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湯水のごとくお金を使おう
第708話
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帰宅した刀雲がアー君を抱っこしながら一言。
「騎士団の予算に突然『交遊費』として大金が出現した」
出現ってなんだ?
アー君、一体どんな寄付の仕方したの?
「財務大臣に「そのお金は孤児院に押し付けて、国庫のお金使いませんか?」って聞かれたぞ」
「うひひ」
そんなセリフを言うのは世界広しと言えど刀国だけだと思う。
「この悪戯坊主め」
「うひゃひゃ」
鼻をポチっと押されたアー君がご機嫌で笑っている。
「刀雲、お客様が来る前に子供達とお風呂入っちゃって」
「分かった」
『お揃いの甚平着るの』
「仲良し親子!!」
「ふははは、参りましょうぞ!」
アカーシャはモールに行って手配ついでにエステを受けてきたらしい、料理が出来上がった頃に戻ってきたアカーシャはお肌がつやつやでした。
爺やさん、足止めをありがとうございます。
本日のビアガーデン、庭に用意した席はアラビアン風な感じ。
絨毯の上に低いテーブルを設置、周りにソファやクッションを置き、お好みの席で寛げるようにしました。
お子様は座敷、こちらはお酒の飲める大人用のシートになります。
ドリアンが忙しく料理を並べる中、招待客が続々とやってきた。
「シャムス様、お招きありがとうございます」
「ねりちゃん!」
「こちら、新作ですわ」
「きゃー!」
大人とは別枠で、それぞれお友達も呼んだようだ。
ネリちゃんはシャムスが愛読する絵本の作家、冒険ものからほのぼの系まで幅広いのだけど、裏活動として耽美な腐小説の執筆活動もしている。
あとシャムスの謎文字を解読できる数少ない人物の一人、ただの人間のはずだけど、シャムスの加護を受けている時点でちょっと怪しい。
どこかの国の公爵令嬢だった気がするけど、もはやその面影は縦巻きドリルにしか残っていない。自分でセットしているのだろうか?
マシュー君とナーガもやってきて、迷わずシャムスの側に侍った。
僕の腕の中には新米で作ったお酒があるのだけど、いつ受け取ったんだろうね?
「父親だー」
「パパと呼んでもよいのだぞ?」
「大人はあっちの席な」
「そんなー」
涼玉パパも呼んでもらったらしい、ところでお名前何でしたっけ?
なんか、こう、食べ物系に似た名前だったような?
「海老ドリアです!」
「残念だったなイネス、それは海老グラタン!」
ああそうそう、グラちゃんだ。
掘り出し物情報をくれると冒険者の間で定評があり、境内にあるお店の売り上げにも貢献しているとアー君らの評判も上々です。
「イツキー!」
「ネヴォラいらっしゃい、ふっくら健康そうだねー」
「ありがと! あっ、ギレン! おらおらー!」
「げっ、ネヴォラもいるのかよ!」
「ネヴォラおいで」
「アカーシャー」
ギレンに飛び蹴りをする寸前、アカーシャが両手を広げて呼んだのでネヴォラは迷わずその腕に飛び込んだ。
「ふふ、こうして三人でいると僕ら親子みたいだね」
「「……」」
苦虫を噛み潰したような顔を同時にする二人、ああ、うん、親子っぽいね。
「今日は焼き肉もあるんだよ、仲良くね」
「肉! ギレンは気に入らないけどアカーシャが食べさせてくれるなら同席許してやる!」
「――っ!!」
大声で反論しようとしたギレンだったけど、アー君の視線に気付いて色々な感情を飲み込んだ。
シャムスが楽しく過ごせる事が一番大事なアー君の前では、ギレン個人の感情なんて些細な問題なんだろうなぁ。
「ハイダルどうしたの、早く座ろう」
「あ、ああ」
「父上、さぁこちらへ」
カイちゃんとともに現れたハイダル君、手近な所に座ろうとしたのに突如現れた魔王様にカイちゃんを奪われ、後を追おうとしたけどその先にあるのが神々の席だと気付いて足を止めかけ、お風呂から戻った刀雲に捕まって大人用席へご案内された。
過激な保護者が多くて大変ですね。
でもこっちの席には小姑がいるから、それはそれで厄介ですよ~。
「騎士団の予算に突然『交遊費』として大金が出現した」
出現ってなんだ?
