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湯水のごとくお金を使おう

第746話

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 黄金の髪は太陽のごとく。
 瞳は空を映す蒼とブラウンのオッドアイ。
 均整のとれた芸術品のような美しい肉体に、父親譲りの褐色肌。

 美形ですね。
 ちょうが付くイケメン。

 相変わらず僕の遺伝子が仕事をしていないのはまぁいい、でも父親二人の特徴を良いとこどりした結果、なんていうか……。

「僕の息子っていうより、刀雲と騎士様の御子って感じがします!」

 あっちのふわふわの子が僕に言った「おかあさま」ってつまり「お義母様」だったのね、綺麗な息子が増えたと喜んだけど、起きたらゴツイ方が息子だった!
 二人は番っぽいからふわふわな方も僕の息子みたいなものだけども!

 苦情を叫んだ現在、機嫌を取ろうとしたのだろう、イケメン息子に片腕で抱っこされた状態で湖の上を散歩しております。
 暴れたら落ちる!
 落ちたらきっと沈むよね、タイガの説教は遠慮したいので大人しくします。

 うーん、嫁はいいのだろうか。

「許す」
「?」

 何を許すんだろうと思ったらイケメン息子の足元にリュウグウノツカイが登場、背中に僕らを乗せて優雅に泳ぎだした。
 これはこれで楽しい!

「母よ楽しいか?」
「うん!」

 そのままどこに行くかと思ったら対岸に到着、アー君と遊んでくれた魔物が勢揃いしていた。
 あっ、ボール持ってる。
 これから遊ぶつもりだったのかな。

「降ろしてー」

 魔物を前に警戒したイケメン息子に気付かずに、ひょいと腕の中から降りて魔物に近付いた。

「君達、アー君と遊んでくれた子だよね」

 同意するように必死に頷く魔物達に、リュウグウノツカイがここに連れてきた理由が何となく分かった。

「ごめんね、アー君は今日はいないんだ」
「!!」
「兄弟と旅行に行ったんだよ、また遊びに来るかもしれないから、その時は一緒に遊んであげてね」

 一番手前にいた熊っぽい魔物がボールを落とすほどショックを受けていたので、足元に転がってきたボールを拾って渡しながらお願いした。
 ちょっと涙目になっていたけれど、アー君に恋でもしたのだろうか。
 幼児だけど白熊ダロスという婚約者いるし、案外アー君は熊に好かれやすいのかもしれない。

 何となく思いついてバレーボールを教えてみたら、打倒アー君と言わんばかりに盛り上がりをみせた。

 そのままイケメン息子を放置して魔物と遊び、汗だくになった所で回収されました。

「一緒に遊びたかった?」
「……」

 キャッキャウフフと遊ぶ魔物から離れて日陰になっている水辺に移動、無言で服をはぎ取られ、湖で強制水浴びさせられた。
 水温高いからいいけどねー、はー気持ちいい。

 そこで終われば魔物と遊んだ楽しい思い出で済んだのだけど……そうは女神が卸さなかった。

 水の中に入ってきたので、一緒に水浴びするのかと思いきや。
 溢れ出る色気を浴びせながら近付いてきて、美味しく頂かれました。

 ゴッドハンドの騎士様。
 ケダモノの刀雲。

 まさかこっちの才能も父親から譲り受けているとは思わなかったなぁ。
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