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5章 翡翠色の玉かんざし
5-7 〝優しさ〟なんて身の毛がよだつ発言は口が裂けても絶対言わせねぇよ。【⑯ストロングポイント】
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「ボーっとするなよ。時間の無駄になるから、指名ナンパを始めようぜ」
「せやな。そろそろグリーンにも声をかけさせないとあかんな」
「よし。じゃ、あれだ。あのみかん色のシャツを着た女」
「はい、わかりました」
とにかく思いっきり走った。
「すいません。訊いていいですか?」
アイコンタクトはちゃんととれた。
「うわぁ、びっくり」
「その琥珀色したTシャツ可愛いですね。つい目を奪われてしまって」
「琥珀色ってあまり言わないですよね」
と言いながらくすっと笑った。あまり面白い話じゃないけど、このネタを少し引っ張るか。
「自分、色に詳しいんですよ。七十二色の色鉛筆を持ってますし」
「すごい。そんなに色鉛筆を持ってるんですか。私、絵を描いてるんで種類じゃ負けますけど、絵の具ならたくさん持ってますよ」
と言うと、口元を左手で隠しながら笑っている。
「趣味が合いそうですね。じゃ、そこのカフェで色の世界について語りましょうよ」
「それは、ちょっと……」
やっぱり早すぎたか。
「キャッチですか?」
「違う違う。女の子の友達がいないんで、ぜひお友達になってほしいと」
胸を手で押さえ、心をこめて切実に言ってしまったので、相手は確実に引いている。
あっと、ちょっとヤバいな……。
「出会いが全くないんですよね。だから、今頑張って声をかけちゃいました。逆に質問なんですけど、出会いってありますか?」
「ん……、ないね」
含み笑いに変わったから何とかなりそうだ。
「えー、何してる人ですか?」
「今はフリーターで、過払い金返還請求専門の司法書士を目指して勉強しています」
「ふ~ん」
それからの会話は上々に盛りあがった。相手に時間がなかったので、すぐさま連絡先を交換した。相手は携帯の充電が切れたので、口頭で電話番号を言われた。俺は、それを間違えないようにくまなく確認しながら登録した。
よし、TGだ。飛行機の翼のように手を横に広げ、小躍りしながらガリさんと乳ローに駆け寄った。
「ガリさん、初めてTGできました」
「っていうか、なんだ、お前のトークの内容は……」
「まぁ、乳ロー、そう言うな。少しずつ改善していけばええ。ただ、最初に注意を」
な、なんだろう……。
「前にノンバーバルのことを言うたやろ」
「あ、はいはい、覚えてます」
「表情や振る舞いに関わってくることなんやけど、グリーンを見てると、おどおどしているように見えんねん。ナンパには、自信が必要なんやで。自信のある男におなごはついていくねん。逆に言うと、自信のない男に、誰一人おなごはついていかないんやで。グリーンは自分のできる範囲で努力してるんやから、もっと胸張って、自信を持ってナンパすることを肝に銘じろや」
「わかりました……」
乳ローも、待ってましたとばかりに間髪入れずに喋り出した。
「女に下手に出れば足元を見られるし、ついていこうという気持ちも消え失せてしまうんだよ。それは、なぜか。オスの魅力がないからだ。『この女が無理でも、他に女なんか腐るほどいる』という超男臭いメンタリティの方がモテるんだよ。だから、『俺は完全無欠な男で、自分と触れ合えるお前は宇宙一幸福な女なんだぜ! バカヤロー!』ぐらいの強気のマインドで声をかけろよ。ったく……」
「せや。強気でいかな、おなごを上手にリードすることはできんからな。すぐに自信が持てなけりゃ過信でもええねん。『ワイはまずまずのイケメン』とかハッタリ気味でも嘘でもええから、もっと自信を持って声をかけなきゃあかんで」
