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7章 性欲の中心には魔物が棲んでんねん
7-5 強引に交代、乳ロー先生の講義1【㉓「仲良くなるためにスキンシップをするんだよ」】
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乳ローは首の骨を鳴らし、身体をほぐしてから喋り始めた。
「まず、実際にギラつくにあたって少しずつボディタッチをしていく必要があるんだよ。ボディタッチというのは、会話よりも相手との距離が縮まり性的な関係性を印象付けることができるんだ。最初は軽めのボディタッチから始めていく。例えば、」
「ちょっと待ってください。かなり親密な関係になってからじゃないと、触ったらまずくないですか?」
「バカ、逆なんだよ。仲良くなってからスキンシップをするのではなく、仲良くなるためにスキンシップをするんだよ。スキンシップをするから仲良くなれるんだぜ。ナンパで結果を出すためにはボディタッチを極めなきゃ論外。逆に言うと、ボディタッチを極めれば結果が出るんだぜ。失敗してもフォローすればいい。だから、どんどん触っちゃえばいいんだよ」
「ガリさん……、この講義を続けて本当に大丈夫なんでしょうか?」
「おい、ガリがやれって言ったんだろ。最後まで黙って聞いてろよ」
「ま、気が済むまでやらせよう」
「そうこなくっちゃ。んじゃ、まず、最初は軽めのボディタッチから始めていき、」
乳ローと目が合う。
「OK。俺様がグリーンを女と見立てて攻めてやる。こっち来いよ」
「えっ、マジっすか?」
「さっさと来い。体感した方が覚えられるんだから」
と言われてしまったので近づいて横に座った。
「連れ出しでお店に行くとき、なるべく対面ではなく横並びに座ること。机一つ隔てると、どうしても攻めづらいし攻めていても逃げられやすい。横並びに座れるならば個室でも構わないが、できればカップルシートやL字シートがあるお店を選択した方がいい」
横に座ると再び目を見つめられてしまった。
「そりゃ、いきなりあからさまに触ると誰だって拒否反応を示す。だから、最初はこんな感じで」
と言うと、手首に目をやってすぐさま触り、
「うわ、この時計可愛いね。どこのブランド?」
「えっと……」と呟いたが、次の言葉が出てこない。
「何、このネイルすっげぇ綺麗じゃん。自分でやったの?」
と訊かれたので、「今朝やったんだけどすごい時間がかかっちゃって」と適当に答えた。「いや、ほんとにいいじゃん。センスあるなぁ、お前」
「ありがとうございます」
「この指輪俺のと似てるし、見てみろよ。ね、ほら。っていうか指、華奢だねぇ」
と言いながら指を手に取って見つめた。
「もしかして、ピアノやってる?」
「正解! 結構長くやってますよ」
「指は別に長くないし、そんなに器用なことができるようには見えないんだけどな」
と言うと、二の腕をつままれた。
「にしても、筋肉が全くないな。運動、何にもやってないだろ?」
「ジョギングぐらいはやってますよ」
「俺もやってるやってる」
手を差し伸べられたので握手をした。
「おい。ちょっと、強く握り過ぎだよ」
と言われてしまい、二本指でおでこをツッコまれてしまった。
「もう、そこらへんでええやろ」
ガリさんの顔を見ると、腕を組みながら呆れた顔をしていた。
「ま、まあな」と乳ローが苦笑いで答え、うっすらおでこに滲んだ汗を右腕でぬぐった。
「モニター観てみろや。ねじも同じようなことをやってる最中やで」
乳ローと同じタイミングでモニターに目をやった。
「結構筋肉質だね」
ねじは女の二の腕をつまんでいる。
「やっぱり、そう見える?」
「学生時代に何かやってた?」
「チアリーダーをやってたの」
「僕はこのぐらいの筋肉質が好きなんだ。腕相撲をやろうぜ。面白そうじゃん」
「やーだ。絶対、負けるに決まってるでしょ」
ねじは自分勝手に手を握ると、始める態勢をとった。
「いいからいいから。レディ、ゴッ!」
よく見ると、女は力一杯入れていてねじは押されているが余裕の表情だった。
「ヤバイ負けそう」「嘘ばっかり」というやり取りが続いたが、ねじは本気を出すとゆっくりと彼女の手を地面につけていった。
「じゃ、負けたから罰ゲーム」と言うと、腰のあたりをくすぐり始めた。女が身をよじらせながら笑っていると、背中やお腹周りにかけてもこちょこちょとくすぐり「もーやめて」と叫んだが、とても楽しそうに見えた。
「なんか、めっちゃ悔しいんだけど。指相撲やろうよ、指相撲」
「おーし、ОK。ノってきたじゃん、やろうぜ」
指相撲が始まった。彼女の指は細長くて動きも俊敏に観えた。
「これはヤバイかも」「へへ。私、強いでしょ」というやり取りが聞こえたが、「うわ、負けちまう」という声と同時にカウントダウンが始まった。「12345678910、勝った!」
「負けちまった……」
ねじは噴き出してきた汗をウェットティッシュで小刻みに抑えた。女は「じゃ罰ゲーム」と言うと、ねじのおでこにバチコーンとデコピンを食らわしていた。
「とっても痛いんですけど……」
「勝負の世界は厳しいのよ」
と言い放つと、人差し指を立ててにっこりと笑った。
