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三食昼寝、家族付き
第918話
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アー君にぷりぷり怒られました。
可愛くてほわほわしてたら、シヴァさんが抱える悪魔にも影響が出てしまい、何と――。
「赤子の姿なだけでも屈辱なのにっ、さらに獣耳追加だと!?」
しかもシャムスとお揃いの狼の黒いお耳。
これにはシヴァさんが大歓喜、崇められた。いや結構です。
「可愛いぞ」
『おしょろい』
「光栄に思うべき!」
尻尾もあるけど気付いていないようなので黙っておこう、気付かれたら怒られるやつだし、怒ったらきっと可愛いので僕が和んでさらに余計なことになるに違いない。
ああそうそう、邪神の民と紹介された子達にはケモミミは生えなったのでご安心を、ここでそんな事したら男の子だけシヴァさんにさらわれちゃう。
「邪神を信仰して迫害されてるならさ、刀国に移住させちゃえよ。後顧の憂いがないように一族丸ごと」
指についた生クリームをぺろりとしながら難しいことを簡単に言うアー君。
『邪神の生息地なの』
「邪神の飼い主もいるぜ! まぁ俺らのパパだけどな!」
「神薙様ちょうかっこいー!」
シャムスと涼玉に続いてネヴォラも楽しそうに笑う。
「けどシヴァが手を出さないなんて、どんな邪神を信仰してるんだ?」
「ここは俺が」
「僕が」
「「解説する!」」
今度こそ説明してみせると双子がアイスを抱えながら会話に乱入、口元についているそれはアイスだね、盛り付けるふりしてつまみ食いかな?
「シヴァが手を出さない理由それは――」
「彼らが助けを求めることすら知らないから。と推測する」
「ああ確かに、さすがの私も助けを求められないと声を拾えないですからね、声に出さずとも、助けを求める心さえあれば世界の裏へでも飛んでいくのですが……」
痛ましいことです。と言いながら悪魔を撫でるシヴァさん。
何気に耳を触って感触を楽しんでいる気がします。
「もうショタと一緒にまとめて寮に放り込もう、シヴァ手続きして。もちろん女子の分もな!」
「ええぇ~~」
アー君の言葉に本気で嫌そうな顔をするシヴァさん、ショタ以外のために動くのが本当に嫌らしい。
「刀羅と鬼羅はパパにこのこと伝えて一族の保護と転移手伝ってもらって、こういうのは素早さが命!」
「そんなっ!」
「パフェ!!」
「次に帰宅した時にスラちゃんに特製パフェ作ってもらうから」
だからアー君の言う通り早く動こうね?
「俺はチョコ味!」
「僕はイチゴで!」
「「絶対ね!」」
双子が転移したのを見届け、アー君がうむ。と一つ頷いた。
「よし、パフェを完成させよう。神薙様帰ってきちゃう」
『いぇーい』
「俺の焼き芋を今こそ飾る時!」
面倒ごとを騎士様と双子に押し付けることに成功したアー君、人手が増えたことをいいことにショタと邪神の民に楽し気に支持を飛ばしている。
「無で作るな! 楽しむか邪神へ祈りながら作れよ!」
『そーよー』
「なんたってこれ、邪神本人が食べるものだしな! ちなみにマールスは邪神の息子!」
「え、叔父様?」
「うむ! 身内である!!」
驚きの声を上げたのは少年少女ではなく、僕を片腕に抱いたままのラミアちゃんだった。
下ろしてほしい、切実に下ろしてほしい。
その後、邪神の民は迅速に保護され、一先ずお城に身柄を預けられた。
一連の騒動は『神隠し事案』として処理され、責任は全部騎士様に押し付けられたらしい。
いつもは神薙さんが名前を貸してくれるけれど、借りる名前は大きい方がいいだろうという刀国の大臣達のノリと神薙さんの後押しによりそんな感じになったんだって。
普段は特に口を出さない神薙さんが口を出したのは、きっと今食べている特大樽パフェのおかげだろう。
「すごい、この辺メロンが丸ごと入ってる」
「凍らせておいたからシャリシャリだぜ!」
『焼き芋は涼ちゃんなの』
「うさぎリンゴはシャム兄のアイデア!」