初めてのTGで褒めてもらえると思ったのに、こんなキツいお灸を据えられるとは……。でも、敏腕ナンパ師になるためには超えなければいけないハードルだよな……。もっと、自信を持たないと……。
「せやけど、結構和んでたと思うし悪くなかったと思うで。長々と喋っていたから最後まで見てなかったけどおめでとう」
「ありがとうございます」
「連絡先を聞いたら、なるべく今日中に連絡してアポを取り付けるんやで。時間が経てば経つほど興味を失っていくんやから注意せなあかんで」
「わかりました。TGはうれしかったのですが、彼女、途中で携帯の電池が切れちゃって手打ち登録をしたので焦っちゃいました」
ガリさんが眉間に皺を寄せた。
「ちょっと携帯貸してみ」
「はい?」
「おなごの名前は?」
「ミナです」
「その名前もあってるかどうかわからへんけどな」
「えっ、どういうことですか」
ガリさんはミナに、『さっきはありがとね。良かったら、今度飲みに行きましょう♪』というショートメールを送った。すると、そのメールは届かず、未配信の表示。それを見て、俺は顔が引き攣るのを感じた。
「あぁ。手打ちで登録したとき、間違えちゃったんですね。マジで死にたいっす」
「ちゃうちゃう。携帯の充電が切れたってのは嘘で、連絡先を教えると面倒臭いなって思われたんや。せやから、口頭で嘘の連絡先を教えたんやで。それに、嘘じゃなくても、連絡先交換だけ済ませて、とりあえずその場の幕引きをしようって考えるおなごは少なくないねん。ま、グリーンもこれからはそこんとこを気をつけて声かけせなあかん」
「今の声かけの問題点はそれだけじゃあないけどな。よく聞け、小僧」
「あっ、はい」
ちょくちょく腹を立たせる奴だな。
「俺は185センチの高身長でマッチョで顔もいい。仕事もできるし頭もキレるし、金も持っている。んでもって、ウィットに富んだ会話もできる」
普通、自分で言うか。
「『普通、自分で言うか』ってツラしてるけど、事実だからしょうがない。女はバカだから、俺の外見だけでのこのこついてくる。そして、ベッドの上で股を開く。それが、現実だ。俺には他にも、女がメリットだと感じるものをたくさん持っている。だから、女は俺についてくる」
髪を掻き上げると、俺の目を刺すように見つめた。
「グリーン。お前についていくと、どんなメリットがあるんだ。言ってみろ」
「俺は……」
「ガリは心を掴む技術に長けている。女の心を読めるからこそ、心の痒いところをソフトタッチで掻くような接し方ができるんだ。俺は心がないから、ガリの能力に脱帽するし、嫉妬も覚える」
ガリさんは見守るように黙って聞いていた。
「子凛はどうだ。日本一の誠実系ナンパ師だ。十太はどうだ。お前は知らないだろうが、酔拳の使い手だ。クラブに行くと、いい女はたいていあいつが持ち帰る。アルコールが入るとあいつの右に出る者はいない」
俺は左手を口元に添えて、どこを見るともなく聞いていた。
「新人のまあさはどうだ。お笑いだけで落とそうとする。テンションは半端ない。俺は必要以上の笑いはいらないと思うが、彼はそれが女に与える唯一のメリットだと感じているし、且つ譲れないプライドでもあるんだろ」
現実の世界に無理矢理焦点を合わせると、左手を下げ、乳ローの瞳を見つめた。
「お前は、女に何を与えることができるんだ。なぁ?」
俺は女にどんなメリットを与えることができるのだろうか……。
再び視線を落とすと、地面を見たまま固まってしまった。
「女はメリットがあるかどうかでついていくんだよ。中身でも外見でもいい。権力でも金でも仕事でも趣味でも特技でもキャラクターでも雑学でも何でもいい。お前の武器は何なんだよ。どんな力を持ってるんだ? 女に何を与えることができるんだ?」
