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三食昼寝、家族付き
第960話
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お茶会に出すお菓子の目途が立ったので、本日は久々に家族のために料理をしようと思う。
なんて大口を叩いてみたけれど、僕に出来るのは提案と下拵えのお手伝い。料理を作るのはドリちゃんとスラちゃん達なんだよねぇ。
何がいいかなぁ、最近は試作品料理の味見が多かったから、家族が喜ぶ料理を作ってあげたい。
問題は皆が塩を振って焼いただけの肉から豪華絢爛な宮廷料理までなんでも美味しく食べてくれるので、喜ぶ料理が実は「なんでもいい」と同レベルの難問な点かな。
「どうしたらいいと思う?」
「デザートに母上自身を出せば良いだろう」
「エロ魔人セティに相談した僕が愚かだった!」
真顔で言っているあたり本気で言っているんだろうけど、僕が求めている回答とは違う。
だってそれで喜ぶの刀雲と騎士様だけだよね?
子供達やもふもふズの分がすっぽりと抜けているよ。
「ふむ、カイは大人数で同じものを食べることで毒を盛られる可能性を減らしていると言っていた」
「そもそもカイちゃん毒効かないよね、伴侶もカイちゃんの加護で毒無効がついたって聞いたよ」
「続きがある」
「うん」
「母上達はテーブルに料理を並べて食べるだろう、だがこちらでは床に敷いた絨毯の上に座り、手で食事をするのが伝統らしい」
あのスタイルいいよね、刀国のお城で何度か体験したけど楽しかった。
家だとテーブル片付けなきゃいけないからやったことなかったかな?
なるほど、砂漠の国だからアラビアンのイメージが強いのか。
砂漠の民って女神様による妄想の影響が強いよね、肌が浅黒いことから始まり、まさか伝統にまで影響しているとは思わなかった。
「たまには違うスタイルで食べるのも喜ぶのではないか?」
「そうだね、うん、いいかも」
アー君とかそういうの大好きだし、とてもいいアイデアです!
ありがとう、たまにはいいこと言うねエロ魔人!
でも騎士様に手で食べさせるのは抵抗があるから、手ではなくスプーンやフォーク使うけどね。
本人はやりたがるだろうけど、あとで女神様から説教食らいそうなので諦めてもらうしかない。
「でも料理が低い位置にあると神薙さんの食べるスピードに不安が」
「それは知らぬ」
「うぅ酷い」
とりあえずお酒を樽に入れて山積みにしておくべきだろうか、いやそれもどうなんだろう。
「何かおすすめ料理ある?」
「こちらで安定して食べれる料理は大体我が家が広げたものだな、ああでもそうだな、ラム肉はどうだ? 炭火焼で食べると香ばしい」
「大家族で食べれる分確保できる?」
「難しいな」
「ふはははは! 我が名はディアブロ! 悪魔の中の悪魔! 人間よ我が名に震えよ!!」
お皿に盛られたお菓子片手に現れたのはセバスチャン二号だった。
長いな、二号だから……セバツー?
「やめよ! 我に変な名前を付けるな!!」
「だってどうみても執事……セバスチャンの弟子?」
「悪魔が作ったダンジョンの最下層のボス志願だ」
「志願ではない、我こそが真の支配者――」
「これなぁに?」
「家庭で作られる伝統スイーツだな、一口サイズのドーナツにデーツシロップをかけてある。気に入ったら持ち帰ると良い」
「伝統のごり押しが凄いね」
「神の改革を前に、古き伝統を残そうと必死なんだろう」
「女神様に苦情言っておこうか?」
「良い、暇つぶしになる」
「聞いてぇぇ」
めそめそし始めたセバツーをスルーしてスイーツを食べてみた。
カリカリしてるけど、なんというか独特の風味。アー君にあげよう。
「セティありがとうね、準備があるから帰る!」
「うむ、夕食はそちらに行く」
「わかったー!」
えっちゃん帰りましょー。
なんて大口を叩いてみたけれど、僕に出来るのは提案と下拵えのお手伝い。料理を作るのはドリちゃんとスラちゃん達なんだよねぇ。
何がいいかなぁ、最近は試作品料理の味見が多かったから、家族が喜ぶ料理を作ってあげたい。
問題は皆が塩を振って焼いただけの肉から豪華絢爛な宮廷料理までなんでも美味しく食べてくれるので、喜ぶ料理が実は「なんでもいい」と同レベルの難問な点かな。
「どうしたらいいと思う?」
「デザートに母上自身を出せば良いだろう」
「エロ魔人セティに相談した僕が愚かだった!」
真顔で言っているあたり本気で言っているんだろうけど、僕が求めている回答とは違う。
だってそれで喜ぶの刀雲と騎士様だけだよね?
子供達やもふもふズの分がすっぽりと抜けているよ。
「ふむ、カイは大人数で同じものを食べることで毒を盛られる可能性を減らしていると言っていた」
「そもそもカイちゃん毒効かないよね、伴侶もカイちゃんの加護で毒無効がついたって聞いたよ」
「続きがある」
「うん」
「母上達はテーブルに料理を並べて食べるだろう、だがこちらでは床に敷いた絨毯の上に座り、手で食事をするのが伝統らしい」
あのスタイルいいよね、刀国のお城で何度か体験したけど楽しかった。
家だとテーブル片付けなきゃいけないからやったことなかったかな?
なるほど、砂漠の国だからアラビアンのイメージが強いのか。
砂漠の民って女神様による妄想の影響が強いよね、肌が浅黒いことから始まり、まさか伝統にまで影響しているとは思わなかった。
「たまには違うスタイルで食べるのも喜ぶのではないか?」
「そうだね、うん、いいかも」
アー君とかそういうの大好きだし、とてもいいアイデアです!
ありがとう、たまにはいいこと言うねエロ魔人!
でも騎士様に手で食べさせるのは抵抗があるから、手ではなくスプーンやフォーク使うけどね。
本人はやりたがるだろうけど、あとで女神様から説教食らいそうなので諦めてもらうしかない。
「でも料理が低い位置にあると神薙さんの食べるスピードに不安が」
「それは知らぬ」
「うぅ酷い」
とりあえずお酒を樽に入れて山積みにしておくべきだろうか、いやそれもどうなんだろう。
「何かおすすめ料理ある?」
「こちらで安定して食べれる料理は大体我が家が広げたものだな、ああでもそうだな、ラム肉はどうだ? 炭火焼で食べると香ばしい」
「大家族で食べれる分確保できる?」
「難しいな」
「ふはははは! 我が名はディアブロ! 悪魔の中の悪魔! 人間よ我が名に震えよ!!」
お皿に盛られたお菓子片手に現れたのはセバスチャン二号だった。
長いな、二号だから……セバツー?
「やめよ! 我に変な名前を付けるな!!」
「だってどうみても執事……セバスチャンの弟子?」
「悪魔が作ったダンジョンの最下層のボス志願だ」
「志願ではない、我こそが真の支配者――」
「これなぁに?」
「家庭で作られる伝統スイーツだな、一口サイズのドーナツにデーツシロップをかけてある。気に入ったら持ち帰ると良い」
「伝統のごり押しが凄いね」
「神の改革を前に、古き伝統を残そうと必死なんだろう」
「女神様に苦情言っておこうか?」
「良い、暇つぶしになる」
「聞いてぇぇ」
めそめそし始めたセバツーをスルーしてスイーツを食べてみた。
カリカリしてるけど、なんというか独特の風味。アー君にあげよう。
「セティありがとうね、準備があるから帰る!」
「うむ、夕食はそちらに行く」
「わかったー!」
えっちゃん帰りましょー。
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