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女神の呪い

第848話

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 両成敗というからにはネヴォラにも何か追加の罰を。と考えていて何も食べモノじゃなくても、喧嘩しなくなればいいと気付いた。

「……」
「……」

 白と黒の石を使い、同じ色で挟んで相手の石をとるゲーム、リバーシをやらせてみたら無言で延々と対戦し続けています。
 そう言えばエルフって知力が高いんだっけ、エロフしか知らないから忘れてた。

 二人の対戦をアカーシャがギレンに膝枕をしながら見守っている。
 平和な光景ですね。
 
 そこへガヤガヤとアー君を筆頭に追いかけっこしていたメンバーが帰ってきた。

「はー疲れたー。ママおやつー」
「アー君お疲れ。パンケーキでいい?」
「バニラアイス追加してー」
「いいよ」
「捕獲した」
「捕獲された」

 刀雲や騎士様が疲弊しきっているのですが、どんな壮絶な追いかけっこをしたらああなるんだろうか。
 本人は大人の疲労など気にせず、騎士様の脇に大人しく抱えられている。

「何なの本当に、足速すぎ」
「自由って素晴らしい」

 目をキラキラさせながらそう笑う子供。
 でもどこかおかしい。

 ちなみにギレンは騎士様の姿が見えた時点で素早く起き上がり、アカーシャの横に正座している。
 でも不自然に髪がはねているので、膝枕していたのがバレバレだよ?

「イツキ、俺らにも何かくれ」
「はぁい」
「おろせ」
「いや、離したらまた走り出すでしょ」
「融通の効かない男だ」

 やれやれと大げさなため息が聞こえてくるようだ。
 この子はきっと騎士様関係者の転生組なんだろうな、僕って騎士様の御子何人ぐらい産んだんだろう?

「もうじきご飯だからこれだけね」
「わー美味しそう、俺も食べていい?」
「騎士様の分もありますよ」

 労働した大人に出したのは「牡蠣のバターソテー」。

「ギレンが持ってきてくれた中にあった牡蠣でドリちゃんが作ってくれたんだ」
「これはいいなぁ、酒が飲みたくなる」
「やっぱり刀雲もそう思う!?」

 仕方ない、冷えたビールでも出してあげよう。

「イツキ、いいのか?」
「やったぁ、刀雲乾杯しよう!」
「……」
「母様、ギレンにも出してあげて」

 ギレンのじっとりとした視線と、アカーシャの可愛いお願いに負け、ギレンにも一緒にビールを出してあげました。
 運動の後に飲むお酒は美味しいだろうなぁ。

 大人が酒盛りを始めたのでちょっと早いけど夕食にしちゃおうかな。

「酒臭い、離せ」
「まだ一杯目だけど!?」
「イネスおにいちゃんたすけてー」
「なにその棒読みなセリフ――」

 シュンッと風を切る音と同時に騎士様の腕の中から子供が消えた。

「え、俺でも分からなかったんだけど!?」
「お兄ちゃん素敵」
「ふふーん、このままお散歩しましょう」
「はい」

 成獣に変化したイネスが奪ったらしい、しかもそのまま庭の散策に行くようだ。

「イネス、少し早いけどご飯にするけど後で食べる?」
「……お散歩はご飯の後にします」
「俺もそれが嬉しい」

 ゾンビのようにフラフラになったラーシャが現れた!
 振り回されてばかりで大変ですね、スタミナ料理追加で出すから元気出してほしい。

「刀雲、酔っぱらう前に二人の名前考えてね」
「あっ!」

 生まれてすぐ追い回してたから名付けがまだなんだよね。

「僕、神薙さん呼んでくる」

 多分この時間なら南国部屋でスライムエステ受けてるはず。

「俺も名付けしたい」
「……なぁ、いい加減に腹括って家族になったらどうだ?」
「うぐ」

 刀雲に何やら囁かれた騎士様がダメージを負ったようだ。なんだろうね?
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