「……」
「おい。黙ってないで答えろよ」
「や、や」
親指と人差し指で唇を摘まれると、その先を言わせてくれなかった。
「黙れ!」
いや、今お前が黙るなと……。どんだけ理不尽なんだよ。
「優しさなんて身の毛がよだつ発言は口が裂けても絶対言わせねぇよ。そんなことは誰にでもできることだからな。優しさなんてものは、能力のない男が自分のプライドを守るために縋る最後の手段なんだよ。そのセリフを言ってしまったら男としておしまいなんだぜ」
「ぐっ……」
「まぁ、それでも優しさなんていう気持ち悪ぃセリフを吐きたいならば、差別化できる優しさをせいぜい目指しな」
「わかりました……」
「ガリが『ナンパは男の営業だ』って言ってたろ? 自分の売りをハッキリさせろ。ストロングポイントがなけりゃ女なんかついてくるわけねぇんだからさ。お前のそのアンポンタンな脳みそでよく考えな」
ガリさんに「ポン」と肩を叩かれた。
「乳ローの言うことは確かに一理ある。せやけど、グリーンはまだ模索の段階や。修行していけば何時か必ず辿り着く。落ち込むなぁ。まだまだ道は長いぞぉ。千里の道も一歩からってな」
「ありがとうございます」
と感謝の言葉を発したが、足は確実に重くなっていた。
「いい女がいたから声をかけてくるわぁ。指名ナンパは中断」
と言うと、乳ローは今さっき演説していた面影をサっと消して、走って声をかけにいってしまった。気持ちの切り替えが早すぎる。さすが、敏腕ナンパ師。
「ワイもスト高を見っけたから声をかけてくるわぁ。また後でね」
「あぁ」
と声を漏らす間もなくガリさんも行ってしまい、視線を追ったがすぐに人混みに紛れて消えてしまった。さすが、伝説のナンパ師。それにしても、二人ともあまりにも動きが速すぎる。
確か、「ストリートで容姿のレベルが高い女はスト高と言うんやで」ってガリさんが言ってたっけ。よし、一人になっちゃったし、指名ナンパに頼らず声がかけられるように特訓だ。
「せやな。そろそろグリーンにも声をかけさせないとあかんな」
「よし。じゃ、あれだ。あのみかん色のシャツを着た女」
「はい、わかりました」
とにかく思いっきり走った。
「すいません。訊いていいですか?」
アイコンタクトはちゃんととれた。
「うわぁ、びっくり」
「その琥珀色したTシャツ可愛いですね。つい目を奪われてしまって」
「琥珀色ってあまり言わないですよね」
と言いながらくすっと笑った。あまり面白い話じゃないけど、このネタを少し引っ張るか。
「自分、色に詳しいんですよ。七十二色の色鉛筆を持ってますし」
「すごい。そんなに色鉛筆を持ってるんですか。私、絵を描いてるんで種類じゃ負けますけど、絵の具ならたくさん持ってますよ」
と言うと、口元を左手で隠しながら笑っている。
「趣味が合いそうですね。じゃ、そこのカフェで色の世界について語りましょうよ」
「それは、ちょっと……」
やっぱり早すぎたか。
「キャッチですか?」
「違う違う。女の子の友達がいないんで、ぜひお友達になってほしいと」
胸を手で押さえ、心をこめて切実に言ってしまったので、相手は確実に引いている。
あっと、ちょっとヤバいな……。
「出会いが全くないんですよね。だから、今頑張って声をかけちゃいました。逆に質問なんですけど、出会いってありますか?」
「ん……、ないね」
含み笑いに変わったから何とかなりそうだ。
「えー、何してる人ですか?」
「今はフリーターで、過払い金返還請求専門の司法書士を目指して勉強しています」
「ふ~ん」
それからの会話は上々に盛りあがった。相手に時間がなかったので、すぐさま連絡先を交換した。相手は携帯の充電が切れたので、口頭で電話番号を言われた。俺は、それを間違えないようにくまなく確認しながら登録した。