「確かにその通りだと思うよ。一勝一敗になったからイーブンだね」
「そうだね。次は何で勝負する?」
笑窪を携えた女は辺りに笑顔を撒き散らしていた。
「まず、実際にギラつくにあたって少しずつボディタッチをしていく必要があるんだよ。ボディタッチというのは、会話よりも相手との距離が縮まり性的な関係性を印象付けることができるんだ。最初は軽めのボディタッチから始めていく。例えば、」
「ちょっと待ってください。かなり親密な関係になってからじゃないと、触ったらまずくないですか?」
「バカ、逆なんだよ。仲良くなってからスキンシップをするのではなく、仲良くなるためにスキンシップをするんだよ。スキンシップをするから仲良くなれるんだぜ。ナンパで結果を出すためにはボディタッチを極めなきゃ論外。逆に言うと、ボディタッチを極めれば結果が出るんだぜ。失敗してもフォローすればいい。だから、どんどん触っちゃえばいいんだよ」
「ガリさん……、この講義を続けて本当に大丈夫なんでしょうか?」
「おい、ガリがやれって言ったんだろ。最後まで黙って聞いてろよ」
「ま、気が済むまでやらせよう」
「そうこなくっちゃ。んじゃ、まず、最初は軽めのボディタッチから始めていき、」
乳ローと目が合う。
「OK。俺様がグリーンを女と見立てて攻めてやる。こっち来いよ」
「えっ、マジっすか?」
「さっさと来い。体感した方が覚えられるんだから」
と言われてしまったので近づいて横に座った。
「連れ出しでお店に行くとき、なるべく対面ではなく横並びに座ること。机一つ隔てると、どうしても攻めづらいし攻めていても逃げられやすい。横並びに座れるならば個室でも構わないが、できればカップルシートやL字シートがあるお店を選択した方がいい」
横に座ると再び目を見つめられてしまった。
「そりゃ、いきなりあからさまに触ると誰だって拒否反応を示す。だから、最初はこんな感じで」
と言うと、手首に目をやってすぐさま触り、
「うわ、この時計可愛いね。どこのブランド?」
「えっと……」と呟いたが、次の言葉が出てこない。
「何、このネイルすっげぇ綺麗じゃん。自分でやったの?」
と訊かれたので、「今朝やったんだけどすごい時間がかかっちゃって」と適当に答えた。「いや、ほんとにいいじゃん。センスあるなぁ、お前」
「ありがとうございます」
「この指輪俺のと似てるし、見てみろよ。ね、ほら。っていうか指、華奢だねぇ」
と言いながら指を手に取って見つめた。
「もしかして、ピアノやってる?」
「正解! 結構長くやってますよ」
「指は別に長くないし、そんなに器用なことができるようには見えないんだけどな」
と言うと、二の腕をつままれた。
「にしても、筋肉が全くないな。運動、何にもやってないだろ?」
「ジョギングぐらいはやってますよ」
「俺もやってるやってる」
手を差し伸べられたので握手をした。
「おい。ちょっと、強く握り過ぎだよ」
と言われてしまい、二本指でおでこをツッコまれてしまった。
「もう、そこらへんでええやろ」
ガリさんの顔を見ると、腕を組みながら呆れた顔をしていた。
「ま、まあな」と乳ローが苦笑いで答え、うっすらおでこに滲んだ汗を右腕でぬぐった。
「モニター観てみろや。ねじも同じようなことをやってる最中やで」
乳ローと同じタイミングでモニターに目をやった。
「結構筋肉質だね」
ねじは女の二の腕をつまんでいる。
「やっぱり、そう見える?」
「学生時代に何かやってた?」
「チアリーダーをやってたの」
「僕はこのぐらいの筋肉質が好きなんだ。腕相撲をやろうぜ。面白そうじゃん」
「やーだ。絶対、負けるに決まってるでしょ」
ねじは自分勝手に手を握ると、始める態勢をとった。
「いいからいいから。レディ、ゴッ!」
よく見ると、女は力一杯入れていてねじは押されているが余裕の表情だった。
「ヤバイ負けそう」「嘘ばっかり」というやり取りが続いたが、ねじは本気を出すとゆっくりと彼女の手を地面につけていった。
「じゃ、負けたから罰ゲーム」と言うと、腰のあたりをくすぐり始めた。女が身をよじらせながら笑っていると、背中やお腹周りにかけてもこちょこちょとくすぐり「もーやめて」と叫んだが、とても楽しそうに見えた。
「なんか、めっちゃ悔しいんだけど。指相撲やろうよ、指相撲」
「おーし、ОK。ノってきたじゃん、やろうぜ」
指相撲が始まった。彼女の指は細長くて動きも俊敏に観えた。
「これはヤバイかも」「へへ。私、強いでしょ」というやり取りが聞こえたが、「うわ、負けちまう」という声と同時にカウントダウンが始まった。「12345678910、勝った!」
「負けちまった……」
ねじは噴き出してきた汗をウェットティッシュで小刻みに抑えた。女は「じゃ罰ゲーム」と言うと、ねじのおでこにバチコーンとデコピンを食らわしていた。
「とっても痛いんですけど……」
「勝負の世界は厳しいのよ」
と言い放つと、人差し指を立ててにっこりと笑った。
「確かにその通りだと思うよ。一勝一敗になったからイーブンだね」
「そうだね。次は何で勝負する?」
笑窪を携えた女は辺りに笑顔を撒き散らしていた。
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