神様のポイント稼ぎに利用された２

湯水のごとくお金を使おう

第755話

　ヨムちゃんの卵のうち、神聖な感じの子は前に遊びに行った霊峰に、邪悪な感じの子は雷ちゃんの養子として引き取られることになった。

「あーだー」
「らーい」

　残されたのは僕が産んだ二人。
　あぅあぅ言いながら雷ちゃんに絡んだり、セティに甘えたりと忙しい。

「雷ありがとなー、そんでもう一個産んだんだけど、これ俺が育てていーい？」
「やめぇい、我が子供らと一緒に育てて心身を鍛えたら選ばせるゆえ、とりあえずヨムとセティは子作りをするでない！」

　あれから三日と経ってないんだけど、養子先を決めた雷ちゃんが報告に来たらヨムちゃんが追加の卵を産んでいました。
　こちらも雷ちゃんが連れて帰るようです。

「それは無理だ、ヨムは可愛い。あと体の相性がとても良い」
「えへへー」
「あと何人欲しい？」
「産むの慣れたから何人でも産めるぞ！」
「頼むから、やめろ」

　これだけ仲が良いけど番ではないんだよねぇ、まぁ世界観が乱れているからこの辺はもう諦めるか悟りを啓くしかない。

「とりあえず、霊峰に養子に出した卵の報告をするからな」
「うん！　もう卵から孵ったか？」
「白銀の蛇だった。あと霊峰の主に番として認識された」
「出会い早っ！」
「雷、プリン出来たが食べるか？」
「食べる」

　作ったプリンを刀雲が皆に配ったけど、雷ちゃんのプリンは二段重ねで生クリーム付きだった。

「この分だと我が引き取る卵も早々に伴侶が見つかるかもしれんな」
「ママの子供だからな！」
「人化はしそうか？」
「こればかりは成長してみないと分からぬ」

　真面目に受け答えしながら、しっかりとプリンを味わう雷ちゃん。
　本当にプリン、特に刀雲の作ったプリン好きだよねぇ。

「あっ、産まれる」
「はぁぁ！？」

　プリンを食べ終わったヨムちゃんがお腹を押さえ、んーーーっと唸った直後、口からコロッと小さな卵を産んだ。
　口から産むほうが楽らしいです、だからと言ってポンポン産みすぎだと思う。

「……」

　ほら雷ちゃんがプリン片手にフリーズしてる。

「こいつは水属性かなー？　トラちゃーん」
「あっ、こら！」

　トラちゃんを呼んだと思ったら、ヨムちゃんが産みたての卵を池に向かって投げた。
　良い子も悪い子も真似しないでねーーー！！

　パシャリ

　投げられた卵をトラちゃんが水の玉でキャッチ、しかもその中で卵が割れて子供が出てきた。

　……いやぁ、目の錯覚かなぁ。
　ヨムちゃんが口から出したサイズは掌サイズより小さかったはず、でもトラちゃんがキャッチした時はダチョウ卵サイズだった。
　しかも生まれたの蛇じゃなく人型でした。

　もう何が何だか。

「水神……」

　もそもそと残りのプリンを食べ終えた雷ちゃんは、三つの卵と池で泳ぐ少年を回収するとフラフラしながら帰っていった。
　SAN値削られまくったけど大丈夫かな？