よし、TGだ。飛行機の翼のように手を横に広げ、小躍りしながらガリさんと乳ローに駆け寄った。
「ガリさん、初めてTGできました」
「っていうか、なんだ、お前のトークの内容は……」
「まぁ、乳ロー、そう言うな。少しずつ改善していけばええ。ただ、最初に注意を」
な、なんだろう……。
「前にノンバーバルのことを言うたやろ」
「あ、はいはい、覚えてます」
「表情や振る舞いに関わってくることなんやけど、グリーンを見てると、おどおどしているように見えんねん。ナンパには、自信が必要なんやで。自信のある男におなごはついていくねん。逆に言うと、自信のない男に、誰一人おなごはついていかないんやで。グリーンは自分のできる範囲で努力してるんやから、もっと胸張って、自信を持ってナンパすることを肝に銘じろや」
「わかりました……」
乳ローも、待ってましたとばかりに間髪入れずに喋り出した。
「女に下手に出れば足元を見られるし、ついていこうという気持ちも消え失せてしまうんだよ。それは、なぜか。オスの魅力がないからだ。『この女が無理でも、他に女なんか腐るほどいる』という超男臭いメンタリティの方がモテるんだよ。だから、『俺は完全無欠な男で、自分と触れ合えるお前は宇宙一幸福な女なんだぜ! バカヤロー!』ぐらいの強気のマインドで声をかけろよ。ったく……」
「せや。強気でいかな、おなごを上手にリードすることはできんからな。すぐに自信が持てなけりゃ過信でもええねん。『ワイはまずまずのイケメン』とかハッタリ気味でも嘘でもええから、もっと自信を持って声をかけなきゃあかんで」
初めてのTGで褒めてもらえると思ったのに、こんなキツいお灸を据えられるとは……。でも、敏腕ナンパ師になるためには超えなければいけないハードルだよな……。もっと、自信を持たないと……。
「せやけど、結構和んでたと思うし悪くなかったと思うで。長々と喋っていたから最後まで見てなかったけどおめでとう」
「ありがとうございます」
「連絡先を聞いたら、なるべく今日中に連絡してアポを取り付けるんやで。時間が経てば経つほど興味を失っていくんやから注意せなあかんで」
「わかりました。TGはうれしかったのですが、彼女、途中で携帯の電池が切れちゃって手打ち登録をしたので焦っちゃいました」
ガリさんが眉間に皺を寄せた。
「ちょっと携帯貸してみ」
「はい?」
「おなごの名前は?」
「ミナです」
「その名前もあってるかどうかわからへんけどな」
「えっ、どういうことですか」
ガリさんはミナに、『さっきはありがとね。良かったら、今度飲みに行きましょう♪』というショートメールを送った。すると、そのメールは届かず、未配信の表示。それを見て、俺は顔が引き攣るのを感じた。
「あぁ。手打ちで登録したとき、間違えちゃったんですね。マジで死にたいっす」
「ちゃうちゃう。携帯の充電が切れたってのは嘘で、連絡先を教えると面倒臭いなって思われたんや。せやから、口頭で嘘の連絡先を教えたんやで。それに、嘘じゃなくても、連絡先交換だけ済ませて、とりあえずその場の幕引きをしようって考えるおなごは少なくないねん。ま、グリーンもこれからはそこんとこを気をつけて声かけせなあかん」
「今の声かけの問題点はそれだけじゃあないけどな。よく聞け、小僧」
「あっ、はい」
ちょくちょく腹を立たせる奴だな。
「俺は185センチの高身長でマッチョで顔もいい。仕事もできるし頭もキレるし、金も持っている。んでもって、ウィットに富んだ会話もできる」
普通、自分で言うか。
