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7章 性欲の中心には魔物が棲んでんねん
7-3 ガリ総長の講義2【㉑「いじって破壊した後に褒めて回復させた方がもっと仲良くなれんねん」】
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「今日、また会えるとは思わなかったよ」
「だって、なんか気になっちゃって」
「そうなんだ」
「嘘よ嘘」
「何だよ、それ」
女のおでこを優しく小突いた。
「ちょっといったーい」
「バカだなヒナ。軽くだろ」
と言うと、頭を包み込むように撫で始めた。
「ほんと可愛い顔してるね。いや、よく見るとそうでもないか」
「ひっどーい」
「冗談に決まってるだろ。僕は小さい時から、可愛すぎるとイジメたくなっちゃうんだよ」
「何よ、それ」
「見事な可愛いレッサーパンダ顔だね」
「そんなこと言われてもうれしくないよぉ」
ねじの二の腕をつねりながら女は笑った。
ガリさんはタバコの煙を吐き出すと話し始めた。
「さっき、褒めてばかりじゃダメだと言うたやろ。仲良くなるために、褒めるより効果的な方法があんねん。それは、おなごをいじることなんやで」
えっ……。いじったりしたら怒らないだろうか……。
「ポイントは、褒めたりいじったりを反復して掻き回すことなんや。たわいもない会話より、いじって破壊した後に褒めて回復させた方がもっと仲良くなれんねん。おなごをオトすためには感情のベクトルをアップダウンさせるだけじゃなく、左右斜めと振り回し遊園地のアトラクションのようにドキドキさせることが大切なんやで。ほんで、ナンパってのはわずかな時間で濃い関係性を構築せなあかんからいじることは欠かせないんや。褒めたりいじったりを反復して掻き回すことによって猫をかぶった状態をブチ壊し、お互いを曝け出す裸のトークに突入することが大切なんやで」
「確かにねじさんは、褒めたりいじったりしてましたね」
「せやな。これと同じようなやり方を声かけのところでも教えたんだが、グリーン覚えてるか?」
「すいません。忘れました……」
「何やと! 忘れたんか!」
「前にガリから教わってるのに忘れてんじゃねぇよ。『ディス』だよ」
乳ローは吐き捨てるように言った。
「『大げさ且つユニークに褒めディスる』ことが大切だと言ってたろ。いじりという言葉を辞書で調べると『小馬鹿にする、無理を言って困らせる、弄ぶ』という意味が書いてある。例えば、『顔は可愛いけど頭は悪そうだな』『ホント天然だよな』『わがままが顔に滲み出てるよ』と言ったり、清楚なヴィジュアルなのに『お前、エロイ顔してんなぁ』とあえて逆に言ったりすることをいじりと呼ぶ。このような鞭トークを褒めたり優しくしたりする優男的飴トークの合間合間にさりげなく挿入して、激しく揺さぶりながら少しずつ主導権を握って進めていくことが肝心なんだぜ」
「なるほど」
ガリさんがすぐさまカットインした。
「ねじのを観てればわかると思うが、いじるという行為は『いじめたり、傷つけたり、ただ悪口を言う』行為とは違うねん。それだと、相手を怒らせて空気が悪くなってしまう。せやから、おなごを楽しませて笑いに繋がるようにやらなあかん。もし怒ったとしても、すぐにフォローすればええねん。うまくフォローすることによってさらに仲良くなれんねん。ほんでな、このフォローの上手下手が、そのナンパ師のレベルを決定すると言うても過言ではないんやで」
「えっ……、どうしてですか?」
「さっき、攻めなくてはアカンって言うたやろ?」
「はい、そうですね」
「せやけど、攻めたとしてもうまくいかないことは当然ある。いや、むしろうまくいかないことの方が多いねん。そのときに大事なことがフォローであり、フォローが上手にできるナンパ師が結果を残すことになるんやで」
攻めか……。守りばかりではダメだ。攻めなきゃ。攻めないと……。
「だって、なんか気になっちゃって」
「そうなんだ」
「嘘よ嘘」
「何だよ、それ」
女のおでこを優しく小突いた。
「ちょっといったーい」
「バカだなヒナ。軽くだろ」
と言うと、頭を包み込むように撫で始めた。
「ほんと可愛い顔してるね。いや、よく見るとそうでもないか」
「ひっどーい」
「冗談に決まってるだろ。僕は小さい時から、可愛すぎるとイジメたくなっちゃうんだよ」
「何よ、それ」
「見事な可愛いレッサーパンダ顔だね」
「そんなこと言われてもうれしくないよぉ」
ねじの二の腕をつねりながら女は笑った。
ガリさんはタバコの煙を吐き出すと話し始めた。
「さっき、褒めてばかりじゃダメだと言うたやろ。仲良くなるために、褒めるより効果的な方法があんねん。それは、おなごをいじることなんやで」
えっ……。いじったりしたら怒らないだろうか……。
「ポイントは、褒めたりいじったりを反復して掻き回すことなんや。たわいもない会話より、いじって破壊した後に褒めて回復させた方がもっと仲良くなれんねん。おなごをオトすためには感情のベクトルをアップダウンさせるだけじゃなく、左右斜めと振り回し遊園地のアトラクションのようにドキドキさせることが大切なんやで。ほんで、ナンパってのはわずかな時間で濃い関係性を構築せなあかんからいじることは欠かせないんや。褒めたりいじったりを反復して掻き回すことによって猫をかぶった状態をブチ壊し、お互いを曝け出す裸のトークに突入することが大切なんやで」
「確かにねじさんは、褒めたりいじったりしてましたね」
「せやな。これと同じようなやり方を声かけのところでも教えたんだが、グリーン覚えてるか?」
「すいません。忘れました……」
「何やと! 忘れたんか!」
「前にガリから教わってるのに忘れてんじゃねぇよ。『ディス』だよ」
乳ローは吐き捨てるように言った。
「『大げさ且つユニークに褒めディスる』ことが大切だと言ってたろ。いじりという言葉を辞書で調べると『小馬鹿にする、無理を言って困らせる、弄ぶ』という意味が書いてある。例えば、『顔は可愛いけど頭は悪そうだな』『ホント天然だよな』『わがままが顔に滲み出てるよ』と言ったり、清楚なヴィジュアルなのに『お前、エロイ顔してんなぁ』とあえて逆に言ったりすることをいじりと呼ぶ。このような鞭トークを褒めたり優しくしたりする優男的飴トークの合間合間にさりげなく挿入して、激しく揺さぶりながら少しずつ主導権を握って進めていくことが肝心なんだぜ」
「なるほど」
ガリさんがすぐさまカットインした。
「ねじのを観てればわかると思うが、いじるという行為は『いじめたり、傷つけたり、ただ悪口を言う』行為とは違うねん。それだと、相手を怒らせて空気が悪くなってしまう。せやから、おなごを楽しませて笑いに繋がるようにやらなあかん。もし怒ったとしても、すぐにフォローすればええねん。うまくフォローすることによってさらに仲良くなれんねん。ほんでな、このフォローの上手下手が、そのナンパ師のレベルを決定すると言うても過言ではないんやで」
「えっ……、どうしてですか?」
「さっき、攻めなくてはアカンって言うたやろ?」
「はい、そうですね」
「せやけど、攻めたとしてもうまくいかないことは当然ある。いや、むしろうまくいかないことの方が多いねん。そのときに大事なことがフォローであり、フォローが上手にできるナンパ師が結果を残すことになるんやで」
攻めか……。守りばかりではダメだ。攻めなきゃ。攻めないと……。
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