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女神の呪い
第807話
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家事に役立つようタイガが作ってくれた果物ナイフ、数本あるのだけど取り出したのはアー君が集めた謎素材で作られた物で、銀狼親子やもふもふズの爪の手入れをするのに使っているナイフです。
側面を使うとヤスリとしても使える便利なナイフなんだよ。
「これがどうかした?」
「いや、それ」
「ええぇぇイツキって何者?」
「持ってて平気なの?」
なんだか獣人達が混乱している。
えー普通のナイフだよ?
爪とぎにも使ってるけど。
「お前言えよ」
「こういうのはボスの仕事でしょー」
「そうそう」
「めぇめぇ」
逃げ腰のボスの背を仲間がぐいぐいと押している。
しばらく抵抗したのち、多数決には勝てずに渋々僕と向き合った。
ぺたりとなった耳と垂れた尻尾が可愛いですね。
「それ、神の剣」
「家庭用果物ナイフだよ?」
「もぉやだコイツ、これだけキツイ気を発してるのに気づいてねぇよぉぉ」
オカンが泣いた。
神の剣って言われてもなぁ、タイガの手作り品だしなぁ?
素材はちょっと不明だけど。
タイガ作ってだけで値段は跳ね上がるから、オークションで売ればお金ザックザク。
売らないけどね!
「これはどこで手に入れた?」
「息子が作ってくれたの」
「……そういや子持ちだったか」
「えぇどんなご家庭?」
「とりあえず、使ってみよう!」
「誰も使えねぇよ!」
「多分だけど俺使える!」
ドラゴニュートがひょいっとナイフを手に取った。
「おいおいおい、大丈夫か、手とか吹っ飛ばない?」
「魔力吸われてないか?」
「平気か? 体は?」
獣人って仲間思いだよね、ほのぼのする。
「なんか意外と平気、むしろすっごい手に馴染む。よし、やっるぞー!」
「おいそんな乱暴に振り上げて危な――」
サクッと、まるでケーキを切り分けるように巨大な亀の体が真っ二つになった。
「すっげー」
「ひょー」
「えっ、直接触ってないよな? なぁなんで誰も突っ込まないの?」
感激する獣人達、一人涙目のボス。
常識があって理性が残っているとこういう時大変ですね!
「って、血が流れるー」
「きゃーもったいなーい!」
「樽は、樽はないのー!」
ハイハイ樽ならありますよ。
「中身ワイン入ってたやつだけどいい?」
「この際、細かいことは気にしたくない!」
「ください!」
「すげぇでっかい魔石出てきたよー」
ぎゃーぎゃー言いながら獣人達が解体を進めている。
僕は真っ二つになった本体は見れるけど、切断された部分にはモザイクがかかっています。
「お前ら、庭が血の海になる前に穴を掘って血を流し込むぞ!」
「任せてー」
「え?」
ボスの声に応えたドラゴニュートが手を挙げてひゅーんと空に舞い上がった。
「テメェら逃げろーー!」
「「きゃーーー!」」
「そーれー」
気の抜けた掛け声と同時に庭にでっかい穴が開きました。
穴が深すぎて底が見えません、ちょっと力込めすぎだと思う。
側面を使うとヤスリとしても使える便利なナイフなんだよ。
「これがどうかした?」
「いや、それ」
「ええぇぇイツキって何者?」
「持ってて平気なの?」
なんだか獣人達が混乱している。
えー普通のナイフだよ?
爪とぎにも使ってるけど。
「お前言えよ」
「こういうのはボスの仕事でしょー」
「そうそう」
「めぇめぇ」
逃げ腰のボスの背を仲間がぐいぐいと押している。
しばらく抵抗したのち、多数決には勝てずに渋々僕と向き合った。
ぺたりとなった耳と垂れた尻尾が可愛いですね。
「それ、神の剣」
「家庭用果物ナイフだよ?」
「もぉやだコイツ、これだけキツイ気を発してるのに気づいてねぇよぉぉ」
オカンが泣いた。
神の剣って言われてもなぁ、タイガの手作り品だしなぁ?
素材はちょっと不明だけど。
タイガ作ってだけで値段は跳ね上がるから、オークションで売ればお金ザックザク。
売らないけどね!
「これはどこで手に入れた?」
「息子が作ってくれたの」
「……そういや子持ちだったか」
「えぇどんなご家庭?」
「とりあえず、使ってみよう!」
「誰も使えねぇよ!」
「多分だけど俺使える!」
ドラゴニュートがひょいっとナイフを手に取った。
「おいおいおい、大丈夫か、手とか吹っ飛ばない?」
「魔力吸われてないか?」
「平気か? 体は?」
獣人って仲間思いだよね、ほのぼのする。
「なんか意外と平気、むしろすっごい手に馴染む。よし、やっるぞー!」
「おいそんな乱暴に振り上げて危な――」
サクッと、まるでケーキを切り分けるように巨大な亀の体が真っ二つになった。
「すっげー」
「ひょー」
「えっ、直接触ってないよな? なぁなんで誰も突っ込まないの?」
感激する獣人達、一人涙目のボス。
常識があって理性が残っているとこういう時大変ですね!
「って、血が流れるー」
「きゃーもったいなーい!」
「樽は、樽はないのー!」
ハイハイ樽ならありますよ。
「中身ワイン入ってたやつだけどいい?」
「この際、細かいことは気にしたくない!」
「ください!」
「すげぇでっかい魔石出てきたよー」
ぎゃーぎゃー言いながら獣人達が解体を進めている。
僕は真っ二つになった本体は見れるけど、切断された部分にはモザイクがかかっています。
「お前ら、庭が血の海になる前に穴を掘って血を流し込むぞ!」
「任せてー」
「え?」
ボスの声に応えたドラゴニュートが手を挙げてひゅーんと空に舞い上がった。
「テメェら逃げろーー!」
「「きゃーーー!」」
「そーれー」
気の抜けた掛け声と同時に庭にでっかい穴が開きました。
穴が深すぎて底が見えません、ちょっと力込めすぎだと思う。
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