「『普通、自分で言うか』ってツラしてるけど、事実だからしょうがない。女はバカだから、俺の外見だけでのこのこついてくる。そして、ベッドの上で股を開く。それが、現実だ。俺には他にも、女がメリットだと感じるものをたくさん持っている。だから、女は俺についてくる」
髪を掻き上げると、俺の目を刺すように見つめた。
「グリーン。お前についていくと、どんなメリットがあるんだ。言ってみろ」
「俺は……」
「ガリは心を掴む技術に長けている。女の心を読めるからこそ、心の痒いところをソフトタッチで掻くような接し方ができるんだ。俺は心がないから、ガリの能力に脱帽するし、嫉妬も覚える」
ガリさんは見守るように黙って聞いていた。
「子凛はどうだ。日本一の誠実系ナンパ師だ。十太はどうだ。お前は知らないだろうが、酔拳の使い手だ。クラブに行くと、いい女はたいていあいつが持ち帰る。アルコールが入るとあいつの右に出る者はいない」
俺は左手を口元に添えて、どこを見るともなく聞いていた。
「新人のまあさはどうだ。お笑いだけで落とそうとする。テンションは半端ない。俺は必要以上の笑いはいらないと思うが、彼はそれが女に与える唯一のメリットだと感じているし、且つ譲れないプライドでもあるんだろ」
現実の世界に無理矢理焦点を合わせると、左手を下げ、乳ローの瞳を見つめた。
「お前は、女に何を与えることができるんだ。なぁ?」
俺は女にどんなメリットを与えることができるのだろうか……。
再び視線を落とすと、地面を見たまま固まってしまった。
「女はメリットがあるかどうかでついていくんだよ。中身でも外見でもいい。権力でも金でも仕事でも趣味でも特技でもキャラクターでも雑学でも何でもいい。お前の武器は何なんだよ。どんな力を持ってるんだ? 女に何を与えることができるんだ?」
「……」
「おい。黙ってないで答えろよ」
「や、や」
親指と人差し指で唇を摘まれると、その先を言わせてくれなかった。
「黙れ!」
いや、今お前が黙るなと……。どんだけ理不尽なんだよ。
「優しさなんて身の毛がよだつ発言は口が裂けても絶対言わせねぇよ。そんなことは誰にでもできることだからな。優しさなんてものは、能力のない男が自分のプライドを守るために縋る最後の手段なんだよ。そのセリフを言ってしまったら男としておしまいなんだぜ」
「ぐっ……」
「まぁ、それでも優しさなんていう気持ち悪ぃセリフを吐きたいならば、差別化できる優しさをせいぜい目指しな」
「わかりました……」
「ガリが『ナンパは男の営業だ』って言ってたろ? 自分の売りをハッキリさせろ。ストロングポイントがなけりゃ女なんかついてくるわけねぇんだからさ。お前のそのアンポンタンな脳みそでよく考えな」
ガリさんに「ポン」と肩を叩かれた。
「乳ローの言うことは確かに一理ある。せやけど、グリーンはまだ模索の段階や。修行していけば何時か必ず辿り着く。落ち込むなぁ。まだまだ道は長いぞぉ。千里の道も一歩からってな」
「ありがとうございます」
と感謝の言葉を発したが、足は確実に重くなっていた。
「いい女がいたから声をかけてくるわぁ。指名ナンパは中断」
と言うと、乳ローは今さっき演説していた面影をサっと消して、走って声をかけにいってしまった。気持ちの切り替えが早すぎる。さすが、敏腕ナンパ師。
「ワイもスト高を見っけたから声をかけてくるわぁ。また後でね」
「あぁ」
と声を漏らす間もなくガリさんも行ってしまい、視線を追ったがすぐに人混みに紛れて消えてしまった。さすが、伝説のナンパ師。それにしても、二人ともあまりにも動きが速すぎる。
確か、「ストリートで容姿のレベルが高い女はスト高と言うんやで」ってガリさんが言ってたっけ。よし、一人になっちゃったし、指名ナンパに頼らず声がかけられるように特訓だ。
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