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女神の呪い
第803話
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そう言えば毎日楽しく過ごしていて気にするの忘れていたことがあります。
「ここ、どこ」
「今更だ」
「今更っすね~」
「メェ~」
今日は軟禁されている場所にある図書館に来てみました。
お庭探検とお昼寝だけじゃ飽きてきたみたいなんだ、お腹の子が。
いいじゃないか日向ぼっこ、程よい日光、全身を包む七色の羊の毛皮、最高なのになー。
「シエト砂漠、シャトリエ国にある離宮の一つだ」
地名と国名言われても分かんない。
やばいなー、カイちゃんにバレないよう気をつけねば。
「砂漠って暑いイメージあるのに、全然暑くないね」
「いや、ふつうはあついはずなんだ」
今気付いたらしいボスの言葉が変な感じになった。
「変だ」
「今更っすよー」
「メェ~」
「女神様、喉乾いたでーす」
「はぁい」
ここで取り出したるは砂漠の水がめ改良版、砂漠のヤシの実です。
ストローを取り出して実にズボッと刺して所望した子に渡す、飲み終わったらいつものようにストローごと食べて証拠隠滅お願いね。
木の実で作られたものなのでゴミ知らずですよ! ドリちゃん凄いよね。
「メ、メェェ」
「俺が解説するの? えぇ~」
七色の羊が狐さんに頭突きして何やら訴えている。
あちらの話し合いが終わるまで図書館を見学しよう、うーん、本がいっぱいあるなぁ、これって放置されてるのかな、埃っぽい。
クリーンかけちゃえ。
中身は砂漠の歴史に関する難しい考察の本、カイちゃんが好きそうだなぁ、慰謝料代わりにもらっちゃおうかしら。
「お前……魔法使えるのか」
「うん、まともに使えるのはこれだけだけどね」
生活魔法っぽい便利なあれこれは使えない、僕が使えるのは神薙さんが授けてくれたクリーンだけ。
ありがとう神薙さん、ありがとう邪神様。
「えっと、この離宮は今はもう使われてないんだよね、そこにイツキが俺ら廃棄寸前の獣人と一緒に軟禁されたのは――うえぇぇ、言うの? こんな小さな子に!?」
「あの、僕は一応成人してます」
確かこの世界の成人は15だからギリギリ成人してるんだよ。
申告したら獣人の皆さんに声が出ないほど驚かれた。
「あと子供もいるしなんなら孫もいます」
バタバタと数匹が失神した。
獣人繊細。
子供の身分開示は今日はやめておこう、心臓が止まるかもしれない。
「話の続きを」
「コイツ、分かってきたが、神経が図太いどころじゃねぇ」
「ボス後はお願いします!!」
「メェッ!」
「気が荒立っている獣人と一緒の檻に入れて、あわよくばお前を害して始末を望まれたんだろうよっ!!」
怒鳴るように裏事情を教えてくれました。
ボス、もうちょっと気軽に生きないと毛が抜けて禿げちゃうよ?
そうだ怒っているついでにもう一つ爆弾落としておかなきゃ、後になってバレて怒られるのは僕と、そして護衛していた獣人さん達だしね!
「待て、お前何を言おうとしている」
「言わないと後でなぜ言わなかったと怒られるようなことを」
「……」
頭痛が痛いみたいな顔で眉間を揉んでいる。
ボスはどうやら苦労性らしい、狐さんは羊の毛皮に顔を埋めて癒してもらっているようだ。気持ちいいよねそのもふもふ。
「もう言っちまえ」
「僕妊娠してます」
ボスが立ったまま失神した。
失神から立ち直った人達も壁側を向いてブツブツ言い始めた。
このカオスは僕のせいですね、ごめんなさい?
でも神様の御子じゃないからまだセーフだと思うんだよね、神様の御子だったら召喚に巻き込まれた時点で国が滅びて迎えが来てた気がする。
「ここ、どこ」
「今更だ」
「今更っすね~」
「メェ~」
今日は軟禁されている場所にある図書館に来てみました。
お庭探検とお昼寝だけじゃ飽きてきたみたいなんだ、お腹の子が。
いいじゃないか日向ぼっこ、程よい日光、全身を包む七色の羊の毛皮、最高なのになー。
「シエト砂漠、シャトリエ国にある離宮の一つだ」
地名と国名言われても分かんない。
やばいなー、カイちゃんにバレないよう気をつけねば。
「砂漠って暑いイメージあるのに、全然暑くないね」
「いや、ふつうはあついはずなんだ」
今気付いたらしいボスの言葉が変な感じになった。
「変だ」
「今更っすよー」
「メェ~」
「女神様、喉乾いたでーす」
「はぁい」
ここで取り出したるは砂漠の水がめ改良版、砂漠のヤシの実です。
ストローを取り出して実にズボッと刺して所望した子に渡す、飲み終わったらいつものようにストローごと食べて証拠隠滅お願いね。
木の実で作られたものなのでゴミ知らずですよ! ドリちゃん凄いよね。
「メ、メェェ」
「俺が解説するの? えぇ~」
七色の羊が狐さんに頭突きして何やら訴えている。
あちらの話し合いが終わるまで図書館を見学しよう、うーん、本がいっぱいあるなぁ、これって放置されてるのかな、埃っぽい。
クリーンかけちゃえ。
中身は砂漠の歴史に関する難しい考察の本、カイちゃんが好きそうだなぁ、慰謝料代わりにもらっちゃおうかしら。
「お前……魔法使えるのか」
「うん、まともに使えるのはこれだけだけどね」
生活魔法っぽい便利なあれこれは使えない、僕が使えるのは神薙さんが授けてくれたクリーンだけ。
ありがとう神薙さん、ありがとう邪神様。
「えっと、この離宮は今はもう使われてないんだよね、そこにイツキが俺ら廃棄寸前の獣人と一緒に軟禁されたのは――うえぇぇ、言うの? こんな小さな子に!?」
「あの、僕は一応成人してます」
確かこの世界の成人は15だからギリギリ成人してるんだよ。
申告したら獣人の皆さんに声が出ないほど驚かれた。
「あと子供もいるしなんなら孫もいます」
バタバタと数匹が失神した。
獣人繊細。
子供の身分開示は今日はやめておこう、心臓が止まるかもしれない。
「話の続きを」
「コイツ、分かってきたが、神経が図太いどころじゃねぇ」
「ボス後はお願いします!!」
「メェッ!」
「気が荒立っている獣人と一緒の檻に入れて、あわよくばお前を害して始末を望まれたんだろうよっ!!」
怒鳴るように裏事情を教えてくれました。
ボス、もうちょっと気軽に生きないと毛が抜けて禿げちゃうよ?
そうだ怒っているついでにもう一つ爆弾落としておかなきゃ、後になってバレて怒られるのは僕と、そして護衛していた獣人さん達だしね!
「待て、お前何を言おうとしている」
「言わないと後でなぜ言わなかったと怒られるようなことを」
「……」
頭痛が痛いみたいな顔で眉間を揉んでいる。
ボスはどうやら苦労性らしい、狐さんは羊の毛皮に顔を埋めて癒してもらっているようだ。気持ちいいよねそのもふもふ。
「もう言っちまえ」
「僕妊娠してます」
ボスが立ったまま失神した。
失神から立ち直った人達も壁側を向いてブツブツ言い始めた。
このカオスは僕のせいですね、ごめんなさい?
でも神様の御子じゃないからまだセーフだと思うんだよね、神様の御子だったら召喚に巻き込まれた時点で国が滅びて迎えが来てた気がする。
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