アー君、一体どんな寄付の仕方したの?
「財務大臣に「そのお金は孤児院に押し付けて、国庫のお金使いませんか?」って聞かれたぞ」
「うひひ」
そんなセリフを言うのは世界広しと言えど刀国だけだと思う。
「この悪戯坊主め」
「うひゃひゃ」
鼻をポチっと押されたアー君がご機嫌で笑っている。
「刀雲、お客様が来る前に子供達とお風呂入っちゃって」
「分かった」
『お揃いの甚平着るの』
「仲良し親子!!」
「ふははは、参りましょうぞ!」
アカーシャはモールに行って手配ついでにエステを受けてきたらしい、料理が出来上がった頃に戻ってきたアカーシャはお肌がつやつやでした。
爺やさん、足止めをありがとうございます。
本日のビアガーデン、庭に用意した席はアラビアン風な感じ。
絨毯の上に低いテーブルを設置、周りにソファやクッションを置き、お好みの席で寛げるようにしました。
お子様は座敷、こちらはお酒の飲める大人用のシートになります。
ドリアンが忙しく料理を並べる中、招待客が続々とやってきた。
「シャムス様、お招きありがとうございます」
「ねりちゃん!」
「こちら、新作ですわ」
「きゃー!」
大人とは別枠で、それぞれお友達も呼んだようだ。
ネリちゃんはシャムスが愛読する絵本の作家、冒険ものからほのぼの系まで幅広いのだけど、裏活動として耽美な腐小説の執筆活動もしている。
あとシャムスの謎文字を解読できる数少ない人物の一人、ただの人間のはずだけど、シャムスの加護を受けている時点でちょっと怪しい。
どこかの国の公爵令嬢だった気がするけど、もはやその面影は縦巻きドリルにしか残っていない。自分でセットしているのだろうか?
マシュー君とナーガもやってきて、迷わずシャムスの側に侍った。
僕の腕の中には新米で作ったお酒があるのだけど、いつ受け取ったんだろうね?
「父親だー」
「パパと呼んでもよいのだぞ?」
「大人はあっちの席な」
「そんなー」
涼玉パパも呼んでもらったらしい、ところでお名前何でしたっけ?
なんか、こう、食べ物系に似た名前だったような?
「海老ドリアです!」
「残念だったなイネス、それは海老グラタン!」
ああそうそう、グラちゃんだ。
掘り出し物情報をくれると冒険者の間で定評があり、境内にあるお店の売り上げにも貢献しているとアー君らの評判も上々です。
「イツキー!」
「ネヴォラいらっしゃい、ふっくら健康そうだねー」
「ありがと! あっ、ギレン! おらおらー!」
「げっ、ネヴォラもいるのかよ!」
「ネヴォラおいで」
「アカーシャー」
ギレンに飛び蹴りをする寸前、アカーシャが両手を広げて呼んだのでネヴォラは迷わずその腕に飛び込んだ。
「ふふ、こうして三人でいると僕ら親子みたいだね」
「「……」」
苦虫を噛み潰したような顔を同時にする二人、ああ、うん、親子っぽいね。
「今日は焼き肉もあるんだよ、仲良くね」
「肉! ギレンは気に入らないけどアカーシャが食べさせてくれるなら同席許してやる!」
「――っ!!」
大声で反論しようとしたギレンだったけど、アー君の視線に気付いて色々な感情を飲み込んだ。
シャムスが楽しく過ごせる事が一番大事なアー君の前では、ギレン個人の感情なんて些細な問題なんだろうなぁ。
「ハイダルどうしたの、早く座ろう」
「あ、ああ」
「父上、さぁこちらへ」
カイちゃんとともに現れたハイダル君、手近な所に座ろうとしたのに突如現れた魔王様にカイちゃんを奪われ、後を追おうとしたけどその先にあるのが神々の席だと気付いて足を止めかけ、お風呂から戻った刀雲に捕まって大人用席へご案内された。
過激な保護者が多くて大変ですね。
でもこっちの席には小姑がいるから、それはそれで厄介ですよ~。
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