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女神の呪い
第872話
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パーティーのお披露目に飛び入り参加したえっちゃんは一発芸を披露したり、婚約&成婚が成立したカップルに祝いの花を贈る気遣いまで発揮したりと大活躍。
正直、主役のカップルが霞む勢いで注目を集めてた。
でも皆楽しそうだったし、いいのかな?
えっちゃんのおかげで大人達は楽しくお酒を重ね、フラフラと席を移動する人も出始めた。
この辺りになると子供が宴に飽きてくる。特に幼児は放っておくと何をするか分からないから目を離せないんだけど……ここでもえっちゃんが大活躍した。
「えっちゃんすげー」
『ほあー』
「もう一回!」
お披露目されたカップル達が席を移動したため、無人になった隣室に幼児を中心とした子供達を集め、何と影絵を始めたんだ。
まずえっちゃんは庭に面する障子以外を覆って暗闇を作り、そこで無声白黒映画のように物語を展開。
背景、登場人物、演出全てえっちゃん。
「ママ! えっちゃん凄い、シャムスの絵本を速読して、上映してくれた!」
『僕が大冒険したのよ』
「白黒の奥深さをしった」
「っく、涼玉様の称賛を受けるのは我だけでいいのに!」
僕が差し入れを手に部屋に入ったのは、ちょうど一作目が終了したところだったみたいで、興奮気味に内容を語られた。
新しい世界に触れてほわ~っとなっている涼玉にハンカチを噛む勢いで嘆くマールス、称賛欲しいならえっちゃんにお願いして音声やナレーション役やらせてもらうのはどうだろう?
「始まりの闇の意外な才能に衝撃を受けたよ」
ほぅとため息をついたのはカイちゃん。
どうやらえっちゃんを知っているらしい、まぁそうか、カイちゃんの前世も結構古い存在らしいし知ってても不思議はないか。
えっちゃんの知能と文化レベルの高さに驚きたい所だけど、それより気になることがある。
「食後のデザートまだだったから持ってきたんだけど……」
あっ。という顔をしてアカーシャがそっと後ろに隠したのはシャンメリーかな、クリスマス必須のあれだよね。
貢いだのはギレンしかいないけど、なぜこそこそするかな。
僕も飲みたい。
「数が、少なくて」
「ギレンがケチなのがいけない!」
目を逸らしながら言い訳をするアカーシャ、フォローしながらもパイン味を確保済みのネヴォラ。
「ピーチ味も美味しいよ」
「もう飲めない」
盃に注ぎながら優雅に飲む朱と、アルコールは入っていないのに酔って潰れている青藍。
「母様も一緒に見よう」
「パフェちょうだい」
笑顔で誘う刀羅、パフェを要求する鬼羅。
二人の手には高級そうな箱に入ったチョコ大福。
「こっちは生チョコ、鬼羅のが普通のチョコ」
「父様がクリスマスプレゼントだってくれた」
おのれ騎士様!
僕の分はないんですかーーー!
「お酒の席にいないと思ったらこっちにいたんだねタイガ、何を食べてるの?」
「雪見だいふくというらしい、正月が近いから餅を使ったおやつを研究していたら勧められた。これは試食品で再現に成功したら報酬が出る」
「誰から?」
「春日殿だ」
クリスマスだからだろうか、皆さんが僕の知らない所で子供達を甘やかしまくっていた。
ただ春日さんの場合はメニュー開発の一環な気がするけど。
「それだけおやつあれば大判焼きはいらないね、パパ達に出してくる」
甘いもの平気な人も多いし普通に喜ばれるだろう、さっさと配って影絵鑑賞したい。
「え!?」
『やーよ、食べるの』
「ママ好き、大好き、だからくれー」
一つも口に入らない腹いせに踵を返そうとしたら幼児にしがみつかれました。
「別腹、別腹!」
『みんなで食べるの』
「ママの手作り嬉しいな!」
これを振り切るのはさすがに大人げないか、もう仕方がないなぁ。
でもシャンメリーに合うかな?
