誰でもいいから話をしたかった。しかし、友達に相談するわけにいかない。
姉の部屋の前に美月は移動し、ドアをノックして「お姉ちゃん、今いい?」と声をかける。
「いいよ。入っておいでよ」
部屋の中から姉の声が聞こえた。
「ん?どうしたの?」
優しく姉が語り掛けてくれる。雑誌を読んでいた姉の隣に座り
「なんとなく」
と一言、姉に告げた。そして姉のベッドの上に座った。姉は何かを察したのか、美月には何も言わず、話してくれるのを待った。
そして美月の隣りに移動した。
「私、祐介君の事、好きになれるかな」
美月は自分の頭を姉の膝の上に乗せ、独り言のようにつぶやいた。それを聞いた姉は苦笑しながら美月に語りかける。
「それは私には分からないよ。祐介君だって分からないと思うよ。決めるのは美月でしょ。」
「うん」
「祐介君は美月を好きでいてくれてる。でも、その思いに応えないといけないわけじゃないよ」
「どうゆう事?」
姉の言っている事が分からない。美月は素直にそう思った。
「あのね、恋愛って一方通行じゃ成立しないの。祐介君がいくら美月の事を思っても、美月にその気がなければ成立しない。」
「うん」
「だから、祐介君の想いに応えなきゃいけないって思う心は愛情じゃない」
「そうだね」
「好きになれるかな?って、考えることが間違ってるよ、美月」
姉の言ってる事は理解は出来る。が、気持ち的には納得はいかなかった。
「でも、それだったら・・・」
「前にも言ったでしょ。好きか嫌いかだけじゃないって」
「付き合っていくうちに好きになるかもしれない。嫌いになるかもしれない。でも、それは付き合わないとわからないでしょ?」
「そりゃそうだけど・・・」
「祐介君の気持ちを背負う事ないの。もっと美月らしく自然体でいればいいの。 祐介君だってまだ、美月を知らないでしょ?」
「うん」
「じゃあ、もっとお互いを知ってから悩もう。今はまだ、彼氏彼女ごっこ。結果を出すには早いでしょ」
大好きな姉が美月に語りかけてくれる。そんな姉に話していないことがある。
圭吾の事を切り出そうか美月は悩んだ。
その時、美月の携帯がなった。
祐介にばかりメールをしているのが現状だった。しかし、お礼のメールを送らないわけにはいかない。ましてや、圭吾は美月の心配をしてくれている。
「チケットありがとうございます。届きました。必ず行きますね。
それと心配をかけてごめんなさい。
でも、大丈夫です。」
強がりだと自分で分かっていても、そうメールを打つしかなかった。
今は祐介がいる。自分が甘えていい相手は祐介なのだ。しかし、心のどこかに圭吾に甘えたい自分がいる。
美月は折れそうな心を何とか耐え、送信ボタンを押した。1回のメールだけで、涙が出そうになる。
それなのに、練習がオフなのか、圭吾からのメールがすぐに返ってきた。
「大丈夫ならいいんだけど・・・
今週はアウェーで横浜に行きます。
美月ちゃんに向けてのパフォーマンスは出来ないけど、
他のサポーターのためにも頑張ってくるよ。
名古屋で応援しててね」
もちろん応援はする。今のゲシュペンストはJ2に降格するかもしれない。そんなところまで落ちてきているのだ。
「テレビの前ですけど、応援しますよ。
圭吾君を、ゲシュペンストをね。
勝って帰ってきてくださいね」
美月は圭吾にメールを打ち、そして祐介にもメールを打った。
「なんだか今日は疲れてしまいました。
お仕事、忙しそうですね。
また、時間があったらメールくださいね」
1人でいると色々考えてしまう。誰でもいいから話をしたかった。しかし、友達に相談するわけにいかない。
姉の部屋の前に美月は移動し、ドアをノックして「お姉ちゃん、今いい?」と声をかける。
「いいよ。入っておいでよ」
部屋の中から姉の声が聞こえた。
「ん?どうしたの?」
優しく姉が語り掛けてくれる。雑誌を読んでいた姉の隣に座り
「なんとなく」
と一言、姉に告げた。そして姉のベッドの上に座った。姉は何かを察したのか、美月には何も言わず、話してくれるのを待った。
そして美月の隣りに移動した。
「私、祐介君の事、好きになれるかな」
美月は自分の頭を姉の膝の上に乗せ、独り言のようにつぶやいた。それを聞いた姉は苦笑しながら美月に語りかける。
「それは私には分からないよ。祐介君だって分からないと思うよ。決めるのは美月でしょ。」
「うん」
「祐介君は美月を好きでいてくれてる。でも、その思いに応えないといけないわけじゃないよ」
「どうゆう事?」
姉の言っている事が分からない。美月は素直にそう思った。
「あのね、恋愛って一方通行じゃ成立しないの。祐介君がいくら美月の事を思っても、美月にその気がなければ成立しない。」
「うん」
「だから、祐介君の想いに応えなきゃいけないって思う心は愛情じゃない」
「そうだね」
「好きになれるかな?って、考えることが間違ってるよ、美月」
姉の言ってる事は理解は出来る。が、気持ち的には納得はいかなかった。
「でも、それだったら・・・」
「前にも言ったでしょ。好きか嫌いかだけじゃないって」
「付き合っていくうちに好きになるかもしれない。嫌いになるかもしれない。でも、それは付き合わないとわからないでしょ?」
「そりゃそうだけど・・・」
「祐介君の気持ちを背負う事ないの。もっと美月らしく自然体でいればいいの。 祐介君だってまだ、美月を知らないでしょ?」
「うん」
「じゃあ、もっとお互いを知ってから悩もう。今はまだ、彼氏彼女ごっこ。結果を出すには早いでしょ」
大好きな姉が美月に語りかけてくれる。そんな姉に話していないことがある。
圭吾の事を切り出そうか美月は悩んだ。
その時、美月の携帯がなった。
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