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三食昼寝、家族付き
第929話
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そういう訳でやって参りましたラミアちゃんの領地。
その名も……なんだろう?
「うおおーー海ーー!!」
「さびれてるのー」
「死んだ目の人間ばっかだな!」
うちの子の勢いが凄い。
陸と海、どちらから訪問しようか協議した結果、アー君の転移でやってきました。
目の前に広がる崩れかけの家屋、道に座り込む住人、荒んだ空気、うん、異世界って感じがする!
街中は特に見るものもなければ美味しそうなものも売ってなかったので、勢いのまま港まで一直線で向かうことにしました。
僕の知る港街ってギレンの領地が基準だから比較するのもどうかと思ったけど、異世界漫画で見る荒んだ感じがそのまま目の前に広がってるのがテンション上がる。
「ここはガキが来るような場所じゃ――」
「うおお、テンプレー!!」
『カツアゲよー!』
「ズボン下げて一物見せろーー!」
「キャーーーー!!」
絡んできたおっちゃんが一瞬で幼児に撃退された。
マールスが口を開くより先に泣いて逃げたよ、なんかごめんなさいね?
ちなみに幼児が現地のおっちゃんと交流を持っているちょっとの間に僕に近づいて来た人はいるけど、声をかける前に闇に沈んだ。
えっちゃん的アウトだったらしい。
整備されていないガタガタの道を徒歩で進む。
普段運動していない上に妊婦な僕はすでにキーちゃんの上ですよ。
なんで保護者誰も連れて来なかったんだろう、僕じゃ制御無理!
この中で一番頼りになるのはえっちゃんだけど外敵への対処が消すの一択、基本うちの子に甘いし、ストッパーには不向きです。
「おいテメェら――」
「マフィアっぽいのきたーーー!!」
「いらないの!」
「掃除だーー!」
先ほどのおっちゃんとは雰囲気が違う、いかにも裏の世界の住人っぽい人が部下とともに登場。
次の瞬間には上半身がモザイクになってました。
「まっず!!」
「ヨム!」
「ヨムちゃん」
「食い残してるぞー」
何ということでしょう、うちのヨムちゃんが悪ガキからすらりとした美男子になっていた。
どうやら神格が上がって一晩明けたら成長していたそうです、港に向かって歩きながら教えてくれた。
あっ、モザイクの残りはえっちゃんが片付けてくれました。お手数かけます。
「おおーー! 浮浪者発見!」
『病気かなぁ?』
「初めて見るな!」
「クリーンかけてみようぜ、クリーン」
崩れかけの家と家の間に倒れている人を発見、止める間もなく駆け寄るうちの子達。
行き倒れは滅多に刀国で見ないから珍しいのだろう、刀国だと道端に倒れているのは大抵酔っ払いか負傷した冒険者だからね。
「行き倒れ、テンプレ一号!」
『ラミアにプレゼントするの』
「ヨムこれ持って」
「はいよ」
つついたりクリーンをかけて満足したのか、ヨムちゃんが肩に担いだ。
確かに街散策中に行き倒れを助けて忠実な仲間を手に入れるのは定番だなぁ、女神の強制力でテンプレをする羽目になったあの行き倒れの人もまさか邪神に拾われる日が来るとは思うまい。
大丈夫、預け先は邪神だけど旦那様は人間だから。
そんな感じで数々のテンプレを苛めながらようやく港に到着。
一番多かったのはカツアゲとスリかなぁ、あとたまに人攫い、この街、とにかく治安が最悪だって事は理解できた。
暫くは邪神一家の良い餌場になりそうですね。
死にたくない人は今のうちに心の入れ替えを頑張ってください。
その名も……なんだろう?
「うおおーー海ーー!!」
「さびれてるのー」
「死んだ目の人間ばっかだな!」
うちの子の勢いが凄い。
陸と海、どちらから訪問しようか協議した結果、アー君の転移でやってきました。
目の前に広がる崩れかけの家屋、道に座り込む住人、荒んだ空気、うん、異世界って感じがする!
街中は特に見るものもなければ美味しそうなものも売ってなかったので、勢いのまま港まで一直線で向かうことにしました。
僕の知る港街ってギレンの領地が基準だから比較するのもどうかと思ったけど、異世界漫画で見る荒んだ感じがそのまま目の前に広がってるのがテンション上がる。
「ここはガキが来るような場所じゃ――」
「うおお、テンプレー!!」
『カツアゲよー!』
「ズボン下げて一物見せろーー!」
「キャーーーー!!」
絡んできたおっちゃんが一瞬で幼児に撃退された。
マールスが口を開くより先に泣いて逃げたよ、なんかごめんなさいね?
ちなみに幼児が現地のおっちゃんと交流を持っているちょっとの間に僕に近づいて来た人はいるけど、声をかける前に闇に沈んだ。
えっちゃん的アウトだったらしい。
整備されていないガタガタの道を徒歩で進む。
普段運動していない上に妊婦な僕はすでにキーちゃんの上ですよ。
なんで保護者誰も連れて来なかったんだろう、僕じゃ制御無理!
この中で一番頼りになるのはえっちゃんだけど外敵への対処が消すの一択、基本うちの子に甘いし、ストッパーには不向きです。
「おいテメェら――」
「マフィアっぽいのきたーーー!!」
「いらないの!」
「掃除だーー!」
先ほどのおっちゃんとは雰囲気が違う、いかにも裏の世界の住人っぽい人が部下とともに登場。
次の瞬間には上半身がモザイクになってました。
「まっず!!」
「ヨム!」
「ヨムちゃん」
「食い残してるぞー」
何ということでしょう、うちのヨムちゃんが悪ガキからすらりとした美男子になっていた。
どうやら神格が上がって一晩明けたら成長していたそうです、港に向かって歩きながら教えてくれた。
あっ、モザイクの残りはえっちゃんが片付けてくれました。お手数かけます。
「おおーー! 浮浪者発見!」
『病気かなぁ?』
「初めて見るな!」
「クリーンかけてみようぜ、クリーン」
崩れかけの家と家の間に倒れている人を発見、止める間もなく駆け寄るうちの子達。
行き倒れは滅多に刀国で見ないから珍しいのだろう、刀国だと道端に倒れているのは大抵酔っ払いか負傷した冒険者だからね。
「行き倒れ、テンプレ一号!」
『ラミアにプレゼントするの』
「ヨムこれ持って」
「はいよ」
つついたりクリーンをかけて満足したのか、ヨムちゃんが肩に担いだ。
確かに街散策中に行き倒れを助けて忠実な仲間を手に入れるのは定番だなぁ、女神の強制力でテンプレをする羽目になったあの行き倒れの人もまさか邪神に拾われる日が来るとは思うまい。
大丈夫、預け先は邪神だけど旦那様は人間だから。
そんな感じで数々のテンプレを苛めながらようやく港に到着。
一番多かったのはカツアゲとスリかなぁ、あとたまに人攫い、この街、とにかく治安が最悪だって事は理解できた。
暫くは邪神一家の良い餌場になりそうですね。
死にたくない人は今のうちに心の入れ替えを頑張ってください。
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