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三食昼寝、家族付き

第1088話

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 一部で識字率が爆発的に向上した報告を受け、理由を調査させた皇帝が理由を知って頭を抱えたという話を聞きながら、本日のお昼を思案中、何にしよう。

「識字率向上は嬉しいけれど、理由がエロ本だから素直に喜べないだろうな、しかも推奨している人物を辿ると自分の嫁に辿り着くのが笑える」
「返品は百年後でお願いしたいね」

 でも嫁に行ったことで今までより堂々とここに出入りするようになったのはなぜだろうか、味の濃いものや丼物をたらふく食べて行くけど、帝国って味付け薄いのかな?

「今日のお昼はさっぱりこってり何がいいですかー?」
「焼きチーズ」
「しゃっぱり」
「肉!! 肉なら生でも何でもいい!!」
「エビです、伊勢海老!」

 それぞれの好きなものを盛りつけたお子様ランチにしよう。

「イネス、伊勢海老は自分で狩って来てね」
「はい!」

 元気よく返事をすると、ズダダダダと庭に飛び出していった。
 張り切っているからカツオとかマグロも獲れるだろうな、その時は漬け丼にでもしよう、刀雲と騎士様用にワサビ入りも作ってー。
 あ、とろろもいいかも。

 メニュー画面を開き、脳内会議をしていると、きゃぁきゃぁ言いながら子供達が自分たちの欲しいものを好き勝手ポチポチしていた。
 自分の好きなものだけ食べさせると栄養偏っちゃうけど、気配を察知したドリちゃんがものすごい勢いでサラダを作ってるしまぁいいか、ドリアンお盆と小皿の用意もお願いね。

「今日は山小屋も休みだからな、英気を養うためにもスタミナ料理を食べたいなぁ――チーズたっぷり茄子の豚肉巻き!」
『夏の定番、冷やし中華ー!』
「肉、かあちゃ肉の画面を!!」
「採れたて新鮮キュウリと、キュウリの梅醤油和えをお届け! んまいよ! 私は親子丼がいいな!」

 いつも通り自然に会話に乱入するネヴォラ、言いながら持ってきたキュウリをボリボリ齧っている。

「じいちゃんがこれと豆腐交換してって」
「何を作るのかな? 他に欲しいものある?」
「トウバンジャンと鶏がらスープの素! 激安で手に入るなら業務用サイズで!」
「ネヴォラのじいちゃん、次は屋台で何を売るんだ?」
「まーぼーどーふって言ってた」
『からぁい』
「俺が火を噴くな」

 ネヴォラのお弁当を作るために家庭菜園ならぬ菜園領地をもったあのゴブリンなら、そのうち豆腐も手作り始めそうだよね。
 いや、すでに初めているかもしれない。

「ママ、ママ大変です!」
「イネスどうしたの?」
「伊勢海老狙ってたら伊勢海老じゃなくて王子が釣れました!」
「大変だーーーー!!」

 え、最近の王子って池に落ちてるものなの!?
 我が家の池から釣れたってことは、食べれる王子!?

 いや、落ち着こう、落ち着いて、そう、人命救助しなきゃ!
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