まぁいいか異世界だし。
正直、主役のカップルが霞む勢いで注目を集めてた。
でも皆楽しそうだったし、いいのかな?
えっちゃんのおかげで大人達は楽しくお酒を重ね、フラフラと席を移動する人も出始めた。
この辺りになると子供が宴に飽きてくる。特に幼児は放っておくと何をするか分からないから目を離せないんだけど……ここでもえっちゃんが大活躍した。
「えっちゃんすげー」
『ほあー』
「もう一回!」
お披露目されたカップル達が席を移動したため、無人になった隣室に幼児を中心とした子供達を集め、何と影絵を始めたんだ。
まずえっちゃんは庭に面する障子以外を覆って暗闇を作り、そこで無声白黒映画のように物語を展開。
背景、登場人物、演出全てえっちゃん。
「ママ! えっちゃん凄い、シャムスの絵本を速読して、上映してくれた!」
『僕が大冒険したのよ』
「白黒の奥深さをしった」
「っく、涼玉様の称賛を受けるのは我だけでいいのに!」
僕が差し入れを手に部屋に入ったのは、ちょうど一作目が終了したところだったみたいで、興奮気味に内容を語られた。
新しい世界に触れてほわ~っとなっている涼玉にハンカチを噛む勢いで嘆くマールス、称賛欲しいならえっちゃんにお願いして音声やナレーション役やらせてもらうのはどうだろう?
「始まりの闇の意外な才能に衝撃を受けたよ」
ほぅとため息をついたのはカイちゃん。
どうやらえっちゃんを知っているらしい、まぁそうか、カイちゃんの前世も結構古い存在らしいし知ってても不思議はないか。
えっちゃんの知能と文化レベルの高さに驚きたい所だけど、それより気になることがある。
「食後のデザートまだだったから持ってきたんだけど……」
あっ。という顔をしてアカーシャがそっと後ろに隠したのはシャンメリーかな、クリスマス必須のあれだよね。
貢いだのはギレンしかいないけど、なぜこそこそするかな。
僕も飲みたい。
「数が、少なくて」
「ギレンがケチなのがいけない!」
目を逸らしながら言い訳をするアカーシャ、フォローしながらもパイン味を確保済みのネヴォラ。
「ピーチ味も美味しいよ」
「もう飲めない」
盃に注ぎながら優雅に飲む朱と、アルコールは入っていないのに酔って潰れている青藍。
「母様も一緒に見よう」
「パフェちょうだい」
笑顔で誘う刀羅、パフェを要求する鬼羅。
二人の手には高級そうな箱に入ったチョコ大福。
「こっちは生チョコ、鬼羅のが普通のチョコ」
「父様がクリスマスプレゼントだってくれた」
おのれ騎士様!
僕の分はないんですかーーー!
「お酒の席にいないと思ったらこっちにいたんだねタイガ、何を食べてるの?」
「雪見だいふくというらしい、正月が近いから餅を使ったおやつを研究していたら勧められた。これは試食品で再現に成功したら報酬が出る」
「誰から?」
「春日殿だ」
クリスマスだからだろうか、皆さんが僕の知らない所で子供達を甘やかしまくっていた。
ただ春日さんの場合はメニュー開発の一環な気がするけど。
「それだけおやつあれば大判焼きはいらないね、パパ達に出してくる」
甘いもの平気な人も多いし普通に喜ばれるだろう、さっさと配って影絵鑑賞したい。
「え!?」
『やーよ、食べるの』
「ママ好き、大好き、だからくれー」
一つも口に入らない腹いせに踵を返そうとしたら幼児にしがみつかれました。
「別腹、別腹!」
『みんなで食べるの』
「ママの手作り嬉しいな!」
これを振り切るのはさすがに大人げないか、もう仕方がないなぁ。
でもシャンメリーに合うかな?
まぁいいか異世界だし。
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