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三食昼寝、家族付き
第956話
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久々にうっとうしい夢を見た。
僕が生んだのは5つ子で、全てマンドラゴラ。
ダンスしながら生まれてくる嫌な夢だった。
「悪夢で良かった」
「がぁぁぢぁぁ」
『ママ』
「起きた起きた、パパー」
目を開けたら見慣れた天井、次いで鼻水と涙でひどい顔になっている涼玉、シャムスとアー君は月餅を食べながら普段通り。
「樹!」
「イツキ起きたか、ホラ見ろふくふくだぞ」
顔面真っ青な騎士様と、赤ちゃん片腕にデレデレな刀雲、これがパパ偏差値の差!!
生まれたばかりの我が子は、騎士様譲りのふわふわの金髪に瞳は刀雲とお揃いのブラウン、肌は騎士様寄りかな、いやここは僕に似ているってことにしよう。
「大丈夫? どこか辛いところは?」
「問題ありませんよ、ありがとうございます」
「まだ赤ん坊なんだ!」
「あぅー」
刀雲の感動基準にホロリときた。
いつもすぐハイハイしたり、嫁に行ったりしちゃうもんね、うんうん、良かった良かった。
「きゃぁ」
「ふへへへ、べろべろ~」
「きゃぁぅ」
ほのぼのした所でイグちゃんが顔だけ登場、変顔で赤ちゃんをあやし始めた。
怖い、イグちゃん怖いからせめて上半身まで出してくれないかなぁ。
「イグ、子守うまいな」
「ラミアあやしたからな!」
そこで発案されたのが手のひらにお兄ちゃんを合体させるあの絵面が怖すぎる技か、邪神兄弟のあやし方が怖すぎる。
「あぎゃあぁぁぁ」
「こらイグ、それうちの子にやっちゃだめ!」
「えー、ラミアは大喜びだったのにー」
イグちゃんの一発芸を思い出していたらさっそく披露して赤ちゃんを怖がらせ、刀雲に怒られていました。
「はいはい怖かったでしゅね~」
「刀雲、俺も抱っこしたい」
「悪い悪い、じゃあ頭しっかり支えてな」
「うん」
騎士様が、騎士様が育児を頑張っている!!
「はぁ可愛い、手も小さくて可愛い」
「名前はどうするか」
赤ちゃんを抱きながら語彙力が崩壊している騎士様、前はもっと堂々としていた気がするのだけど、やっぱり他人と家族じゃ何か違うのかな。
「エンラ」
「ん? 今のはイツキ?」
「ううん違うよ? 騎士様?」
「誠に申し訳ございません」
突然騎士様が僕と刀雲に向かって謝罪をした。
「エンラー」
「……お知合いですか」
「エンラ!」
「はい」
可愛かった時間は終わったようです、今回も中々早かった。
刀雲は露骨にがっかりしている。
「やぁやぁ我こそは――お腹空いた」
「騎士様、ご飯あげるのでエンラをこっちに」
「はい、お願いします」
「よろしく頼むぞ母上! そして父上! っぶふぉ」
「……この子、騎士様の顔見て噴き出したんですけど!」
「閻羅、春日と魁焔とともに作られた三体の神の一です」
「母上の乳美味いっ! 転生ではないぞ、魂の一部飛ばしただけだ!」
「雷ちゃんと同じかぁ」
また一人、騎士様の追っかけが現れました。
普段どれだけ自分を律しているのか、やたらにテンションが高めです。
「死の領域を司る始祖なんだ」
「ラーシャやその親は俺のひ孫みたいなものだな! ふはははは!」
「もぅなんで皆そんなにテンション高いの!? 刀雲ごめんね、怒ってる? 怒ってる?」
「いや、大丈夫だ。諦めはついた」
中身が騎士様の知り合いで、春日さんとも交流があるなら子育て押し付けちゃおうかなぁ。
僕が生んだのは5つ子で、全てマンドラゴラ。
ダンスしながら生まれてくる嫌な夢だった。
「悪夢で良かった」
「がぁぁぢぁぁ」
『ママ』
「起きた起きた、パパー」
目を開けたら見慣れた天井、次いで鼻水と涙でひどい顔になっている涼玉、シャムスとアー君は月餅を食べながら普段通り。
「樹!」
「イツキ起きたか、ホラ見ろふくふくだぞ」
顔面真っ青な騎士様と、赤ちゃん片腕にデレデレな刀雲、これがパパ偏差値の差!!
生まれたばかりの我が子は、騎士様譲りのふわふわの金髪に瞳は刀雲とお揃いのブラウン、肌は騎士様寄りかな、いやここは僕に似ているってことにしよう。
「大丈夫? どこか辛いところは?」
「問題ありませんよ、ありがとうございます」
「まだ赤ん坊なんだ!」
「あぅー」
刀雲の感動基準にホロリときた。
いつもすぐハイハイしたり、嫁に行ったりしちゃうもんね、うんうん、良かった良かった。
「きゃぁ」
「ふへへへ、べろべろ~」
「きゃぁぅ」
ほのぼのした所でイグちゃんが顔だけ登場、変顔で赤ちゃんをあやし始めた。
怖い、イグちゃん怖いからせめて上半身まで出してくれないかなぁ。
「イグ、子守うまいな」
「ラミアあやしたからな!」
そこで発案されたのが手のひらにお兄ちゃんを合体させるあの絵面が怖すぎる技か、邪神兄弟のあやし方が怖すぎる。
「あぎゃあぁぁぁ」
「こらイグ、それうちの子にやっちゃだめ!」
「えー、ラミアは大喜びだったのにー」
イグちゃんの一発芸を思い出していたらさっそく披露して赤ちゃんを怖がらせ、刀雲に怒られていました。
「はいはい怖かったでしゅね~」
「刀雲、俺も抱っこしたい」
「悪い悪い、じゃあ頭しっかり支えてな」
「うん」
騎士様が、騎士様が育児を頑張っている!!
「はぁ可愛い、手も小さくて可愛い」
「名前はどうするか」
赤ちゃんを抱きながら語彙力が崩壊している騎士様、前はもっと堂々としていた気がするのだけど、やっぱり他人と家族じゃ何か違うのかな。
「エンラ」
「ん? 今のはイツキ?」
「ううん違うよ? 騎士様?」
「誠に申し訳ございません」
突然騎士様が僕と刀雲に向かって謝罪をした。
「エンラー」
「……お知合いですか」
「エンラ!」
「はい」
可愛かった時間は終わったようです、今回も中々早かった。
刀雲は露骨にがっかりしている。
「やぁやぁ我こそは――お腹空いた」
「騎士様、ご飯あげるのでエンラをこっちに」
「はい、お願いします」
「よろしく頼むぞ母上! そして父上! っぶふぉ」
「……この子、騎士様の顔見て噴き出したんですけど!」
「閻羅、春日と魁焔とともに作られた三体の神の一です」
「母上の乳美味いっ! 転生ではないぞ、魂の一部飛ばしただけだ!」
「雷ちゃんと同じかぁ」
また一人、騎士様の追っかけが現れました。
普段どれだけ自分を律しているのか、やたらにテンションが高めです。
「死の領域を司る始祖なんだ」
「ラーシャやその親は俺のひ孫みたいなものだな! ふはははは!」
「もぅなんで皆そんなにテンション高いの!? 刀雲ごめんね、怒ってる? 怒ってる?」
「いや、大丈夫だ。諦めはついた」
中身が騎士様の知り合いで、春日さんとも交流があるなら子育て押し付けちゃおうかなぁ。
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