長い歴史虐げられていた一族が半日もしないで救われたけれど、我が家は通常通りです。
可愛くてほわほわしてたら、シヴァさんが抱える悪魔にも影響が出てしまい、何と――。
「赤子の姿なだけでも屈辱なのにっ、さらに獣耳追加だと!?」
しかもシャムスとお揃いの狼の黒いお耳。
これにはシヴァさんが大歓喜、崇められた。いや結構です。
「可愛いぞ」
『おしょろい』
「光栄に思うべき!」
尻尾もあるけど気付いていないようなので黙っておこう、気付かれたら怒られるやつだし、怒ったらきっと可愛いので僕が和んでさらに余計なことになるに違いない。
ああそうそう、邪神の民と紹介された子達にはケモミミは生えなったのでご安心を、ここでそんな事したら男の子だけシヴァさんにさらわれちゃう。
「邪神を信仰して迫害されてるならさ、刀国に移住させちゃえよ。後顧の憂いがないように一族丸ごと」
指についた生クリームをぺろりとしながら難しいことを簡単に言うアー君。
『邪神の生息地なの』
「邪神の飼い主もいるぜ! まぁ俺らのパパだけどな!」
「神薙様ちょうかっこいー!」
シャムスと涼玉に続いてネヴォラも楽しそうに笑う。
「けどシヴァが手を出さないなんて、どんな邪神を信仰してるんだ?」
「ここは俺が」
「僕が」
「「解説する!」」
今度こそ説明してみせると双子がアイスを抱えながら会話に乱入、口元についているそれはアイスだね、盛り付けるふりしてつまみ食いかな?
「シヴァが手を出さない理由それは――」
「彼らが助けを求めることすら知らないから。と推測する」
「ああ確かに、さすがの私も助けを求められないと声を拾えないですからね、声に出さずとも、助けを求める心さえあれば世界の裏へでも飛んでいくのですが……」
痛ましいことです。と言いながら悪魔を撫でるシヴァさん。
何気に耳を触って感触を楽しんでいる気がします。
「もうショタと一緒にまとめて寮に放り込もう、シヴァ手続きして。もちろん女子の分もな!」
「ええぇ~~」
アー君の言葉に本気で嫌そうな顔をするシヴァさん、ショタ以外のために動くのが本当に嫌らしい。
「刀羅と鬼羅はパパにこのこと伝えて一族の保護と転移手伝ってもらって、こういうのは素早さが命!」
「そんなっ!」
「パフェ!!」
「次に帰宅した時にスラちゃんに特製パフェ作ってもらうから」
だからアー君の言う通り早く動こうね?
「俺はチョコ味!」
「僕はイチゴで!」
「「絶対ね!」」
双子が転移したのを見届け、アー君がうむ。と一つ頷いた。
「よし、パフェを完成させよう。神薙様帰ってきちゃう」
『いぇーい』
「俺の焼き芋を今こそ飾る時!」
面倒ごとを騎士様と双子に押し付けることに成功したアー君、人手が増えたことをいいことにショタと邪神の民に楽し気に支持を飛ばしている。
「無で作るな! 楽しむか邪神へ祈りながら作れよ!」
『そーよー』
「なんたってこれ、邪神本人が食べるものだしな! ちなみにマールスは邪神の息子!」
「え、叔父様?」
「うむ! 身内である!!」
驚きの声を上げたのは少年少女ではなく、僕を片腕に抱いたままのラミアちゃんだった。
下ろしてほしい、切実に下ろしてほしい。
その後、邪神の民は迅速に保護され、一先ずお城に身柄を預けられた。
一連の騒動は『神隠し事案』として処理され、責任は全部騎士様に押し付けられたらしい。
いつもは神薙さんが名前を貸してくれるけれど、借りる名前は大きい方がいいだろうという刀国の大臣達のノリと神薙さんの後押しによりそんな感じになったんだって。
普段は特に口を出さない神薙さんが口を出したのは、きっと今食べている特大樽パフェのおかげだろう。
「すごい、この辺メロンが丸ごと入ってる」
「凍らせておいたからシャリシャリだぜ!」
『焼き芋は涼ちゃんなの』
「うさぎリンゴはシャム兄のアイデア!」
長い歴史虐げられていた一族が半日もしないで救われたけれど、我が家は通常通りです。
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