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三食昼寝、家族付き
第890話
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面白半分でダンジョンボスに会いに行ったら神殿が出来ていた。
さすが元ゴーレム、土の扱いは一級品。
神殿の壁をよく見たら幼児アー君や大人バージョンのアー君が描かれていた。
多少美化されている気もするけれど、間違いなくアー君でした。
「えっちゃん見て、雲までアー君だ」
「!?」
「愛が重いね」
「きしゃぁ」
珍しくえっちゃんが引きつったような声を出している、えっちゃんをドン引きさせるとはやるな。
それにしても本来ならフロアの真正面にいるはずのボスがどこにもいない。
「……ボスどうしたんだろう?」
「主は今、人形の制作に取り組んでおります」
「わぁ、喋り方が流暢になったねぇ」
「神子様のおかげです」
丁寧に頭を下げて礼をしたのは、前回お茶を出してくれた土人形。
土がボコボコと盛り上がったと思ったら目の前に現れたんだよね、この登場の仕方気に入っているのかな?
ちなみに足元には背丈が30㎝ほどの土小人がうろちょろしている。
形が歪だったり角があったりと外見はバラバラだけど、ただ一つ共通しているのがどの子も尻尾があるんだよね。
そう尻尾、にゃんこみたいに細長いタイプのが。
我が家のアー君もこのタイプの尻尾ですね。
「ねぇえっちゃん」
何も知らんと言わんばかりにえっちゃんが首を振る。
「でもほら、この一番歪な子、よく見たらオムツ履いてるんだよ。もしかしてこっちの子の角は……ケモミミ?」
「はい」
わちゃわちゃと好き勝手動いている土小人、どうやらボスがアー君を模って作った子達らしいです。
アー君への愛が重いうえに拗らせているような?
謎能力が早速仕事をしているのか、土で作られたアー君の肌がのっぺりとした土からほわっと毛皮が生えて本物に近くなった。
その過程で歪だった子の外見がチャウチャウみたいな感じになってしまった。
アー君は獅子で、どちらかと言うとネコ科だった気がするけどまぁいいか。
「主はキチンと一人一人に愛情を持っております。このたびの外見の変化により、きっとさらなる寵愛を受けることでしょう」
「それはいいこと、なのかな?」
アー君が知ったら片っ端から破壊しそうな案件ですね。
「君と同じように作った方が早くない?」
「自らの手で作ることにこだわっておいでです」
裏手の薔薇園にいると言われて案内された先では、ダンジョンボスが全身鎧の頭部と手の部分を外した姿で土を捏ねていた。
兜を外した素顔は一般的なゴーレムそのもの、岩のようにゴツゴツしている手で新しいアー君を作るところらしい。
邪魔しては悪いので帰ろうかな?
なんて悩んでいたのが悪かったのか、そもそも面白半分で遊びに来たのがいけなかったのか、ワイワイと団体さんの声が聞こえてきてボスが顔を上げて僕に気付いた。
「ハハウエ」
すでに義理のママさん認定されてるーーー!
さすが元ゴーレム、土の扱いは一級品。
神殿の壁をよく見たら幼児アー君や大人バージョンのアー君が描かれていた。
多少美化されている気もするけれど、間違いなくアー君でした。
「えっちゃん見て、雲までアー君だ」
「!?」
「愛が重いね」
「きしゃぁ」
珍しくえっちゃんが引きつったような声を出している、えっちゃんをドン引きさせるとはやるな。
それにしても本来ならフロアの真正面にいるはずのボスがどこにもいない。
「……ボスどうしたんだろう?」
「主は今、人形の制作に取り組んでおります」
「わぁ、喋り方が流暢になったねぇ」
「神子様のおかげです」
丁寧に頭を下げて礼をしたのは、前回お茶を出してくれた土人形。
土がボコボコと盛り上がったと思ったら目の前に現れたんだよね、この登場の仕方気に入っているのかな?
ちなみに足元には背丈が30㎝ほどの土小人がうろちょろしている。
形が歪だったり角があったりと外見はバラバラだけど、ただ一つ共通しているのがどの子も尻尾があるんだよね。
そう尻尾、にゃんこみたいに細長いタイプのが。
我が家のアー君もこのタイプの尻尾ですね。
「ねぇえっちゃん」
何も知らんと言わんばかりにえっちゃんが首を振る。
「でもほら、この一番歪な子、よく見たらオムツ履いてるんだよ。もしかしてこっちの子の角は……ケモミミ?」
「はい」
わちゃわちゃと好き勝手動いている土小人、どうやらボスがアー君を模って作った子達らしいです。
アー君への愛が重いうえに拗らせているような?
謎能力が早速仕事をしているのか、土で作られたアー君の肌がのっぺりとした土からほわっと毛皮が生えて本物に近くなった。
その過程で歪だった子の外見がチャウチャウみたいな感じになってしまった。
アー君は獅子で、どちらかと言うとネコ科だった気がするけどまぁいいか。
「主はキチンと一人一人に愛情を持っております。このたびの外見の変化により、きっとさらなる寵愛を受けることでしょう」
「それはいいこと、なのかな?」
アー君が知ったら片っ端から破壊しそうな案件ですね。
「君と同じように作った方が早くない?」
「自らの手で作ることにこだわっておいでです」
裏手の薔薇園にいると言われて案内された先では、ダンジョンボスが全身鎧の頭部と手の部分を外した姿で土を捏ねていた。
兜を外した素顔は一般的なゴーレムそのもの、岩のようにゴツゴツしている手で新しいアー君を作るところらしい。
邪魔しては悪いので帰ろうかな?
なんて悩んでいたのが悪かったのか、そもそも面白半分で遊びに来たのがいけなかったのか、ワイワイと団体さんの声が聞こえてきてボスが顔を上げて僕に気付いた。
「ハハウエ」
すでに義理のママさん認定されてるーーー!
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